- Kindle Scribeは『電子書籍への手書きメモ機能』に対応
- “電子書籍に直接メモ書きできるわけではない”のが大前提
- 現状は“大画面Kindle”がメインで“手書き機能”はオマケ
本稿では、Amazon Kindle Scribeの『電子書籍への手書きメモ機能(付箋機能)』における、できること・できないこと、をまとめています。
手書き端末ではあるけど、あくまでKindleリーダー主体、というわけですね。
ピュアな電子ペーパータブレットじゃないもんね。
目次
Kindle Scribeの『電子書籍への手書きメモ機能』
従来のKindleシリーズとは異なり、この『Kindle Scribe』は、Kindle形式での電子書籍(以下、Kindle本)に手書きメモを書き加えることが可能となっています。
手書きメモではないメモ、すなわち、テキストメモについては、従来のKindle端末やKindleアプリでも、Kindle本に貼付することが可能です。なお、Kindle本へのテキストメモは、Kindle Scribeにも機能として実装されています。
- テキスト形式
- 手書き形式
- テキスト形式
Kindle本へのメモ機能をまとめると上記のとおりで、Kindle Scribeのみ手書きメモ機能が実装されているというわけです。
そうそう、「iPad版Kindleでも、Apple Pencilを使って手書きメモできるのでは?」とお思いになるユーザーもいるはず。筆者もそう思い、iPad版Kindleを最新のバージョンにして確認したのですが、こちらには手書きメモ機能は実装されておりませんでした。今後、iPad版Kindleにも実装される可能性はあるかもしれませんが、今のところはKindle Scribe専用の機能となっております。
iPad版Kindleで手書きメモ機能が使えちゃうと、「Kindle Scribe要らなくね?」となりそうだし、実装される望みは薄そうですな。
そこまで囲い込む必要があるかは別として、デバイスごとの機能に差異があることには注意が必要ですわね。
『電子書籍への手書きメモ機能』の大前提
Kindle Scribeの『電子書籍への手書きメモ機能(付箋機能)』ですが、Kindle本に直接手書きメモを残せるわけではありません。Kindle本への手書きメモは、電子書籍内のテキストに付箋として貼付する形式になっています。
Kindle本のページに直接書き込めるわけではないため、使いこなすには慣れが必要でしょう。紙の書籍に書き込むのとはまったく異なる所作が求められてくるので、人によってかなり好みが分かれてくる仕様と言えそうです。
Kindle本じゃなくて、PDFとして取り込んで書き込むなら話は別だけどねー。
それやと、別にKindle Scribeじゃなくてもよくなるけどね。
『電子書籍への手書きメモ機能』の制限
このKindle Scribeの『電子書籍への手書きメモ機能(付箋機能)』ですが、すべてのKindle本に手書きメモを残せるわけではありません。
ここが最大の注意点になるのですが、これだけだと分かりづらいので、実例を交えて『電子書籍への手書きメモ機能(付箋機能)』における制限を解説していきます。
①『フィックス型』は手書きメモ非対応
電子書籍のレイアウトには『リフロー型』と『フィックス型』がありますが、このうち『フィックス型』のKindle本については、手書きメモを残すことはできません。
そもそも論になるのですが、フィックス型のKindle本においては、Kindleの『付箋』が使えません。なので、テキストメモも残すことができません。つまり、フィックス型のKindle本に、メモそのものを残すこと自体が非対応というわけです。
レイアウト崩れを防ぐため、雑誌や技術書の大半にはフィックス型の形式が採用されております。ですので、Kindleで技術書を購入しており、その学習用途としてKindle Scribeの手書きメモを使おうとしているのであれば、(今のところは)まったくおすすめできません。
文字サイズ等が可変式の電子書籍レイアウト。
テキスト主体の小説などに用いられることが多い。
文字サイズ等が固定式の電子書籍レイアウト。
テキストと図が混同する専門書などに用いられることが多い。
②『リフロー型』は手書きメモ対応
フォントサイズが変更可能な『リフロー型』のKindle本については、手書きメモを残すことが可能です。ただし、前述したように、Kindle本に直接手書きメモを残すことはできません。
Kindle本への手書きメモは、本文中のハイライトした箇所に『付箋』を貼付し、その付箋内に書き込む形式です。なお、ハイライトはかならずしも必要ではありません。
手書きメモの内容を確認したい場合は、本文中の(ファイルアイコン)をタップすると表示できます。
③『リフロー型』も“一部”手書きメモ非対応
原則、リフロー型のKindle本には手書きメモを残すことが可能ですが、リフロー型のKindle本の中には手書きメモ非対応の電子書籍もあります。ここは要注意。
手書きメモに対応していないリフロー型のKindle本は、付箋にテキストメモのみ残すことが可能です。
どれくらいの書籍数が手書きメモ非対応のリフロー型かは分かりかねますが、筆者の所有しているKindle本の大半が手書きメモ非対応のリフロー型でした。可能であれば、アップデートにて対応してもらいたいところ(パブリッシャー側の問題だろうが)。
④手書きメモは他端末で閲覧不可
Kindle本に貼付した付箋はデバイス間共有される仕様ですが、手書きメモに関しては他端末で閲覧することができません(テキストメモは他端末でも閲覧可能)。
今後、アップデートにて他端末でも、Kindle本への手書きメモが編集および閲覧できるようになるかもしれませんが、現時点ではKindle Scribe専用機能のようです。
まとめ「Kindle本への手書きは現状微妙」
小説などに用いられることの多いリフロー型のKindle本については、手書きメモ可能。テキストメモも可能。
ただし、一部リフロー型のKindle本については、テキストメモは可能だが、手書きメモ不可のものもある。
漫画・雑誌・技術書などに用いられることの多いフィックス型のKindle本については、手書きメモ不可。テキストメモも不可。
予想どおりだったのですが、フィックス型のKindle本には手書きメモを残すことはできません。実用書や技術書の類は、ほぼフィックス型で配信されているので、Kindle本への手書きメモ機能については、“あっても使わない機能”となってしまいそうです。
Kindle Scribe、他の電子ペーパー端末よりも相対的に高dpiだから、文字が潰れがちなフィックス型の電子書籍の文字も見やすいのに…もったいないあーる。
おまけ
このままだと、ただの“巨大Kindle”で終わりそうな予感……。
困りましたわね。
PDFを突っ込んで…とか考えるけど、Kindle Scribeはファイル管理や転送が面倒なんだよねー。
…痒い所に手が届かないんやね。
おわり
本に直接ガリガリ書けない、あくまで付箋メモを貼るだけ。
…かなり使い方が難しいのであーる。