この記事はXROUND様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- SBCやAACでもaptX LLレベルの低遅延で楽しめるのが最高すぎる!
- ゲーミングイヤホンだけどオーディオ性能も機能が豊富なのが良き!
- スマホでゲームをするユーザーの強い味方になるゲーミングデバイスだ!
iPhoneもSwitchもPS4も、これ1つ。
ゲーミング完全ワイヤレスイヤホン、XROUND『AERO True Wireless Earbuds』をレビュー。独自技術でSBC接続でも50msの低遅延を実現。豊富なEQ、サラウンド機能、ゲーム専用モード、専用アプリ…まさに技術の集約なのです。
SBC接続でも50msの低遅延は驚異的ですわ!
Nintendo Switchで使いたくなるやーつ!
本日のレビュー:AERO True Wireless Earbuds
AERO True Wireless Earbudsってなに?
独自技術『XROUND Low Latency』搭載で、SBC接続でも50msの超低遅延接続が可能なゲーミング完全ワイヤレスイヤホン。3Dサラウンド技術も搭載しており、リスニング用イヤホンとしても優秀。
- 50msの超低遅延接続
- 低遅延接続がコーデック不問
- カスタマイズ性の高いアプリ
- 快適で疲れづらい装着感
- Qiワイヤレス充電非対応
- イヤホン単体6時間連続再生
AERO True Wireless Earbuds | ||
---|---|---|
型番 | XAW-01 | |
メーカー | XROUND | |
オーディオ性能 | ドライバー | ダイナミック(φ6mm) |
再生周波数帯域 | 20Hz–20,000Hz | |
インピーダンス | 16Ω | |
ケーブル長 | - | |
プラグ | - | |
Bluetooth性能 | Ver. | Bluetooth 5.0 |
コーデック | SBC AAC |
|
プロファイル | A2DP AVRCP HFP HSP |
|
バッテリー | イヤホン単体 | 最大6時間 |
イヤホン+充電ケース | 最大24時間 | |
インターフェース | イヤホン | - |
充電ケース | USB Type-C | |
サイズ | イヤホン | 24×23×38mm*1 |
充電ケース | 53×53×27mm*1 | |
質量 | イヤホン | 4.2g |
充電ケース | 45.8g | |
備考 | ノイズキャンセリング | × |
ヒアスルー | × | |
コンパニオンアプリ | ○ (XROUND MyTune) |
|
防水防塵 | IP54 | |
左右独立受信方式 | ○ (非公表) |
|
その他 | XROUND Low Latency搭載 XROUND Lite搭載 |
AERO True Wireless Earbudsのスペック
*1実測値。
ひとことでまとめると、“ゲームも音楽もこれ1台”って感じ!
ゲーミングイヤホンとしては当然高機能だけど、サラウンド技術も搭載していてオーディオ性能も高いのが凄いんよね!
デザイン
本体:ゲームガジェット感あふれるクールな姿
イヤホン | 充電ケース | |
サイズ | 24×23×38mm | 53×53×27mm |
質量 | 4.2g | 45.8g |
AERO True Wireless Earbudsのサイズと質量
※サイズは実測値。
イヤホン本体のサイズは 24×23×38mm (実測値)で、重さは4.2g。
充電ケースのサイズは 53×53×27mm (実測値)で、重さは45.8g。
ゲーミングイヤホンらしく、イヤホン自体が軽量設計になっており、長時間の着用でも耳に負担がかからないようになっている印象。AERO True Wireless Earbuds全体のデザイン性も、いかにも“ゲーミング”という感じで、これからゲームをするユーザーを奮い立たせてくれるオーラを纏っている。
イヤホン前面には、マイク(サイドマイク)、接続状態を通知するLEDインジケーター、タッチセンサー方式のリモコンボタン、を搭載。
このAERO True Wireless Earbudsには2つのマイクが搭載されており、マイクアレイを用いた指向性の向上とノイズ抑制を行っている。また、リモコンボタンはタッチセンサー式ですが、センサー範囲がシェルの下側に寄っているので、誤動作はそこまでしない印象。
イヤホン後面には、充電用のPogo-pin(メス)、マイク(メインマイク)、を搭載。
こちら側のマイクは指向性の高いものになっています。残念ながら、着脱に応じて音楽が停止される近接センサーの類は非搭載。
AERO True Wireless Earbudsは、ステムの角度が公表されており、60.2°でオフセットされています。この角度設計により、長時間の着用でも快適に利用ができるようになっているそう。
ステムの角度を細かく公表してるメーカーって、かなり少ない感じがするんよね。しかも、小数点以下の角度設計やし。
それだけこだわってるってことですなー。
充電ケース上面(天面)には、クールでゲーミング感あふれる“XROUND”のロゴタイプがデボス加工で鎮座。
充電ケース下面(底面)には、イヤホンに関する各種仕様や技適マークをプリント。
充電ケース前面には、バッテリー残量を通知するLEDインジケーター(4連タイプ)を搭載。
インジケーターは白色LEDを採用しており、視認性も良好。煌々と光る感じではなく、しっとり光る感じなので、光っていても目障りになることはないはず。
充電ケース後面には、充電用のUSBポート(USB Type-C)を搭載。
2021年のプロダクトなので、当然Type-Cです。ギークやゲーマーは、このあたりのポート関係に敏感な印象もあるので、しっかり最新のポートを採用してくれるのは嬉しいところ。
充電ケース左右面には、特に何もありません。
充電ケース内面には、充電用のPogo-pin(オス)、Bluetoothペアリング時に利用するファンクションキー、を搭載。
ちゃんと専用のボタンを設けられているので、複数台のデバイスをペアリングするの場合も煩わしさがないでしょう。このあたりの配慮は、スマートフォンやゲームコンソールなどのデバイスを複数登録するシーンが容易に想像できる、ゲーミングイヤホンならではの配慮でしょう。
ペアリング用のボタンがある完全ワイヤレスイヤホンって、説明書なしで使えるから楽なんよね。
リモコン
Lch | Rch | |
2回押し | 再生・停止 | 再生・停止 |
3回押し | - | - |
長押し | サラウンドオン/オフ切替 | 音楽/ゲーミングモード切替 |
上スワイプ | 曲戻し | 音量アップ |
下スワイプ | 曲送り | 音量ダウン |
AERO True Wireless Earbudsのリモコン機能
※キーアサインは工場出荷時の状態。
AERO True Wireless Earbudsに搭載されているリモコン機能は、再生・停止、選曲(曲送り・曲戻し)、音量調節(アップ・ダウン)、サラウンドオン/オフ切替、音楽/ゲーミングモード切替、…という感じ。
上表はあくまで工場出荷時のデフォルト設定で、専用のコンパニオンアプリ(XROUND MyTune)を利用すれば、リモコン機能を拡張させることも可能。とはいえ、デフォルト状態でも基本的なオーディオコントロールは網羅されており、特に不満のない設定になっています。
1回押しがアサインされていないのは、きっと誤作動防止やと思うんだけど、このあたりの配慮もさすがって感じで関心しちゃうんよね。
発想がゲーマー目線ですよね、このあたりも。
■キーアサイン割当可能項目
- 3回押し
- 割当なし
- サラウンドオン/オフ切替
- 音楽/ゲーミングモード切替
- 音声アシスタント起動
- 長押し
- 割当なし
- サラウンドオン/オフ切替
- 音楽/ゲーミングモード切替
- 音声アシスタント起動
- 上下スワイプ
- 割当なし
- 曲送り・曲戻し
- 音量アップ・音量ダウン
ちなみに、『XROUND MyTune』アプリを利用すると、上表のようにキーアサインの割り当てを変更することが可能になっています。
キーアサインの割り当てはプリセット登録ではなく、すべて個別に設定が可能。2回押しで再生・停止は変更不可ですが、それ以外のリモコン機能を全部オフにすることもできます。…ちょっと極端ですが。
ゲーミングマウスやゲーミングキーボードのマクロ機能に通づるものがありますよね。
…確かに!!
ステム
全長 | 3.5mm |
直径 | φ4mm |
AERO True Wireless Earbudsのステム(ノズル)サイズ
AERO True Wireless Earbudsのステム(ノズル)部分を測定してみたところ、全長3.5mm、直径φ4mm、という結果でした。
後述する付属のイヤーピースが優秀なので、サードパーティー製品を選ぶ必要があまりないのですが、一般的なステム形状なのでリプレース自体は基本的に可能になっています。
付属品:希少な別注SpinFitをバンドル
■付属品一覧
- イヤーピース(SpinFit|S・M・L)
- イヤーピース(AERO|S・M・L)
- USBケーブル
- 取扱説明書
AERO True Wireless Earbudsの付属品は、SpinFitイヤーピース(S・M・L)、AEROイヤーピース(S・M・L|Sはイヤホン装着済)、充電用のUSBケーブル(USB Type-A to USB Type-C)、取扱説明書、という合計4つ。
注目すべきなのが、2種類のイヤーピース(SpinFitとAERO標準)を付属しているという点。しかも、このSpinFitは“別注”となっており、イヤーピースマニアにとっては単体で欲しくなってしまう代物。
AERO標準のイヤーピースは肉厚な作りになっており、ハードな装着感になるので、ガチっとホールドしたい人向け。おなじみSpinFitは、外耳道の奥まで挿さる感じがありつつも、ソフトな装着感なるので、優しくホールドしたい人向け。…そんな感じで使い分けるとよいかもしれません。
今回は、AERO標準のイヤーピースをベースに評価していくことにするやよ!
ポイント
- サウンド:サラウンド&EQの両対応で音を徹底カスタマイズ
- フィーチャー:『XROUND Low Latency』で50msの超低遅延
- ファンクション:音楽/ゲーミングモード切替可能な万能設計
- ユーザビリティ:使いやすいタッチ操作と専用アプリ
サウンド:サラウンド&EQの両対応で音を徹底カスタマイズ
ゲーミングイヤホンというと、ゲームに特化していて音質は二の次。そんなイメージがあるかもしれないが、今回のAERO True Wireless Earbudsは、音質についてもかなりこだわってることを真っ先に伝えたい。
ゲーミングイヤホンといえど、音質が最重要ポイントやからね!
XROUND Lite
このAERO True Wireless Earbudsには、『XROUND Lite』というバーチャルサラウンド技術が搭載されています。ちなみに、XROUND Liteは米国特許取得済。このことからも、生半可なサラウンドテクノロジーではないことが伝わってきます。
XROUND Lite機能はアプリ(XROUND MyTune)で、OFF・level 1・level 2という3段階で切り替えが可能となっており、イヤホン側でもキーアサインに割り当てているならば、こちらでもON・OFFが切り替えられるように設計されています。
XROUND Lite機能をONにすると、音の臨場感が数段階向上していることが、誰でもハッキリと認識できるはず。また、ただ単に音場感を広くしたということではなく、音の定位や距離感を維持したまま広くなっている。なので、この手の“マジック”的な機能が苦手な人でも、ぜひ使ってほしいサラウンド機能となっています。
スマートフォンで映画鑑賞をする際には、ぜひ使ってあげたい機能やね!
イコライザー
かなり充実したイコライザー(EQ)機能を持っているのも、このAERO True Wireless Earbudsの大きな音響的ポイント。
イコライザーはアプリ(XROUND MyTune)で設定可能なのですが、とにかく細かくイコライザーを調節することができるようになっています。
イコライザーのプリセット自体もかなり豊富に用意されているのも特徴的。なお、イコライザー画面のカスタマイズを選択すれば、ユーザーがお好みで周波数特性を調節してイコライジングすることも可能。
また、このAERO True Wireless Earbudsには、『音楽モード』と『ゲーミングモード』という2つのモードが用意されているのですが、この両方のモードでイコライザーが設定できるようになっています。
イコライザー機能自体は、ちょっと気の利いた完全ワイヤレスイヤホンなら搭載していることも多々あるのですが、「これは!」と思える、AERO True Wireless Earbudsならではのイコライジングプリセットも用意されています。
それが、『偵察モード』や『足音ブースト』という、いかにもゲーミングイヤホンらしいプリセットがあるというところ。つまり、FPSやTPS等のプレイングに特化されたイコライザーが最初から用意されているというわけなのです。
面白い発想ですわね。
こういう考え方もあるんだ、って気づかせてくれるよね!
フィーチャー:『XROUND Low Latency』で50msの超低遅延
『ワイヤレスゲーミングイヤホン』となると、気になるのがBluetooth接続時におけるレイテンシーの問題。おそらく、Bluetooth接続だと遅延が大きいので、ゲーム(特に音ゲーやFPS等)だと使えないというのが、ある種の当たり前として認識されているはず。
ところが、このAERO True Wireless Earbudsには、『XROUND Low Latency』という低遅延アルゴリズムと、台湾の大手半導体メーカーと共同開発した専用の独自チップにより、Bluetoothコーデック問わずに50msまでレイテンシーを下げることを実現している。そう、Bluetoothコーデック“問わず”なのです。
XROUND Low Latency (SBC・AAC) |
SBC | AAC | aptX | aptX LL | aptX HD | aptX Adaptive |
50ms | 220±50ms | 120ms±30ms | 70ms±10ms | 40ms未満 | 約130ms | 60ms±10ms |
Bluetoothコーデック別のレイテンシー比較
この50msのレイテンシーは、他のBluetoothコーデックと比較しても圧倒しており、このローレイテンシーがいかに凄いものかが分かるはず。
なお、Bluetoothコーデックによるレイテンシーの差異については難しい部分が多々あります。上表はあくまで理論値であり、ハードウェア(エンコーダとデコーダの両方)の実装技術やOSの違いで、レイテンシーにブレがかなり生じるを理解しておく必要があります。
同じスマートフォンでも、iOSとAndroid OSでレイテンシーが変わってくるんよね。だから、Bluetoothコーデックによる遅延の差異には、複雑な要素が絡み合っていると思わないとダメなんよね。
うーむ…ややこしいあーる。
そんなBluetoothコーデックの中でも、『aptX Low Latency(aptX LL)』がとりわけ低遅延(40ms未満)ということは有名。しかし、このaptX LLは、Wi-Fiに干渉するためスマートフォンでの実装が厳しかったり、Qualcommからライセンシーを受けないといけなかったり…と、ユーザーが無意識レベルで使えるBluetoothコーデックとは、残念ながら到底言えないものになっているのです。
それを考えると、今回のAERO True Wireless Earbudsに搭載されているXROUND Low Latencyが楽に低遅延で楽しめるのかが分かってきます。
XROUND Low LatencyはBluetoothコーデックではなく、あくまで低遅延を実現するための技術で、実際にはSBCやAACでスマートフォン等とペアリングします。「あれ?SBCって、220±50msのレイテンシーでは?」と思ってしまうのですが、そこをXROUND社の独自技術で、SBCでも50msまでレイテンシーを抑えているというわけなのです。
要するに、ユーザーがBluetoothコーデックを気にすることなく、どのような条件下でも50msの低遅延でペアリングが行えるというのが凄みなのです。SBCコーデックはBluetoothのA2DPの必須要件なので、aptX LLのような煩わしさは皆無というわけです。
ファンクション:音楽/ゲーミングモード切替可能な万能設計
AERO True Wireless Earbudsには、
- 音楽モード
- ゲーミングモード
という、目的に応じたオーディオモードが搭載されています。
『音楽モード』では、レイテンシーよりも音質を重視したモードになっており、ゲームをしない場合については、この音楽モードで楽しむのが最適。
『ゲーミングモード』では、前述のXROUND Low Latencyと独自チップファームウェアの作用が働き、50msの低遅延でゲーム等を楽しめるよう最適化されています。
この『音楽モード』と『ゲーミングモード』は、アプリ(XROUND MyTune)やイヤホン本体で、簡単に切り替えができるように設計されています。
ですので、その目的に応じて適宜モード切り替えを行うのが、このAERO True Wireless Earbudsを最大限使いこなすキモというわけです。
ユーザビリティ:使いやすいタッチ操作と専用アプリ
AERO True Wireless Earbudsは、単に完全ワイヤレスイヤホンとしての基礎ポテンシャルが高いだけでなく、ユーザビリティが高いのも大きな特徴のひとつとして挙げられる。
iOS/Android OS専用アプリ『XROUND MyTune』では、
- キーアサイン変更
- イコライザー機能
- 音楽/ゲーミングモード切替
- ファームウェアアップデート
- 操作ガイド
…といった多くの機能が搭載されている。
前述したように、AERO True Wireless Earbudsのリモコンボタンのキーアサインはアプリから個別に変更可能となっているので、ユーザーの好みに応じてリモコン機能を大きくカスタマイズできる点が魅力的。
そして、XROUND MyTuneアプリを使って、イヤホン本体のファームウェアアップデートを行えるようになっている。ファームウェアアップデートができるか否かで、完全ワイヤレスイヤホンの製品寿命が変わってくるため、このような末永く使える配慮がされているところもポイントが高い。
また、イヤホンのリモコン操作自体はタッチセンサー方式を採用しているが、センサー位置や感度のチューニングが上手く、普通に利用しているぶんには誤作動が生じることはないでしょう。これについては、特にタッチセンサーが誤爆しやすい“1回押し”でのアサインを搭載させていないことが大きいと言えます。
パフォーマンス
音質 | 装着感 | 操作性 | 接続安定性 | マイク性能 | ノイキャン性能 | ヒアスルー性能 | 付加機能 | |
評価 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | - | - | ★★★★☆ |
備考 | 微ドンシャリ モードで音変化 エージング必須 テクノ・EDM向き ジャズ不向き |
フィット感抜群 疲れづらい |
リモコン機能豊富 誤爆ほぼゼロ |
通常利用なら無問題 障害物にやや弱い |
ノイズ耐性高め 集音性優秀 |
非搭載 | 非搭載 | アプリが多機能 カスタマイズ性高い 近接センサー非搭載 Qi非対応 |
実利用での各用途でのパフォーマンス所感
音質:★★★☆☆
音質評価
高音域:★★★★★☆☆☆☆☆
中音域:★★★★☆☆☆☆☆☆
低音域:★★★★★★★☆☆☆
※音質評価は販売価格を考慮した相対評価。
AERO True Wireless Earbudsの音質を端的に言うと、ソフトでまろやかな感じとシャープでエッジーな感じを兼ね備えたカメレオンサウンド、という感じ。
全体の音質の傾向としては、音楽モード・ゲーミングモードともに、低音域が強い微ドンシャリな印象。モードを切り替えると、顕著に音の傾向が変わってきます。とはいえ、本質的な傾向が変わるわけではなく、音場感も普通(XROUND Liteオフ時)で、ゲーミングイヤホンという先入観抜きにすると、結構ニュートラルな感じです。
アプリで音質とサラウンドをいろいろ変更できることを考えると、素の音はこれくらいアッサリめなくらいが味付けしやすくて良いかもやね!
高音域はなめらかな切れ味という感じ。
量こそはそこまで出ていないものの、サクサクと切れていくような疾走感のある高音域には特筆すべきものがある。キレと言っても、量自体が控えめなので、刺さるような感じもなくマイルド。もっと高音域が欲しい、と思う人も多そうな気がするので、その場合はイコライザーで底上げするのがおすすめです。
中音域はハードで硬質感のある音。
開封したてのときは、中音域がかなりマスクされているような印象を受けていたので、かなり心配していたのですが、1日ずっと鳴らしていると、結構しっかりと鳴るようになってくれました。このエージングが必要な感じは、ドライバーにチタンを採用しているからかも。そのドライバーの素材も含めて、金属質でハードな中音域が鳴っている、というイメージ。
低音域はモードで音が変わるカメレオン。
音楽モードとゲーミングモードで音がガラリと変わる、AERO True Wireless Earbuds。その中でも顕著に変わったと感じたのが、低音域の量と質。音楽モードだと、音圧低めのマイルドな低音域。ゲーミングモードだと、音圧高めのブーストされた低音域。…そんな感じで、モード切り替えで印象が変わってくるので、リスニング時でもゲーミングモードを使うのはアリだったりします。
モード切り替えやイヤーピース、イコライザーにサラウンド…とにかく音が変わる要素が詰まったカメレオンマンなんよね!そこが面白いって感じ!!
AERO True Wireless Earbudsに合いそうな曲
AERO True Wireless Earbudsと一緒に聞いてほしい楽曲の1曲めは、Bella Thorne and Zendayaの『Watch Me』をセレクト。
ザクザクとした端切れの良い低音域の表現が秀逸で、特にくぐもった感じはなく、量と質ともに良好な音を出してくれています。ダンス系の楽曲なので、アプリでXROUND Liteのレベルを2に上げて、最大限の臨場感を演出するのがおすすめ。
AERO True Wireless Earbudsと一緒に聞いてほしい楽曲の2曲めは、Ed Sheeranの『Perfect』をセレクト。
こちらは『音楽モード』にして、イコライザーで少しだけボーカル域を上げて聞くのがおすすめ。もう少し解像感が欲しいところですが、特に変な癖が出るわけでもなく、ベーシックに聴かせる音を出してくれている印象。
AERO True Wireless Earbudsと一緒に聞いてほしい楽曲の3曲めは、I LLENIUMfeat. Annika Wellsの『Nightlight』をセレクト。
Gryffin系のメロウなダンスミュージックになっているので、XROUND Liteを最大限活用してライブ感を演出すると、最高に心地よい音を聞かせてくれます。せっかくサラウンド機能が搭載されているので、広い音場感の欲しいメロウで異空間な音楽をセットで聞いてみるのが良きです。
AERO True Wireless Earbudsと一緒に聞いてほしい楽曲の4曲めは、ヒゲドライバーの『弊社御社』をセレクト。
AERO True Wireless Earbudsはゲーミングイヤホン…ということなので、最後はゲームっぽい音楽をチョイス。これを聞いてしまうと、やっぱりゲームに最適化された完全ワイヤレスイヤホンだということを再認識させてくれます。それくらいにピコピコ系と好相性。
ゲーミングイヤホンってこともあって、ジャズやロックよりも、EDMとかテクノみたいな電子音楽系と相性が良い感じかな!
装着感:★★★★★
軽量かつ人間工学に基づいた設計をしているからか、装着感はかなり良好で快適。
とりわけ、付属のSpinFit別注コンフォートイヤーピースを利用したときの快適度は非常に高い。別注のSpinFitにリプレースすると、ソフトな装着感でありつつも、しっかりとフィットして密着されている印象になる。ゲーミングイヤホンということもあり、長時間連続して着用することも多いと思われるが、この快適な装着感ならまったく問題ないと言えるでしょう。
操作性:★★★★☆
リモコンボタンがタッチセンサーなので、好みが分かれるかもしれないが、実際にはかなり使いやすく作られており、操作性に関しても何ら不満はないでしょう。
特に関心するのが、タッチセンサー式のリモコンボタンで誤爆を誘発させやすい“1回押し”がアサインされていない点。これが配慮されているだけで、快適度がまるで異なります。また、単にタップするだけでなく、スワイプ等のタッチセンサーならではのジェスチャー操作も取り入れている点も高評価。ジェスチャー操作に対応しているおかげで、リモコン機能のバリエーションも豊富で、イヤホン単体だけでかなり網羅的に操作が可能となっています。
評価を1つ下げた理由が、タッチセンサー利用時の音声フィードバックがすべてのリモコン動作に搭載されていないこと(モード切替時や接続時は音声フィードバック有)。これがあれば完璧と言えるので、アップデートで対応できるのであれば、ぜひ音声フィードバックを搭載してもらいたいところ。
接続安定性:★★★☆☆
Xperia 1 IIやiPhone 12 Pro Maxで接続テストを行ったのですが、距離は離れていても大丈夫だったのですが、ちょっと障害物に弱い印象でした。なので、接続安定性については並という評価。
公称値で10mとなっているのですが、さすがにここまで離れると接続は不安定になる様子。もちろん、送信機側のアンテナ設計や強度にも依存するので、一概には言えないのでご了承を。少なくとも、一般的な使い方の範囲内だと、そこまで極端に途切れることもないでしょう。ただ、障害物に少し弱い印象があるので、多くの電波が混み合うターミナル駅での利用だとブツブツ途切れることがあるかもしれません。
マイク性能:★★★★☆
イヤホンの片側chに2つのマイクがあり、それぞれが効果的なポジショニングで配されていることから、マイク性能は優秀な部類と感じました。
XROUND社が謳っているとおり、対ノイズ用のマイクと集音用のマイクを90°の位置関係でオフセットしていることが奏功している様子。環境ノイズを上手に抑制できている印象で、さすがはゲーミングイヤホンといった感じ。個人的には、自分の発している声をもう少し大きい音で拾ってくれるとなお嬉しいのですが、これでも十二分に満足できると言えるでしょう。
付加機能:★★★★☆
XROUND Low Latency(50msの低遅延)、XROUND Lite(サラウンド技術)、XROUND MyTuneアプリ…など、+αな機能が充実しているので、付加機能の評価は高め。
完全ワイヤレスイヤホンは、オーディオ機器でありながらガジェット的な側面も多く持っているので、これだけ機能性が豊富だとかなり嬉しい。惜しむらくは、Qi規格のワイヤレス充電や、近接センサーによる音楽の自動停止には対応していないこと。ここが搭載されば、さらに高評価だったでしょう。
とはいえ、他社とは一線を画する機能を豊富に搭載しているので、このAERO True Wireless Earbudsのオンリーワン的な価値は大きいと言えます。
ここがすき!
コーデック不問の低遅延
やはり、なんといっても素晴らしいのが、Bluetoothコーデック不問で50msの低遅延を実現しているというところ。
前述のとおり、低遅延なBluetoothコーデックとしては、Qualcommの『aptX LL』が有名です。ただ、スマートフォンへの実装が技術的に困難ということや、対応ヘッドホンが多くはないということから、aptX LL対応機でいろいろ揃えると、結果としてコスト高になるというデメリットがありました。
そう考えると、今回のAERO True Wireless Earbudsのように、SBCやAACでも独自技術で低遅延を実現してくれるほうが、ユーザー側からすれば楽なのは言うまでもありません。また、Bluetoothコーデックを気にすることなく、無意識レベルで低遅延技術を活用できる意義は大きいわけです。
イコライザーの再発明
イコライザー = 音楽鑑賞のための機能
…と長らく思っていたのですが、今回のAERO True Wireless Earbudsとアプリ(XROUND MyTune)のコンビネーションで大きく覆されました。
とりわけ関心したのが、イコライザーのプリセットとして『偵察モード』や『足音ブースト』を用意しているという点。ここにゲーミングイヤホンにおけるイコライザー機能の意義と意味を感じたわけなのです。そして、これをメーカー側がしっかりとプリセットとして、ユーザーにサジェスチョンしてくれているところに、いわゆる“エモみ”があるのです。
私の中では、このゲーミング用イコライザーというのは、まさにイノベーションそのもの。イコライザーは音楽鑑賞のためだけじゃない、そう気づかせてくれたイコライザーの再発明なのです。
独自の左右独立受信方式搭載
最近の完全ワイヤレスイヤホンの多くが、左右独立受信方式(Qualcomm TWS Plus等)を採用しているので物珍しくはないのですが、このAERO True Wireless Earbudsもしっかりと左右独立受信方式に対応していました。
では一体、何の左右独立受信方式なのか、というのが個人的には気になる部分。これに関してXROUND社に伺ってみると、機密事項でどのようなチップで、どのような技術を使っているかは回答しかねるということでした…残念。ただ、少なくともAiroha MCSyncやBestechnic LBRTではないとのこと。
TWS PlusとTrueWireless Mirroringはないし、凄い気になるんよね……。
ここがうーん?
連続再生時間が控えめ
そこまで不満らしい不満点は見当たらなかったのですが、連続再生時間が6時間と、最近の完全ワイヤレスイヤホンにしては、そこまでロングライフバッテリーではないのが気になるところ。
もちろん、この6時間というバッテリーライフは決して短いものとは思わないのですが、最近の完全ワイヤレスイヤホン(特にQualcomm製Bluetooth SoCを採用した製品)のロングライフバッテリー化が著しく、それと比べてしまうと…というところ。いわゆる、隣の芝生は青く見えるという感じです。
普通に使っていて困ることもなかったから、気にしすぎたら…って話になるんやけどね。
神経質ですなー。
補足
ミニレビュー:XROUND XT01
今回レビューしているゲーミング完全ワイヤレスイヤホンである、AERO True Wireless Earbuds単体だと、Nintendo SwitchやPlayStation 4・PlayStation 5のような、Bluetoothが送信できないゲームコンソールだと利用できません。
そこで別売オプションとして用意されているのが、『XT01』というBluetoothトランスミッター。こちらも一緒に少しだけレビューしておきます。
XT01 | ||
---|---|---|
型番 | XT01 | |
メーカー | XROUND | |
Bluetooth性能 | Ver. | Bluetooth 5.0 |
コーデック | SBC AAC aptX aptX LL |
|
プロファイル | A2DP AVRCP |
|
インターフェース | USB Type-C ×2(In×1・Out×1) | |
サイズ | 28×31×7mm*1 | |
質量 | 5g*1 | |
備考 | 2台同時接続対応 |
XT01のスペック
*1実測値。
このXROUND XT01の特徴について要約すると、
- USB Type-C接続(USB Type-A変換可能)
- パススルー充電用のUSB Type-C搭載
- aptX Low Latencyコーデック対応
- 2台のBluetoothヘッドホンに同時転送可能
- φ3.5mm接続のマイクロホン付属
…という感じで、ゲーミング用途以外でも活躍できるように作られています。
XT01をNintendo Switchに接続するとこんな感じになります。
サイズ的にも比較的小型な設計になっているので、これならNintendo Switchの利便性を落とすこともないでしょう。もちろん、バッグ等に入れて持ち運ぶ際には、USB type-Cポートを傷めないように、XT01をNintendo Switchから外しておきましょう。
実際に使っていて便利に感じたのが、XT01をNintendo Switchに挿入した状態でも、搭載されているUSB Type-Cポートからパススルー充電が行えるという点。
Nintendo Switchはそこまでバッテリー持ちが良くないので、携帯モードで長時間ゲームをするにはモバイルバッテリーが必須。ただ、そうなるとトランスミッターでUSB Type-Cを塞ぐのはまずい…となってしまうのですが、このXT01にはパススルー充電用のUSB Type-Cポートが用意されています。ですので、Nintendo SwitchにXT01を装着した状態でも、何の問題もなくそのままモバイルバッテリーで充電ができるというわけです。
また、ちょっと変わった機能として、XT01にはBluetoothヘッドホン/イヤホンを最大2台まで同時接続(同時送信)できる『マルチポイント』に対応しています。もちろん、2台のBluetoothヘッドホン/イヤホンへ同時に音声を転送することが可能。なので、XT01を利用した場合でも、2人で音声を楽しみながらゲームをプレイすることができるというわけです。
ちなみに、XT01には本体左右に1つずつペアリングボタンが搭載されており、このボタンそれぞれにBluetoothヘッドホン/イヤホンを登録できる仕組み。ですので、2台登録したけど、どっちがどっちか分からない…という状況にはなりづらいでしょう。このあたりのユーザビリティーも優秀。
2台同時にゲーム音声を出せるので、試しにAERO True Wireless Earbudsと他社製のBluetoothイヤホン(SBC/AAC対応)を左右の耳にそれぞれ装着して、『スプラトゥーン2』や『スーパーマリオ 3Dコレクション』をプレイしてみました。
Bluetoothコーデックと遅延の問題は、同じコーデック同士でもエンコーダとデコーダの実装レベルによってブレが生じるので、一概にSBCが220±50msの遅延が発生して、aptXが70ms±10msの遅延が発生する、とは言い切れないので注意が必要です。これらはあくまで仕様上のレイテンシーレベルと思っておくのが無難でしょう(音質に関しても似たようなことが言えます)。
aptX系のBluetoothコーデックは、実際にはSBCよりもラグが凄いって感じもするんよね。もちろん、これもスマートフォンやヘッドホン自体やその組み合わせによって、上ブレも下ブレもしちゃうんやけど……。
そういうわけで、あくまで実体験による所感という断りをあらかじめ入れさせていただくとして、実際にゲームで利用していると顕著な遅延の差を感じることができました。その中でも分かりやすかったのが、スプラトゥーン2をプレイしているとき。
特に、弾を1発だけ打ったときが、この遅延の差を感じやすい。イメージで言うと、AERO True Wireless Earbudsから弾の発射音が聞こえたなと思ったときに、ようやくもう1つのイヤホンから発射音が聞こえる感じ。
あくまで体感での話で伝えづらい(ゲーム映像は著作権の都合上お見せできないので)のですが、どんな人間でもこの遅延の差は感じることができるはず。それくらい、如実に異なっていました。ちなみに、AERO True Wireless Earbudsの『音楽モード』と『ゲーミングモード』を切り替えて遅延の感じを確かめてみたのですが、音楽モード(XROUND Low Latency無効状態)ではやはりラグが凄い印象。やはり、このXROUND Low Latencyという低遅延技術が凄まじいものだということを再認識しました。
まとめ「SBCでも低遅延な魅惑のゲーミングイヤホン」
そういうわけで、XROUND『AERO True Wireless Earbuds』のレビューを総括すると、
- SBC接続でも50msの低遅延接続は伊達じゃない
- サラウンド機能は上手に音場感を広げてくれる
- 音楽モード搭載でリスニング用途としても優秀
- 専用アプリのカスタマイズ性は高くかなり遊べる
- もう少しバッテリー持ちが良いとさらに嬉しかった
…という感じ。
とにかく、ゲーミングモード時に発動する『XROUND Low Latency』の効果は絶大。本格的にゲームをしない私でも、この遅延の違いについてはハッキリと判断できるレベル。そして、このXROUND Low LatencyがBluetoothコーデック不問で利用できるという点が実に素晴らしい。これなら、接続コーデックで深く悩む必要もなくなります。
オーディオ用途としても、イコライザーやサラウンド機能で味付けできるので、自分好みの音で音楽を楽しめるというのも利点。バッテリー駆動時間が6時間ということに不満を感じないのであれば、ゲームをするしないに限らず積極的に選びたい完全ワイヤレスイヤホンの1つには間違いなく入るでしょう。
なお、ゲーミング完全ワイヤレスイヤホン『AERO True Wireless Earbuds』は13,000円前後、ゲーミングBluetoothトランスミッター『XT01』は5,000円前後で、それぞれ販売されるとのことです。
低遅延だから、スマホで動画を見るときのイヤホンとしてもおすすめって感じやね!
おまけ
iOSのほうがAndroidよりローレイテンシーって言われてるから、組み合わせるならiPhoneと使いたいかもやね!
aptX Adaptive非対応なiPhoneだからこそ、AERO True Wireless Earbudsが活きてきますわね。
うんうん、音ゲーするならiPhoneな感じはあるもんねー。
…ほんとにー!?
おわり
ゲーミングイヤホンらしい低遅延技術と高い操作性が良い感じ!
Qiワイヤレス充電が搭載してたらもっと良かったかな……。
…そんな感じやね!