- iMac Retina 5Kはデザイナーへの良い選択肢!
- 5K&Display P3でクリエイター作業が捗る!
- 2TB Fusion DriveならSSD領域が128GBで速い!
こ…これが5K……。
林檎謹製5Kディスプレイ搭載なiMacこと、Apple『iMac Retina 5K(2019)』をレビュー。いわゆる吊るしモデルの“最上位”を買ったので、ベンチマークで遊びながらデザイナー目線で語ってみます。
そういえば、2019年モデルのFusion Drive内のSSD容量を以前調べてましたわね。
約28万円のiMac…うわぁ。
目次
Apple『iMac Retina 5K(2019)』って?
- Retina 5Kの圧倒的解像度。
- Display P3でsGRBより広色域。
- Thunderbolt 3ポートを2個搭載。
- スペック比でのコスパは高い。
- 時代遅れのベゼルの太さ。
- UHS-II非対応なSDXCカードスロット。
- 吊るしモデルにもCore i7が欲しい。
2019年モデルのiMac Retina 5Kの吊るし最上位モデルっ!
本体チェック
iMac Retina 5K(2019)の前面はおなじみのデザイン。
サイズ | 質量 |
650.0×203.0×516.0mm(W×D×H) | 9.42kg |
iMac Retina 5K(2019)のサイズと質量。
1998年に初代iMacが登場。そして、2014年にiMac with Retina 5K displayとして、5Kディスプレイ搭載モデルが登場した。その2014年に爆誕した初代iMac Retina 5Kから、基本的にデザインに変化はありません。
もちろん内部的性能(CPUやGPU)は向上していますが、そろそろデザインを一新してほしい…とも思ってしまう今日このごろ。ただ、5年間も同じデザインであり続けるiMac Retina 5Kは、言い換えれば“完成されたデザイン”と言っても過言ではないのかもしれません。
iMac Retina 5K(2019)の後面には、
- 3.5mmステレオミニ
- SDXCカードスロット
- USB 3.0 Type-A ×4
- Thunderbolt 3 ×2
- RJ-45
というポート類がそれぞれ搭載。
2017年モデルから、『Thunderbolt 3』が搭載されているが、これこそハイエンドなMac様の証…なはず。実質的上位モデルとして『iMac Pro』が存在しているので、さしずめ『iMac “mini” Pro』というテンションですね。
そして、徐々にMacシリーズから排除されつつある『USB Type-A』もしっかり搭載。まだまだ現役なUSB形状なので、こうやって残してくれているとやはり使いやすかったりします。
端子でいうと、『RJ-45』。つまり、有線LANポートがついているのも大きい。もう一度、とっても大きいです!
今でこそWi-Fi全盛で安定度も抜群ですが、やはり有線LANの信頼度には敵わない。なので、こうやってRJ-45ポートがあることの意義は大きく、デザイン業務でNASに頻繁に接続する私としては、超嬉しいポイントだったりします。
端子的に“みんなが使いやすいMac”って感じですな〜♪
そして、iMac Retina 5K(2019)の側面。
約5mmの最薄部から、中心部にかけてアールがかかるシェイプ。これは薄く見せるためのマジックですが、美しく“魅せる”マジックでもあったりします。
iMacのこの絶妙な曲面は、艶めかしく美しい。まさに横顔美人。側面が美しい一体型パソコンって、iMacぐらいな気がします。野暮ったさはゼロ。いや、むしろ美しさの極みですね。
恍惚…。
付属品チェック
■iMac Retina 5K(2019)の付属品一覧
- Magic Keyboard
- Magic Mouse 2
- Lightning to USB Type-A ケーブル
- 電源コード
吊るしモデルでは、『Magic Mouse 2』というBluetooth接続のワイヤレスマウスが付属しています。ただ、個人的には別途『Magic Trackpad 2』を買うのがおすすめ。超おすすめ。とってもおすすめです。
ゴリ押しやね…。
MacBookの操作性に慣れてしまうと、もはやMagic Trackpad 2なしでは生きられなくなります。それくらいに便利かつ楽。
MacBookのトラックパッドには『3本指のドラッグ』という素晴らしい機能(Windows 10にもつけてほしい)があります。それがMagic Trackpad 2を使うことにより、iMacでも使えるようになるというわけです。
ほんと、Magic Trackpad 2は3本指のドラッグのためにある。それくらいの良さなのです。ですなの。
注目ポイント
■iMac Retina 5K(2019)のポイント概要
- ディスプレイ:Retina 5K × P3 = 圧倒的かつ実用的
- ストレージ:Fusion DriveでHDDとSSDのいいとこ取り
- インターフェース:ThunderboltもEthernetもSDXCも完備
ディスプレイ:Retina 5K × P3 = 圧倒的かつ実用的
27インチで5Kは息を呑む美しさ
iMac Retina 5K(2019)の最大の特徴、それは画面解像度が『5K』ということ。これこそこの5KなiMacのアイデンティティー。
画面サイズ | 画面解像度 | ppi |
27インチ(16:9) | 5,120×2,880(5K) | 218ppi |
iMac Retina 5K(2019)の画面スペック。
27″という大型ディスプレイだが、画面解像度が5K(5,120×2,880)もあることにより、画素密度は驚異の218ppi。
MacBook Pro 16″(2019)の画素密度が226ppi(画面解像度は3,072×1,920)と考えると、ここまで大画面にもかかわらず、ノートパソコンとほぼ同じ画素密度を保っている。これが5Kの凄いところ。デスクトップの画面がスマホの画面より粗い…なんていうガッカリ感を味わうことはないでしょう。
そして、以前から採用されている『フルラミネーション』によって、光沢ディスプレイではあるが、反射が少なく、IllustratorやPhotoshopなどのデザイン業務も快適。そして、ダークモード時に反射が少ないので、目にチカチカする感じもありません。さすがですね。
光沢感がありつつ、映り込みが少ないって理想なディスプレイだよね〜♪
500ニトの輝度…明瞭かつ美しい
2017年モデルより、iMac Retina 5Kは500ニトという高輝度に対応しているが、iMac Retina 5K(2019)でも、引き続き500ニトの高輝度は健在。難しいことは抜きにして、とにかく明るいというわけです。
iMacの輝度を最大にすると、それこそ某大佐がバルスしたときの「目が、目がぁ~!」ぐらい高輝度。
そこまで高輝度にすることはあまりないですが、このゆとりある輝度によって、暗部の細かい色の階調表現を確認しやすかったりします。しかも、最低輝度もかなり下げられるので、暗所や夜間での作業でも目が疲れにくいというメリットもあります。
Display P3で10億色はデザイナー歓喜
iMac Retina 5K(2019)は、デザイナーにとって大切な色域の広いディスプレイ、『Display P3』に対応している。しかも、10億色対応。
このDisplay P3は、sRGBより25%広い色域をカバーしており、細かな色の表現を必要とするDTP案件で大いに活躍が期待できる。
Adobe RGBのほうがポピュラーですが、Display P3と比べると、Redに色域に関してはDisplay P3が強く、Green・Blueの色域に関してはAdobe RGBのほうが強い傾向にありました。Adobe RGB値のカバー率は非公表なはずですが、Display P3に対応していることから、こっちのカバー率も健闘しているはずでしょう。
Display P3に関して言えば、印刷物よりも映像関係に強いカラースペースみたいだねっ!
ストレージ:Fusion DriveでHDDとSSDのいいとこ取り
『Fusion Drive』とは、HDDとSSDが1つのドライブになっているもの。Apple的にはFusion Driveと呼んでいますが、いわゆる『SSHD(ソリッドステートハイブリッドドライブ)』になります。
HDD + SSD = SSHD
という感じだねっ!ハイブリッドさんだ!
とどのつまり、HDDの大容量とSSDの高速性の“いいとこ取り”をしたのが、このFusion Driveというわけですね。
購入したiMac Retina 5K(2019)は、2TBのFusion Driveモデル。なので、128GBのSSDが内蔵されています。1TBのFusion Driveモデルは、SSD領域が32GBしかないので、購入するなら2TBのFusion Driveを選択するのがおすすめです。
HDD | SSD | |
容量 | 2TB | 128GB |
メーカー | Seagate | Samsung |
Fusion Driveの内訳。
HDDはAppleおなじみ、Seagate製。そして、SSDはSamsung製でした。
SSDはNVMeで接続されているので、SSD部分に当たればかなーり高速。ただ、Fusion Driveの容量の振り分け自体は、macOS任せなので、どれをSSDにするという割り当てはユーザー自身では行なえません。これは楽でもあり、ギークだと厄介な機能かもしれません。
インターフェース:ThunderboltもEthernetもSDXCも完備
■iMac Retina 5K(2019)のポート構成
- 3.5mmステレオミニ
- SDXCカードスロット
- USB 3.0 Type-A ×4
- Thunderbolt 3 ×2
- RJ-45
現行のMacBookシリーズは、すべてThunderbolt 3(Type-C形状)になっている。しかも、USBはそれしかない。つまり、従来のUSB Type-Aのデバイスを使おうとしたり、SDカードを読み込もうとすると、別途変換アダプターが必要になってくる。
その心配はiMac Retina 5K(2019)ではナッシング。
USB Type-AもSDXCカードスロットも、そしてRJ-45(有線LAN)も完備。もちろん、最新のThunderbolt 3だったあります。これだけあれば、わざわざデバイスを接続したり、USBメモリーを読み込むときに変換アダプターが不要になってくるというわけ。やっぱ、この楽な感じはデスクトップなMacならでは。
ベンチマーク
型番 | ベンチマークソフト | |
CPU | Intel Core i5-9600K | Geekbench 5 |
GPU | iGPU:Intel UHD Graphics 630 dGPU:AMD Radeon Pro 580X |
Geekbench 5 GFXBench Metal |
ROM | HDD:Seagate BarraCuda SSD:APPLE SSD SM0128L |
Blackmagic Disk Speed Test AmorphousDiskMark |
購入したiMac Retina 5K(2019)のスペックと利用したベンチマークソフト。
今回購入したiMac Retina 5K(2019)は、店頭で購入可能なモデルの最上位を購入しました。
…となれば、気になるのは、やはりベンチマーク。
そういうわけで、さまざまなベンチマークソフトでCPU・GPU・ストレージをベンチマークしたので、その結果を見ていきましょう。
お楽しみのベンチマークたーいむっ!
CPU
Geekbench 5
Single-Core Score | Multi-Core Score |
1,123 | 5,012 |
Geekbench 5のベンチマーク(CPU)結果。
CPUは吊るしの最上位モデルといえど、Core i5。
なので、そこまでCPUスコアは伸びない印象でした。とはいえ、使っている上で遅いと思うことはなかったので、ゴリゴリの動画編集をするとかじゃなければOKですね。
GPU
Geekbench 5
Metal Score | OpenCL Score |
32,904 | 34,433 |
Geekbench 5のベンチマーク(GPU)結果。
GPUはさすがという感じ。
私はMacBook Pro 13″(2018)も使っているのですが、このGPUの差は凄いですね。MacBook Pro 16″(2019)のdGPUは『Radeon Pro 5500M』という型番ですが、これよりもスペック上はiMacのほうが上。デスクトップの面目躍如ですな。
GFXBench Metal
Frames |
1,647.7 |
GFXBench Metalのベンチマーク結果。
GPUのベンチマーク結果を見る限り、iMac Retina 5K(2019)は、GPUを求めるユーザー向けな印象かも。
ROM
Blackmagic Disk Speed Test
Write | Read |
613.6 MB/s | 2,595.8 MB/s |
Blackmagic Disk Speed Testのベンチマーク結果。
うーん、Fusion Driveの2TBは速い!
AmorphousDiskMark
Write | Read | |
Seq QD32 | 2,353 MB/s | 761.2 MB/s |
4K QD32 | 747.9 MB/s | 44.81 MB/s |
Seq | 1,737 MB/s | 767.1 MB/s |
4K | 45.02 MB/s | 88.52 MB/s |
AmorphousDiskMarkのベンチマーク(1GiB)結果。
Windowsユーザー的には、こっちのベンチマークのほうが馴染みがあるかもですね。
Fusion Drive自体は、HDDとSSDのハイブリッド構成ですが、ベンチマーク的にはSSDのほうを計測しているようで、NVMe(PCIe)接続のSSDの高速っぷりをベンチマークで体験することができます。シーケンシャルリードが2,000MB/s超えって…およよ。
ここがすき!
RAMの増設が超簡単
オンボード化して久しいMac陣営ですが、その中でもiMac Retina 5Kは珍しくRAMの換装が簡単。なので、後から 8GB → 32GB というRAMの増設がサクッとできるのが大きな愛すべきポイント。
ただ、RAMには相性が未だに存在しているので、確実にRAMを増設したい人は、iRam TechnologyのRAMを購入することをおすすめします。
4K + 1K = 5K
iMac Retina 5K…つまり4Kではない。
ここが超重要っ!
実はこれが作業するのに絶妙な画面解像度。というのも、4Kの画面解像度のパソコンで4Kコンテンツの制作をすると、ドットバイドットで確認ができなくなる。
しかし5Kならば、4Kコンテンツをドットバイドットで確認して制作しながら、残りの1Kぶんの解像度を別の作業領域に割り当てて使えるというわけなのです。これぞAppleマジック。
AppleもiMac Retina 5Kのウリは、その絶妙な画面解像度と謳っています。なので、動画編集で4K動画を作っているユーザーや、写真編集、デザイン…と、高解像度をコンテンツを生み出しているクリエイターにとっては、まさにベストな画面解像度と言えるのではないでしょうか。
ここがうーん?
ベゼルが太い
iMac Retina 5Kで残念なのは、ベゼルの太さ。
デザインがずっと変わっていないことからも分かるように、2019年のiMacでもベゼルが太い。実測で約2.7mmというベゼルの太さは、どこか前時代的な野暮ったさを感じてしまう。
iMac Proもこの極太ベゼルなので、下位モデルだから…というわけではなさそう。そろそろベゼルをMacBook Pro 16″のように細くして、よりスタイリッシュな一体型Macとして君臨してほしいと思ってしまう。
SDカードスロットがUHS-II非対応
iMac Retina 5Kを写真編集目的で買う人も多いはず。
そこで残念なのが、搭載されているSDXCカードスロットがUHS-II非対応なこと。
UHS-I | UHS-II |
最大 104MB/s | 最大 312MB/s |
UHS-I・UHS-IIの規格上転送速度。
最近のカメラは高画素、しかも写真を本格的にするユーザーならJPEGでなく、RAWで管理したりする。そうなってくると、SDカードリーダーの転送速度を気にするはず。なのに、UHS-IIに非対応。ここに引っかかる人も、少なからずいる気がします。
あとは、やはりSDカードスロットが背面なのは超使いづらい。
Apple的にはデザイン性重視ということなのだろうが、実用面では褒められた配置ではない。なので、別途UHS-IIに対応したSatechiのUSB Type-C接続のSDカードリーダーを使っています。
Magic Mouse 2のLightning端子の位置が変
iMac Retina 5Kとは直接関係ないですし、しかも私は熱狂的なMagic Trackpad 2ユーザー(というか信者)なので、気にはならないのですが、Magic Mouse 2のLightningポートの位置…やはり、これで良かったのでしょうか。いや、良くない気が……。
しかも、このLightningポートの配置では充電しながら使えないので、かなり不便。ですので、そういうことも含め、Magic Trackpad 2をゴリ押しレベルでおすすめしたかったりします。うん、Magic Trackpad 2はいいのだ!ほんとにいいよ!マジックだもん!
確かにMagic Trackpad 2信者ですわね…。
まとめ「一体型の最高峰。それがiMac Retina 5Kなのだ!」
私自身、久しぶりに購入したデスクトップが、この『iMac Retina 5K(2019)』でしたが、改めて、一体型パソコンの最高峰だと感動しました。
ディスプレイの美しさ、圧倒さ、色域。そして、インターフェースの充実。全方位から見て美しい本体。デザイナーが実務で使っても満足できる作り。だからと言って、クリエイターパソコンというわけではなく、万人が使いやすくかつ美しいと思える。それが、今回のiMac Retina 5K(2019)でしょう。
それはともかく…iMac Retina 5Kを買おうず!
いいものは良い!これが真実なりっ!!
おまけ
購入したのは7月だけどねー。
ほんと、レビューするのが遅すぎですわ。
そして、何故か手元には、MacBook Pro 16″(2019)が…。(ボソッ)
えっ!?
これは…どういうことでしょう!?
おわり
最初に言っておくけど…吊るしでiMacを買うなら、ぜーーったい2TB Fusion Driveモデルにすべきっ!SSDの量が違うもん!