iPhone SE(第3世代)が『超高速の5G携帯電話通信』でない理由

iPhone SE(第3世代)が『超高速の5G携帯電話通信』でない理由
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記事のポイント
  • iPhone SE(第3世代)は『5G携帯電話通信』!
  • iPhone 13系は『超高速の5G携帯電話通信』!
  • A15 Bionicこそ一緒だが『MIMO』の数が違う!

“コスト削減の痕跡”

Apple公式サイトを見ると、iPhone SE(第3世代)は『5G携帯電話通信』、iPhone 13シリーズは『超高速の5G携帯電話通信』、となっている。一体、この違いは何なのか。…気になったので調べてみました。

二条ねこ

『5G』もいろいろあーる。

まの

対応バンド以外にも、見るべき点があるということですわね。

さたえり

うーん、ややこしい!

『5G携帯電話通信』と『超高速の5G携帯電話通信』

『5G携帯電話通信』と『超高速の5G携帯電話通信』

新しく発表された『iPhone SE(第3世代)』

筐体周り(デザインやカメラ等)こそ、iPhone SE(第2世代)を踏襲したモデルですが、チップに関してはフラグシップである『iPhone 13シリーズ』と同じ『Apple A15 Bionic』が採用されています。

『Apple Event(Peek performance.)』まとめ

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2022年3月9日
『5G携帯電話通信』と『超高速の5G携帯電話通信』

Image:Apple

ところが、Apple公式のiPhone比較ページを見てみると、

  • iPhone SE(第3世代):5G携帯電話通信
  • iPhone 13シリーズ:超高速の5G携帯電話通信
  • iPhone 12シリーズ:超高速の5G携帯電話通信

という感じで、5G通信に関する記述が異なっています。

この表現をそのまま受け取るとするならば、iPhone SE(第3世代)の5G通信は“超高速ではない”、ということになってしまいます。

さたえり

じゃあ、iPhone SE(第3世代)の5Gは…“何速”なん?

二条ねこ

超低速、低速、中速、高速、超高速、のどれか!!

まの

…フラッシュザウルス。

『5G携帯電話通信』と『超高速の5G携帯電話通信』

5G通信が超高速でないとすれば何なのか、という感じもしなくもない。

ただ、こうやって書き分けているということは、iPhone SE(第3世代)とiPhone 13シリーズでは、5G通信において、何かしらの差別化要素が含まれていることは事実。

そこで、iPhone SE(第3世代)が『超高速の5G携帯電話通信』ではなく、『5G携帯電話通信』になっている理由を探ってみることにします。

二条ねこ

フレンドパークなら、『デリソバ』が好きだったなー。

さたえり

うん、どうでもいい!

対応バンドの比較

まずは、iPhone SE(第3世代)とiPhone 13シリーズの対応バンドを比較してみることにします。

比較

iPhone SE
(第3世代/2022)
iPhone 13
(2021)
n1
(docomo・au・SoftBank)
n2
(-)
n3
(docomo・au・SoftBank・Rakuten)
n5
(-)
n7
(-)
n8
(SoftBank)
n12
(-)
n20
(-)
n25
(-)
n28
(docomo・au・SoftBank)
n29
(-)
×
n30
(-)
n38
(-)
n40
(-)
n41
(au|UQ WiMAX・SoftBank|WCP AXGP)
n48
(-)
n66
(-)
n71
(-)
×
n77
(au・SoftBank・Rakuten)
n78
(docomo・au)
n79
(docomo)

対応バンド比較(5G)
※iPhone SE(第3世代):モデルA2782
※iPhone 13:モデルA2631

iPhone SE
(第3世代/2022)
iPhone 13
(2021)
Band 1
(docomo・au・SoftBank)
Band 2
(-)
Band 3
(docomo・au・SoftBank・Rakuten)
Band 4
(-)
Band 5
(-)
Band 7
(-)
Band 8
(SoftBank)
Band 11
(au・SoftBank)
Band 12
(-)
Band 13
(-)
Band 14
(-)
×
Band 17
(-)
Band 18
(au・Rakuten|au roaming)
Band 19
(docomo)
Band 20
(-)
Band 21
(docomo)
Band 25
(-)
Band 26
(au・Rakuten|au roaming)
Band 28
(docomo・au・SoftBank)
Band 29
(-)
×
Band 30
(-)
Band 32
(-)
Band 34
(-)
Band 38
(-)
Band 39
(-)
Band 40
(-)
Band 41
(au|UQ WiMAX・SoftBank|WCP AXGP)
Band 42
(docomo・au・SoftBank)
Band 46
(-)
Band 48
(-)
Band 66
(-)
Band 71
(-)
×

対応バンド比較(4G)
※iPhone SE(第3世代):モデルA2782
※iPhone 13:モデルA2631

docomo・au・SoftBank・楽天モバイルの周波数と帯域幅

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2021年6月4日

結果

iPhone 13シリーズで対応しているバンドの一部が、iPhone SE(第3世代)では対応していません

しかし、いずれも日本では使用されていない周波数帯域だったので、ここが『超高速の5G携帯電話通信』と『5G携帯電話通信』を分けているポイントとは考えづらい(あくまで日本向けモデルでの話ですが)。

おそらく、iPhone SE(第3世代)のほうが対応バンドが少なくなっている理由は、『モデルA2782』が日本専用モデルになっているからでしょう。(iPhone 13の『モデルA2631』は、日本以外にも、カナダやメキシコと同じモデルになっている)

搭載MIMOの比較

対応バンドでの差異が(ほぼ)ないということは、搭載されているMIMO技術の差、というのが怪しくなってくる。

そこでお次は、そのMIMOについて調べてみます。

比較

iPhone SE
(第3世代/2022)
iPhone 13
(2021)
5G Sub6
2x2 MIMO 4x4 MIMO
4G LTE
2x2 MIMO 4x4 MIMO

搭載MIMOの比較

結果

iPhone 13シリーズに比べて、iPhone SE(第3世代)は、搭載MIMOの数が少なくなっていました

補足

『MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)』とは、送信側・受信側で複数の通信用アンテナを同時使用し、データ転送を高効率化・高速化する技術。

結論

iPhone SE(第3世代)が『5G携帯電話通信』な理由

iPhone SE(第3世代)が、『超高速の5G携帯電話通信』ではなく、『5G携帯電話通信』となっている理由。

それは、iPhone 13シリーズに比べて、搭載MIMOの数が少なくなっているからでしょう。

iPhone SE(第3世代)が『5G携帯電話通信』な理由

Image:Apple

NTTドコモ等の国内携帯キャリアでは、当然のように『4x4 MIMO』に対応しているバンドがあります。

そうなると、iPhone SE(第3世代)の『2x2 MIMO』という仕様は少々気になってしまうところ。特に、4Gエリアだと、この差が出てくるかもしれません。

iPhone SE(第3世代)が『5G携帯電話通信』な理由

Image:Apple

余談ですが、同時に発表された『iPad Air(第5世代)』のセルラーモデルですが、こちらは『4x4 MIMO』のセルラー通信に対応していました。

まの

コストカット、ですわね。

二条ねこ

こういう地味なところのスペック落としてるから、iPhone SEは安く提供できるのでしょうなー。

まとめ「iPhone SE 3は『2x2 MIMO』」

iPhone SE 3は『2x2 MIMO』

『iPhone SE(第3世代)』と『iPhone 13シリーズ』は、同じSoC(A15 Bionic)を採用し、5G通信対応も同じ。では、何が内部的に違うのか。

その答えは…『2x2 MIMO』と『4x4 MIMO』でした。

二条ねこ

そうなると、投げ売りされてる『iPhone 12 mini』とか『iPhone 13 mini』でも良いのでは!?

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2022年1月19日
この記事で紹介したガジェット
  • Apple|iPhone SE(第3世代)
  • Apple|iPhone 13

おまけ

二条ねこ

『iPhone SE(第3世代)』が、思っていたよりも高かったのであーる。

まの

分かりますわ。

さたえり

じゃあ、買わないんやね?

二条ねこ

うーん、パスですな!

おわり