- iPhone SE(第3世代)は『5G携帯電話通信』!
- iPhone 13系は『超高速の5G携帯電話通信』!
- A15 Bionicこそ一緒だが『MIMO』の数が違う!
“コスト削減の痕跡”
Apple公式サイトを見ると、iPhone SE(第3世代)は『5G携帯電話通信』、iPhone 13シリーズは『超高速の5G携帯電話通信』、となっている。一体、この違いは何なのか。…気になったので調べてみました。


対応バンド以外にも、見るべき点があるということですわね。

うーん、ややこしい!
『5G携帯電話通信』と『超高速の5G携帯電話通信』

新しく発表された『iPhone SE(第3世代)』。
筐体周り(デザインやカメラ等)こそ、iPhone SE(第2世代)を踏襲したモデルですが、チップに関してはフラグシップである『iPhone 13シリーズ』と同じ『Apple A15 Bionic』が採用されています。

Image:Apple
ところが、Apple公式のiPhone比較ページを見てみると、
- iPhone SE(第3世代):5G携帯電話通信
- iPhone 13シリーズ:超高速の5G携帯電話通信
- iPhone 12シリーズ:超高速の5G携帯電話通信
という感じで、5G通信に関する記述が異なっています。
この表現をそのまま受け取るとするならば、iPhone SE(第3世代)の5G通信は“超高速ではない”、ということになってしまいます。

じゃあ、iPhone SE(第3世代)の5Gは…“何速”なん?

超低速、低速、中速、高速、超高速、のどれか!!

…フラッシュザウルス。

5G通信が超高速でないとすれば何なのか、という感じもしなくもない。
ただ、こうやって書き分けているということは、iPhone SE(第3世代)とiPhone 13シリーズでは、5G通信において、何かしらの差別化要素が含まれていることは事実。
そこで、iPhone SE(第3世代)が『超高速の5G携帯電話通信』ではなく、『5G携帯電話通信』になっている理由を探ってみることにします。

フレンドパークなら、『デリソバ』が好きだったなー。

うん、どうでもいい!
対応バンドの比較
まずは、iPhone SE(第3世代)とiPhone 13シリーズの対応バンドを比較してみることにします。
比較
iPhone SE (第3世代/2022) |
iPhone 13 (2021) |
---|---|
n1 (docomo・au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
n2 (-) |
|
○ | ○ |
n3 (docomo・au・SoftBank・Rakuten) |
|
○ | ○ |
n5 (-) |
|
○ | ○ |
n7 (-) |
|
○ | ○ |
n8 (SoftBank) |
|
○ | ○ |
n12 (-) |
|
○ | ○ |
n20 (-) |
|
○ | ○ |
n25 (-) |
|
○ | ○ |
n28 (docomo・au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
n29 (-) |
|
× | ○ |
n30 (-) |
|
○ | ○ |
n38 (-) |
|
○ | ○ |
n40 (-) |
|
○ | ○ |
n41 (au|UQ WiMAX・SoftBank|WCP AXGP) |
|
○ | ○ |
n48 (-) |
|
○ | ○ |
n66 (-) |
|
○ | ○ |
n71 (-) |
|
× | ○ |
n77 (au・SoftBank・Rakuten) |
|
○ | ○ |
n78 (docomo・au) |
|
○ | ○ |
n79 (docomo) |
|
○ | ○ |
対応バンド比較(5G)
※iPhone SE(第3世代):モデルA2782
※iPhone 13:モデルA2631
iPhone SE (第3世代/2022) |
iPhone 13 (2021) |
---|---|
Band 1 (docomo・au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
Band 2 (-) |
|
○ | ○ |
Band 3 (docomo・au・SoftBank・Rakuten) |
|
○ | ○ |
Band 4 (-) |
|
○ | ○ |
Band 5 (-) |
|
○ | ○ |
Band 7 (-) |
|
○ | ○ |
Band 8 (SoftBank) |
|
○ | ○ |
Band 11 (au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
Band 12 (-) |
|
○ | ○ |
Band 13 (-) |
|
○ | ○ |
Band 14 (-) |
|
× | ○ |
Band 17 (-) |
|
○ | ○ |
Band 18 (au・Rakuten|au roaming) |
|
○ | ○ |
Band 19 (docomo) |
|
○ | ○ |
Band 20 (-) |
|
○ | ○ |
Band 21 (docomo) |
|
○ | ○ |
Band 25 (-) |
|
○ | ○ |
Band 26 (au・Rakuten|au roaming) |
|
○ | ○ |
Band 28 (docomo・au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
Band 29 (-) |
|
× | ○ |
Band 30 (-) |
|
○ | ○ |
Band 32 (-) |
|
○ | ○ |
Band 34 (-) |
|
○ | ○ |
Band 38 (-) |
|
○ | ○ |
Band 39 (-) |
|
○ | ○ |
Band 40 (-) |
|
○ | ○ |
Band 41 (au|UQ WiMAX・SoftBank|WCP AXGP) |
|
○ | ○ |
Band 42 (docomo・au・SoftBank) |
|
○ | ○ |
Band 46 (-) |
|
○ | ○ |
Band 48 (-) |
|
○ | ○ |
Band 66 (-) |
|
○ | ○ |
Band 71 (-) |
|
× | ○ |
対応バンド比較(4G)
※iPhone SE(第3世代):モデルA2782
※iPhone 13:モデルA2631
結果
iPhone 13シリーズで対応しているバンドの一部が、iPhone SE(第3世代)では対応していません。
しかし、いずれも日本では使用されていない周波数帯域だったので、ここが『超高速の5G携帯電話通信』と『5G携帯電話通信』を分けているポイントとは考えづらい(あくまで日本向けモデルでの話ですが)。
おそらく、iPhone SE(第3世代)のほうが対応バンドが少なくなっている理由は、『モデルA2782』が日本専用モデルになっているからでしょう。(iPhone 13の『モデルA2631』は、日本以外にも、カナダやメキシコと同じモデルになっている)
搭載MIMOの比較
対応バンドでの差異が(ほぼ)ないということは、搭載されているMIMO技術の差、というのが怪しくなってくる。
そこでお次は、そのMIMOについて調べてみます。
比較
iPhone SE (第3世代/2022) |
iPhone 13 (2021) |
---|---|
5G Sub6 | |
2x2 MIMO | 4x4 MIMO |
4G LTE | |
2x2 MIMO | 4x4 MIMO |
搭載MIMOの比較
結果
iPhone 13シリーズに比べて、iPhone SE(第3世代)は、搭載MIMOの数が少なくなっていました。
『MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)』とは、送信側・受信側で複数の通信用アンテナを同時使用し、データ転送を高効率化・高速化する技術。
結論

iPhone SE(第3世代)が、『超高速の5G携帯電話通信』ではなく、『5G携帯電話通信』となっている理由。
それは、iPhone 13シリーズに比べて、搭載MIMOの数が少なくなっているからでしょう。

Image:Apple
NTTドコモ等の国内携帯キャリアでは、当然のように『4x4 MIMO』に対応しているバンドがあります。
そうなると、iPhone SE(第3世代)の『2x2 MIMO』という仕様は少々気になってしまうところ。特に、4Gエリアだと、この差が出てくるかもしれません。

Image:Apple
余談ですが、同時に発表された『iPad Air(第5世代)』のセルラーモデルですが、こちらは『4x4 MIMO』のセルラー通信に対応していました。

コストカット、ですわね。

こういう地味なところのスペック落としてるから、iPhone SEは安く提供できるのでしょうなー。
まとめ「iPhone SE 3は『2x2 MIMO』」

『iPhone SE(第3世代)』と『iPhone 13シリーズ』は、同じSoC(A15 Bionic)を採用し、5G通信対応も同じ。では、何が内部的に違うのか。
その答えは…『2x2 MIMO』と『4x4 MIMO』でした。

そうなると、投げ売りされてる『iPhone 12 mini』とか『iPhone 13 mini』でも良いのでは!?
おまけ

『iPhone SE(第3世代)』が、思っていたよりも高かったのであーる。

分かりますわ。

じゃあ、買わないんやね?

うーん、パスですな!
おわり
『5G』もいろいろあーる。