- 目的:通信障害に備えたiPhoneのデュアルSIM構成を考える
- メイン回線(使い勝手重視):『ahamo』『Y!mobile』
- サブ回線(運用コスト重視):『楽天モバイル』『povo』
— デュアルSIMで万全盤石 —
本稿では、携帯キャリアで大規模な通信障害が発生して「ネットにつながらない」とならないようにすべく、iPhoneにおける理想の『デュアルSIM』の組み合わせを考えていきます。
ランニングコストを抑えつつ冗長化させる、ですわね。
ユーザー側も備える必要がある、ってことやね。
目次
本稿の趣旨
携帯電話の回線で通信障害が発生した場合でも、モバイル通信・音声通話の両方が常にできる状態を保つために、iPhoneにおけるデュアルSIMの組み合わせを考える。
2018年12月にSoftBankにおいて。2021年10月にNTTドコモにおいて。そして、2022年7月にKDDIにおいて、大規模な通信障害が発生してしまいました。
いずれの携帯キャリア各社においても、常に最善を尽くしてくれていることは重々承知しています。しかし、通信障害の可能性はゼロにはならないし、もし起こってしまったときのダメージが大きすぎる。
そこで本稿では、ユーザー側で行える通信障害対策という視点で、iPhoneにおける理想のデュアルSIM構成を考えていきます。
「2回線持っておけば、どちらかは大丈夫だろう」という発想ですわね?
ま、そゆことですなっ!
iPhoneでのデュアルSIM化の注意点
デュアルSIM対応モデルを要確認
| iPhone XS Max iPhone XS |
iPhone XR | iPhone 11 Pro Max iPhone 11 Pro iPhone 11 |
iPhone SE (第2世代) | iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro iPhone 12 iPhone 12 mini |
iPhone 13 Pro Max iPhone 13 Pro iPhone 13 iPhone 13 mini |
iPhone SE (第3世代) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
発売年 | 2018年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
5G対応 | 非対応 |
非対応 |
非対応 |
非対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
|
eSIM | 対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
|
デュアルSIM | nanoSIM + eSIM |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
対応 |
eSIM + eSIM |
非対応 |
非対応 |
非対応 |
非対応 |
非対応 |
対応 |
対応 |
iPhoneにおけるeSIM/デュアルSIM対応モデル
※2022年7月5日時点
デュアルSIMに対応しているiPhoneは、『iPhone XS』『iPhone XR』の世代以降です。それ以前のモデル(iPhone 8等)は、デュアルSIMには対応しておりません。
- nanoSIM + eSIM
- eSIM + eSIM (一部機種)
また、日本版のiPhoneでは、物理SIM(nanoSIM)が1枚しか挿入できません。ですので、iPhoneでデュアルSIMをする場合は、いずれか一方のモバイル回線が『eSIM』に対応している必要があります。
なお、『iPhone 13シリーズ』以降においては、 eSIM + eSIM というような『デュアルeSIM』という組み合わせにも対応しております。
OS的にも、『iPhone 7(まもなくサポート終了)』や『iPhone 8(来年あたりでサポート終了しそう)』を使ってるユーザーは、そろそろ買い替えかもですな。
円安で大幅に値上げしてしまっているので、最悪の時期ではありますがね。
APN構成プロファイルの共存不可
一部の携帯キャリアでは、『APN構成プロファイル(= モバイル回線に接続するためのアクセスポイントを定義した構成プロファイル)』を、iPhoneにインストールする必要があります。
しかし、iPhoneに同時インストールできるのは、1つだけ。複数の『APN構成プロファイル』をiPhone内に共存させることはできません。
この問題は、iPhoneでデュアルSIMをするのであれば、かならず知っておきたいポイントになってきます。ご存じなかった場合は、ぜひ覚えておきましょう。
ちなみに、iPadのデュアルSIM化は、もっと複雑なのであーる。
iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ例
そういうわけで、何かあったときの通信障害対策としても有用(だと思う)、iPhoneにおけるデュアルSIMの組み合わせ例を紹介していきます。
- 条件①:eSIMに対応している
- 条件②:APN構成プロファイルのインストール不要
- 条件③:両方のSIMが音声通話に対応
なお、前述した内容を踏まえて、以上の条件を設けております。
【おすすめ①】ahamo + 楽天モバイル
| SIM① (メイン回線) |
SIM② (サブ回線) |
---|---|---|
ahamo | 楽天モバイル | |
キャリア網 | docomo | Rakuten (au) |
月額基本料金 | 2,970円/月 〜 | 1,078円/月 〜 |
データ容量 | 20GB 〜 | 無制限 |
SIMタイプ | 音声通話/SMS対応 | 音声通話/SMS対応 |
SIMカード | nanoSIM eSIM |
nanoSIM eSIM |
RCSアプリ | +メッセージ | Rakuten Link |
キャリアメール | 非対応 |
対応 |
特徴 | Apple Watchセルラー対応 | Apple Watchセルラー対応 |
5分かけ放題無料 | 無制限かけ放題 (Rakuten Link利用) |
|
- | 従量課金制プラン | |
公式サイト | ahamo | 楽天モバイル |
iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ①[*1]
組み合わせ①は、『ahamo(メイン回線)』と『楽天モバイル(サブ回線)』。
双方ともにApple Watchセルラーモデルに対応しており、プレフィックス番号なしのかけ放題もahamo側に付帯しているので、All-in-Oneを目指すならこちら。
【おすすめ②】ahamo + povo
| SIM① (メイン回線) |
SIM② (サブ回線) |
---|---|---|
ahamo | povo | |
キャリア網 | docomo | au |
月額基本料金 | 2,970円/月 〜 | 0円/月 |
データ容量 | 20GB 〜 | 0GB |
SIMタイプ | 音声通話/SMS対応 | 音声通話/SMS対応 |
SIMカード | nanoSIM eSIM |
nanoSIM eSIM |
RCSアプリ | +メッセージ | +メッセージ |
キャリアメール | 非対応 |
非対応 |
特徴 | Apple Watchセルラー対応 | トッピング方式 |
5分かけ放題無料 | - | |
公式サイト | ahamo | povo |
iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ②[*2]
組み合わせ②は、『ahamo(メイン回線)』と『povo(サブ回線)』。
サブ回線をさらにローコスト化するなら、こちら。なお、povoは180日に最低1回は課金しないと回線が解約されるルールなので、完全に塩漬けはできません。ここは注意。
【おすすめ③】Y!mobile + 楽天モバイル
| SIM① (メイン回線) |
SIM② (サブ回線) |
---|---|---|
Y!mobile | 楽天モバイル | |
キャリア網 | SoftBank | Rakuten (au) |
月額基本料金 | 2,178円/月 〜 | 1,078円/月 〜 |
データ容量 | 3GB 〜 | 無制限 |
SIMタイプ | 音声通話/SMS対応 | 音声通話/SMS対応 |
SIMカード | nanoSIM eSIM |
nanoSIM eSIM |
RCSアプリ | +メッセージ | Rakuten Link |
キャリアメール | 対応 |
対応 |
特徴 | データ繰越対応 | Apple Watchセルラー対応 |
データシェア対応 | 無制限かけ放題 (Rakuten Link利用) |
|
- | 従量課金制プラン | |
公式サイト | Y!mobile | 楽天モバイル |
iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ③[*3]
組み合わせ③は、『Y!mobile(メイン回線)』と『楽天モバイル(サブ回線)』。
キャリアメールを頻繁に使うなら、こちら。Y!mobileは、データの翌月繰越とデータシェアに対応しているので、他の端末でも回線を運用したいのであれば、この組み合わせがおすすめ。
【おすすめ④】Y!mobile + povo
| SIM① (メイン回線) |
SIM② (サブ回線) |
---|---|---|
Y!mobile | povo | |
キャリア網 | SoftBank | au |
月額基本料金 | 2,178円/月 〜 | 0円/月 |
データ容量 | 3GB 〜 | 0GB |
SIMタイプ | 音声通話/SMS対応 | 音声通話/SMS対応 |
SIMカード | nanoSIM eSIM |
nanoSIM eSIM |
RCSアプリ | +メッセージ | +メッセージ |
キャリアメール | 対応 |
非対応 |
特徴 | データ繰越対応 | トッピング方式 |
データシェア対応 | - | |
公式サイト | Y!mobile | povo |
iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ④[*4]
組み合わせ④は、『Y!mobile(メイン回線)』と『povo(サブ回線)』。
サブ回線(povo)を緊急用と完全に割り切るならば、こちら。Y!mobileのデータシェアをフル活用するなら、サブ回線はあまり出番がないので(データシェア用のSIMは音声通話不可)、こういう組み合わせでもアリかも。
まとめ「“もしも”にデュアルSIMが役立つ」
「“もしも”のために、iPhoneをデュアルSIMで運用しようず」…ということなのです。ですなの。
広告を見る必要があるけど、何かあったときには無料で音声通話できる『LINE Out Free』を使うのもアリかもであーる。
おまけ
ここで役立つのが『デュアルeSIM』であーるっ!
確かに、そのほうが運用しやすそうですからね。
いずれにせよ、デュアルSIM化は要検討やね。
おわり
*1ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合↩
*2ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合↩
*3ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合↩
*4ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合↩
…が、iPhoneでのデュアルSIMの組み合わせ候補ですなっ!