- キャリアアグリゲーションとは何かについてお勉強した!
- 4G・LTEが高速・安定・高効率になる凄い技術!
- 問題は端末側のロックや厳しい電波法!
キャリアアグリゲーション = ギガを束ねて速くする技術
4G・LTEの高速化を支える技術、それが『キャリアアグリゲーション』。これに対応しているか否かで、かなり通信速度が変わるらしい。そこで5G時代が来る前に、まずはキャリアアグリゲーションとは何かをお勉強してみました。
そ、それは…凄い!
皆が使うスマホだからこそ、抑えておきたい技術ですわね。
目次
『キャリアアグリゲーション』とは?
■『キャリアアグリゲーション』概要
- キャリアアグリゲーションは周波数帯を束ねる技術。
- 通信回線の高速化・安定化・効率化というメリットがある。
- 端末側でCAロックされている場合があるので要注意。
- MVNOの場合はネットの上流が遅いのでCAの恩恵は限定的。
『キャリアアグリゲーション』(略称:CA)とは何かを簡単にまとめると、セルラー通信を行う周波数帯を複数本束ねて、通信回線の高速化・安定化・効率化を実現した技術のことです。このキャリアアグリゲーションは、LTE-Advancedの主要技術のひとつとして挙げられます。
LTE-Advancedのイメージは、
3G → LTE(4G) → LTE-Advanced(4G) → 5G
っていう感じですなー。
キャリアアグリゲーションをもっと身近な例にすると、車(=スマホ)と運転者(=あなた)に例えることができる。
いつも走っている道路の車線が片側一車線で、非常に混雑しているとする。これが片側二車線に拡張されたことによって、車の混雑が減ってあなたは快適に運転できるようになった。このイメージのセルラー通信版がキャリアアグリゲーションという感じ。
とにかく、4G時代における通信速度の低下と混雑を解消するためには、このキャリアアグリゲーションをどう扱うかがキモって感じなのであーるっ!
キャリアアグリゲーションのイメージ図
キャリアアグリゲーションを簡単に可視化(っぽい)した図を作ってみました。それが上画像です。
- Band 1(2.1GHz):12.5Mbps
- Band 3(1.7GHz):150Mbps
- Band 19(800MHz):75Mbps
という、各バンドをキャリアアグリゲーション技術を用いることによって、
- CA_1-3-19(2.1GHz・1.7GHz・800MHz):337.5Mbps
という感じになるというわけです。
こんな感じの概念っていうのが分かったところで、キャリアアグリゲーションのメリットを見ていくとするぞー!
キャリアアグリゲーションの利点
【利点1】通信速度の高速化
1つめの利点であり、最大のメリットになるのが、キャリアアグリゲーションによって通信速度が理論上高速化されるということ。
例えば、1つの周波数帯での最大通信速度が100Mbpsだとする。これがキャリアアグリゲーションによって2つ周波数帯を1つに束ねたとすると、最大通信速度が200Mbpsに増えることになります。
もちろん、この手の通信速度の算数はあくまで理論値での話なので、実際に倍ぐらい速くなるとは言い切れません。ただ、少なくとも、キャリアアグリゲーションした搬送波のほうが通信速度は速くなるというわけです。
水道のホースが太くなって、一度に流れる水の量が増えたってイメージだねっ!
【利点2】通信回線の安定化
2つめの利点は、キャリアアグリゲーションで束ねられた周波数帯というのは、通信回線自体が安定しているということ。
LTEの周波数帯(○○Hz)には、それぞれ高い周波数帯や低い周波数帯があります。そして、その各周波数帯には、それぞれ得意不得意な領域が存在しています。
キャリアアグリゲーション技術を用いて、複数の周波数帯を束ねることによって、それぞれの周波数帯の得意不得意を補完できるのです。つまり、キャリアアグリゲーションした周波数帯には、複数の周波数帯を持っているということになります。なので、単一の周波数帯しか持たない非キャリアアグリゲーションな周波数帯よりも、キャリアアグリゲーションしている周波数帯のほうが、安定した高速通信が可能になるというわけです。
この通信の安定化は『周波数帯ダイバーシティ効果』と呼ぶそうで、複数の周波数帯を状況に応じて使い分けられるようになっています。これにより、通信そのものの質が上がるというわけですね。
いろんな周波数帯同士が融合して属性が増えたポケモン的なイメージだねっ!
【利点3】通信回線の効率化
3つめの利点は、キャリアアグリゲーションに対応した周波数帯というのは、効率の良いネットワーク通信を行えるということ。
例えば、1つの周波数帯にネットワーク通信が集中していて混在していたとする。でも、もう1つの周波数帯はガラガラ…。これでは、ネットワーク通信の快適さにバラツキが出てしまいます。
これがキャリアアグリゲーション対応になると、この混雑していたある周波数帯のネットワーク通信を別の周波数帯に分散させ、全体にスムーズなネットワーク通信が可能になります。これを『統計多重効果』と呼ぶそうです。
周波数帯同士が助け合っているイメージだねっ!
キャリアアグリゲーションの問題点
キャリアアグリゲーションは良いこと尽くめやね!
さすがは“Advanced”ですわね。
ところがどっこい、そんな完全無欠なキャリアアグリゲーションにもウィークポイントがあるんですなー。
【問題点1】端末側のキャリアアグリゲーション無効化
1つめの問題点は、端末側でキャリアアグリゲーションを無効化しているスマートフォンが存在しているということ。
例えば、あるスマートフォンがdocomo回線のみキャリアアグリゲーション対応させるというロックを内部的に設定されていたとする。すると、そのスマートフォンはSIMロック解除したとしても、docomo回線でのみしかキャリアアグリゲーションを利用することができないという自体に陥るわけなのです。
つまり、スマートフォンの周波数帯が他キャリアもカバーしていれば、docomo回線以外のau回線やSoftBank回線でも通信できます。しかし、au回線やSoftBank回線では、ネットワーク通信はできるがキャリアアグリゲーションは使えないということになります。
なので、キャリアアグリゲーションを確実に利用したい場合は、
- 端末側:NTTドコモで販売されているスマートフォン
- 回線側:docomo回線(MNO・MVNOの両方)
という、端末・回線のどちらのキャリアも統一されている必要があるというわけです。
キャリアアグリゲーション自体の規格が厳格に決められているから、簡単にキャリアの周波数帯を跨いで思いどおりに通信できないって感じなんだよねー。
しかも、日本の電波法は世界でもトップクラスで厳格ですからね。
【問題点2】MVNOでは効果が限定的
2つめの問題点は、キャリアアグリゲーションの恩恵を最大限享受できるのは、MNOの回線を利用しているユーザーのみということ。
MVNOの場合でも、MNOが提供しているキャリアアグリゲーションを利用可能(もちろん、スマートフォン側もCA要対応)にはなっています。なので、MVNOユーザーであっても、キャリアアグリゲーションによる高速かつ安定した通信が行えるというわけです。
しかし、キャリアアグリゲーションでいくら高速通信ができる条件が整っていたとしても、もっと上流で速度が低下してしまうという問題がMVNOには絡んでくるというわけです。なので、MVNOユーザーのキャリアアグリゲーションの恩恵は、MNOユーザーのそれと比べると、ちょっと恩恵度は少ないということになりそうです。ただ、ここは致し方ないことではありますがね。
とはいえ、キャリアアグリゲーション自体はユーザーが意図して、利用する・利用しないを選択するものではありません。実際には“知らないけどキャリアアグリゲーション対応周波数帯で通信してた”という感じでしょう。なので、あまり神経質にキャリアアグリゲーションなのに遅いということは考えないのが、精神衛生上は良さそうです。
なんか、早く5Gに移行してほしくなってくるやんね…。
価格の安さと通信回線の高速さ、両方求めるには無理があるということですわね。
CAをフルに体感したいなら、MNOを契約しようってことですなー。
まとめ「キャリアアグリゲーションは効果的だけど限定的」
キャリアアグリゲーションとは何かについて総括すると…
- キャリアアグリゲーション = 複数の周波数帯を束ねる技術
- 通信回線の高速化・安定化・効率化が期待できる
- 端末側にCAロックがかけられている場合があるので注意
- MVNOの場合はネットワークの上流が遅いせいでCAの恩恵を受けづらい
という感じになります。
docomo端末 + docomo回線
au端末 + au回線
SoftBank端末 + SoftBank回線
のような組み合わせなら大丈夫ですが、MVNOやSIMフリー端末の場合は、思いどおりのキャリアアグリゲーション効果を受けられないことに注意が必要です。
あ、CAといってもキャビンアテンダントじゃないぞよっ!(すっとぼけ)
おまけ
これで4G時代の復習はバッチリ〜♪
うぬぼれやね。う・ぬ・ぼ・れ!
日々、精進ですわ。まだまだ調べることは沢山ですよ?
うぐぐ…5Gへの道は遠いぬ。
おわり
Reference:
格安SIMで失敗しないノウハウ~格安SIMの機種別の対応周波数を調べる方法~ - DTI, KDDIが国内初のLTE-Advanced導入、キャリアアグリゲーション技術で150Mbpsのサービスを提供 - TIME&SPACE, 限定的だが効果アリ! 格安SIMでキャリアアグリゲーションを試した - ASCII.jp
キャリアアグリゲーションに対応したスマホだと、
の三拍子揃ってネットができーるっ!