Galaxy Z Fold3 vs Surface Duo ——電子書籍/手書きメモ/艦これ端末な比較

記事のポイント

“○○端末”視点でGalaxy Z Fold3 5GとSurface Duoを比較！
Surface Duoは漫画向き・Galaxy Z Fold3 5Gは文庫向き！
手書きメモは一長一短だけど艦これはどっちでも捗るぞ！

“フォルダブル vs 2画面”

『Galaxy Z Fold3 5G』と『Surface Duo』という、異なる構造を持つ折り畳みスマホ。この2機種を、電子書籍・手書きメモ・艦これという視点で実機比較してみました。

Galaxy Z Fold3 5Gはデカスマホ。
Surface Duoはミニタブレット。
…挙動的にもそーんな感じ！

構造が異なると、向き不向きも異なるわけですね！？

でも、どっちか1つでいいと思うんやけど……。

Galaxy Z Fold3 5G vs Surface Duo
“○○端末”としての比較
比較した総評
まとめ「艦これや電子書籍こそフォルダブル」
おまけ

Galaxy Z Fold3 5G vs Surface Duo

Samsung『Galaxy Z Fold3 5G』とMicrosoft『Surface Duo』。

両機種ともに、折り畳みスマートフォンに分類される。
しかし、“折り畳む”仕組みが異なり、Galaxy Z Fold3 5Gは1枚の大画面ディスプレイを折り曲げる構造で、Surface Duoは2枚のディスプレイを一般的なヒンジを用いて合体させた構造になっている。これにより、同じ折り畳みではあるが、その使い勝手がまったく異なってくるわけです。

折り畳み構造が違う、ここが重要あーる！

	Galaxy Z Fold3 5G	Surface Duo
画面サイズ	Main Screen：7.6″ Cover Screen：6.2″	Single：5.6″ Dual：8.1″
画面解像度	Main Screen：2,208×1,768 Cover Screen：2,268×832	Single：1,800×1,350 Dual：2,700×1,800
画面アスペクト比	Main Screen：22.5:18 Cover Screen：24.5:9	Single：4:3 Dual：3:2
ペンプロトコル	EMR	MPP
本体サイズ	Open：128.1×158.2×6.4mm Closed：67.1×158.2×14.4–16.0mm	Open：186.9×145.2×4.8mm Closed：93.3×145.2×9.9mm
質量	271g	250g

Galaxy Z Fold3 5G vs Surface Duo

なお、Galaxy Z Fold3 5GとSurface Duoの主要スペック比較は上表のとおり。

発売年が異なるので、SoCを比較するのは野暮というもの。ですので、本稿で注目しているのは、アスペクト比・画面解像度・デジタイザーペンのプロトコル…という、主に3つの要素になります。これ以外は触れないので、その点に関しては悪しからず。

これで前置きは終了っ！

うーん、相変わらず長い……。

“○○端末”としての比較

［1］電子書籍端末としての比較

■Galaxy Z Fold3 5G

評価：★★★☆☆

雑誌や写真集と好相性
文庫本ライクな所作
端末と本の折り目があべこべ
書籍と合わないアスペクト比

■Surface Duo

評価：★★★★☆

漫画や雑誌と好相性
端末と本の折り目が一致
アスペクト比がピッタリ
ヒンジ付近が一部表示不可

Galaxy Z Fold3 5G：リフロー型電子書籍向け・ヒンジ並行方向が見開き表示
Surface Duo：フィックス型電子書籍向け・ヒンジ垂直方向が見開き表示

…という感じ。

決定的に異なるのが、電子書籍を見開き表示できる方向。

Surface Duoは、普通に端末を開いた状態が見開き表示。ところが、Galaxy Z Fold3 5Gは、そこから端末を90°回転した状態が見開き表示。なので、実際の本っぽく読めるのは、Surface Duoのほう。

このように見開き表示の挙動が異なるのは、端末を開いた状態の長辺が“縦なのか横なのか”の違いからでしょう。

Galaxy Z Fold3 5Gは長辺が縦、Surface Duoは長辺が横。見開き表示は長辺が横の場合に作動するので、あとはお察し…ということです。

そうそう、Surface Duoはヒンジ部分も表示領域としてカウントされているため、中心部分のコンテンツが数ピクセルぶん見切れます。

なので、リフロー型の小説は一部文字が見えなくなります。これはかなり痛い。Galaxy Z Fold3 5Gは1枚の画面なので、そういうことは起こりません。

なお、電子書籍アプリは定番のKindleで試しております。

［2］手書きメモ端末としての比較

■Galaxy Z Fold3 5G

評価：★★★★☆

ジッターがほぼゼロ
高いホバー性能
ペーパーライク貼付不可
少ない代替ペンの選択肢
筆圧が強いと微妙に心配

■Surface Duo

評価：★★★☆☆

ジッター多少アリ
ホバー性能は並
ペーパーライク貼付可能
豊富な代替ペンの選択肢
ガシガシ筆記可能

Galaxy Z Fold3 5G：描きたい人向け・書き味軟質・ジッター極少
Surface Duo：書きたい人向け・書き味硬質・ジッター微少

…という感じ。

Galaxy Z Fold3 5GがEMR、Surface DuoがMPP、というペンプロトコルの違いがあるのですが、それがそのまま書き味やジッターの大小にダイレクトに影響しています。

Galaxy Z Fold3 5GはさすがEMRということもあり、フォルダブル仕様でもジッターは少なめ。ただ、フニャっとしたペン先の当たりは気になるかも。しかも、抵抗感がほぼなく、ペン先がかなり滑ってしまう。

あと、やっぱり画面を痛めてしまわないか気を使います。そうそう壊れないとは思いますが……。

Surface Duoはジッターが出やすいMPPの中でも、チューニングが上手なのか、比較的気にならない感じ。とはいえ、ゆっくり斜めに描画するとジッターは出ます。ですので、ゆっくり“描く”というよりも、ササっと“書く”のに向いていると感じます。

こちらは画面が硬質なガラスで守られており、ペーパーライクフィルムも貼付できる（厚手のフィルムは非推奨）ので、自分好みのチューニングも可能。

フォルダブルスマートフォンということもあり、Galaxy Z Fold3 5Gが対応しているペン（S Pen）は特殊な独自ペン。なので、従来のEMRペンとは互換性がありません（従来のEMRペンで筆記しようとすると警告文が表示される）。

したがって、純正のペン（S Pen Fold Edition等）が気に入らないとなると、代替ペン探しは諦めなければなりません。

対して、Surface Duoは一般的なMPPペン（Surface Slim Pen）。ですので、サードパーティー製の選択肢も豊富。

同じMPPペンでも、ペン先の質感やボタン数が異なるので、自分に合うデジタイザーペンを探すのも面白かったりします。ちなみに、私のおすすめは『Dell Premium Active Pen (PN579X)』という製品。

Dell Premium Active Pen (PN579X)

Dell

［3］艦これ端末としての比較

■Galaxy Z Fold3 5G

評価：★★★★★

カバー画面での入渠が便利
基本は横持ちでプレイ推奨
少しだけ小さく感じる表示

■Surface Duo

評価：★★★★★

縦持ち2画面表示が便利
とにかく広大な表示領域
全画面だと見切れる中央部の表示

Galaxy Z Fold3 5G：大画面＋いつでもどこでもなプレイをしたい人向け
Surface Duo：大画面＋攻略情報を確認しながらなプレイしたい人向け

…という感じ。

現在の艦これ（艦隊これくしょん）はHTML5ベース。なので、当然ですが両機種ともに普通にウェブブラウザー上で動作します。なお、アプリ版ではなくブラウザー版でプレイしたい場合は、PC表示にすれば可能。

モバイル機だけど大画面で艦これがプレイできる、というのは両機種ともに同じ。ただ、画面のアスペクト比的に、Surface Duoのほうが大画面をフルに活かしたプレイが可能。Galaxy Z Fold3 5Gのほうは、それに比べるとほんの少し狭く感じてしまいます。

Galaxy Z Fold3 5Gの利点は、Cover Screen（閉じたときの画面）を使って、ポチポチと補給作業ができること。

これが地味に便利で、入渠や改修工廠をこの画面で隙間時間に行えます。もちろん、出撃はMain Screen（開いたときの画面）ですれば完璧。

Surface Duoの利点は、2画面あるうちの1つを艦これにして、もう1つに攻略サイトが表示できること。

画面分割自体はGalaxy Z Fold3 5Gでも可能ですが、あちらはそれをすると少し表示領域が狭い。しかし、本機だと2画面に分割しても、広々と艦これをプレイすることが可能です。

比較した総評

	Galaxy Z Fold3 5G	Surface Duo
電子書籍	★★★☆☆	★★★★☆
手書きメモ	★★★★☆	★★★☆☆
艦これ	★★★★★	★★★★★