- SIMフリー版Xperiaの発売が半年遅れである理由を考察!
- 理由は大手携帯キャリアへの配慮としか考えられない!
- 半年遅れなSIMフリー版は売る側も買う側もデメリット大!
“同時になぜ出さない?”
現在のXperiaは、キャリア版から約半年遅れでSIMフリー版が発売されます。本稿では、なぜ同時に発売されないのかを考察したり、半年遅れでローンチすることによる機会損失について考えたりします。
これが噂の忖度!?
…ですわね。
目次
SIMフリー版Xperiaの発売遅い問題
ここ数年でようやく、SIMフリー版のXperia(日本国内向け)が販売されるようになりました。
まさかXperiaが…という感じでしたよね。
フラグシップモデルがSIMフリーで買えるようになったのは、消費者にとっては大歓迎なことだよねー!
Xperia 1 II | |
キャリア版 (SO-51A) |
SIMフリー版 (XQ-AT42) |
2020年6月18日 | 2020年10月30日 |
Xperia 5 II | |
キャリア版 (SO-52A) |
SIMフリー版 (XQ-AS42) |
2020年11月12日 | 2021年5月28日 |
各Xperiaのキャリア版・SIMフリー版の発売日
ところが、上表を見てもらえれば分かるように、キャリア版とSIMフリー版が同時発売されることはなく、SIMフリー版はキャリア版から概ね半年遅れでの発売となっているのが現状です。
Xperia好きとしては、これが結構クリティカルな問題なのであーる。
同時になぜ出さないのか?
「SIMフリー版Xperiaとキャリア版Xperiaを、なぜ同時に出さないのか?」…と、疑問に思ってしまうところ。
この疑問に対しての解、日本の大手携帯キャリアに配慮していると考えるのが、やはり一番腑に落ちるのではないでしょうか。いわゆる“忖度”というあれです。
やっぱりそうなるやんね。
むしろ、これ以上しっくりくる理由が見つからなかったり……。
大手携帯キャリアへの忖度説
仮にそうだとするならば、なぜ大手携帯キャリアに忖度しないといけないのでしょうか。
その理由として考えられるのが、端末開発費の一部負担を携帯キャリア側が行なっているため(現在は分からないが以前*1はあった)、決まった数の納入が見込めるのでメーカー側が販路として確保しておきたいため、などでしょう。
SIMフリー版とキャリア版を同時に発売してしまうと、多くのユーザーがSIMフリー版に流れてしまう可能性がある。そうなると、大手携帯キャリアとの関係性が悪化してしまうわけです。
Xperiaレベルの高いブランド力なら、SIMフリー版のみで戦えそうな気もしなくもない。とはいえ、iPhoneが SIMフリー版 + キャリア版 という展開をしていることを考えると、OSは違えどもそれでは分が悪い。なので、そうしたくはないということなのでしょう。
iPhoneの場合は携帯キャリアじゃなくて、Apple側にパワーバランスが傾いてるから、ある意味チートですな。
SIMロック販売禁止での変化
しかし、2021年10月1日から、SIMロック状態での販売が原則禁止になることが決定しています。
これを取り決めた総務省によると、例外的にはSIMロック状態を認める(与信審査で支払い能力が怪しい人の場合など)とのこと。なので、現在と100%状況が変わるわけではありません。とはいえ、今までよりは携帯キャリアが持つ影響力は弱まるでしょうし、キャリア版ではなくSIMフリー版を選ぶユーザーも増えてくるでしょう。
そうそう、話が逸れてしまいますが、「キャリア版がSIMロックフリー化するなら、SIMフリー版Xperiaは不要では?」と思いがちですが、これが微妙に違うのでして……。
というのも、多くのキャリア端末には、いわゆるBand制限問題*2が残されています。また、今回のSIMロックフリー義務化は、2021年10月1日以降に発売された端末に限定されたもの。ですので、 SIMロックフリーキャリア版 = SIMフリー版 とはならなかったりするのです。
遡って適用はしないわけやね。
そうみたいですなー。
半年遅れでの発売による損失
残念ながら、キャリア版から半年遅れでSIMフリー版Xperiaが発売される、これが現状です。
もちろん、販路に関係なく同時に発売されるのが理想。ですので、SIMフリー版Xperiaをキャリア版と同時発売すべき理由…というか、同時発売されないことによる“損失”を考えてみます。
ラグ起因のチャンスロス
キャリア版とSIMフリー版の発売日のラグは、概ね半年ほど。この半年のラグで生じたチャンスロス(機会損失)は非常に大きい。
iPhoneぐらいしかSIMフリー版が日本市場に存在しない時代ならいざ知らず、今ではAndroidスマートフォンでもSIMフリー版が数多く流通しています。しかも、大手携帯キャリアが取り扱っているフラグシップ級のスマートフォンでも、同時期か若干遅れぐらいでSIMフリー版が登場しています。
こうなってくると、SIMフリー版Xperiaの発売の遅さに痺れを切らして、他社製品に移行してしまうユーザーも少なくないでしょう。昨今のスマートフォン市場での半年遅れというのは、“たかが”ではなく、“されど”なのです。
ギークはせっかち!んごご!!
…そうなん!?
製品寿命の短縮
この半年遅れのラグというのは、チャンスロスだけではなく、スマートフォンそのものの、製品寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
もちろん、たった半年遅れぐらいでフラグシップ級のXperiaが陳腐化するなんてことは、当然あり得ないこと。最近のXperiaは完成度が高く、比較的サポートも熱心に行っているため、Xperia 1/Xperia 5クラスであれば、余裕で3年程度は不満なく使えるでしょう。
動作も安定してるし、ハードもソフトも良く出来ているのであーる。
ならば、何を指して“製品寿命を縮める”となるのか。…それはXperiaそのものの絶対的な性能ではなく、他社のフラグシップ級スマートフォンと比較した相対的な性能についてなのです。
搭載SoCの刷新やカメラモジュールの強化などから、各社ともに一定のスパンでフラグシップ級のAndroidスマートフォンをリリースしてきます。そんな中で、SIMフリー版Xperiaが半年遅れでリリースされるというのは、最初から強烈なハンデを背負って戦うことになるわけです。
多くのスマートフォンメーカーが、最低でも1年に1回はフラグシップ機を発表するわけなので、SIMフリー版Xperiaが出る半年後には、さらに高性能なスマートフォンが世に出回ってしまう。そうなると、半年後には相対的性能が下がってしまうことになってしまうのです。
大幅値下げの問題
キャリア版から半年遅れでSIMフリー版を出すというのは、ユーザー側からすると憤慨モノですが、おそらくSony側からしてもリスクが高いことは認知しているはず。
というのも、SIMフリー版が発売される数か月後には、元の発売時期(= キャリア版の発売日)から逆算して、後継機種がリリースされるタイミングになってきます。そうなると、元値では売れなくなるので、必然的に値下げをせざるを得ない状況に陥ってしまう。
実際、SIMフリー版Xperia 1 IIである『Xperia 1 II《XQ-AT42》』は、発売当初(2020年10月30日)は136,400円で販売されていたのですが、4か月後(2021年3月1日)には118,800円まで値下げしています。なお、この価格はSonyストアの価格なので、卸問屋価格ではなくメーカー直販価格。
つまりは、メーカーが「この値段で売りたい」と思っているものが、たった4か月で16,000円も下げてしまっているのです。しかも、フラグシップ機が…です。
後継機種がすぐ後ろに控えているので、大幅値下げもやむなし。これもすべて半年遅れで発売しているからこそ起こる現象。そう考えると、キャリア版と同時発売がベストなのは言うまでもありません。
買った人間からすると、早々に値下げするのは…ねー。
…あ、ねこちゃんは136,400円のときに買ってるんやもんね。
スマホの革新鈍化でチャンス到来
“セルフ縛りプレイ”をしているせいで、SIMフリー版Xperiaの価値は本来よりも低く見積もられがち。しかしながら、プロダクトとしての完成度は非常に高く、日本が世界と対等に戦える数少ないスマートフォンのひとつなのです。
数年前のXperiaは進化がスローペースな印象だったのですが、Xperia 1の時代になると一変。スマートフォンそのものの性能だけでなく、カメラ性能、オーディオ性能、などが出るたびに飛躍的に向上しております。
ちょっとSony贔屓で下駄履かしな感はあるやもしれないが、新モデルが発表されるたびにワクワクさせてくれるプロダクトへと昇華されていっているのです。正直、最近のXperia 1やXperia 5シリーズに関してはもっと評価されるべき存在だと思っています。
だからこそ、SIMフリー版を早期に出せば、かなりチャンスがあると思っているわけでして。
ローエンドもハイエンドも強かったHuaweiは、米国政府との摩擦で日本市場では超逆風が吹いてしまっている。iPhoneは毎年進化し続けているものの、プロ向けな進化っぽくて、一般層からすると何が進化しているのかを把握しづらい。
以前よりも、いわゆる“革新”が鈍化している今だからこそ、Xperiaの良さを知らしめる大チャンスが巡ってきていると思うわけなのです。グローバルだと話は別ですが、少なくとも日本においては今が勝負どころではないでしょうか。
なので、SIMフリー版Xperiaをキャリア版と一緒に出してっ!
まとめ「SIMフリー版とキャリア版の同時発売を希望」
あれこれ言いましたが、Sony好きとして、この状況がもどかしい。…ただ、それだけなのです。
SIMフリー版とキャリア版の同時発売。これさえクリアすれば、Xperiaはもっと売れるはず。携帯キャリアの大幅値引きも規制されて久しいので、ここらでひと勝負してほしいところです。
同時発売はわたしの悲願なのであーるっ!
おまけ
それにしても…SIMフリー版Xperia 1 IIIが遅いっ!
10月末ぐらいでしょうね。
でも、そのあたりでGoogle Pixel 6が出そうやんね。
そうなんだよねー。
だから、ゴメンだけど今年はパスかなー!?
おわり
*12009年に、NTTドコモ側が開発費負担をしていると第3四半期決算内にて発言があった。
*2自社で使わない周波数帯域を、意図的に掴まないようにした状態で端末を販売している問題を『Band制限問題』を呼ぶ。
理由はお察し…なんだけどねー。