- 4大携帯キャリアが全部eSIM/5G対応になった!
- eSIM対応キャリアか否かで悩む必要がなくなる!
- 次なる課題はキャリア端末のBand制限問題だ!
“総務省のお陰様かも”
大手携帯キャリアの4社すべてが、ついに『eSIM』と『5G』に対応しました。なので、各社の対応状況を見るとともに、次なる課題である『Band制限問題』について考えていきます。
やっと、という感じですわね。
…で、『Band制限問題』って?
大手携帯キャリアの足並み揃う
NTTドコモ・KDDI・SoftBank・楽天モバイル、これらすべての大手携帯キャリア(サブブランド・オンライン専用ブランドを含む)において、いずれも『eSIM』と『5G』に対応することになりました。
一部の携帯キャリアでは、すでに先行して対応していたものもありますが、これでついに4大キャリアの足並みが揃うことになりました。
大手携帯キャリアのeSIM/5G対応表
NTTドコモ | |||
| docomo | ahamo | |
eSIM | ○ (2021年9月8日提供開始) |
○ (2021年9月8日提供開始) |
|
5G | ○ | ○ | |
KDDI | |||
| au | UQ mobile | povo |
eSIM | ○ | ○ | ○ |
5G | ○ | ○ | ○ (2021年9月14日提供開始) |
SoftBank | |||
| SoftBank | Y!mobile | LINEMO |
eSIM | ○ | ○ | ○ |
5G | ○ | ○ | ○ |
楽天モバイル | |||
| Rakuten UN-LIMIT | ||
eSIM | ○ | ||
5G | ○ |
大手携帯キャリアのeSIM/5G対応状況
大手携帯キャリアが展開している、メインブランド・サブブランド・オンライン専用ブランドにおける、eSIMと5G通信の対応状況をまとめると上表のとおり。
いずれの場合においても、eSIMと5G通信に対応していることが分かります。サービス提供開始時期にばらつきはあるものの、「○○社はeSIM非対応だから契約は見送ろう」ということは今後なくなってくるわけです。
楽天モバイル参入前のことを考えると、かなり環境が良化しましたよね。
だよねー!
その代わりにMVNO各社は大変そうだけど…ね。
残る大きな課題はBand制限問題
eSIMと5G通信に関しては、とりあえずの各社間の優劣はなくなったわけですが、次なる問題として、キャリア端末の『Band制限問題』があります。
どういう意味なん!?
それは…下表を見てくだされっ!
Xperia 5 II | ||||
---|---|---|---|---|
| docomo版 (SO-52A) |
au版 (SOG02) |
SoftBank版 (A002SO) |
SIMフリー版 (XQ-AS42) |
4G・LTE | ||||
Band 1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Band 3 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Band 8 | - | - | ○ | ○ |
Band 11 | - | ○ | ○ | - |
Band 18 | - | ○ | - | ○ |
Band 19 | ○ | - | - | ○ |
Band 21 | ○ | - | - | ○ |
Band 26 | - | ○ | - | ○ |
Band 28 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Band 41 | - | - | - | ○ |
Band 42 | ○ | ○ | ○ | ○ |
5G | ||||
n77 | - | ○ | ○ | ○ |
n78 | ○ | ○ | - | ○ |
n79 | ○ | - | - | ○ |
Xperia 5 IIの販売元による対応周波数帯の差異
このキャリア端末のBand制限問題、Xperia 5 IIを例に挙げて見てみると上表のとおり。
SIMフリー版となるXQ-AS42は、Band 11(auとSoftBankで利用されている1.5GHz帯)を除けば、日本で携帯電話を利用するための周波数帯は軒並み対応しています。ですので、XQ-AS42を購入した場合においては、自分が現在どの携帯キャリアを利用しているのかを一切気にすることなく利用が可能となる。もちろん、他の携帯キャリアに乗り換えた場合も問題は生じないわけです。
翻って、各携帯キャリアで専売されているスマートフォン(= キャリア端末)はどうでしょうか。
端的に言ってしまえば、いずれの携帯キャリアも自社で扱っていない周波数帯に関しては、電波を掴まないように塞がれてしまっているのです。これこそ、Band制限問題なのです。
SIMフリー版であるXQ-AS42の対応バンドから察すると、意図的に他社の周波数帯をマスクさせていることは明白。これでは、キャリア端末のSIMロックフリーを原則化したところで、携帯キャリアの行き先がある程度固定化されてしまい、SIMロックフリーの意味をなさなくなる可能性が極めて高くなってきます。
したがって、日本の携帯キャリアにおける次なる課題としては、このキャリア端末のBand制限を撤廃する動きが出るのか、というところにあると個人的には感じているわけなのです。
ここも総務省がメスを入れるか、なんだよねー。
『移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン』を出しているくらいですからね。
キャリア端末がSIMロックフリー化されても、Band制限があったら…最初からSIMフリー端末を買うよねー。存在すればだけど。
問題は『LEITZ PHONE 1』のような、キャリア専売端末やんね。
他社と比較できない端末に関しては、何をもってBand制限とするかという定義づけが困難でしょうね。
うむー。
Band制限があると、縦方向*1には自由だけど、横方向*2には不自由だもんね。とにかく困るぞっ!
*1例:docomo ⇄ ahamo
*2例:docomo ⇄ au ⇄ SoftBank
まとめ「eSIM対応は大歓迎だが課題は残る」
サブブランドやオンライン専用ブランドを含めて、docomo、au、SoftBank、楽天モバイル、の各社ともに『eSIM』と『5G』に対応するということになりました。これはもちろん大歓迎。
ただ、キャリア端末の扱いという部分においては課題は多く、SIMロックフリーが原則化されたときに、このあたりがどうなるのかが気になるところではあります。
携帯キャリアの気持ちも分からなくはないけどねー。
おまけ
LEITZ PHONE 1に手が出ない理由は、Band制限が気になるからなんだよねー。
ただ、SoftBank専売ではありますが、Band 19やn78に対応しているのですね。
ま、ベースはAQUOS R6ですからなー。
…難しいところやんね。
おわり
■Reference
総務省(1, 2), NTTドコモ(1), KDDI(1), SoftBank(1), Sony(1)
うーむ…感慨深いっ!