- 快適な室内環境の構築に『除湿機』は必須
- 不快指数から 室温25℃ × 湿度50% が理想
- 電気代や能力から『コンプレッサー方式』が本命
— (*゚∀゚)つ除湿機 —
日本の夏は、とにかく絶対湿度が高くて蒸し暑い。しかも、カメラや革製品は湿度が大敵。なので『除湿機』を導入したい。…そこで、除湿機の種類や、どれくらいの室温/湿度にすれば快適になるのかを調べてみました。
室温25℃・湿度50%っことは、絶対湿度で換算すると…11.5g/m³ですな!
- 相対湿度:飽和水蒸気量比の水蒸気量
- 絶対湿度:単位体積あたりの水蒸気量
…でしたよね!?
目次
『除湿機』導入のすすめ
日本という国は、夏は高温多湿・冬は低温低湿、であるというのはご存じのとおり。なので、日々の生活を快適に過ごすには、空調管理というのが必須になってきます。
「そんなこと言われなくても分かってる」と、思うかもしれません。ですが、室温のコントロールには気を配っている感はありますが、湿度のコントロールという点では、意外と疎かになっている印象を受けます。あくまで“印象”、ですが。
とりわけ、夏場の湿度コントロールは、『不快指数(= 蒸し暑さの指標)』を下げるということが、快適に過ごすための重要なファクターとなってきます。
加えて、多湿環境では、本革製品やカメラレンズにカビが生えたり、合成皮革やエステル系ウレタンの加水分解を誘発したりと、単純にジメジメしていて不快というだけでなく、身の回りのデバイスやガジェットの劣化速度を早めてしまう可能性もあります。
とどのつまり、夏場での『除湿機』導入というのは、非常に重要になってくるわけなのです。
カメラは防湿庫に入れるのが定石やけどね。
除湿機をうまく駆使すれば、部屋全体が防湿庫化するのではっ!?
うーん、そうなれば理想やけど…どうやろね?
理想の『室温』と『湿度』
環境省によると、夏は28℃・冬は20℃、という室温が目安とされています。なので、まずはこの値を参考にして、快適と感じる湿度を考えていきます。
なお、ここでいう『湿度』というのは『相対湿度』のことを指します。相対湿度は、単位体積あたりの水蒸気量が同じであれば、温度が高くなるほど湿度が低くなる、という負の相関関係を持っています。
『相対湿度』とは、飽和水蒸気量比の水蒸気量。
一般的に湿度と言われれば、こちらを指す場合が多い。相対湿度は飽和水蒸気量の関係から温度依存性があり、空気中の水分量が同じであっても、温度が高くなればなるほど湿度が低くなる。言い換えれば、温度30℃・湿度50%と温度10℃・湿度50%では、同じ相対湿度であっても、前者のほうが正味の水蒸気量は多いことになる。
『絶対湿度』とは、単位体積(1m³)あたりの水蒸気量。
こちらは、単位面積あたりの正味の水蒸気量を指す。絶対湿度については、温度と相対湿度が分かれば算出することが可能。
そして、蒸し暑さを示す『不快指数』というのは、温度と相対湿度から算出することができます。ですので、理想の温度と相対湿度を探し出すのであれば、この不快指数の値を参考にしていけばよいわけです。
室温28℃での不快指数
相対湿度 | ||||
---|---|---|---|---|
40% | 45% | 50% | 55% | 60% |
74.3 | 75.0 | 75.7 | 76.4 | 77.0 |
暑くない | やや暑い | やや暑い | やや暑い | やや暑い |
28℃における不快指数
Source:ORION MACHINERY
不快指数から考えると、環境省が目安としている「夏は28℃」というのは、相対湿度を40%(絶対湿度だと10.9g/m³)まで下げないと、快適とは言えないという結果に。
うーむ、非現実的な相対湿度ですな。
湿度を下げすぎるのも問題やし、そもそも除湿機でここまで相対湿度を下げられるかも微妙やんね……。
室温25℃での不快指数
相対湿度 | ||||
---|---|---|---|---|
40% | 45% | 50% | 55% | 60% |
70.7 | 71.3 | 71.8 | 72.3 | 72.8 |
暑くない | 暑くない | 暑くない | 暑くない | 暑くない |
9.2g/m³ | 10.4g/m³ | 11.5g/m³ | 12.7g/m³ | 13.8g/m³ |
25℃における不快指数と絶対湿度
Source:ORION MACHINERY
そういうわけで、環境省の示している温度からちと下げて、25℃という室温にて、不快指数を見ていきます。
25℃という室温ならば、相対湿度を 50% 〜 55% でキープできれば、不快指数的にも快適に過ごすことができそうです。ちなみに、推奨されるの相対湿度は 40% 〜 60% と、ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)では言われています。なので、問題もナシ。
したがって、室温25℃・相対湿度50%(絶対湿度11.5g/m³)、というのを目指した空調管理を、(個人的な)理想環境として設定しました。
相対湿度が高すぎても低すぎても、アレルギー鼻炎やバクテリアのリスクが高くなるみたいなんよね。(出典はココ)
夏場であっても湿度の下げすぎも良くない、というわけですね。
『除湿機』の種類と特徴
- コンプレッサー方式
- デシカント方式
- ハイブリッド方式
- ペルチェ方式
一般的に『除湿機』には、以上の4種類に大別できます。
これらの除湿機の種類によって、向き・不向きがあるので、用途目的に応じた除湿機というのをしっかりと吟味したいところ。
除湿機の種類別比較表
| コンプレッサー方式 | デシカント方式 ゼオライト方式 |
ハイブリッド方式 | ペルチェ方式 |
---|---|---|---|---|
除湿能力 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
電気代 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
メリット |
|
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デメリット |
|
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除湿機の種類と特徴
そして、除湿機の種類と特徴をまとめると、上表のとおり。
『ペルチェ方式』は、根本的な除湿能力が低いので除外。『デシカント方式(ゼオライト方式)』は、ヒーターで除湿する仕組みになっており、電気代も強烈で、夏場は室温を高くしてしまうので除外。
『コンプレッサー方式』は、冬場は不向きですが、日本の冬は低温低湿なので、室内乾燥目的でないなら有力候補。『ハイブリッド方式』は、夏場はコンプレッサー方式、冬場はデシカント方式、として動作するので理想系(ただし価格が高いのと筐体がデカい)。
以上のことから、夏場の除湿目的というのであれば、『コンプレッサー方式』がベスト。室内乾燥にも使いたいなら『ハイブリッド方式』でもよいかもしれません。
これで、除湿機の種類も決まりましたわね。
そうやね!
というわけで、『コンプレッサー方式』から除湿機を選ぶことにするやよ!
『コンプレッサー方式』の除湿機
| SHARP KI-LD50 |
cado ROOT 7100 |
三菱電機 MJ-P180TX |
---|---|---|---|
除湿方式 | コンプレッサー方式 | コンプレッサー方式 | コンプレッサー方式 |
除湿量 | 最大5.0L/日(50Hz) 最大5.6L/日(60Hz) |
最大6.5L/日(50Hz) 最大7.5L/日(60Hz) |
最大15.5L/日(50Hz) 最大18L/日(60Hz) |
タンク容量 | 2.0L | 3.5L | 4.7L |
連続排水 (ホース排水) |
非対応 | 対応 | 対応 |
消費電力 | 最大200W(50Hz) 最大210W(60Hz) |
最大172W(50Hz) 最大189W(60Hz) |
330W(50Hz) 390W(60Hz) |
最小175W(50Hz) 最小185W(60Hz) |
最小170W(50Hz) 最小187W(60Hz) |
||
運転音 | 38dB–51dB | 45dB–48dB | 38dB–48dB |
特長 | 空気清浄機機能搭載 | おしゃれなデザイン | 24時間365日連続駆動可能 |
加湿器機能搭載 | ピーズガード対応 | 停電復帰機能搭載 | |
- | - | 日本製 | |
公式サイト | SHARP | cado | 三菱電機 |
購入リンク | Amazon 楽天市場 |
楽天市場 | Amazon 楽天市場 |
おすすめの『コンプレッサー方式』除湿機
- SHARP『KI-LD50』:加湿空気清浄機としても使えるAll-in-One機
- cado『ROOT 7100』:ピーズガード対応のおしゃれなデザインが魅力
- 三菱電機『MJ-P180TX』:ホース排水で24時間365日除湿できる実力派
さまざまなメーカーから『コンプレッサー方式』の除湿機がリリースされていますが、良さそうだと感じた製品の中から、3つに絞ってみました。
24時間365日除湿したい → 三菱電機
結論からすれば、「デザインなんてどうでもいいから、24時間365日ずっと強力に除湿したい」というのであれば、三菱電機『MJ-P180TX』の一択な気がします(他社製品の大半はホース排水しても、12時間や24時間で自動停止してしまうから)。
All-in-Oneやデザインで選びたい → SHARPかcado
「ホース排水する予定がない」「デザイン性にもこだわりたい」というのであれば、SHARP『KI-LD50』やcado『ROOT 7100』でもよさそうです。
併せて利用したいアイテム
余談ですが、除湿機を導入するのであれば、以下のようなアイテムも導入すると、より便利で快適になったりします。
遮光フィルム
窓ガラスから入ってくる太陽光をカットして、室内の気温上昇を和らげてくれる『遮光フィルム』。
絶対湿度が分かる湿度計
温度計・湿度計があると便利なのは言わずもがな。そんな中でも、相対湿度と絶対湿度の両方が分かる『みはりん坊W《AD-5687》』が超おすすめ。しかも、結構安い。
まとめ「目指せ“室温25℃・湿度50%”」
エアコンと除湿機を駆使して、“室温25℃・相対湿度50%”にして、快適な生活を送りたいところです。
余談ですが、ギリシャの夏は暑いが乾燥している、と聞くので、「羨ましい気候だなぁ」と思ってしまいます。…これぞ、隣の芝生は青く見える。
夏と冬の湿度が逆転すれば、かなり快適なんやけどね。
おまけ
やっぱ、一家に一台『除湿機』は必須やね!
…一家に一台!
……全自動卵割り機!
うん、言うと思ってた。
おわり
環境省によると、「適正な室温は28℃」なんだけど、適切な湿度と不快指数のバランスを考慮したら、室温25℃・湿度50%が理想やと思うんよね。