- 最近見かける『Airdog』はどこの国なのか調べた
- シリコンバレー発だけどアメリカの企業ではない
- 同じ製品が別企業からも出ていてややこしすぎる
空気清浄機を探していると、『Airdog』なるメーカーを頻繁に見かける。公式サイト曰く「シリコンバレーが開発した世界最強レベルの空気清浄機」となっているのですが、実際のところは“どこの国”の製品なのか。それを調べてみました。
シリコンバレー発あるあるですな。
“シリコンバレー発”と“シリコンバレーが本社”は違いますからね。
目次
『Airdog』の概要
まずは、『Airdog』と同社の空気清浄機についての概要を少しだけ。
公式サイトの情報に基づいてまとめると、
- シリコンバレー発の大手空気清浄機会社
- 米国特許取得の世界初TPAフィルター採用
- 一般的なHEPAフィルターは不使用
- フィルター交換不要でランニングコストゼロ
- 電磁場により有害物質をフィルターに吸着
- 全国1万箇所以上の医療施設に導入済
- 海外で合計8つのアワードを受賞済
というような感じでした。
要するに、Airdog社はアメリカのシリコンバレー発の企業。同社の空気清浄機は、『HEPAフィルター』ではなく『TPAフィルター(TPA浄化技術)』を採用している。そのおかげで、フィルター交換が不要になっている。ということのようです。
Airdog社の製品は日本でも販売されていますが、Airdog日本法人はないようで、トゥーコネクトという商社が代理店を務めています。トゥーコネクトの親会社はメルコホールディングス(バッファローやシマダヤの親会社)です。
…な!?
Wi-Fiルーターの会社が、流水麺を販売してるのかっ!?
親会社が、って話やけどね。
Airdogは“どこの国”の会社?
謳い文句では「シリコンバレーが開発した世界最強レベルの空気清浄機」となっているのですが、実際のところ『Airdog』は“どこの国”の会社なのでしょうか。
つまり、調べたわけですね?
そういうことやね!
本社はアメリカ合衆国?
前述のとおり、日本ではトゥーコネクトが代理店となっているので、オフィスの所在地を確かめるべく、アメリカ本国のAirdogに記載されている住所を確認してみました。
するとオフィスの所在地が記載されており、「2051 Junction Avenue #212, San Jose, CA 95131」にあるようです。
カリフォルニア州のサンノゼですな!?
『シリコンバレー』で合ってますわね。
この物件を調べてみると、1985年に建てられており、おそらくは2階建てのテナントビルのようです。
テナントビルなので、さまざまな事業者が借りており(他のテナントを見ると、なぜか不動産関係ばっかり)、Airdogはその中の212号室を借りているということになります。
ただ、そう考えていくと、やっている事業のわりにはオフィスが小さすぎる感も。なので、もう少し掘り下げて調べてみることにします。
Google Mapで見たけど、こぢんまりとしてますなー。
しかも、Google Mapでは『Airdog』の表記は出なかったんよね。
本社は中華人民共和国?
Airdog introduction - YouTube
詳しく調べてみると、AirdogはHongyu Ran(冉宏宇)氏が設立されたようで、動画を見てもらえればお分かりのとおり、アメリカ合衆国の企業ではなく中華人民共和国の企業でした。
創設者のHongyu Ran(冉宏宇)は、カリフォルニア工科大学で空気力学の博士号を取得しており、同大学を卒業したのち、シリコンバレーで働いていたとの記載がありました。
つまりは、シリコンバレーで働いていたと中国人らが創業したのが、このAirdogという企業ということになってきます。ちなみに、創業メンバーは合計5人(中国人・アメリカ人・ロシア人)のようです。
中国での社名はAirdogではなく、『Beiang Air Tech(贝昂科技)』という表記になっています。
本社(工場)は「安徽省芜湖市三山区峨溪路15号科创中心10栋」と記載されています。
勤務時間は平日の 8:30 〜 17:30 なのですな。
なんか…ホワイト企業やね。
POIEMAと同じ空気清浄機
さらに調べていくと、『POIEMA』というシンガポールの企業が、Airdogと同じ空気清浄機を販売しています。
POIEMA公式サイトによると、POIEMA社の設立は2011年。
Beiang Air Tech(贝昂科技)の設立は2009年。
ただ、Beiang Air Tech(贝昂科技)が空気清浄機を発売開始したのは2011年と記載されているので、どっちが本家でどっちがOEMなのかは難しいところ。もしかすると、国によってブランドを変えているだけかもしれません。
よく分からなくなってきますわね。
やんねぇ……。
Airdogは『電気集塵式』
話はAirdogの空気清浄機に戻るのですが、Airdog曰く「HEPAでもなくESPでもない、次世代の技術『TPA浄化技術』を採用」と謳っています。
いろいろややこしそうに書いてあるのですが、内容を見てみると、古くからある『電気集塵式』をベースにした製品のようです。
電気集塵式の空気清浄機、昔は結構あったのですが、メンテナンスが面倒だったり、微量ながらオゾンが発生することがあるので、現在はあまり採用されておりません。
ちなみに、最近よく見かけるタイプの空気清浄機は、HEPAフィルターを採用した『ファン式』というものです。
すっかり『HEPAフィルター』採用機だらけになりましたなー。
うーん、言われてみればそうやね。
まとめ「“どこの国”にフォーカスされても仕方ない」
Airdogについてまとめると、
- Airdogの本拠地は中国
- 電気集塵式がベース
- POIEMA社も同製品をリリース
ということになりました。
本当は“どこの国”なんてあまり問題ではなく、製品そのものが良ければそれで良い話。
ただ、今回のAirdogの件に関しては、二重三重にややこしい(ややこしくしてる?)ので、どうしてもそこにフォーカスされてしまう気がします。「アメリカのシリコンバレーで創業」と言ったほうが購買意欲をそそるのは事実ですが…ね。
Xiaomiとダブルネームで売ってるサイトもあったし、闇が深そうやね。
おまけ
ま、素直に集塵能力だけで見るなら『Blueair』とか『Electrolux』やね。
日本だと『cado』も集塵能力が高そうですよね。
除湿とか加湿をつけるなら、『SHARP』とかもありますな。
うーん…好みやね!好み!!
おわり
二重三重にややこしいんよね。