- au『ウォッチナンバー』とは何かを整理する!
- 自分用のApple Watchは『ナンバーシェア』!
- 子ども用のApple Watchは『ウォッチナンバー』!
“ウォッチナンバー ≠ ナンバーシェア”
Apple Watchセルラーモデル向けのeSIMサービス、au『ウォッチナンバー』が非au回線ユーザー(UQ mobileやpovoも含む他社回線ユーザー)でも契約可能になったので、ウォッチナンバーに対する知見をまとめてみます。
実際にau直営店まで行って大変な目に遭ったもんね。
…ですわね。
目次
はじめに
au(KDDI)が提供している『ウォッチナンバー』。
これがついに、auの携帯回線(= メインブランド)を契約していない人でも、全国のauショップ等で契約可能になりました。
Apple Watchでセルラー通信をしたい、UQ mobile/povo/MVNOユーザーからすると、まさに吉報。…と言いたいところですが、実際にはかなり活用シーンが限られており、契約したけど想定していた使い方ができない、という可能性が大いにあります。
そこで本稿では、この『ウォッチナンバー』についての知見を共有していきます。
『ウォッチナンバー』の概要
『ウォッチナンバー』とは?
『ウォッチナンバー』とは、Appleのファミリー共有設定という機能を用いて、iPhoneを持っていない家族でもあなたのiPhoneとペアリングし、Apple Watch単体でセルラー通信が可能となるサービスのことです。
当然ですが、この『ウォッチナンバー』を契約するためには、Apple Watchセルラーモデル(Apple Watch GPS + Cellularモデル)である必要があります。GPSモデルでは使えません。
Apple Watch用のeSIMプランは、docomoやSoftBankからも提供されています。しかし、この『ウォッチナンバー』に相当するサービスというのは、日本ではau(KDDI)でしか提供されておりません。違いや詳細は後述。
『ウォッチナンバー』のプラン料金
月額利用料金 | 385円/月 |
データ容量 | 250MB/月 |
国内通話 | 22円/30秒 |
国内SMS | 送信:3.3円/通(70文字迄) 受信:無料 |
ウォッチナンバープランの内訳
※価格は税込表記
※ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料が別途発生
ウォッチナンバーに加入する際には、専用プラン『ウォッチナンバープラン』に加入する必要があります。
ウォッチナンバー自体、Apple Watch単体でセルラー通信が可能になるサービスなので、音声通話・SMS・データ通信が単独で利用できるようになっています。なお、それぞれの利用料金については上表のとおり。
新旧『ウォッチナンバー』の違い
| 新 ウォッチナンバー |
旧 ウォッチナンバー |
適用プラン | ウォッチナンバープラン | ピタットプラン 4G LTE |
月額利用料金 | 385円/月 | 6,150円/月(〜7GB) 4,650円/月(〜4GB) 3,150円/月(〜1GB) |
新旧ウォッチナンバー比較
※価格は税込表記で各種割引非適用時
※ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料が別途発生
現行のウォッチナンバーに対応した料金プラン『ウォッチナンバープラン』は、2021年10月18日から適用されたもの。それ以前は、スマートフォン向けの『ピタットプラン 4G LTE』の料金が適用されていました。
サービス途中から適用プランが変わっておりややこしいのですが、現行のプランは『ウォッチナンバープラン』であり、月額利用料金は385円/月(税込)となっております。
Web上には新旧プランの情報が混同しており、 ウォッチナンバー = 高い というイメージがいまだにありますが、実際にはかなり安く運用することが可能です。
『ウォッチナンバー』と『ナンバーシェア』の違い
サービス内容の違い
ウォッチナンバー | ナンバーシェア |
Apple Watchに独立した電話番号を付与 | Apple WatchにiPhoneと同じ電話番号を紐付 |
ウォッチナンバーとナンバーシェアの違い
auには『ナンバーシェア』という、同じくApple Watchセルラーモデル向けのeSIMサービスがありますが、それと『ウォッチナンバー』は、まったく異なる方向性を持ったサービスです。
『ナンバーシェア』はApple Watchの機能にセルラー通信を加えるものですが、『ウォッチナンバー』は母艦のiPhoneとは連動しない独立したデバイスと化します。
| ウォッチナンバー | ナンバーシェア |
docomo | - | ワンナンバーサービス |
SoftBank | - | Apple Watch モバイル通信サービス |
楽天モバイル | - | - |
MVNO | - | - |
他キャリアでのApple Watch用eSIMプラン比較
auの『ナンバーシェア』は、docomo『ワンナンバーサービス』やSoftBank『Apple Watchモバイル通信サービス』と同等のサービスです。
対して、『ウォッチナンバー』は他キャリアからは提供されていない、auのみのサービスとなっています(日本の場合)。
契約可能ユーザーの違い
| ウォッチナンバー | ナンバーシェア | |
月額利用料金 | 385円/月 | 385円/月 | |
契約可能ユーザー | auユーザー | ○ | ○ |
UQ mobileユーザー | ○ | × | |
povoユーザー | ○ | × | |
それ以外 | ○ | × |
ウォッチナンバーとナンバーシェアの比較
※価格は税込表記
※ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料が別途発生
非au回線ユーザー(UQ mobileやpovoも含む他社回線ユーザー)でも契約可能なのは、今回の『ウォッチナンバー』のみ。
『ナンバーシェア』に関しては、他の携帯キャリアはもちろん、UQ mobileやpovoについても契約することはできません。
Apple Watch側の違い
| ウォッチナンバー | ナンバーシェア |
Apple Watch側の設定 | ファミリーメンバー用 | 自分用 |
電話番号 | 親機と別 (iPhoneと別番号) |
親機と一緒 (iPhoneと同番号) |
Apple ID | 親機と別 | 親機と一緒 |
親機のApple Watchと連携 | 不可 | 可 |
ウォッチナンバーとナンバーシェアの仕様の違い
ここが『ウォッチナンバー』と『ナンバーシェア』の大きな違い。
ナンバーシェアの場合は、Apple Watchを『自分用に設定』にしてセットアップします。対して、ウォッチナンバーの場合は『ファミリーメンバーに設定』にしてセットアップします。ウォッチナンバーで『自分用に設定』にはできません(システム上不可)。
ウォッチナンバーの場合は、Apple Watchをファミリーメンバーとして設定するため、親機(iPhone)とは別体のApple IDで動くことになります。親機のiPhoneとはファミリーメンバーとしてのペアリングはするのですが、親機とは切り離された形で動作します。なので、親機にかかってきた電話をApple Watch側で受電することはできません。
なお、ナンバーシェアに関しては、従来のiPhoneとApple Watchに関係にプラスして、Apple Watch用のセルラー通信機能(eSIM)が付与されるだけです。なので、従来どおり、iPhoneにかかってきた電話をApple Watchで受電することが可能です。
『ウォッチナンバー』の用途
正しい用途:子ども用の見守りケータイ
『ウォッチナンバー』の正しい用途を端的に言うと、iPhoneを持っていない子どもにApple Watchを持たせて見守りケータイ(auでいうところの『mamorino』)にするというものです。
ウォッチナンバーでは、Apple Watchを『ファミリー共有』に設定するので、購入した項目・サブスクリプション・位置情報などを親がチェックすることができます。子ども向けにペアレンタルコントロールすることも可能です。
子どものためにApple Watchを買うんかな?
それこそ、『mamorino』でいい気がするんやけど……。
…うーむ。
誤った用途:自分のiPhoneとペアリング
『ウォッチナンバー』を使うためには、Apple Watchをかならずファミリーメンバー用に設定する必要があるため、自分のiPhoneとペアリングして連動させる、という使い方はほぼ無理です。
- ウォレットと連携するApple Pay
- 親機との通知連携
- ヘルスケアデータの共有
- 呼吸数
- 不規則な心拍の通知
- 心電図
- 周期記録
- 睡眠
- 血中酸素ウェルネス
- Podcast
- Remote
- News
- ホーム
- ショートカット
もちろん、自分ひとり用でもウォッチナンバーを契約することは可能ですが、上記の内容がApple Watchではできなくなります。
この制約に関しては、ファミリー共有設定にする際のApple Watch側の仕様なので、どうすることもできません。また、ウォッチナンバーではApple Watchのファミリー共有設定が必須化されているので、個人利用でのウォッチナンバー契約は一切おすすめできません。
まとめ「ウォッチナンバーは子ども用」
- 自分用のApple Watch → ナンバーシェア
- 子ども用のApple Watch → ウォッチナンバー
…という認識でよいと思います。
見守りケータイとして使うならウォッチナンバーは有用ですが、自分ひとりで使うのであれば、まったくおすすめできません。そこはご注意を。
自分用のApple Watchでセルラー通信したいなら、3大キャリアのメインブランドと契約するしかないってことあーる。
おまけ
これで『ウォッチナンバー』について、話すこともなくなったかなー。
出し切りましたわね。
au直営店に行ったり、問い合わせしたり、大変やったね。
…ですなー。
おわり
…は別物なので勘違いしないように!