- 設定さえ変えれば『Apple News』アプリは日本でも普通に使える!
- UIの美麗さはさすがだが別にApple Newsである必要性は低い!
- AIではなく人間主導のニュースキュレート方針自体が上陸の足枷!
日本への正式上陸はなさげ。
日本未対応の『Apple News』アプリ。実は日本でも、普通にiPhoneやMacで利用可能なのです。今回は、Apple Newsアプリを日本で使う方法と、実際に使ってみて感じる日本で正式上陸しない理由のお話。


FlipboardのCEOに、「product living in the past」と揶揄されていましたわね…そういえば。

UIは綺麗なんやけどねぇ。
日本でのApple News利用方法

Apple純正のニュースフィードアプリ『Apple News』。
日本では正式対応していないアプリですが、実はプリインストールアプリなので、デバイス内に“隠されているだけ”だったりします。なので、ちょこっと設定を変えるだけで、普通に日本でも使うことができます。
そういうわけで、Apple Newsアプリを日本で利用可能にする方法を、macOSとiOS・iPasOSの2パターンに分けて紹介しておきます。
macOSの場合

デフォルトの状態では、Finderアプリのアプリケーションフォルダ内には、『Apple News』というアプリは存在しておらず、日本では利用できないように見えてしまいます。
ただ、元がApple純正アプリなので、隠しファイルとしてApple Newsがプリインストールされています。なので、これを表示できるようにすれば、普通に日本でもApple Newsが使えるようになります。
手順

『Finder』アプリを起動して、
⌘ command + ⇧ shift + .
の3つのキーを同時押下します。
すると、隠しファイルが 非表示 → 表示 に切り替えるので、あとは『Apple News』アプリを起動するだけです。ちなみに、キーボードショートカットでなくても、ターミナルで下記のコードを記述すれば、隠しファイルの表示・非表示を切り替えることができます。
▽表示
$ defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
$ killall Finder
▽非表示
$ defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
$ killall Finder

Finderのアプリケーションフォルダ内の『Apple News』アプリを起動すれば、ちゃんと日本でもApple Newsをご覧のとおり利用することが可能です。

当然、言語に日本語はないけどねー。

ずっと隠しファイルを表示した状態だと使いづらいので、
『Apple News』アプリを右クリック → オプションをマウスオーバー → Dockに追加をクリック
…として、Dockに追加するのがおすすめです。

Apple NewsアプリをDockに追加することによって、隠しファイルを非表示に戻しても、そのままApple NewsアプリがDockから消えることなく使うことができます。
iOS・iPadOSの場合

iPhoneやiPadでもMacと同様に、デフォルトの状態では『Apple News』アプリはホーム画面に存在しておらず、利用できません。
ただ、こちらもデバイス内にはデータは存在しているので、Apple Newsが利用できる地域に変更するだけで普通に利用することができるようになっています。
手順

『設定』アプリを起動して、
一般を選択 → 言語と地域を選択 → 地域を選択 → 地域をアメリカ合衆国に変更
…とすると、自動的に再起動が入って地域が変更されます。

再起動が終わると、ホーム画面にApple Newsアプリが出現しているので、あとは『Apple News』を選択すれば普通に利用することができます。

こっちも当然、言語に日本語はないのであーる。
利用した感想

実際に、しばらくApple Newsアプリを使ってみたのですが、確かにUIはAppleらしく洗練されており、使っていて気持ち良い系のアプリという感じ。レイアウトの無駄もなく、次々とニュースを読みたくなるような導線が考えられている印象。
しかし、当たり前ですが日本での利用にいくつか制限があることに加え、サードパーティ製のニュースフィードアプリも優秀なので、別にApple Newsが日本上陸しないままでもいいかなという感想です。もちろん、本来なら日本でもサービスインしてほしいですが…ね。

あってもなくても、という感じですね?

そんな感じであーる。
あったほうが嬉しいけど、なくても困らない現状があるからねー。

そもそも、本来は日本向けにローカライズされているわけではないので、英語で現地のニュースばかりです。なので、今回の方法でApple Newsアプリが使えるようにしたとしても、日本で利用するメリットはそこまでないでしょう。
仮に、米国のニュースを英語で読みたいとしても、別にApple Newsアプリで読む必要はありませんし、“こういうことをすると出せる”くらいで、常用する必要はあまりなかったりします。

しかも、一部機能は制限されて利用不可の状態ですし、キモとなるサブスクリプションサービス『Apple News+』が日本ではサービスインされていないので、やっぱり使う意味はなかったり……。

『Apple News+ audio stories』機能は便利そうなのに…うぐぐ。

褒めるポイントがあるとすれば、気になったニュースを簡単にブックマークできる点は良き。とはいえ、この手のお気に入り機能は他のニュースフィードアプリでもよくある機能なので、Apple Newsアプリの専売特許というわけではありません。

一部のニュースでは全文読み込みがアプリ内で完結せず、ニュースを読もうとするとSafariが別途起動する二度手間感はちょっとナシ。Apple Newsアプリは、シンジケーションフィード(RSSやAtom)を利用してニュース記事を取得しているのですが、ここの読み込みが微妙なのかも。ただ、ちゃんと本文(≠ 全文)を読み込めるニュース記事もあるので、ひょっとすると意図的に振り分けているのかもしれません。
日本に上陸しない理由
『Apple News』というサービスは、非常に面白く興味深い運営方法を取っています。
GoogleやTwitterのようなAI主体のニュースキュレートではなく、Apple Newsではヒト主体のニュースキュレートを行っています。このように、ニュース記事とエンドユーザーの間に人間の目と知を媒介することにより、他のサービスよりも良質なニュースが常時並んでいる状態にしているのです。
このApple Newsの運営方針の分かりやすいニュースなのが、2017年の元New York Magazine編集長Lauren Kern氏が同サービスの編集長に就任したというものがあります。もちろん、AI目線からヒト目線にしたことが全部メリットになるとは限りませんが、Big TechなAppleなのに“Tech”でなく“Analog”なやり方が面白い部分だったりします。
ところが、このようなヒト目線のキュレートという運営方針は、AIのそれとは異なり、各国に最適な編集長を用意しないといけません。なので、Apple Newsが日本上陸するのであれば、日本版編集長が誰になるという話になってきますし、編集者の思想がキュレートに入ってくる可能性も否定できません。その面倒な感じを察すると、一周回ってAIでいいやとなりかねません。
Apple Newsが日本上陸したら一定数のユーザーは獲得できそうですし、何よりApple謹製ニュースアプリという響きが素敵。ただ、Apple Newsが日本でサービスインされる可能性は、ヒト目線のキュレートというところから今後も難しそうだと予測しています。

いろいろ複雑なんやね……。

Apple自身もこだわって作ってるようだし、日本でも正式に使えるようになれば、少なくともわたしは常用するんだけどねー。
まとめ「Apple Newsは日本未上陸で終わる可能性大」

今回紹介した方法を使えば、『Apple News』アプリを日本で利用することが可能になります。もちろん、海外のニュースを英語で読むことになりますが、海外用のニュースアプリとして使っても悪くないかも。
Apple Newsは他社とは一線を画する運営方針を取っているため、日本に上陸する可能性は極めて低い気がしています。日本でも普通に使えるようになれば、面白い存在にはなりそうなのですが、この手のサービスはライバルも多く、わざわざ日本で使えるようにするメリットがAppleにとってあるのか…というところになってきそうです。

当面は海外ニュースを見るアプリとして使う…かもっ!?
おまけ

Flipboardも好きなんだけど、UIはApple Newsかなー!?

あの“めくる”動作も良いですわね。

ニュースアプリもいろいろやね。
おわり
使えたところで…って感じはする!