- iPhoneが毎年値上げされているのは“円安ドル高”が原因
- iPhone 14 Pro → iPhone 15 Pro では1万円の値上げ幅
- 実のところ米国だとiPhoneの価格はずっと変化ナシ
「iPhoneは毎年値上げされている」
そんなイメージがありますが、それは半分ホントで半分ウソ。iPhoneの値上げは“円安ドル高”に起因するもの。そのことを、日米におけるiPhone価格を比較して解説していきます。
Appleレートの設定にもよりますが、やはり円安ドル高が痛すぎますわね。
ガジェット好きとしては、ほんと冬の時代やんね。
目次
日本と米国における『iPhone 15 Series』の価格
せっかくなので、まずは『iPhone 15 Series』。つまり、iPhone 15/iPhone 15 Plus、iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max、これらの日米価格について見ていきます。
日本での価格
| iPhone 15 | iPhone 15 Plus | iPhone 15 Pro | iPhone 15 Pro Max |
128GB | 税込124,800円 | 税込139,800円 | 税込159,800円 | |
256GB | 税込139,800円 | 税込154,800円 | 税込174,800円 | 税込189,800円 |
512GB | 税込169,800円 | 税込184,800円 | 税込204,800円 | 税込219,800円 |
1TB | 税込234,800円 | 税込249,800円 |
あとで旧モデルとの価格比較もしますが、iPhone 15 Seriesでは全体的に高価な印象に。
最廉価なiPhone 15の128GBモデルでも、税込124,800円。もちろん、価格相応のスペックやエクスペリエンスを備えているわけですが、かなり「うっ」となる価格であることは言うまでもありません。
iPhone 15 Seriesの目玉である、iPhone 15 Pro Max。その価格を見てみると、ベースモデルである256GBモデルで、税込189,800円。Androidスマートフォンのフラグシップ機も同じくらいの価格帯なので、iPhoneが特段高価というわけではありませんが、ちょっぴり“高嶺の花”な感じもしております。
米国での価格
| iPhone 15 | iPhone 15 Plus | iPhone 15 Pro | iPhone 15 Pro Max |
128GB | $799+ Tax | $899+ Tax | $999+ Tax | |
256GB | $899+ Tax | $999+ Tax | $1,099+ Tax | $1,199+ Tax |
512GB | $1,099+ Tax | $1,199+ Tax | $1,299+ Tax | $1,399+ Tax |
1TB | $1,499+ Tax | $1,599+ Tax |
ピンとこないかもしれませんが、iPhone 15 Seriesの米国価格はこんな感じ。
米国の場合、小売売上税が州ごとに異なるため、価格は税別表記が当たり前。なので、実際は表示価格よりも少し高くなる場合もあります。
余談ですが、日本の消費税と米国の小売売上税はイコールではありません。どう違うのかを話すと横道に逸れるので割愛。気になる方は各自で調べてみてください。
iPhoneの価格推移を過去3年分で比較
iPhone 15 Seriesの価格が分かったところで、いよいよ本題。
iPhoneは年々値上がりしている印象ですが、その真相について、iPhone 13 Pro/iPhone 14 Pro/iPhone 15 Proの価格を比較し、紐解いていきます。
日本価格:毎年値上げ
| iPhone 13 Pro | iPhone 14 Pro | iPhone 15 Pro |
128GB | 税込122,800円 | 税込149,800円 | 税込159,800円 |
256GB | 税込134,800円 | 税込164,800円 | 税込174,800円 |
512GB | 税込158,800円 | 税込194,800円 | 税込204,800円 |
1TB | 税込182,800円 | 税込224,800円 | 税込234,800円 |
日本の場合、上表で示したとおり、iPhone 13 Pro、iPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro、とモデルチェンジをするたびに、販売価格が高くなっていることが明らかになりました。
iPhone 13 ProとiPhone 15 Proを比べると、同じストレージ容量で数万円も値上がりしております。今更ですが、iPhone 13 Proはお買い得なモデルだったのかもしれません。
米国価格:価格据え置き
| iPhone 13 Pro | iPhone 14 Pro | iPhone 15 Pro |
128GB | $999+ Tax | $999+ Tax | $999+ Tax |
256GB | $1,099+ Tax | $1,099+ Tax | $1,099+ Tax |
512GB | $1,299+ Tax | $1,299+ Tax | $1,299+ Tax |
1TB | $1,499+ Tax | $1,499+ Tax | $1,499+ Tax |
前述したとおり、日本の場合、iPhoneの価格は年々値上がりしておりましたが、実は米国価格を見てみると、過去3年における価格はまったく一緒なのです。
要するに、米国在住者から見れば、毎年同じ値段でiPhoneが買える、ということになります。そこが日本とは大きくことなる点。
iPhoneが毎年値上げされる原因は“円安ドル高”
| iPhone 13 Pro | iPhone 14 Pro | iPhone 15 Pro |
日本価格 | 税別110,520円 | 税別134,820円 | 税別143,820円 |
米国価格 | $999+ Tax | $999+ Tax | $999+ Tax |
Appleレート | 1$ ≒ ¥110.6 | 1$ ≒ ¥135.0 | 1$ ≒ ¥144.0 |
円安値上げ幅 | 前年比122.1% | 前年比106.7% |
これまで話してきた内容をまとめると、上表のとおり。
なお、米国価格と比較するために、日本価格も消費税別で再計算しております。
言うまでもなく、iPhoneが毎年値上げされる原因は“円安ドル高”です。
Apple製品における独自の為替レートである、通称『Appleレート』。それを見てみると分かるのですが、年々円安傾向になっております。とりわけ、iPhone 13 ProからiPhone 14 Proに入れ替わったタイミングで、円安がより顕著なものに。
無論、そのぶん所得が上がれば良いわけですが、実際はそんなことはなく。以前の記事で、日本と米国における年収の中央値を比較しているのですが、日本のほうがかなり低いという現状が。また、『ビックマック指数(BMI)』や『消費者物価指数(CPI)』から鑑み、給与所得そのものが伸び悩んでいることも分かります。
そう考えると、iPhoneが高価に感じるのは、一概に円安ドル高のせいにはできません。なぜなら、経済が上向きになり、給与所得が上がれば済む話ですので。ただ、マクロな問題はいち個人では解決できません。なかなかに悩ましい問題です。
コストプッシュ型のインフレじゃない、正しいインフレーションですな。
ディマンドプル型のインフレーションですわね。
まとめ「実は米国価格は変わっていない」
米国価格は変わっていないので、単に“円安ドル高”のせいで、日本での価格が年々高くなっている。
なので、正確に言うと“値上げ”ではない。為替レートによる価格調整。
とはいえ、それでも日本はiPhoneが安く買える国と言われております。いろいろ、経済は難しいのです。
それでも買うのがApple信者、というものですな。
おまけ
日本経済にとってはマイナスっぽいけど、ねこちゃん経済にとっては円高のほうがありがたいのであーる。
ミクロ経済で考えると、給料が上がらない状況での円安は大変でしょうからね。
あ、ねこちゃんの給料が上がってないのがバレた。
……んごご、んごごご。
おわり
知ってたことだけど、事実を目の当たりにすると…ねー。