- 高級コンデジレベルのカメラ性能。
- 撮影が楽しくなる超広角レンズ。
- プチ改善されたバッテリー持ち。
- 磨きがかかった美しいOLEDディスプレイ。
- 3D Touchが廃止された。
- 超広角レンズはナイトモード・手ブレ補正非対応。
- 相変わらず価格が高価。
iPhone 11 Proは“高級コンデジ”だ!
「タピオカカメラ」や「ボトムズ」と呼ばれまくっている、Apple『iPhone 11 Pro』をレビュー。トリプルカメラ・A13 Bionic・ナイトモード・Super Retina XDR…とパワーアップ豊富。でもやっぱり、超広角レンズだ!これはカメラだったぞ!!
な、なるほど…。
驚異のトリプルなタピオカカメラやもんね。
目次
Apple『iPhone 11 Pro』って?
■iPhone 11 Proを3行まとめ
- 超広角・広角・望遠のトリプルカメラのエモさ!
- ナイトモードにスマートHDRで超コンデジ級画質!
- バッテリー持ちもディスプレイも良くなったゾ!
今更説明するまでもないが、Apple『iPhone 11 Pro』はiPhoneの2019年最新モデル。
今回のiPhone 11 Pro最大のトピックは、やはりカメラ機能の強化。XSのデュアルカメラから1つ増えて、トリプルカメラに。そして、ナイトモードで夜景に強く、スマートHDRでよりコントラストがパキっとした写真が取れるようになった。
とにかくカメラ性能の進化がProなのだっ!
デザイン
本体:背面カメラのデザインは慣れる
iPhone 11 Proを表面から見ると、iPhone XやiPhone XSと区別がつかない。ノッチの切り欠き具合もベゼルも以前と一緒。
期待されていた画面埋込式の指紋認証も非搭載。生体認証技術については、X・XSと同様の『Face ID』が引き続き採用されている。
打って変わって、裏面はタピオカの名をほしいままにした(?)トリプルカメラがお出迎え。まぁ…思っているよりも時とともに慣れます。
フロントカメラ | リアカメラ |
12MP(f/2.2) | 超広角:12MP(13mm・f/2.4) 広角:12MP(26mm・f/1.8) 望遠:12MP(52mm・f/2.0) |
iPhone 11 Proのカメラスペック。
リアカメラはタピオカカメラでおなじみのトリプルカメラ構成に進化。こちらについてはあとで試写レビューをしています。
ちなみに、フロントカメラに関しても実はiPhone XSからパワーアップしている。XSが7MPだったの対し、11 Proは12MPになっている。実に500万画素の向上となる。
右側面には、
- サイドボタン
がある。
左側面には、
- サウンドオン/オフスイッチ
- ボリュームアップボタン
- ボリュームダウンボタン
がある。
ちなみに、iPhone XSからボタン位置から若干の位置変更がされている。なので、iPhone XSからケースの流用はできない(そもそも背面が違うが)ので注意。
下側面には、
- Lightningコネクタ
がある。
相変わらず、スピーカーとマイクの穴の数が左右で異なっている。デザイン的に美しくない気がするので、そろそろ改善をしてほしいところ。
付属品:中途半端なUSB-C化
■iPhone 11 Proの付属品
- Lightning - USBケーブル(1 m)
- Apple 5W USB電源アダプタ
- EarPods with Lightning Connector
iPhone 11 Proの端子自体はLightningのままではあるが、付属するケーブルに若干の仕様変更がある。そう、ついに“中途半端”ではあるが、USB Type-Cが採用されているのだ。
端子はLightningなままなんやね。
ちょーっと中途半端だよねー。
ポイント
■iPhone 11 Proのポイント概要
- カメラ:超広角×ナイトモード×スマートHDR=驚異
- バッテリー:条件次第で2日間使える
- Face ID:30%高速は体感でも快感
- 3D Touch:フラグシップなのに廃止
- 5G:残念ながら非対応
カメラ:超広角×ナイトモード×スマートHDR=驚異
iPhone 11 Proの凄さはカメラだけ…じゃないが、カメラ性能の飛躍的な向上が突出しているせいでそう見えてしまう。ということで、まずはカメラを見てみるぞ!
超広角レンズ
カメラの驚異その1。それがトリプルカメラ構成。
望遠レンズでJR大阪駅と空を撮影。
広角レビューでぐぐっと……。
あ!大丸があるって分かる!!
そして超広角レンズ。うん、驚異的。
とにかく超広角レンズが素晴らしい。普段は一眼レフで撮影しているが、やはり広角域の凄みを、このiPhone 11 Proでも感じる。
そうそう、1つ思うことある。
デフォルトでも3:2のアスペクト比で撮影できるようにしてほしい。今回は加工で3:2にクロップしている。サードパーティーのアプリをいちいち使うのも疲れるので、そろそろ…3:2を!!
ナイトモード
カメラの驚異その2。それがナイトモード。
このナイトモードは数秒間に複数枚の写真を撮影してソフトウェア的に合成して明るくするというもの。とにかく、これが凄い強力。
すでにAndroidではナイトモード搭載済のスマホもあるが、iPhone 11 Proのナイトモードも勝るとも劣らない。かなり強力にゴリッとナイトモードで感度が上げてくれるんだもん。
超広角 | 広角 | 望遠 | |
ナイトモード | - | ○ | ○ |
手ブレ補正 | - | ○ | ○ |
iPhone 11 Proのリアカメラの機能対応状況。
ここで残念なお知らせ。
超絶絵作りに便利な『超広角レンズ』だが、なんとナイトモード非対応。そして、手ブレ補正にも非対応だったりします。
超広角レンズで先程と同じ構図で撮影してみたのがこちら。
ご覧のとおり、手ブレでボケボケのブレッブレ。決してラフに撮ったわけではないが、昨今の手ブレ補正が強力なスマホカメラに慣れてしまうと手ブレ補正ナシで夜景は厳しい。
スマートHDR
カメラの驚異その3。それがスマートHDR。
個人的にiPhoneのHDR合成は上手だと評価していたが、スマートHDRはさらにそれの上を行っている。
従来のHDRだと物足りなかった黒のグッと沈み込む色使い。それがスマートHDRだと見事に再現されている。
もわもわしない絵作り。それがスマートHDRという感じ。全体的にコントラストが上がって、いわゆる“映える”ような写真になる。極端な色使いはしないが、ディティール上げる。このバランスが上手。
バッテリー:条件次第で2日間使える
iPhone 11 ProはiPhone XSに比べ、約4時間バッテリーが長持ちするとAppleが謳っている。4時間長持ち!とまではいかないが、少しバッテリー持ちが良くなったのは体感できる。
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
12時 | 100% | 100% |
14時 | 94% | 94% |
18時 | 84% | 79% |
20時 | 78% | 69% |
22時 | 72% | 60% |
iPhone 11 ProとiPhone XSのバッテリー持ち比較。
試しに、iPhone 11 ProとiPhone XSを12時にフル充電してみて、同じぐらいの利用頻度で1日過ごしてみました。それが上記の結果。
厳密なベンチマークではない(iPhone XSは1年使っている)ので参考値として思ってほしいのですが、それでもこれくらいの差が出るということ。うーん、バッテリー持ちが良いのは嬉しい。頑張れば2日間使えるかも!?
Face ID:30%高速は体感でも快感
使っていて感じるのが、顔認証技術『Face ID』の応答速度向上。Apple的には30%の速度向上と謳っているが、確かに認識速度が向上していて気持ちいい。
ただ、速度は改善されたが、角度や向きに関してはXS並な気がする。
Apple的には認識できる角度も広がったとなっているが、劇的に改善されたということはなかった。多少は角度の融通がきくようになっているのかもしれないが、それは微々たる差という感じだった。
3D Touch:フラグシップなのに廃止
iPhone 11 Proでもっとも残念なのはタピオカカメラのダサさ…ではなく、“強押し”である『3D Touch』が廃止されたこと。
3D Touchの代替機能として『Haptic Touch』という“長押し”機能が備わっている。ただ、これが3D Touch信者からすると納得できるレベルではなかった。
コスト面や浸透していない面から廃止したのかもしれないが、iPhoneのフラグシップでかつ“Pro”なのだから、3D Touchは残してほしかったのが本音。こうなってしまうと、iPhone 12でも復活はなさそう。なので、慣れるしかなくなった。
5G:残念ながら非対応
iPhone 11 Proは期待されていた『5G』には非対応。ただ、これは英断だったかもしれない。
Androidではすでに5G対応のスマホが登場している。特に米国と韓国の5G世界初競争が盛んなので、韓国勢の採用が多い。Appleもその流れに乗るかと思われたが、iPhone 11 Proでは5Gの採用は見送られた。
5G非対応は残念だが、現実的に日本では5G網が整備されていないし、5Gを取り巻く問題や課題も多い。そう考えると、トラブルを避けるために見送ったとも取れるのであまり悪い気もしない。
ベンチマーク
iPhone 11 Pro | iPhone XS |
Apple A13 Bionic | Apple A12 Bionic |
iPhone 11 ProとiPhone XSのSoC。
iPhone 11 Proでは『Apple 13 Bionic』という化け物SoCを搭載している。なので、Antutu BenchmarkとGeekbench 5を使って、旧モデルであるiPhone XSとベンチマーク比較を行ってみました。
Antutu Benchmark
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
Total | 451,096 | 247,792 |
CPU | 147,583 | 103,800 |
GPU | 215,655 | 70,007 |
UX | 77,462 | 61,327 |
MEM | 10,396 | 12,658 |
Antutu Benchmarkの結果。
Geekbench 5
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
Single-Core Score | 1,332 | 1,116 |
Multi-Core Socre | 3,443 | 2,768 |
Geekbench 5のコアスコア結果。
iPhone 11 Pro | iPhone XS | |
Multi Score | 6,336 | 4,566 |
Geekbench 5のマルチスコア結果。
まとめ「不満は残るがツボを抑えた正当なタピオカ進化」
そういうわけで、Apple『iPhone 11 Pro』をレビューしてきたが、多少の不満はあるが、しっかりと正当進化をしてきた印象を受けた。
とにかく、iPhone 11 Proはカメラ周りのスペック向上が素晴らしい。超広角レンズやナイトモードなど、カメラ好きでもガンガン使える仕様になった。表現としては、iPhoneがスマホから高級コンデジになった。そんな感じのテンション。本当にカメラが凄い。
ただ、3D Touch廃止という悲しみ。Face IDはそうでもない。という2点に関してはシコリ的に不満が残る。正直、タピオカカメラなダサい背面デザインは慣れると思うし、使っていくうちにこれはこれでアリだと思うようになった。それ以上に、3D Touchの廃止はいただけないということ。
iPhone XSからの乗り換えは微妙(価格が高いし)だけど、iPhone X以前から乗り換えるならおすすめだと思うぞー!
おまけ
何だかんだ言って、タピオカちゃんもすぐ慣れるよねー。
そういうものですわね。
まぁ、かっこいいとは思わないけどね。
うーむ、そう言われると……。
おわり
iPhone 11 Proの“Pro”は…プロのカメラのことっ!