- 円安による自作PCパーツの価格高騰をチェック!
- パーツの種類によって値動きの傾向があるっぽい!
- まずはCPUから買ってSSDは後回しでも良さそう!
“自作er的エコノミクス”
自作PCパーツの価格高騰は不可避…となりそうなので、為替レートや海外価格の推移を考慮しつつ、どの自作PCパーツをどの順番で買うべきかを考えてみます。
海外では値下げ傾向な感じもあるやんね。
うーむ、どのタイミングで販売店の仕入れ価格が上がるか、ですなー。
目次
はじめに
本稿の目的
本稿の目的は、自作PCパーツの価格高騰に備えてどの順番で買うのが最良なのかを考える、ということです。
2022年4月21日現在、 1ドル ≒ 128円 というレートで推移しています。
1年前と比較すると、約20円の円安傾向。過去5年のドル円レートを見てみると、 約102円 〜 約113円 で推移しているので、少なくともここ5年間の中ではもっとも円安状態になっていることになります。(Reference:TradingView)
マクロな視点では、円安は日本経済に良いとも言われますが(逆もさもありなん)、輸入ありきの自作PCパーツにとっては、円安は値上げに直結する痛い現象です。
なので、そろそろ自作PCパーツを買う備えをしておく(もしくは、買わない)、というわけなのです。ですなの。
プラザ合意[*1]後からの数十年スパンで見ると、これでも円高だけど…ね。
私たちが生まれる前の話ですわね。
前提と心構え
為替変動による自作PCパーツ価格への影響を考えるにあたって、
- メディアの報道にはポジショントークが含まれるので注意する
- 短期的な視点ではなく長期的な視点で見たほうが精神衛生上良い
- 円高に反転しても自作PCパーツ価格が値下がりするとは限らない
- 供給過多になっている自作PCパーツは円安でも値下がりがあり得る
- 為替レート以外の材料も考慮する必要がある
…ということだけ、頭に入れるようにしています。
あと、経済に関してはズブの素人なので、為替の値動きについて深追いしないようにしています。気にしすぎると、無知ゆえに情報に右往左往と振り回されてしまうからです。
あくまで、自作PCパーツ価格のことだけ考える!全集中!!
…ちょっと、ネタが古いんよねぇ。
海外における自作PCパーツ価格推移
まず、海外(米国)における自作PCパーツの価格推移を調べてみたのですが、軒並み値下がりしている傾向にありました。
もちろん、個別に見ていくと直近で値上がりしている製品もありますが、CPUやGPUあたりは、ここ1か月で顕著に値下がりしているようです。DRAMやNANDも価格の落ち着きを見せております。反対に電源ユニットについては、特段値動きがないような感じでした。
一時期のGPU価格は、マイニング需要もあり高騰する傾向にありましたが、LHR版が出回り始めたことにより、加熱気味だったGPU価格も落ち着きを見せております。
なるほど。
海外で価格が値下がり傾向ってことは…なのであーる。
日本における自作PCパーツの価格推移
以前の記事(自作PCパーツの価格高騰状況を調べてみた –2022年4月–)では、価格が値上がりしている製品もあれば値下がりしている製品もある、という「そりゃそうだ」な身も蓋もない結果になっておりました。
ですので、ふたたび本稿で価格推移について調べることにしました。
マザーボード
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
TUF GAMING B660M-PLUS D4 | 21,829円 | 22,474円 | 22,106円 | 変化なし |
TUF GAMING H670-PRO WIFI D4 | 27,448円 | 27,598円 | 29,940円 | 値上がり |
B550I AORUS PRO AX (rev. 1.0) | 20,728円 | 20,839円 | 20,723円 | 変化なし |
マザーボードの平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
CPU
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
Intel Core i5-12400F | 24,081円 | 24,111円 | 24,340円 | 変化なし |
Intel Core i7-12700 | 46,107円 | 47,055円 | 47,919円 | 値上がり |
AMD Ryzen 5 5600G | 30,489円 | 30,852円 | 30,320円 | 変化なし |
CPUの平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
GPU
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
NE63060T19K9-190AD | 62,371円 | 59,514円 | 57,857円 | 値下がり |
GG-RTX3070Ti-E8GB/DF | 110,442円 | 109,543円 | 96,018円 | 値下がり |
TUF Gaming GeForce RTX 3070 Ti OC Edition | 120,978円 | 113,794円 | 116,739円 | 値下がり |
GPUの平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
RAM
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
CT2K16G4DFRA32A | 17,098円 | 17,064円 | 18,504円 | 値上がり |
BL2K16G32C16U4B | 21,049円 | 21,371円 | 22,048円 | 値上がり |
CT2K8G4DFRA32A | 8,084円 | 8,055円 | 8,601円 | やや値上がり |
RAMの平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
SSD
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
WDS100T3X0E | 16,893円 | 16,485円 | 15,713円 | 値下がり |
WDS500G3B0C | 8,220円 | 7,915円 | 7,949円 | 変化なし |
WDS500G3X0E | 9,479円 | 9,403円 | 9,316円 | 変化なし |
SSD(PCIe)の平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
電源ユニット
| 価格推移 | 傾向 | ||
2022年3月31日 〜 2022年4月6日 | 2022年4月7日 〜 2022年4月13日 | 2022年4月14日 〜 2022年4月20日 | ||
KRPW-BK650W/85+ | 7,622円 | 7,690円 | 7,992円 | やや値上がり |
KRPW-GA850W/90+ | 11,509円 | 11,734円 | 12,557円 | 値上がり |
NE750 GOLD | 10,857円 | 11,127円 | 15,405円 | 値上がり |
電源ユニットの平均価格推移
※価格.com『人気売れ筋ランキング』上位3製品の価格を参照
※価格は小数点第1位で四捨五入
…という感じですな!
今回は良いデータが取れた気がしますわね。
パーツごとに傾向が出てきたって感じやんね!
自作PCパーツを購入する順番
- CPU
- マザーボード
- RAM
- 電源ユニット
- GPU
- SSD
調査した自作PCパーツの価格変動や元値から、上記のような順番で集めていくのがベターだと判断しました。
まだ顕著な価格高騰のないCPUですが、他のPCパーツとは異なり“指名買い”されやすい傾向にあるため、どこかの瞬間で仕入れ値の関係から急騰する可能性もあると踏んでいます。
マザーボードは種類が豊富ですが、こちらも価格高騰の傾向にあるので、お目当ての製品が決まっているのであれば、早めに手を打っておいたほうが無難そうです。
地味ながら電源ユニットが価格高騰しているのも痛いところ。製品の指名買いはそこまで起こらないでしょうが、人気のメーカー(Seasonic等)については注意を払っていたほうがよいでしょう。電源ユニットは自作PCの中でも重要なパーツなので、ここについては要警戒。
GPU(グラフィックボード)はマイニング需要も落ち着き、価格は安定してきているが、ハイエンドGPUは単価が高いため、円安の影響をダイレクトに受ける。そういう意味では、人によっては優先順位を上げても良さげ。
SSDについては、供給過多になっている感もあり、円安の影響以外は考慮しなくてもよさそうです。なので、こちらは後回しでも大丈夫そう。
まとめ「為替レートの値動きに要警戒」
自作PCパーツの価格推移を調べてみたのですが、円安の影響はこれから、というような気がしています。
とはいえ、すでにCPUやRAMは値上がりをし始めていますし、早めに確保しておくほうが良さそうです。海外では値下がりしていますが、ドル円レート的に輸入は損でしょう。
とりあえず、CPUから買いますかっ!
おまけ
急に円安に振れてるけど、年末には 1ドル = 120円前後 になると思うんだけどねー。
少々、加熱しすぎですよね。市場が。
でも、一度上がった価格は下がりにくいんよね。
ほーんと、そうなのであーる。
おわり
*1プラザ合意:1985年9月22日にニューヨークのプラザホテルで開催されたドル高是正に向けた為替レートに関する合意↩
今のところ、大きな値動きはありませんよね!?