『Meta Quest Pro』最大の欠点 → 深度センサーのオミット

「搭載しておけばよかった」と後々ならないとよいのだが
『Meta Quest Pro』最大の欠点 → 深度センサーのオミット
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記事のポイント
  • Meta Quest Proには『深度センサー』が搭載されていない
  • 後発の『VIVE XR Elite』には深度センサーが搭載されている
  • VRだけでなくMRを想定しているならオミットは残念な判断

約7万円の値下げにより、再注目されている『Meta Quest Pro』。
これで、後発のVIVE XR Eliteよりも安くなったわけですが、Meta Quest Proには『深度センサー』が搭載されていないことに注意が必要です。

二条ねこ

比較されがちだけど、『Meta Quest Pro』と『VIVE XR Elite』は、異なるベクトルを向いているのかもですな。

まの

両方買うのは厳しいですが、共存可能な感じはありますわね。

さたえり

両方買うとなると、軽く30万円を超えちゃうもんね。

『深度センサー』について

デバイスに搭載された『深度センサー』や『距離画像センサー』と呼ばれるセンサーを用いることによって、対象物との距離を測定することができます。

Image:Microsoft

この深度センサーを活用したデバイスとして有名なのが、Microsoftの『Kinect』。

上画像の左側が、Azure Kinect DKに搭載された深度カメラによって、測定されたDepth画像になります。このDepth画像では、疑似カラー化によって、近い対象物を青系の色で表しており、遠い対象物を赤系の色で表しております。なお、似ていますが、サーモグラフィー画像ではありません。

iPhone 14 Proに搭載されたToFの活用例

深度センサーや距離画像センサーによる距離測定としてよく用いられるのが、『ToF(Time-of-Flight)』という方式です。

ToF方式では、赤外線レーザーを対象物に照射し、そのレーザー光が対象物から跳ね返って戻ってくるまでの時間を割り出して、対象物までの距離を割り出しております。

二条ねこ

主題からは逸れるけど、iPhone Proの“Pro”たるゆえんは、『LiDAR(ToF)』を搭載しているところだと思うのであーる。

まの

そして、そこで培った技術を、噂のApple製VRHMD『Reality Pro』に転用するのでしょうね。

Meta Quest Proは『深度センサー』非搭載

Meta Quest Pro

そんな深度センサーですが、『Meta Quest Pro』には搭載されておりません。

Meta Quest Proの前面に搭載されているのは、2基のモノクロカメラと1基のRGBカメラのみ。深度センサーは搭載されていないため、これらのカメラを組み合わせることによって、MRを実現することになります。

厳密に言えば、プロダクト開発段階では、深度センサーを搭載する予定だったそう。しかし、製品として出荷される段階までに、この深度センサー搭載はキャンセルされてしまいました。なので、Meta Quest Pro本体を分解すると、深度センサーを搭載する予定だったスロットが“名残”として残されているそうです。

深度センサーの搭載をキャンセルした理由について、Metaの最高技術責任者であるAndrew Bosworth氏は、「深度センサーを搭載することによる充分なメリットが得られず、コストと質量が増加したため、最終的に搭載をキャンセルした」と述べています。

VIVE XR Eliteは『深度センサー』搭載

VIVE XR Elite

Meta Quest Proの競合となる、HTCの『VIVE XR Elite』には、深度センサーが搭載されております。

こちらは、製品名にVIVE “XR” Eliteと銘打っているだけあり、現実世界のオブジェクトを正確に測距するためにも、しっかりと深度センサーが搭載された形となっています。ただし、深度センサー機能はまだアンロックされておらず、利用可能となるのは2023年第1四半期以降とのこと。

深度センサーのオミットは正解だったのか

冒頭で『深度センサー』の役割について話しましたが、Meta Quest Proを“VR”ではなく、“MR”や“XR”のデバイスとして捉えるのであれば、深度センサーの搭載を見送ったのは、のちに大きなターニングポイントになってくる気がしております。

左:オクルージョン無|右:オクルージョン有
Image:Google Developers

MRを実現していく上で、いかに現実と違和感なく統合できるか、ということがカギになってきます。例えば、『オクルージョン(手前の物体が奥の物体を隠す状態)』の表現など。

Googleの『ARCore Depth API』のように、深度センサーを使わず、単一のRGBカメラだけでDepthマップを生成する手法もあります。ただ、高い精度で空間認識をさせるためにも、やはり深度センサーは搭載してほしかったというのが本音。本来は搭載予定だった、ということを踏まえるとなおさら。

そうそう、今後リリースされるであろう『Meta Quest 3』には、深度センサーが搭載されるという話もあります。もちろん、あくまで噂としての話ではありますが、もし本当にMeta Quest 3に深度センサーが搭載されたとなると、「ならば、Meta Quest Proにも深度センサーを搭載すべきだった」と多くのユーザーから総ツッコミを受けるでしょう。

Meta Quest Proの深度センサー搭載見送りは正解だったのか。これに関しては、今後のアップデートや、VIVE XR Eliteの行方によって明らかになってくるはずです。

まの

当初は、Meta Quest Proにも深度センサーが搭載される予定だったことを考えると、あえてオミットしたのは残念な判断ではありますわね。

さたえり

後発のVIVE XR Eliteにはちゃっかり搭載されてるから、なおさらそう感じちゃうやんね。

二条ねこ

ほんと、Metaはもったいないことをしたのであーる。

まとめ「やっぱり深度センサーは欲しい」

まとめ
『深度センサー』の概要

『深度センサー』とは、対象物との距離を測定することができるセンサー。

VRHMDと深度センサー

Meta Quest Proは『深度センサー』非搭載。
VIVE XR Eliteは『深度センサー』搭載。

深度センサーに対する期待

MRを実現していく上で、深度センサーを搭載することにより、高い精度で空間認識をさせ、現実と違和感なく統合することができる。

「なくても大丈夫」という判断なのでしょうが、後発のVIVE XR Eliteには搭載されているので、やはりMeta Quest Proにも深度センサーが欲しかったところなのです。ですなの。

二条ねこ

深度センサーの後付けとかできないのかなー!?

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記事に登場したガジェット

おまけ

二条ねこ

まだまだ知識不足だから、もっと調べる必要がありそうですな。

まの

今後、オクルージョンが重要になってきそうですものね。

さたえり

VIVE XR Eliteにも注目やね!

おわり