- 寝不足傾向の日本人にとって『睡眠測定ガジェット』はマストアイテム
- 最適な睡眠時間・睡眠の質を調べて“理想の睡眠環境”を作るのがゴール
- そのために『睡眠経過図(ヒプノグラム)』で自分の睡眠を可視化すべし
人生の約1/3を費やす重要な生理現象、それが『睡眠』。そこで、自分の“最適な睡眠時間”と“睡眠の質”を計るため、睡眠経過図が算出可能な『睡眠測定ガジェット』をまとめてみました。
なるほど。
それで、ガジェットを用いて『睡眠経過図(ヒプノグラム)』を算出させるわけですね。
“寝る子は育つ”でもあり、“寝ない大人は老いる”わけやね。
目次
はじめに
ガジェットを用いて睡眠測定をする意義
ガジェットを用いて睡眠測定をする意義、それは自分にとっての“最適な睡眠時間”と現在の“睡眠の質”が可視化できること。
厚生労働省によると、日本人の平均睡眠時間は“6時間から7時間”の割合がもっとも高く、これはOECD加盟国の中でも最低レベルとなっています(OECD加盟国の平均睡眠時間は約8時間半)。
睡眠研究の第一人者である、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史氏によると、多くの成人にとっての必要な睡眠時間は“6時間から8時間”。また、いわゆる『ショートスリーパー』と呼ばれる人は極めて稀な存在で、大半の人は単なる寝不足だそう。加えて、後天的にショートスリーパーにはなれない、とのこと。
睡眠が非常に重要な生理現象であることは、言うまでもありません。睡眠不足は、酩酊状態と同程度まで脳のパフォーマンスが低下することも明らかになっています。また、慢性的な睡眠不足は、精神疾患や認知症のリスクも高めてしまいます。なので、睡眠不足は百害あって一利なし。
したがって、自分が睡眠不足かどうか、そして睡眠の質はどうなのか、これらを知る必要があるというわけなのです。ですなの。
これも柳沢氏の受け売りなんだけど、自分にとっての最適な睡眠時間を調べる方法は確立されておらず、今のところは自分でコツコツ検証するしかないようなのであーる。
地道に睡眠時間のログを取る必要がある、というわけですね。
『睡眠経過図(ヒプノグラム)』について
『睡眠経過図(ヒプノグラム)』とは、中途覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠、がどのように推移しているのかを可視化したもの。ちなみに、ノンレム睡眠のみ、N1・N2・N3、と3段階に分かれております。
多くの睡眠測定ガジェットでは、この睡眠経過図が算出できるようになっております。なので、算出された睡眠経過図を用いて、自分にとっての最適な睡眠時間や、現時点での睡眠の質を評価すればよいわけです。
なお、睡眠の質については、分かりやすくスコア化してくれる製品もあります。スコア化されない製品の場合、中途覚醒の回数や、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを確認すれば、素人でもある程度の評価は可能です。
これが“理想の睡眠環境”を作るためのポイントですわね?
そういうことあーるっ!
睡眠測定ガジェット
そういうわけで、『睡眠経過図(ヒプノグラム)』が算出できる睡眠測定ガジェットを、以下にまとめてみました。
①Apple Watch(スマートウォッチ)
価格 | 37,800円から |
アプリ | Health(ヘルスケア) |
睡眠測定機能 |
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『Apple Watch』は、スマートウォッチ型の睡眠測定ガジェット。
お手軽かつ、使い勝手も良好。ただ、最大にして唯一の欠点が、iPhoneユーザーでないと使えないこと。なので、必然的にAndroidユーザーは、別製品を検討することになります。
以前は、睡眠測定をするのに『AutoSleep』に代表されるサードパーティ製アプリが必要でした。しかし、iOS 16/watchOS 9以降、OS標準で『Sleep stages(睡眠ステージ)』という機能が実装されたので、純正の『Health(ヘルスケア)』アプリだけで、完結するようになりました。
これは余談ですが、サードパーティ製の『AutoSleep』のほうが、より細かく睡眠分析ができるので、こちらも併せて導入しておくのが有効です。
『Health(ヘルスケア)』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Core・Deep、の合計4段階で判定されます。
おそらく、ノンレム睡眠のN1とN2が『Core』にまとめられているのでしょう。そして、ノンレム睡眠のN3が『Deep』に相当するはずです。
②Zepp Health Amazfit(スマートウォッチ)
価格 | 31,900円前後 |
アプリ | Zepp |
睡眠測定機能 |
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Zepp Health『Amazfit』は、スマートウォッチ型の睡眠測定ガジェット。
iPhone/Androidの両方に対応しており、バッテリー駆動時間もスマートウォッチの中ではかなり長い。セルラー通信不可・FeliCa非搭載でも構わないのであれば、かなり有力な候補。
専用のスマートフォンアプリ『Zepp』で、測定した睡眠データを確認することが可能。睡眠時間だけでなく、呼吸の質、睡眠の質、などもモニタリングすることができ、安価ながら機能性に優れています。
『Zepp』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Light Sleep・Deep Sleep、の合計4段階で判定されます。
おそらく、ノンレム睡眠のN1とN2が『Light Sleep』にまとめられているのでしょう。このあたりの振り分け方は、Apple Watchと同様です。
③Google Fitbit(フィットネストラッカー)
価格 | 19,800円前後 |
アプリ | Fitbit |
睡眠測定機能 |
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Google『Fitbit』は、フィットネストラッカー型の睡眠測定ガジェット。
iPhone/Androidの両方に対応しており、フィットネストラッカーとしても多機能で優秀。バッテリー持ちも良好。測定できるデータも豊富で、最適な睡眠時間や睡眠の質を知るのには、もっともベターなガジェットかも。
専用のスマートフォンアプリ『Fitbit』で、測定した睡眠データを確認することが可能。
ここで注意なのですが、詳細な睡眠スコアや睡眠中のいびき量を知るためには、有料サブスクリプション『Fitbit Premium(月額640円)』に加入しなければなりません。要するに、“睡眠測定”だけで見ると、継続的なコストが発生します。
『Fitbit』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Light・Deep、の合計4段階で判定されます。
おそらく、ノンレム睡眠のN1とN2が『Light』にまとめられているのでしょう。このあたりの振り分け方は、Apple WatchやAmazfitと同じ定番スタイル。
④Oura Ring(スマートリング)
価格 | 65,800円から |
アプリ | Oura |
睡眠測定機能 |
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Oura『Oura Ring』は、スマートリング型の睡眠測定ガジェット。
「寝るときにスマートウォッチを着けるのはちょっと……」と思うなら、指輪型のOura Ringが最適。これなら、手や腕に異物感もありません。当然、iPhone/Androidの両対応。
測定できるデータ量も豊富で、これ以上にないくらいベストなデバイスなのですが、Oura Ring自体が高価なことに加えて、有料サブスクリプション『Oura Membership(月額6.99米ドル)』の加入が必須なのです。要するに、導入するのに相応の覚悟が必要というわけです。
『Oura』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Light・Deep、の合計4段階で判定されます。
おそらく、ノンレム睡眠のN1とN2が『Light』にまとめられているのでしょう。何度も繰り返しになりますが、定番中の定番スタイルです。
⑤SLEEPON Go2sleep(ウェアラブル睡眠計測器)
価格 | 15,000円前後 |
アプリ | SLEEPON(スリープス) |
睡眠測定機能 |
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SLEEPON『Go2sleep』は、ウェアラブル型の睡眠計測器。
こちらは“睡眠計測器”として販売されている、睡眠測定に特化したデバイス。
なので、睡眠時間や睡眠スコアはもちろんのこと、睡眠負債や寝返りなどもデータ化可能。また、リアルタイムで心拍数や血中酸素濃度を、アプリに表示することもできる。測定データはPCからも確認可能なので、使い勝手も良さげ。
『SLEEPON』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Light Sleep・Deep Sleep、の合計4段階で判定されます。
ほかにも、心拍数や血中酸素濃度なども時間単位でグラフ化できるので、ログを取るという意味では、かなり優れたデバイスと言えるでしょう。
⑥Withings Sleep(スマート睡眠パッド)
価格 | 15,000円前後 |
アプリ | Withings Health Mate |
睡眠測定機能 |
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Withings『Sleep』は、マットレス型の睡眠測定ガジェット。
敷布団の下に設置するタイプなので、手や腕に何も装着しなくてもよいのがポイント。Withings Sleep側も操作不要で、電源さえ接続しておけば、あとは勝手に寝るだけで動作する模様。
『Withings Health Mate』アプリは、IFTTT・Apple Health・Fitbitとも連携可能なので、データ管理が一元化できるのも利点。
『Withings Health Mate』アプリはこんな感じ。
睡眠経過図は、Awake・REM・Light・Deep、の合計4段階で判定されます。
ヒプノグラムの表示形式が棒グラフ状という、若干独特な仕様。なので、ちょっと慣れが必要かもしれません。
まとめ「ガジェットで睡眠を科学する」
とにかく“睡眠”は、重要な生理現象。
睡眠不足に、百害あって一利なし。
だからこそ、ガジェットを用いて睡眠測定し、自分にとっての“最適な睡眠時間”と現在の“睡眠の質”を可視化する意義があるのです。ですなの。
さーて、どれで測定すべきか。
おまけ
Apple Watch、Fitbit、Amazfitは持ってるから、『Oura Ring』でも買い増そうかなー!?
……いや、そんなに着けなくても。
いやー、測定精度も比較してみたいのであーる!
うーん、これは沼るやつやね。
おわり
睡眠不足は、脳のパフォーマンスを低下するだけじゃなく、アルツハイマー病のリスクも高まるから、とにかく“睡眠”は大事なのであーる!