次世代の到来!?
2018年10月初頭に、無線LAN技術の業界団体『Wi-Fi Alliance』が、Wi-Fiの名称を変更することを発表しました。なので、今一度Wi-Fiについて、おさらいしていきます。
目次
Wi-Fiは無線LANの“国際標準規格”のこと
Wi-Fiの規格表を後で紹介するのですが、まずは『Wi-Fi』についてを少しおさらいします。
- 無線LANの国際標準規格。
- 『Wi-Fi Alliance』が策定。
- 正確には“Wi-Fi≠無線LAN”。
- 一般的な規格は7種類。
- 2.4/5/60GHzの周波数帯を使用。
- 通信速度は規格によって変動。
『Wi-Fi』について簡単に紹介すると、上記のような感じになります。
凄く簡単にまとめてしまうと、Wi-Fiは無線LANの国際規格で、それぞれ“a”・“b”・“g”などの名前が付いており、その名前に応じて速度が異なっているということです。
Wi-Fiの規格表
それでは、2018年現在における、Wi-Fiの規格対応表をご覧ください。
規格名称 | ナンバリング規格 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 特徴 |
IEEE 802.11a | – | 5GHz | 54Mbps | 電波干渉:○ 障害物:× |
IEEE 802.11b | – | 2.4GHz | 11Mbps | 電波干渉:× 障害物:○ |
IEEE 802.11g | – | 2.4GHz | 54Mbps | 電波干渉:× 障害物:○ |
IEEE 802.11n | Wi-Fi CERTIFIED 4 | 2.4GHz | 600Mbps | 電波干渉:× 障害物:○ |
5GHz | 600Mbps | 電波干渉:○ 障害物:× |
||
IEEE 802.11ac | Wi-Fi CERTIFIED 5 | 5GHz | 6.9Gbps | 電波干渉:○ 障害物:× |
IEEE 802.11ad | – | 60GHz | 6.8Gbps | 障害物:× 普及せず WiGigに使用 |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi CERTIFIED 6 | 2.4GHz | 9.6Gbps | 電波干渉:× 障害物:○ |
5GHz | 9.6Gbps | 電波干渉:○ 障害物:× |
Wi-Fi各種の規格表。
『IEEE 802.11ax』は、速いけど普及はこれからって感じだねっ!
もち、安定性や信頼性は、有線LANの勝ちだけどねっ!
▼今や、GoogleもWi-Fiルーターに参入する時代です。
Wi-Fi関連の用語集
最後に、Wi-Fi(無線LAN)関連の用語を、簡単に説明していきます。規格や専門用語の乱立が凄いので、用語を知っておくだけでも便利です。
Wi-Fiと無線LAN
Wi-Fiと無線LANは混同しやすいですが、無線LANが必ずしもWi-Fiではありません。
無線LANの中でも、『Wi-Fi CERTIFIED』の認証を受けたものだけが、晴れて『Wi-Fi』を名乗ることが可能なのです。要するに、“ほぼ”一緒です。
周波数帯とは
Wi-Fiにおける周波数帯とは、通信に利用する電波の帯域のことです。
2018年現在、周波数帯には2.4GHz・5GHz・60GHzの3つが存在します。
2.4GHzは、壁などの障害物には強いのですが、電子レンジやBluetoothと干渉しやすい周波数帯です。
5GHzは、壁などの障害物に弱い代わりに、電子レンジやBluetoothなどの電波干渉には強い周波数帯です。
最大通信速度とは
最大通信速度とは、その規格(IEEE 802.11aなど)が出せる“理論上の”最大通信速度のことです。
ナンバリング規格とは
ナンバリング規格とは、Wi-Fiの各名称をより分かりやすく表したもののことです。
従来はIEEEの技術規格(例:IEEE 802.11n)に則って記載していたものを、新たにナンバリング規格(例:Wi-Fi 4)にて記載していくそうです。これにより、より一般層に理解してもらいやすくなる狙いがあります。
MU-MIMOとは
MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)とは、Wi-FiルーターにスマホやPCを複数接続したときに、速度低下を防ぐ機能です。今までは、“1対1”の通信しかできなかったのですが、MU-MIMOに対応していると“1対多”の同時通信が可能になります。このMU-MIMOの同時通信台数は、Wi-Fiルーターによって異なります。
▼MU-MIMO(最大3台)対応のNECのルーター。後述のビームフォーミングにも対応。
ビームフォーミングとは
ビームフォーミングとは、Wi-Fiルーターがスマホなどを狙って電波を飛ばす技術のことです。
従来のWi-Fiルーターは、電波を全方位へ均等に放射します。
しかし、ビームフォーミング対応のWi-Fiは、同機能に対応した端末に向けて電波を放射するのです。これにより、速度が向上する仕組みになっております。
▼TP-Link『Deco M5』は、MI-MIMOとビームフォーミングに対応。
メッシュネットワークとは
メッシュネットワークとは、複数のWi-Fiルーターが1つのWi-Fiネットワークとして振る舞うことが可能なシステムです。
メッシュネットワークに対応していると、ルーター同士の相互通信により、今までよりも広い範囲にWi-Fiを飛ばすことが可能です。
なので、例えば一軒家の1階と3階でも、同じWi-Fiのネットワークに接続ができるようになります。
▼メッシュネットワーク対応Wi-Fiルーターの中でも、高機能なのがNETGEARのOrbiシリーズです。
WiGigとは
WiGigとは、IEEE 802.11adの60GHzの周波数帯を用いる、近距離で最高8Gbpsの速度で通信できる“無線通信規格”のことです。WiGigはインターネット通信ではなく、PCと周辺機器(ドッキングステーションなど)を無線接続するのに用いています。しかし、2017年でWiGig対応製品の出荷は終了している模様。
総評:Wi-Fiルーターも日々進化してる!
今回は、Wi-Fiの各種規格についての対応表と、Wi-Fiに付随する関連用語の解説をしていきました。
規格が次々と登場しているので、付いていくのが大変ではあります。ただ、それらの用語を少しでも知っておくと、Wi-Fiルーターや端末を買うときに参考になると思います。
別に、完全に理解なんてしなくていいと思うっ!
Wi-Fiは…“わいふぁい”ですぞ!
おまけ
Wi-Fiルーターにも気を使おうぞー!
おわり