ネットが遅い原因は、無線LANルーターかも?
無線LANルーター(Wi-Fiルーター)って、何を基準にして買えばいいか難しいですよね。今回は、初心者の人でも分かりやすく仕組みを解説し、どれを買えばいいのかを解説します。
じゃあ、どうやって通信速度を速くしたらいいん?
目次
予備知識
どの無線LANルーターを購入すれば良いのかを説明する前に、”予備知識”として通信速度(回線速度)を決める要素について解説します。
通信速度を決める3つの要素
通信速度を決める要素は、大きく分けて3つ存在します。
- 回線の契約プラン。
- ルーターの性能。
- パソコンの性能。
ネットの速度、つまり通信速度はこれら3つの要素の相互関係によって決まります。まずは、これを理解してもらえればと思います。
通信速度を決めるルール
先程の説明で、通信速度を決定する要素が3つあることが、お分かりいただけたと思います。
お次は、通信速度を決定するルールです。
これはちゃんと理解しておきたいところっ!
通信速度を決定する要素である、”契約プラン”、”ルーター”、”パソコン”ですが、これらには”最も遅い速度に合わせる”というルールが存在します。
つまり、上の画像のように、
- 契約プラン → 1Gbps
- ルーター → 100Mbps
- パソコン → 1Gbps
という性能がそれぞれあったとすると、性能の低い”100Mbps”に通信速度がなってしまうのです。
ここで補足なのですが、固定回線の契約プランは最近だと光回線が主流ですよね。なので、契約プランのせいで通信速度が尋常じゃなく遅いということはないと思います。これはパソコンやスマホについても同様です。
契約プランについて
固定回線の契約プランなのですが、2018年時点では以下のようなラインナップになっているようです。こちらは、各自で加入プランを調べていただければと思います。
固定回線の契約プランの種類
- 回線速度100Mbps
- 回線速度200Mbps
- 回線速度1Gbps
- 回線速度10Gbps
ルーターの性能について
続いて、無線LANルーターの性能についての解説を行います。
無線LANルーターには、通信をする方法が2つ存在しています。1つは文字通り”無線LAN(Wi-Fi)”、もう1つは”有線LAN”です。
有線LANは、LANケーブルを挿して通信するヤツだね〜!
有線LANの規格
LANケーブルでルーターとPCを接続して通信をすることを、”有線LAN接続”といいます。デスクトップPCに多く見られる、接続の形式です。
▼有線LANの規格
規格 | 最大通信速度 |
10BASE-T | 10Mbps |
100BASE-TX | 100Mbps |
1000BASE-T | 1Gbps |
無線LANルーターを選ぶ際には、基本的に『1000BASE-T』に対応しているものを購入すればいいと思います。
▼有線LANケーブルは『CAT7』規格のものを買うようにしましょう。
無線LANの規格
無線LAN接続は、一般的に『Wi-Fi(ワイファイ)』と呼ばれています。iPhoneやiPadの接続もこちらの接続形式を使っています。
▼無線LANの規格
規格 | 最大通信速度 |
IEEE 802.11b | 11Mbps |
IEEE 802.11a | 54Mbps |
IEEE 802.11g | 54Gbps |
IEEE 802.11n | 600Mbps |
IEEE 802.11ac | 6.9Gbps |
IEEE 802.11ax | 9.6Gbps |
こっちも通信速度は理論値やんね?
ただ、無線LANルーターによって同じ規格でも出る速度が変わったりするので、ここは注意が必要だったりします。
端末の性能について
最後は、パソコンとスマートフォンの性能についてです。
無線LANルーターは電波を出す側なので、当然受ける側も存在しますよね。それが、パソコンやスマートフォンにあたります。それ以外にも、ゲームやタブレット、レコーダーなども電波を受ける側です。
無線LANルーターに性能の差異があるように、当然ながら端末側も電波を受ける性能があります。なので、いくら無線LANルーターが高性能でも、端末側の性能が低ければ当然速度は遅くなります。
しかし、無線LANルーター側と違って、こちらはあまり気にする必要性はないと個人的には思います。
お使いのPCがかなりの旧型でない限り、端末側の無線LANの性能はそこまで気にしなくて大丈夫です。もし、心配であれば去年か今年発売されたPCを購入し直すのがオススメです。
▼『Surface Laptop』は、IEEE 802.11acに対応しているので高速通信が可能です。
▼デスクトップユーザーなら、こちらのUSBドングルがオススメです。
タイプ別おすすめのルーター
今までの説明で、通信速度を決定する要素と規格の説明は終わりです。
ここからは、ご自身の契約プランに合わせたオススメの無線LANルーターを紹介します。購入の参考になればと思います。
正直、無線LANルーターは海外勢が”圧倒的に優勢”です。なので、特にこだわりがないなら、TP-LINKを買うのが良さそうです。次点でNECといったところだと思います。
A.契約が100Mbpsプラン
主な100Mbpsプラン
- フレッツ 光ネクスト ファミリータイプ
- フレッツ 光ネクスト マンションタイプ
- フレッツ 光ライトプラス
- フレッツ 光ライト ファミリータイプ
- フレッツ 光ライト マンションタイプ
- eo光ネット【ホームタイプ】100メガコース
こちらのプランだと、『PA-WF1200CR』がコストパフォマンスも高くオススメです。
しかし、上位モデルと価格差が大してないので、正直なところ200Mbpsプランで紹介している同じNECの『PA-WG1200HP2』を買ってもいいかも知れません。
B.契約が200Mbpsプラン
主な200Mbpsプラン
- フレッツ 光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプ
- フレッツ 光ネクスト マンション・ハイスピードタイプ
こちらのプランだと、『PA-WG1200HP2』がゆとりを持って使えるのでオススメです。
価格は5,000円前後ですが、有線LANは最大1Gbps、無線LANは最大867Mbps出るようになっています。もちろん理論値ですが、私が普段使っていて思うのは、”理論値にゆとりをもたせる”ということです。やはり余裕があるほうが速度も安定して出る印象ですし、今後の投資と思って買ってもいいと思います。
C.契約が1Gbpsプラン
主な1Gbpsプラン
- フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ
- フレッツ 光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ
- eo光ネット【ホームタイプ】1ギガコース
このプランだと、TP-LINKの『Archer C2300』が1Gbpsの速度を最大限生かせるのでオススメです。
ここ数年で一気に無線LANルーターの市場で世界トップレベルとなった『TP-LINK』ですが、とにかく”多機能なのに簡単”という特徴があります。
アプリから設定できるのはもちろん、設定画面も国内メーカーによくある無骨なものではなく、オシャレで見やすいものになっています。
D.契約が10Gbpsプラン
主な10Gbpsプラン
- NURO 光 10G
- NURO 光 10Gs
- auひかり ホーム10ギガ
このプランで契約しているなら『Nighthawk X10 R9000』一択です。
有線LANで10Gbps出せて、無線LANで4.6Gbps出せるオバケなんて、この子しかないもんっ!!
性能について深く話し出すとキリがないので、著名なITライターである清水理史氏のレビュー記事をご覧いただければと思います。
総評:プランにあったルーター選びをしよう!
今回解説してきたように、いわゆる”ネット周り”とよばれるものは、非常にややこしいものです。ですので、せっかく高速通信が可能なプランを契約しているのに、そのスピードを使えていない人が結構いたりします。
もちろん、無線LANルーターにしても、端末にしても、高価なものを買えば間違いないです。ただ、それだとお金が余分に掛かってしまいますよね。
言い忘れていたのですが、無線LANルーターの寿命は5年ほどです。機械的にも、性能的にも、そのあたりで寿命を迎えます。つまり、逆に考えると”5年使えるもの”を買えばいいと思います。
それでは、快適なネットライフを!
おまけ
おわり