- UQ WiMAX契約前に知るべきことを7項目にして解説!
- WiMAX = UQ WiMAX ではないことに注意が必要!
- 契約元によって縛りや違約金が異なってくるので要注意!
これはややこしい!
モバイルルーター『UQ WiMAX』を契約する前に、知っておきたい事項(技術的なこと・プラン内容・MVNOの存在・速度制限・契約期間)についてまとめてみました。
だからお勉強するのですね?
モバイルルーターの世界も複雑なんやね……。
目次
TL;DR
- WiMAXは通信規格名
- Fixed WiMAXとMobile WiMAXが存在
- WiMAXには再販型MVNOが複数社存在
- 契約先により月額利用料金や○年縛りが変化
- 本家UQは現在2プラン展開
- プランにより対応エリアが変化
- 速度制限は翌日18時頃〜翌々日2時頃
契約前に知るべき7の事実
[1]WiMAXは規格の名前
WiMAX = UQ WiMAX
…というイメージがあるが、この『WiMAX』は通信規格の名称。
IEEE | 3GPP | |
設立 | 1963年 | 1998年 |
通信規格 | WiMAX WiMAX 2 |
5G(5th Generation Mobile Communication System) 4G(4th Generation Mobile Communication System) 3G(3th Generation Mobile Communication System) |
ブランド名 | WiMAX 2+ | FOMA Xi CDMA 1X WIN |
IEEEと3GPP
4Gや5Gの名称でおなじみの通信規格は、『3GPP』という規格団体が取り決めをしている。それに対し、今回のWiMAXは『IEEE』という規格団体が取り決めをしています。
IEEEといえば、無線LANの規格『IEEE 802.11(Wireless LAN)』が非常に有名。無線ルーターを購入すると「IEEE 802.11ax対応」と書かれていますが、その規格を取り決めています。そんなIEEEがWiMAXを規格化しているのです。ちなみに、WiMAXは『IEEE 802.16(Wireless MAN)』に分類されます。
IEEE 802の“802”は、委員会が1980年2月に発足したのが由来なのであーる。
とーりーびあー…やね!
[2]WiMAXには2種類存在
WiMAXには、
- Fixed WiMAX(IEEE 802.16-2004 standard based)
- Mobile WiMAX(IEEE 802.16e-2005 standard based)
という2種類が存在しています。
UQ WiMAXが現在提供しているWiMAXは『WiMAX 2+』というものなのですが、こちらはWiMAXのMobile WiMAXに属しています。
[3]WiMAXの提供元には本家とMVNOが存在
日本におけるWiMAXをややこしくしている最大の要因なのが、WiMAXを提供している通信事業者には、UQ(UQコミュニケーションズ)以外に複数社存在しているということ。
- UQ系
- UQコミュニケーションズ*1(UQ WiMAX)
- au系
- KDDI*1(モバイルルータープラン)
- MVNO系
- ヤマダ電機(YAMADA air Mobile WiMAX)
- ラネット(BIC WiMAX)
- ワイヤレスゲート(ワイヤレスゲートWi-Fi + WiMAX)
- エディオン(エディオンネットWiMAX)
- ケーティーコミュニケーションズ(KT-WiMAX)
- ピーシーデポコーポレーション(WiMAX PC DEPOTオリジナルプラン)
- ニフティ(@nifty WiMAX)
- ビッグローブ*1(BIGLOBE WiMAX)
- ソニーネットワークコミュニケーションズ(So-net モバイル WiMAX)
- 朝日ネット(ASAHIネット WiMAX)
- ダイワボウ情報システム(DIS mobile WiMAX)
- ジュピターテレコム*1(J:COM WiMAX*2)
- GMOインターネット(とくとくBB WiMAX)
- リンクライフ(Broad WiMAX)
- ドリーム・トレイン・インターネット(DTI WiMAX)
- シンセイコーポレーション(novas WiMAX)
- MEモバイル(カシモWiMAX)
※括弧内はWiMAXサービス名称。
*1KDDI系列。
*2新規申し込み終了済。
いわゆる『UQ WiMAX』の名称でサービス提供がされているのは、“本家”であるUQコミュニケーションズ株式会社のみ。その他は、UQコミュニケーションズからWiMAXの電波を再販型として仕入れているMVNOという扱いになります。
4G/5G回線だと…au(親)・UQ(子)
WiMAX回線だと…UQ(親)・au(子)
…になるみたいだねー。
本家のWiMAXは、UQコミュニケーションズの『UQ WiMAX』ってわけやね。
[4]UQとauとMVNOで契約内容が異なる
前述したようにWiMAXの提供元には、本家のUQやau、再販型のMVNOなど複数社存在しています。そして厄介なのが、これらのWiMAXの提供元のよって、サービス内容が異なっているということ。
■WiMAX提供元による差異
- 月額利用料金
- 契約期間(○年縛り)
- 請求先
- 支払い方法
- 違約金
- キャンペーン
上記のように、月額利用料金や契約期間が異なっているので、WiMAXの契約を検討しているのであれば、サービスの提供元を吟味することをおすすめします。正直、このあたりのカオスさが、WiMAX自体の評判を変に落としている要因なのかも……。
UQ | au | GMO | |
サービス名 | UQ WiMAX | モバイルルータープラン | とくとくBB WiMAX |
プラン名 | ギガ放題 | モバイルルータープラン | とくとくBB WiMAX 2+ (ギガ放題プラン) |
利用料金 | 4,455円/月 | 4,908円/月 | 4,688円/月 |
契約タイプ | 2年縛り 縛りなし |
2年縛り 縛りなし |
3年縛り 2年縛り |
違約金 | 0円〜1,100円 | 0円〜1,100円 | 0円〜27,280円 |
支払方法 | クレジットカード 口座振替 |
クレジットカード 口座振替 |
クレジットカード |
WiMAX提供元によるプラン比較
※利用料金は割引非適用時で税込表記。
ご覧のとおり、どこでWiMAXを契約するかによって、かなりサービス内容が異なっていることが分かります。
どこと契約するかは人それぞれですが、特定の通信事業者への誘導を行う一部のウェブサイトやブログによる情報を鵜呑みにはせず、よく公式サイトに記載されている内容(特に違約金関係)を熟読するようにしましょう。
WiMAXの闇の部分やね……。
わたし的には、本家UQのプランを比較のベースにするのがおすすめかなー!?じゃないと、泥沼要素が多すぎるあーる。
[5]本家UQ WiMAXのプラン
UQ WiMAX | |||
---|---|---|---|
プラン名 | ギガ放題 | ギガ放題プラス | |
利用料金 | 2年自動更新あり | 4,268円/月 | 4,818円/月 (4,268円/月*1) |
2年自動更新なし | 4,268円/月 | 4,818円/月 (4,268円/月*1) |
|
期間条件なし | 4,455円/月 | 5,005円/月 (4,455円/月*1) |
|
2年自動更新あり (ハート割) |
3,848円/月 | 4,398円/月 (3,848円/月*1) |
|
2年自動更新なし (ハート割) |
3,848円/月 | 4,398円/月 (3,848円/月*1) |
|
期間条件なし (ハート割) |
4,035円/月 | 4,585円/月 (4,035円/月*1) |
|
データ容量 | 無制限(ハイスピードモード) 7GB(ハイスピードプラスエリアモード) |
無制限(スタンダードモード) 15GB(プラスエリアモード) |
|
通信制限 | 制限データ量 | 10GB/3日 | 15GB/3日 |
速度制限 | 1Mbps (混雑時間帯のみ) |
1Mbps (混雑時間帯のみ) |
|
通信システム | 4G | ○ | ○ |
5G | × | ○ | |
Mobile WiMAX | ○ | ○ | |
備考 | ハイスピードプラスエリア利用時は+1,105円/月 | プラスエリア利用時は+1,100円/月 |
UQ WiMAXの料金プラン
*1『WiMAX +5G はじめる割』適用時(契約月から25か月間)の月額利用料金。
WiMAXを扱っている通信事業者はさまざまですが、ここでは本家であるUQ WiMAXのプランを上表にて比較してみました。なお、『ハート割』というのは、障碍者や特定疾患患者に適用される割引オプションになっています。
[6]契約プランでエリアが異なる
UQ WiMAXでは、契約するプラン(ギガ放題 or ギガ放題プラス)によって、対応しているエリアや周波数帯(対応バンド)が異なってきます。
ギガ放題 | ギガ放題プラス | ||
プラン付帯 | モード名称 | ハイスピードモード | スタンダードモード |
通信システム | WiMAX 2+ | WiMAX 2+ au 4G LTE au 5G |
|
対応バンド | Band 41(WiMAX) | Band 1(4G) Band 3(4G) Band 41(WiMAX) n78(5G) |
|
オプション | モード名称 | ハイスピード プラスエリアモード |
プラスエリアモード |
通信システム | WiMAX 2+ au 4G LTE |
WiMAX 2+ au 4G LTE au 5G |
|
対応バンド | Band 41(WiMAX) Band 18(4G) |
Band 1(4G) Band 3(4G) Band 18(4G) Band 41(WiMAX) n78(5G) |
|
データ容量 | 7GB/月 | 15GB/月 |
ギガ放題とギガ放題プラスのモードとバンドの比較
従来の『ギガ放題』とは異なり、5G対応新プラン『ギガ放題プラス』では、通常利用でもauの4G・5Gのバンドが利用可能になりました。
auのメインバンドは、『Band 1』(2.1GHz帯)と『Band 18』(800MHz帯)となっており、このうちBand 18はプラチナバンドと呼ばれる周波数帯。auの場合、プラチナバンドであるBand 18がないと地下では電波が入りにくくなるので、事前に対応エリアと併せて確認することをおすすめします。
[7]速度制限は一部時間帯のみ
UQ WiMAXの速度制限は、データ容量を超過した翌日から適用されるのですが、全日に亘って速度制限が適用されるわけではありません。
ギガ放題 | ギガ放題プラス | |
制限データ量 | 10GB/3日 | 15GB/3日 |
速度制限 | 1Mbps | 1Mbps |
制限時間 | 翌日18時頃〜翌々日2時頃 | 翌日18時頃〜翌々日2時頃 |
ギガ放題とギガ放題プラスの速度制限
ギガ放題とギガ放題プラスとでは、速度制限になるデータ容量が異なってきますが、どちらも速度制限は翌日18時頃〜翌々日2時頃の期間で適用されています。なので、この時間帯を回避して使えば、速度制限の影響は受けないということになっているわけです。
2022年2月1日より、UQ WiMAX +5Gに関する速度制限ポリシーが変更され、速度制限の条件が緩和されております。(3日間で15GBで制限 → 一定期間内に大量のデータ通信をしたら混雑時に制限)
まとめ「UQ WiMAXは知識武装すれば怖くない」
いろいろややこしいイメージがする『UQ WiMAX』を含めた、日本国内のWiMAX界隈。実際、調べてみると…やっぱり、ややこしいのでした。
とはいえ、ちゃんと内容を理解すれば、思っている以上に便利な気もします。この手の携帯回線界隈特有の“トラップ”はあるものの、知識武装しておけば意外と怖くないかもしれません。
UQ WiMAX → 沖縄セルラー → 琉球WiMAX ……!?
おまけ
そういえば、沖縄県だけ『沖縄セルラー電話』なのですよね。
沖縄県のauのシェアは凄いらしいねー。
まさに琉球WiMAXやね!
おわり
■Reference
EE Times(1), IEEE(1), UQ WiMAX(1, 2)
WiMAXはカオスっ!