- 『折りたたみiPhone』が発売されない理由を考察!
- 今の状態だと“画面が大きいだけ”になってしまう!
- 折りたたみでないと得られない体験があるか次第!
— たためるだけではダメ —
Android勢とは異なり、Appleが『折りたたみiPhone』を発売する気配は一向にありません。その答えは「折りたたみにする意味がないから」だと思うのですが、その理由について深く考えてみます。
『Split View』も『Slide Over』も『Center window』も…すべて非対応ですからね。
“統一された美しさ”、これがAppleの美学!?
目次
はじめに
最初に立ち位置を明確にしておくと、「『折りたたみiPhone』の発売は早くても数年先だろう」と思っている派です。
ただ、発売されたら脊髄反射的に買います(そういう病気)。要するに、折りたたみiPhoneに対して、否定的ではありません。あくまで、現状のiPhoneやiOSを俯瞰すると、発売されそうな要素が乏しいというだけなのです。ですなの。
『折りたたみiPhone』の発売がない理由
「『折りたたみiPhone』の発売は早くても数年先だろう」と思っているわけですが、そう推測しているる要素について、これから順番に話していきます。
大理由:折りたたみ化で生まれる体験がない
『折りたたみiPhone』が発売されない最大の理由として感じているのが、iPhoneを折りたたみ化したところで新たな体験が生まれる要素は現状ない、ということ。
折りたたみiPhone = ただ折りたためるiPhone
現行の『iOS 15』を見ていると、折りたたみiPhoneが発売されたところで、上記のような構図になってしまうのです。“折りたためる”行為そのものがウリのiPhone。それ以上でも、それ以下でもない。折りたためることによって、拡張される機能、感動的な体験、がないのです。
例えば、Samsungの折りたたみスマートフォン『Galaxy Z Fold3 5G』。
こちらは、Samsungの他機種でも使われているUI(One UI)をベースとしつつも、折りたたみに最適化したチューニングや機能拡張が施されています。
要するに、UIをデバイスに応じて(若干)変更させている、というわけです。
このように、同じベンダーの製品であっても、OSやUIをスマートフォンに応じて最適化するというのは、Androidスマートフォンでは頻繁に見受けられるパターンです。
しかしながら、iPhoneというのは、それとは全く異なるのです。
ここが非常に面白い部分であり、Android勢と一線を画する部分でもあるのですが、『iPhone』というデバイスというのは、iPhone 12を買おうがiPhone 13 Pro Maxを買おうが、はたまたiPhone SE 3を買おうが、同じUIで同じ体験ができるデバイスになっているのです。
もちろん、コンポーネントに起因するスペックの差異はあるものの、得られる体験は同じなのです。iPhone 13 Pro Maxだけ特別なUIを…なんてこともありません。どれを買ってもほぼ一緒。前述したSamsungのそれのように、スマートフォンごとに最適化したUIを構築する、という方向性ではないのです。
そんなAppleのUI設計思想から考えると、折りたたみiPhoneだけ別のiOSが走っている、ということは非常に考えづらい。
また、『iPhone』と言い切ってしまうと、折りたたみスマホに向いていそうなiPadOSも採用できない。なぜなら、折りたたみiPhoneは、折りたたみiPadではないからです。
そうなってくると、折りたたみiPhoneから見えてくる未来というのが、ただただ画面の大きくなった折りたためるiOSデバイス、なのです。それに意味があるのでしょうか。
UIを他のiPhoneと共通化してしまうと、使いづらくなりますわね。
『Split View』や『Slide Over』あたりを搭載してくると、折りたたみである意義が出てくるんだけど、そうなると他のiPhoneとUIの整合性が取れなくなってくるんだよねー。
ホーム画面の『ランドスケープモード』も廃止したくらいやもんね。
そうなのであーる。
iPhoneはどのiPhoneでも同じ体験ができる、というある種の縛りですな。
小理由①:Appleが納得する耐久性でない
これは容易に想像できることなのですが、折りたたみスマートフォンの耐久性がAppleの基準をクリアできていない、というのも理由としてはあるでしょう。
折りたたみスマートフォンの耐久性も改善されてきてはいますが、やはりデリケートに扱わないといけない感じはあります(ユーザー側の心理的障壁も含めて)。
とはいえ、デジタイザーペン対応の折りたたみスマートフォン(Galaxy Z Fold3 5GやHUAWEI Mate Xs 2)も出てきています。つまり、フォルダブルディスプレイの技術が、ここ数年で飛躍的に向上しているわけです。
ですので、発売されない原因が耐久性“だけ”であれば、そう遠くない未来に、折りたたみiPhoneが発売されるかもしれません。
小理由②:iPhoneがプロ機材化している
ほかにも、すでにiPhoneがプロの撮影機材という位置付けになりつつある、というのも理由としてあるのではないでしょうか。
『iPhone 13 Pro』の製品ページを見てみると、コンテンツのほとんどがカメラの説明に割かれています。
もはや、これはスマートフォンの形をしたカメラ機材なのです。『Xperia PRO-I』ほど露骨でないにせよ、iPhoneも充分に機材なのです。だから、現場で安心して使える剛性感や防水性能というのが求められてくる。
このロジックでいくと、プロ機材に折りたたみ要素は不要。むしろ、耐久性面で失格の烙印を押されかねない。なので、発売されないとのではないでしょうか。
カメラ機材になったことも含めて、コモディティ化してるのかもですな。
大画面 × iOS の課題は山積み
余談ですが、iOSそのものが大画面デバイスに向いていない気がしています。
前述したように、小さい『iPhone SE 3』であっても、大きい『iPhone 13 Pro Max』であっても、UIが原則同じものになっています。なので、iPhone 13 Pro Maxのような大画面iPhoneを、活かす機能というのが存在していないのです。
Androidスマートフォンであれば、『Split View』的な画面分割機能『Split-screen mode』がネイティブサポートされています。なのに、iOSにはそれがない。
画面分割もできるし、PinPもできるし、マルチウィンドウまで可能な、Samsung Galaxyシリーズまでいってしまうと、それはそれでiPhoneらしさが失われてしまう。ですが、今のiOSはAndroid側から見ると、「大画面に最適化されていない」と強く感じてしまうわけです。
『iOS 16』では、ぜひとも『Split View』の実装を!
あ、ついでに『Slide Over』と『DeX(的な機能)』も!!
…欲深やねぇ。
DeX的な機能の実装はないでしょうね。
ま、それは言ってみただけあーる。
まとめ「折りたたみiPhoneはiOS次第」
『折りたたみiPhone』、発売されれば面白い。ですが、それまでに乗り越えなければならない壁が、ハードとソフトの両方であるのではないでしょうか。
そう考えると、『iPad mini (6th Gen)』が折りたたみ化するほうが現実的だったり……。
発売されたら、どういうものでも買っちゃう気がするけどねー。
おまけ
画面の耐久性を考えると、フォルダブルディスプレイが外向きになっている『HUAWEI Mate Xs 2』は怖いですわね。
しかも、価格も20万円ぐらいするわけやもんね。
うーん、確かに。
おわり
そもそもなんだけど、現状のiOSは大画面に最適化されていない気がするぞっ!