定期的なXperia“公式価格”値下げの恩恵と弊害

販売戦略的に正解なのか気になる
定期的なXperia“公式価格”値下げの恩恵と弊害
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記事のポイント
  • Xperiaの公式価格は年に 1回 〜 2回 の頻度で値下がりする
  • 定期的な値下げは魅力的だが…リセールバリューはお察し
  • 強気な価格設定の反動とも言えるがジリ貧にならないか心配

Xperiaのソニーストア価格というのは、定期的に値下げが実施されています。つまりは、“待てば安く買える”というわけですが、公式価格をポンポン安くしてよいものなのか。その恩恵と弊害を…考えます。

二条ねこ

初値(= 198,000円)で『Xperia PRO-I』を買った身としては、1年待たずして15万円台まで落ちちゃうのは…解せぬ。

まの

販売店同士の価格競争で値下げしたわけではなく、直販であるソニーストアによる値下げですからね。

さたえり

…というか、初値が強気すぎるんよね。

Xperiaとソニーストア価格の値下げ

冒頭で触れたとおり、Xperiaの販売価格というのは、定期的に大きな値下げが実施されております。そして、この値下げは、いわゆる販売店の価格競争に起因するものではなく、Sony直販である『ソニーストア』の価格改定に起因するものです。

端的に言えば、“待っていたら定期的にSonyが値下げしてくれる”というわけです。

このXperiaにおけるソニーストア価格の値下げ、どの時期に幾らくらい値下げするのかというのは、当然ながら端末によって異なる。1回で2万円弱もガクンと値下げするものもあれば、数千円程度を数回に分けて値下げするものも。値下げ時期も大きくブレがあります。

さたえり

待っていたら値下げしてくれるけど、価格や時期は端末によりけりってことやね?

二条ねこ

ま、基本的にはそうですな。

  198,000円 179,300円 159,500円
100%      
50%
0%
  2021年12月16日 2022年5月11日 2022年8月2日

例として、『Xperia PRO-I』におけるソニーストア価格の推移を見てみます。

上表で示したとおり、『Xperia PRO-I』は現時点(2022年12月12日)で、2022年5月11日に18,700円の値下げ、2022年8月2日に19,800円の値下げ、がそれぞれ行われております。この2度にわたる価格改定により、初値から38,500円も値下げされたことになるわけです。しかも、“Sony公式価格”で、です。

“PRO”を冠するフラグシップモデルである『Xperia PRO-I』にもかかわらず、ここまで大きな値下げが実施されているのです。

当機は携帯キャリアから販売されておらず(『au +1 collection』は除く)、また販路が限定されているため、(Sonyが何もしなければ)値崩れする要素はあまりありません。にもかかわらず、ソニーストア価格を2回にわたって大幅に下げているのです。

もちろん、最初の価格設定が高いというのもありますが、大盤振る舞いというか…暴挙というか……なのでして。

まの

確かに、そう聞くと『Xperia PRO-I』を初値(= 198,000円)で買ってしまうと…病みますわね。

二条ねこ

工業製品だから、時間とともに価値が下がるのは承知の上だけど、「早々に、Sony自ら下げに行かなくても」とは思っちゃうのであーる。

ソニーストア価格の値下げによる恩恵と弊害

タイトル
値下げの恩恵
  • 約半年待てば“1回目”の値下げで安く購入可能
  • 約1年待てば“1回目”と“2回目”の値下げでさらに安く購入可能
値下げの弊害
  • フラグシップ機におけるブランドイメージの低下
  • 値下げの常態化による初値での購買意欲の低下
  • 値下げと連動した段階的なリセールバリューの悪化

Xperiaシリーズにおける、ソニーストア価格の“定期的”な値下げ。

消費者からすれば、安く買えることは大変ありがたいこと。ですが、この定期的な値下げ、常態化してしまっているため、ネガティブな側面も多い。

一部端末を除けば、フラグシップ機であっても、待っていたら値下げをしてくれるため、“安く買いたければ数か月だけ待つ”という、ある種の公式によるチートのようなものが生まれています。

型落ちになって値下げされるのは、どのメーカーも同じこと。ですが、Xperiaの場合は、現行機種でも段階的に値下げされる傾向にあります。なので、タイミングさえ見計らえば、最新機種を安く購入できるわけです。

二条ねこ

現行機種なのに値下げしてくれる、おSony様の太っ腹!さすが!!神!!!

まの

胡散臭すぎるほどの太鼓持ちですわね……。

しかしながら、Xperiaの値下げについては常態化してしまっているため、このことを知っているユーザーほど、「発売直後に買ったら損する」というイメージを持っており、買い控えされる懸念が強くなる。もちろん、熱心なXperiaユーザーであれば、承知の上で発売日に買うのでしょうが、数か月後に値下げされると知った上で買うというのは、やはり精神的に堪えるものがあります。

加えて、ソニーストア価格の値下げと連動して、リセールバリューも急激に悪くなっていきます。Androidスマートフォンの中で『Xperia』は、まだリセールバリューが良い部類には入っていますが、売却する際には「思ったよりも高く売れないかもしれない」という覚悟は必要です。

前述した『Xperia PRO-I』の例が顕著なのですが、“フラグシップ”で“現行機種”にもかかわらず、発売から1年経たずして、2度も2万円弱の値下げをするというのは、ちょっと…というか、かなりやり過ぎな気がしています。「初値で買った人の気持ちを知れ」とは言いませんが、せっかくのPROの名を冠したプレミアムなモデル、「ブランドイメージは大丈夫?」と心配になってしまいます。

初値を超強気にして、少しずつマイルドな価格にする戦略。そう言われたら、返す言葉はありません。ただ、Sonyが“本当に売りたい価格”というのが、見えてこないのです。

二条ねこ

開き直っちゃうと、『Xperia PRO-I』を今買うのはアリですな!安いし!!

まの

SoCの世代は古いですが、メインディッシュは『カメラ』ですものね。

Xperiaは“発売直後に買うと損”というイメージ

Xperiaは“発売直後に買うと損”、というイメージが付いてしまわないかを憂えています。

AppleのiPhoneのように、「現行製品については値下げをしない」という方針にすれば解決なのですが、それを真似てしまうと、ただ単に売れなくなって終わりになりそうなので厳しい。AndroidであるXperiaのライバルは、同じAndroidの他社製スマートフォンなので、そことの勝負になる。ただ、そうなると、コストパフォーマンス勝負になりがちなので、やはり定期的な値下げをしたくなってしまう。でも、それだと元の木阿弥。

何が言いたいのかというと、一度付いてしまったイメージ(= 待ってたら値下げしてくれるというイメージ)は、そう簡単に変えられないのです。

ローエンドやミドルレンジのXperiaについては、定期的に値下げをする戦略でよいと思うのですが、フラグシップ機やプレミアム機まで同じように値下げしなくても…と。とりわけ、『Xperia PRO-I』については、最初から“買いたい人だけ買えばいい”という尖ったドヤ端末ですし、終始強気な価格で販売し続けるのも手ではなかったのでしょうか。

『Xperia PRO-I』はガンガン値下げするが、『Xperia PRO』は頑として20万円越えを堅持。これもまた不思議な差別化ではありますが(『Xperia PRO』がカメラ機材という特殊な位置付けであることは理解している)。

まの

言うは易く行うは難し、ですがね。

二条ねこ

だよねー。
考えた上での決断だし、ただただ応援するしかないですな。

まとめ「“値下げ”って難しいのです」

“値下げ”は難しい。常態化してしまうとなおさら、なのです。

こうなったらいっそ、“アーリーアダプター価格”でも作って、先行者利益が得られるプライシング枠を設けても面白いかもしれません。すでに実施済みかもしれませんが、ね。

二条ねこ

どんな価格設定で勝負するのか、『Xperia PRO-I』の後継機には注目ですな。

Xperiaを買うか or DAPを買うか …への回答

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『Xperiaケアプラン』の解約方法が分かりづらい話

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記事に登場したガジェット

おまけ

二条ねこ

しかも、型落ちのXperiaのほうがデバイスとして当たりな場合もあるから、より一層困るんだよねー。

まの

Sonyに限らず、あるあるですわね。

さたえり

これが噂の『デフレマインド』ってやつ!?

おわり