- Synology NAS『DiskStation DS1621+』を購入した!
- 目的はクラウド化とLightroom・iTunesのデータ一元化!
- 10TB以上でNASをクラウド化すれば“すぐ”元が取れる!
クラウドストレージ・Lightroomの写真管理・iTunesの音楽管理…を一元管理すべく、Synology NAS『DiskStation DS1621+』を購入しました。そこで今回は、“導入コストは何円なのか”と“NASのクラウド化は得なのか”というお話。


ちょ、ルビおかしいって!!

…これですわね!?
目次
Synology NAS『DS1621+』の導入

冒頭で話したように、Synology製のNAS『DiskStation DS1621+』を導入しました。(取り寄せ中でまだ手元にはないけど)
余談ですが、同じくSynologyのDiskStation DS218jを数年前から運用しています。ただ、エントリー機ゆえのスペック的な物足りなさや、すでに導入から数年経過していることから、新たにNASを迎え入れることにしました。

レビュー記事は…いる?(面倒ですなぁ)

…心の声が漏れてるんやけど。
Synology NAS導入の目的

- クラウドストレージ化(Synology Drive利用)
- Lightroom Classicの写真管理
- iTunes(Apple Music)の音楽管理
- WordPressの構築
- Dockerの構築
主たる目的となるのが、Synology NASをクラウドストレージ化(Synology Driveを利用)し、サブスクリプション型クラウドストレージのランニングコストを極限まで下げるということ。本稿では、ここについて詳しく話していきます。
あとは、データ容量が膨大ゆえにクラウドストレージで管理が困難な、Lightroom ClassicとiTunesのデータ保存先としての運用も(写真/音楽サーバ化)。また、WordPressやDockerのテスト環境も構築予定。…このあたりは、本稿では触れないので別の機会にて。

NASをiTunes(Apple Music)の音楽サーバ化して、iTunes Matchも使えば、どこでも音楽ライブラリを触れる環境ができるのであーる!

音楽ストリーミングも高音質化してるけど、未配信楽曲が多いもんね。

そうなんだよねー。
知らない間に配信終了してるのもあるし、結局はCDリッピングやハイレゾ音源購入に頼ることになりますな。
Synology NASのラインナップ
DiskStation Seriesの比較
| ![]() XS+/XS Series |
![]() Plus Series |
![]() Value Series |
![]() J Series |
---|---|---|---|---|
モデル | ハイエンド | ハイエンド | ミドルレンジ | エントリー |
用途 | ビジネス向け | ビジネス向け | 個人/SOHO向け | 個人向け |
ドライブベイ | 6 〜 12 | 2 〜 12 | 1 〜 4 | 1 〜 4 |
M.2スロット | (一部モデル) |
(一部モデル) |
| |
PCIeスロット | | (一部モデル) |
| |
WordPress | | | | |
Docker | | | | |
DiskStation Seriesのラインナップ
Synology NASのタワー型『DiskStation Series』は、上表のとおり、合計4シリーズの構成となっています。
シリーズによって大きく変わってくるのは、以下の3点。
- M.2スロットの有無
- PCIeスロットの有無
- Dockerアドオンの対応
Synology NASというのはフラグシップ機以外、LAN端子(Ethernet)が1GbEまでしか対応していません。なので、2.5GbE以上に対応させるには、専用のNICを用意する必要があります。ですので、PCIeスロットがないとLAN端子がボトルネックになる可能性が高くなってきます。
また、WordPressについてはエントリー機でも導入できるのですが、Dockerについては上位機種(XS+/XSかPlus)しか対応しておりません。Dockerコンテナ作成を考えているのであれば、こちらについても要チェック。
DiskStation Plus Seriesの比較
| ![]() DS220+ |
![]() DS420+ |
![]() DS620slim |
![]() DS720+ |
![]() DS920+ |
![]() DS1520+ |
![]() DS1621+ |
![]() DS1821+ |
![]() DS2419+II |
![]() DS2422+ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
実売価格 | 4万円前後 | 6万円前後 | 6万円前後 | 5.5万円前後 | 7万円前後 | 7.5万円前後 | 12万円前後 | 14万円前後 | 20万円前後 | 25万円前後 |
CPU | 2コア@2.9GHz (Celeron J4025) |
2コア@2.9GHz (Celeron J4025) |
2コア@2.5GHz (Celeron J3355) |
4コア@2.7GHz (Celeron J4125) |
4コア@2.7GHz (Celeron J4125) |
4コア@2.7GHz (Celeron J4125) |
4コア@2.2GHz (Ryzen V1500B) |
4コア@2.2GHz (Ryzen V1500B) |
4コア@2.1GHz (Atom C3538) |
4コア@2.2GHz (Ryzen V1500B) |
RAM | 2GB DDR4 (最大6GB) |
2GB DDR4 (最大6GB) |
2GB DDR3L (最大6GB) |
2GB DDR4 (最大6GB) |
4GB DDR4 (最大8GB) |
8GB DDR4 (最大8GB) |
4GB DDR4 ECC (最大32GB) |
4GB DDR4 ECC (最大32GB) |
4GB DDR4 (最大32GB) |
4GB DDR4 ECC (最大32GB) |
ドライブベイ | | | | | | | | | | |
M.2スロット | - | | - | | | | | | - | - |
LAN (1GbE) |
| | | | | | | | | |
USB (5Gbps) |
| | | | | | | | | |
eSATA | - | - | - | | | | | | - | - |
PCIe | - | - | - | - | - | - | | | | |
拡張ポート | - | - | - | - | - | - | - | - | | |
AC電源 | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ | 内蔵型 | 内蔵型 | 内蔵型 | 内蔵型 |
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DiskStation Plus Seriesのラインナップ
DiskStation Seriesのハイエンドシリーズとなる『DiskStation Plus Series』。その現行機種、すべてを比較表にしてまとめてみました。
モデルによって大きく変わってくるのは、以下のポイント。
- CPUスペック
- 搭載RAMの種類
- ドライブベイ数
- M.2スロットの有無
- eSATAの有無
- PCIeスロットの有無
- 拡張ポートの有無
- AC電源(ACアダプタ or 内蔵型)
基本的には、自分の組みたいRAIDに合わせた、ドライブベイを備えているモデルを選ぶことになります。そこから、欲しい機能をチョイスしていくのが賢い選び方(なはず)。
DiskStation Plus Seriesは標準では1GbE LANなので、2.5GbE以上のLAN端子を設けたい場合、別途NIC(『E10G18-T1』等)を購入する必要があります。その際、NAS本体にPCIeスロットが必要となるため、高速化を図りたいのであれば、こちらも要チェック。
『DS1621+』を選んだ理由

- RAID 0/1/5/6/10対応
- ECCメモリ対応
- M.2スロット搭載
- PCIeスロット搭載
- Dockerアドオン対応
- AC電源内蔵型
Synology NASのラインナップをひととおり見てきましたが、それらを踏まえて、最終的に『DiskStation DS1621+』を選んだ理由が上記になります。

つまり“指名買い”した理由ですわね?

そういうことあーる。
クラウドストレージとして運用するのであれば、HDDの冗長性確保と安定した動作は必須。なので、ドライブベイが多く、ECCメモリ対応機種を中心にまずは絞りました。
その上で、M.2 SSDによるキャッシュの高速化、NICによるLAN配線の高速化、Dockerアドオン対応、も考慮しています。また、ACアダプタが嫌いなので、AC/DCコンバータが内蔵されているものが望ましい。
…とした結果、すべてを満たしつつ一番安いのが『DiskStation DS1621+』だった、というわけなのです。ですなの。

NASを頻繁に交換するのも大変だし、「一番いいのを頼む」ってことで!

ま、一番上のモデルではないけどね。

「中の上でいいのを頼む」ですわね。
導入コストは何円なのか?
NAS | Synology DiskStation DS1621+ |
124,241円 | |
HDD | Western Digital WD Red WD40EFAX-RT (4TB) |
97,452円 (16,242円 ×6) |
|
NIC | Synology E10G18-T1 |
19,747円 | |
合計金額 | 241,440円 |
二条ねこ氏のNAS構成
※Amazon.co.jp価格(2022年5月9日時点)
上記の構成でNASを組んだ結果、イニシャルコストは合計241,440円となりました。
価格はAmazon.co.jpでのものなので、購入店次第でもう少し安く組み上がるとは思いますが、そこまで大きく上下することはないでしょう。DiskStation DS1621+については、Amazon.co.jpが最安になることが多いのですが、他店も似たり寄ったりな価格設定です(私は楽天市場で購入)。

あ、HDDは複数の店舗でバラ買いしたほうがいいかも……!?

え?なんで!?

同じ店舗でHDDをまとめ買いしちゃうと、同ロットのHDDを複数買う可能性があるのであーる。
かならずとは言えないけど、同ロットのHDDは壊れるタイミングが近いから、下手したらHDD交換が間に合わず、RAID自体が死んじゃうんだよねー。
…だから、複数店舗でバラ買いですな。

そう考えると、まずは2スロットでRAID 1構成。しばらくしてから、HDDを追加してRAID 5やRAID 10、というのも運用術としては出てきますわね。

それで回転数が混ざると面倒だけど、そういう手段もありますな。
NASのクラウド化は得なのか?
| Synology DS1621+ |
Amazon Drive | Google Drive (Google One) |
---|---|---|---|
ストレージ | 20TB(RAID 5) 16TB(RAID 6) 12TB(RAID 10) |
20TB | 20TB |
イニシャル コスト |
241,440円 | N/A | N/A |
ランニング コスト |
N/A | 276,000円/年 | 13,000円/月 (156,000円/年) |
Synology NASとAmazon Driveのコスト比較
気になるのが、イニシャルコストが凄まじいNASを導入し、クラウドストレージ化したところで、最終的に得するのかということ。
結論からすると、大容量で組めば組むほど、NASを導入したほうが得になります。
まず、コンシューマ向けのクラウドストレージサービスの上限、こちらがおおよそ2TB。なので、2TB超過のクラウドストレージが欲しいのであれば、必然的に選択肢が狭まってきます。
『Dropbox』は、エンタープライズ向けならば大容量プランも組めるのですが、そもそも1人で契約できない。個人用途だと、選択肢が『Amazon Drive』や『Google Drive(Google One)』ぐらいしか残されていないのです。ただ、どちらも上表のとおり高い。
以前の記事(Dropbox → Synology NAS 移行時のコスト計算)で示したとおり、2TBで考えると、イニシャルコストを吸収するのに約6年要する。ですが、今回のように、10TBや20TBで考えると、2年弱でペイできるのです。

なるほどですわ。

しかも、Synology NASなら『WordPress』や『Docker』まで作成できる!えらい!!
まとめ「10TB以上でNASを組むべし」

総評としては、「10TB以上のクラウドストレージが欲しいのであれば、NASのクラウド化のほうが安い」と言えそうです。

10TB NAS + 100GBクラウド
…という組み合わせも良きであーる。
おまけ

ちなみに、5回払いであーる。

…でしょうね。

イニシャルコストが高いのが大変やんね。
おわり
大容量、大容量、大容量!