【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 3』:机固定に最適なUSB-C搭載マルチ電源タップ

【レビュー】Anker『PowerPort Strip PD 3』:机固定に最適なUSB-C搭載マルチ電源タップ
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記事のポイント
  • 電源タップにUSB PD対応USB-Cがあると便利だぞ!
  • コンセントが3極仕様でアースが取れる点がニクい!
  • USB PDが5V・2.8Aで出力されているのが残念すぎる!

定位置は机の脚に固定ですなの。

USBポート搭載電源タップ、Anker『PowerPort Strip PD 3』をレビュー。3つのコンセント、2つのUSB-A、1つのUSB-C…これぞ、スーパーマルチな電源タップ。USB-CはUSB PDで30W出力可能。これが偉大ですなの。

二条ねこ

机に固定してと言わんばかりの作り込みっ!

まの

フック穴が搭載されているからですわね。

さたえり

スタバ感…やね。

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2020年11月15日

Anker『PowerPort Strip PD 3』って?

Anker PowerPort Strip PD 3 - Anker

Anker PowerPort Strip PD 3 - Anker

Anker PowerPort Strip PD 3ってなに?

コンセントが3つ、USB Type-Aが2つ、USB Type-Cが1つ、というスーパー電源タップ。これ1つで何でも充電できちゃう凄い子。

6
  • USB-A・USB-C両搭載
  • アース対応のACコンセント
  • 一括スイッチ搭載
  • 本体底面のゴム足
  • 机に固定しやすい形状
  • スイングプラグ非採用
  • USB-Cの最大出力が30W
  • 5V・2.8AなPDO
  • 雷サージ非搭載
二条ねこ

カフェっぽく、机にコンセントと充電用USBポートが欲しい!
…そんなスタバに憧れるおしゃれギークに向けたマルチ電源タップであーるっ!

スペック表
製品名 Anker PowerPort Strip PD 3
型番 A9133521
メーカー Anker
合計最大出力 AC 1,000W
USB 30W
インターフェース ACコンセント(3極) ×3
USB Type-A ×2
USB Type-C ×1
急速充電 USB-A Apple 2.4A
USB-C USB PD 3.0
USB-A出力 Apple 2.4A 5V・2.4A
USB-C出力 USB PD
(PDO)
5V・3A
9V・3A
15V・2A
20V・1.5A
サイズ 230×55×30mm
質量 424g
備考 ケーブル長 1.8m
その他 PowerIQ対応
ほこり防止シャッター搭載

本体チェック

Anker PowerPort Strip PD 3上面

Anker PowerPort Strip PD 3上面

■インターフェース

  • 電源スイッチ(電源ランプ内蔵)
  • ACコンセント(3極) ×3
  • USB Type-A ×2
  • USB Type-C ×1

Anker PowerPort Strip PD 3のサイズは 230×55×30mm で、重さは424g。ACコンセントが3ポートな電源タップと考えると大きめですが、USBポートがあるので致し方なし。

ポート構成は、アースに対応した3極のACコンセントが3ポート、PowerIQ対応のUSB Type-Aが2ポート、USB PD対応のUSB Type-Cが1ポート。全部で6つの出力ポートを搭載。

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2020年8月25日

また、電源を一括でオフにできる電源スイッチを搭載。ACコンセントが6ポートなAnker PowerPort Strip PD 6には搭載されていた、サージ保護(雷サージ)や保護接地の機能は本モデルにはありません。

二条ねこ

海外版(PowerPort Strip PD 3)には、雷サージ機能が搭載されていたのに、日本向けになるとオミットされている謎あーる。

さたえり

プラグ部分だけ付け替えた…ってことじゃなさそうやね。

Anker PowerPort Strip PD 3下面

Anker PowerPort Strip PD 3下面

下面(裏面)には、しっかりとフック穴が2つ搭載されており、机や壁に固定しやすくなっています。そして、電源タップでは珍しい、滑り止めのゴム足も完備。Anker PowerPort Strip PD 3自体、机に固定したくなる形状ですが、そういうことも想定して作られているのかもしれません。

あとは、電源関係の仕様や認証の印刷が中央付近にポツり。ここを見ていると、USBが搭載されているんだな、と改めて感じさせてくれます。

Anker PowerPort Strip PD 3前面

Anker PowerPort Strip PD 3前面

Anker PowerPort Strip PD 3後面

Anker PowerPort Strip PD 3後面

Anker PowerPort Strip PD 3左面

Anker PowerPort Strip PD 3左面

Anker PowerPort Strip PD 3右面

Anker PowerPort Strip PD 3右面

USBポートが搭載されている以外は普通の電源タップな、Anker PowerPort Strip PD 3。なので、本体の外周には特に何もありません。

Anker PowerPort Strip PD 3 ACプラグ部分

Anker PowerPort Strip PD 3 ACプラグ部分

■インターフェース

  • ACプラグ(接地線付き2Pプラグ)

電源タップに搭載されていたコンセントが3極…なので、当然、ACプラグはアースありのタイプです。なお、ケーブル長は1.8m。取り回しを考えると、妥当な長さでしょう。

ちなみに、ACプラグはアメリカンな3ピンではなく、2ピン(接地線付き2Pプラグ)。なので、コンセントに接地極(アース)を持っていない場所でも、変換アダプターなしで利用可能。

Anker PowerPort Strip PD 3インターフェース部分

Anker PowerPort Strip PD 3インターフェース部分

  ACコンセント USB Type-A USB Type-C
合計最大出力 1,000W
- 30W
最大出力 1,000W 12W 30W
ポート数 3 2 1

Anker PowerPort Strip PD 3のAC/USBポート数・最大出力

Anker PowerPort Strip PD 3に搭載されている、ACコンセント・USBポート各種の仕様については上表のとおり。

電源タップとしての合計最大出力は1,000W。日本で流通している多くの電源タップの定格が1,500Wということを考えると、少し低めの数値。おそらく、ACコンセントが3つということに関係しているのでしょうが、一般的なのは1,500Wなので、合わせてほしかったところ。

USB全体の合計最大出力は30W。ポートごとで見ると、USB Type-Aの最大出力が12Wで、USB Type-Cの最大出力が30W。要するに、複数USBポートを同時利用した場合においては、各USBポートの最大出力にリミットがかかることになります。複数USBポート利用時の最大出力の挙動については、記事後半に補足としてまとめておりますのでそちらを参照で。

二条ねこ

地味に1,000Wの定格が気になるかなー。

付属品チェック

Anker PowerPort Strip PD 3付属品

Anker PowerPort Strip PD 3付属品

■付属品一覧

  • 結束バンド
  • 取扱説明書

Anker PowerPort Strip PD 3の付属品は、結束バンド取扱説明書、という2つ。なお、結束バンドについては、最初から電源タップのケーブル部分に取り付けられています。

ベンチマーク

二条ねこ

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。

まの

USB PD充電器というよりかは、USBポート付き電源タップですけどね。

Vbus Hot

チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(Anker PowerPort Strip PD 3)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。

Bridged CCs

USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker PowerPort Strip PD 3で接続が検出され、充電が開始されていました。

PDO

  USB Type-C
Revision Power Delivery 3.0
PDO 5V・2.8A
9V・3A
15V・2A
20V・1.5A

Anker PowerPort Strip PD 3のPDO

Anker PowerPort Strip PD 3のPDOは上表のとおり。USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。

テスターで測定したところ、スペックシートとは異なるPDOが検出されました。USB PDの規格上、5V出力時には3A出力を行わないといけないことになっていますが、検証結果は5V・2.8A。USB PDの仕様を鑑みると、残念ながら規格違反という結果に。

二条ねこ

Anker PowerPort Strip PD 6に引き続き、こっちもなのね…うぐぅ。

急速充電規格

USB Type-Aポート(USB BC DCP・PowerIQ対応)からは、Apple 2.4Aのみ検出されました。これはPowerIQの仕様どおり。

USB Type-Cポート(USB PD対応)からは、同じくApple 2.4Aが検出されました。

二条ねこ

うーん、USB Type-Cポートよ。どうしてこうなったのであーるか。

使ってみた

電源タップから30WのUSB PDが取れる強み

希少なUSB PD(最大30W)が利用可能な電源タップ。

希少なUSB PD(最大30W)が利用可能な電源タップ。

USBポートを搭載した電源タップは、昔に比べると随分と増えました。それも、謎メーカーとかの製品ではなく、ちゃんと名が通ったメーカーから出ています。でも、それらの電源タップの大半が、USB Type-AはあってもUSB Type-Cはナシ。

今回のAnker PowerPort Strip PD 3の最大の強みであり、便利なのがここ。電源タップに、最大30WのUSB PD出力を持ったUSB Type-Cポートが搭載されているということ。とにかく、電源タップから直でUSB PDが取れるのが便利の便利。

電源タップを最強の充電ステーション化

せっかくなら、ACコンセントも活用したい。

せっかくなら、ACコンセントも活用したい。

USB Type-Aが2ポート、USB Type-Cが1ポート。…もっと、USBポートを増やしてみたい。

二条ねこ

…こうすればいいのだっ!

コンセントにもUSB PDを挿して、電源タップを充電ステーションに!

コンセントにもUSB PDを挿して、電源タップを充電ステーションに!

Anker PowerPort Strip PD 3に、

を挿して、コンセントの穴をすべて埋めてみました。これはヤバい人だ……。

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2020年11月17日

ここまでする必要はない(コンセント全部埋まっちゃうし……)ですが、こういう感じにして、充電ステーション化しても面白いかもしれません。Anker PowerPort Strip PD 3に搭載されているUSB Type-Cポートは最大30Wまでなので、1つぐらいは高出力なUSB PD充電器と併用するのがおすすめです。

USB-Cはワイヤレス充電器専用ポートとして便利

30W出力のUSB PDなら、ワイヤレス充電器の電源確保に最適。

30W出力のUSB PDなら、ワイヤレス充電器の電源確保に最適。

Anker PowerPort Strip PD 3にある、最大30WのUSB PD対応USB Type-Cポート。これをどう扱うかが、このプロダクトのミソ。

これで電源タップからQiが確保できた!

これで電源タップからQiが確保できた!

Anker PowerPort Strip PD 6のレビュー記事では、モバイルバッテリーの充電に利用するというのを紹介したのですが、Qiワイヤレス充電器の電源確保にもアリ。

Hard Cider LabsのSliceCharge ProというQiワイヤレス充電器なら、電源確保がUSB PD経由なので、Anker PowerPort Strip PD 3とUSB Type-Cケーブル1本で可能。モバイルバッテリーより、こっちのほうが使い方としては便利かも。

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2020年4月15日

USB PDのPDOがベンチマークで判明したように、ちょっといわくつき。そこがネック。

なので、ノートパソコンの充電に使うよりも、5V・3A以上を要求する別のガジェット的なアイテムの充電のほうが安牌…と思って、こういう活用法に落ち着いていたりします。

3Pコンセントが変換アダプターなしで挿せる

海外メーカーによくある、厄介な3Pプラグ。

海外メーカーによくある、厄介な3Pプラグ。

海外メーカーのノートパソコンの充電器やガジェット系だと、ACプラグが接地極付きの3Pプラグということが多々あります。これが意外と厄介。

変換アダプターなしで挿せるのが便利すぎる。

変換アダプターなしで挿せるのが便利すぎる。

Anker PowerPort Strip PD 3に搭載されているACコンセントは、3Pコンセントなので、変換アダプターなしで挿せるのが嬉しいところ。もちろん、ちゃんとアースを取るには、プラグ側もちゃんとアースを取りましょう。

雷サージが非搭載が解せぬ

海外版(PowerPort Strip PD 3)にはあるのに……。

海外版(PowerPort Strip PD 3)にはあるのに……。

個人的に解せないのが、Anker PowerPort Strip PD 3の海外版にあたる『PowerPort Strip PD 3』には、ちゃんと雷サージがあるのに、日本向けのこちらでは雷サージがオミットされていること。

しかも、ACコンセント6ポート版のPowerPort Strip PD 6では、ちゃんと雷サージが搭載されているのです。謎の差別化仕様やめてほしい……。

5V・2.8AのPDOは残念

PDOはちゃんと5V・3Aで通知してほしかった。

PDOはちゃんと5V・3Aで通知してほしかった。

Anker PowerPort Strip PD 6もそうだったのですが、このAnker PowerPort Strip PD 3も、5V・2.8AでPDOが通知されてしまっています。

ここの概要については、Anker PowerPort Strip PD 6のレビュー記事で話しているのですが、USB PDにQuick Charge等の急速充電規格が内包されてしまっているポートよりも、5V・2.8AのPDOのほうが個人的には気になります。

実利用で問題になることは少ないにしても、歓迎したくない仕様(そもそも規格違反だし)なのは事実。デバイスが故障するというよりも、充電ができなかったという相性問題のほうが出てきそうな予感。5V・3A、これはゼッタイ。

補足

複数USBポート利用時の電力供給量

Anker PowerPort Strip PD 3のUSBポート構成

Anker PowerPort Strip PD 3のUSBポート構成

今回のAnker PowerPort Strip PD 3には、合計3つのUSBポートが搭載されています。それらのUSBポートを、同時に複数利用した場合での各ポートの最大出力について、以下の表に利用ポート別にまとめてみました。

  利用ポート
USB Type-A(1) USB Type-A(2) USB Type-C
最大出力 12W 12W 30W

1ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)
USB Type-A(1・2)

USB Type-C
最大出力 USB-A(1):12W
USB-A(2):12W
USB-A(1・2):12W
USB-C:18W

2ポート利用時の最大出力表

  利用ポート
USB Type-A(1)

USB Type-A(2)

USB Type-C
最大出力 USB-A:合計12W
USB-C:18W

3ポート利用時の最大出力表

まとめ「電源タップだけど机固定が定位置の充電器母艦」

USB PDのPDOがネックだけど、その他は総じて満足。

USB PDのPDOがネックだけど、その他は総じて満足。

そういうわけで、今回のAnker『PowerPort Strip PD 3』のレビューを総括すると…

  • 電源タップにUSB-Cがあると超便利
  • USB-CはQiワイヤレス充電器の電源確保に使いたい
  • コンセントが3Pなのは助かる
  • 雷サージが欲しい
  • USB PDのPDOがどうしてこうなった

という感じ。

USB PDのPDOが残念。気になる人は、モバイルバッテリーやQiワイヤレス充電器のようなデバイスの電源確保用にするのがベターでしょう。

褒めるべき点としては、机や壁に固定することを想定した作りになっていること。サイズ感的にも、机の脚や裏に固定しやすいものになっているので、そういう使い方をするなら便利。本当は5V・3Aでちゃんと出力されるのなら、もっとおすすめできるのですが…ね。

二条ねこ

5V・3Aになっているモデルを出してほしいのであーる。

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

PowerIQは自社規格なんだから、そこは準拠しちくりー。

さたえり

PDOを守りつつ、60Wぐらいあれば最高なんやけどね。

まの

後継機種を待ちましょう。

おわり