- 通信速度を比較してモバイルルーター用途に最適な回線を決めた!
- 月額料金に納得がいくなら『UQ WiMAX』が個人的にはアリかも!
- エリアがもっと広くなれば『楽天モバイル』も有力な候補になる!
料金・速度・エリアのバランスが肝要。
手元に『UQ WiMAX』・『FUJI Wifi』・『楽天モバイル』の3キャリアがあるので、どれがモバイルルーター用途として最適かを、実際に通信速度を測定して比較検証してみました。
そこにエリアの広さと月額料金を加味して…という感じですわね。
どれも一長一短ってわけやね。
UQ vs FUJI vs 楽天
空前のテレワーク時代に突入し、以前よりもモバイルルーターを契約しているユーザーが増加してきているのか、カフェやコワーキングで頻繁に見かけるようになりました。
かくいう私も、
FUJI Wifi(初代) → FUJI Wifi(2代め) → UQ WiMAX
と、モバイルルーターのロマの民として渡り歩いています。
そんな感じで、モバイルルーターの乗り換えをし続けているのですが、奇しくも『FUJI Wifi』と『UQ WiMAX』の回線がちょうど手元にある状態。そこで、この2回線に加えて、『楽天モバイル』の入れた3回線を、モバイルルーター回線の候補として通信速度の比較してみることにしました。
FUJI Wifiの返却前に、通信速度測定だけしたのであーる。
…なるほど。
通信速度比較
測定条件
UQ WiMAX | FUJI Wifi | 楽天モバイル | |
料金プラン | ギガ放題プラス (スタンダードモード) |
SIM 50ギガプラン (SoftBank) |
Rakuten UN-LIMIT VI |
測定用端末 | Galaxy 5G Mobile Wi-Fi | Aterm MR05LN | |
測定場所 | 大阪市内 4G LTEエリア(au) |
大阪市内 4G LTEエリア(SoftBank) |
大阪市内 4G LTEエリア(楽天モバイル) |
測定アプリ | Speedtest for Mac |
通信速度測定条件
実際に通信速度を測定したわけなのですが、あらかじめお断りしておかないといけないことが2つあります。
1つめは、測定に用いたモバイルルーターが、UQ WiMAXでは『Galaxy 5G Mobile Wi-Fi』、FUJI Wifiと楽天モバイルでは『Aterm MR05LN』、とスペックの異なる製品を使用していること。
Galaxy 5G Mobile Wi-Fiは、UQ WiMAXで販売されているモバイルルーターなので、当然ながら各バンドに完全対応(Band 1/3/18/41・n78)しています。しかし、Aterm MR05LNでは、SoftBankの一部バンド(Band 28/41/42 + 5G)を掴まないことに注意。なお、楽天モバイルの対応バンド(4Gのみ)とは一致しているので問題ありません。
ただ、今回の目的がモバイルルーターとしての携帯回線比較なので、あえてスマートフォンを使用しなかった意図も含まれています。ですので、このあたりはご容赦を。
2つめは、通信速度は環境によって大きく左右されるということ。
私が測定したエリアは、3社ともに4G・4G LTEをフルカバーしている場所で測定しております。それでも場所によって変わってくる部分が多いので、実際に使う際には今回の測定のとおりになるとは限りません。なお、UQ WiMAXと楽天モバイルの5G回線は掴まないようにして測定しているので、今回の速度測定はすべて“4G回線”のものとなります。
測定結果
時間別通信速度
UQ WiMAX | FUJI Wifi | 楽天モバイル | ||
12時台 | 送信(上り) | 6.83 Mbps | 9.41 Mbps | 50.1 Mbps |
受信(下り) | 51.9 Mbps | 20.7 Mbps | 33.7 Mbps | |
Ping | 44 ms | 54 ms | 55 ms | |
15時台 | 送信(上り) | 6.18 Mbps | 7.17 Mbps | 46.4 Mbps |
受信(下り) | 25.3 Mbps | 8.26 Mbps | 23.4 Mbps | |
Ping | 275 ms | 46 ms | 54 ms | |
16時台 | 送信(上り) | 8.02 Mbps | 8.93 Mbps | 18.5 Mbps |
受信(下り) | 40.4 Mbps | 14.5 Mbps | 33.3 Mbps | |
Ping | 124 ms | 37 ms | 44 ms | |
18時台 | 送信(上り) | 7.43 Mbps | 10.0 Mbps | 46.2 Mbps |
受信(下り) | 41.0 Mbps | 12.6 Mbps | 11.3 Mbps | |
Ping | 45 ms | 42 ms | 58 ms | |
19時台 | 送信(上り) | 6.63 Mbps | 9.51 Mbps | 52.4 Mbps |
受信(下り) | 49.4 Mbps | 16.4 Mbps | 26.0 Mbps | |
Ping | 46 ms | 36 ms | 45 ms | |
21時台 | 送信(上り) | 9.76 Mbps | 9.77 Mbps | 10.9 Mbps |
受信(下り) | 48.5 Mbps | 16.1 Mbps | 24.7 Mbps | |
Ping | 49 ms | 48 ms | 40 ms | |
23時台 | 送信(上り) | 6.20 Mbps | 9.20 Mbps | 25.5 Mbps |
受信(下り) | 44.9 Mbps | 12.9 Mbps | 26.2 Mbps | |
Ping | 49 ms | 47 ms | 53 ms |
時間別通信速度比較結果
時間別での通信速度ベンチマーク結果は上表のとおり。
『UQ WiMAX』は、下り速度が出るかわりに、上りの速度はそこまで出ないようです。また、謎の高いPing値も気になるところ(試行回数が少ないので、原因については何とも言えないけど)。
『FUJI Wifi』は、上りも下りもバランス良く速度が出ているという結果に。ただ、前述したモバイルルーターのバンドを加味しても、ちょっと下り速度が遅い(以前はもっと出ていたけど……)のが気になるところ。
『楽天モバイル』は、上りの速度がとにかく高速、下りはまずまず、という感じ。ユーザー数が加速度的に増加してきているので、速度低下を懸念していたのですが、思ったよりも速度は出ていました。ちょっとPing値が大きいのは気になるかも。
平均通信速度
送信(上り)
- UQ WiMAX
- 7.29Mbps
- FUJI Wifi
- 9.14Mbps
- 楽天モバイル
- 35.7Mbps
送信(上り)速度の平均値比較
※計算方法:小数第三位四捨五入
前掲の比較表の上り速度を平均化するとこんな感じ。
受信(下り)
- UQ WiMAX
- 43.0Mbps
- FUJI Wifi
- 14.5Mbps
- 楽天モバイル
- 25.5Mbps
受信(下り)速度の平均値比較
※計算方法:小数第三位四捨五入
前掲の比較表の下り速度を平均化するとこんな感じ。
その他の比較対象
せっかくなので、その他の項目についても比較していきます。
ここからはボーナストラックってことでー!
そのわりにコンテンツが多いんやけど……。
相変わらずの長話ですわね。
料金プラン比較
UQ WiMAX | FUJI Wifi | 楽天モバイル | ||
プラン名 | ギガ放題プラス | SIM 50ギガプラン (SoftBankサービスエリア) |
Rakuten UN-LIMIT VI | |
利用料金 | 〜∞GB | 4,818円/月 (4,268円/月*1) (3,848円/月*2) |
- | 3,278円/月 |
〜50GB | - | 3,190円/月 | - | |
〜20GB | - | - | 2,178円/月 | |
〜3GB | - | - | 1,078円/月 | |
〜1GB | - | - | 0円/月 | |
データ容量 | 無制限(スタンダードモード) 15GB/月(プラスエリアモード) |
50GB/月 | 無制限 (auローミング:5GB/月) |
|
通信システム | WiMAX 2 5G Sub6 4G LTE |
4G LTE 3G |
5G mmWave 5G Sub6 4G LTE |
|
備考 | プラスエリア利用時:+1,100円/月 | - | - |
料金プラン比較
*1『WiMAX +5G はじめる割』適用時(契約月から25か月間)
*2ハート割 + 『WiMAX +5G はじめる割』適用時(契約月から25か月間)
今回、私が通信速度の比較を行った、各社の料金プランは上表のとおり。
料金プランだけで見てみると、楽天モバイルの『Rakuten UN-LIMIT VI』が、一番リーズナブルに運用できます。
UQ WiMAXとFUJI Wifiは、利用できるデータ容量が異なるので比較しづらいですが、FUJI Wifiの他のプラン(例:毎日5ギガプランは4,895円/月)を見てみると、最終的には両者ともに似たような料金設定であると言えます。
対応バンド比較
UQ WiMAX (ギガ放題プラス) |
FUJI Wifi (SoftBankプラン) |
楽天モバイル | |
5G | n78 | - | n77 n257 |
4G | Band 1 Band 3 Band 18 Band 41 |
Band 1 Band 3 Band 8 Band 11 Band 28 Band 41 Band 42 |
Band 3 Band 18*1 Band 26*1 |
3G | - | Band I Band VIII |
- |
対応バンド比較
*1auローミング
3社ともに都市部(特に東名阪)で使うのであれば、何も不自由なことなく快適に使えるでしょう。ただ、都市部であっても、楽天モバイルは地下だとauローミングになりがちなので注意。
楽天モバイルは、地方だとまだまだauローミングに頼ることになります。以前よりはかなり基地局が整備されてきましたが、楽天モバイルの本領発揮といえるのは『プラチナバンド』が総務省から割り当てられてからでしょう。
楽天モバイル側は、2023年中にプラチナバンド利用開始を総務省に希望しているようなんだけど、これはまだ“希望”だから…ねー。
今後の動向に注目ですわね。
対応エリア比較
UQ WiMAX (ギガ放題プラス) |
FUJI Wifi (SoftBankプラン) |
楽天モバイル | |
評価 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
サービスエリア | UQ WiMAX参照 | SoftBank参照 | 楽天モバイル参照 |
備考 | 5Gエリアはまだ狭い | SoftBank(4G・3G)と同等 | 地方はまだパートナー回線多い 地下は楽天回線弱い |
対応エリア比較
各社の正確なサービスエリアに関しては、上表内にあるリンクから確認してください。いずれも、それぞれの公式サイト(FUJI Wifiの場合はSoftBank)のエリアマップが表示されるようになっています。
UQ WiMAXとFUJI Wifiに関しては、日常生活の行動範囲内であれば、特につながらないということはないでしょう。ですので、5Gが入るUQ WiMAX、3Gが入るFUJI Wifi、という感じで考えてもよいかもしれません。
楽天モバイルに関しては、契約前にエリアマップを確認することをおすすめします。楽天自社回線とauローミング回線では、利用できるデータ容量が大きく変わってくるので、対応エリアについてはとりわけチェックしておく必要があるでしょう。
私的評価
UQ WiMAX | FUJI Wifi | 楽天モバイル |
通信速度に不満ナシ 月額料金が若干ネック 15GB/3日の速度制限は要確認 |
下りの通信速度が若干遅め 3G通信対応はメリット データ容量の選択肢が豊富 再販系SIMは若干心配 |
通信速度に不満ナシ 楽天回線エリア内ならアリ FTPS接続をする場合は注意 |
モバイルルーター用回線の私的評価
実際に3社とも使っている(使ってきた)身からすると、やはり各社ともにメリット・デメリットが当然のように存在します。なので、「万人におすすめできるのはどれ?」と聞かれても、個人的には即答できません。それくらいに難しいのです。
通信速度を重視するかわりに、月額料金がちょっと高くてもよいのであれば、UQ WiMAX。通信速度はそこまで求めないけど、そこそこのローコスト運用がしたいのであれば、FUJI Wifi。楽天回線の入る都市部で利用するのであれば、楽天モバイル。…と、言う感じの私的評価にしておきます。
あとは対応エリアと使いたいモバイルルーターに依存する…かなー!?
使いたい端末の対応バンドから逆算して選ぶのも、ひとつの手ではありますわね。
まとめ「いつどこでどう使うかが携帯回線選びでは肝要」
…という、モバイルルーターで使えそうな携帯回線を比較してきたのですが、結局はユーザーの利用シーンやエリアで選ぶのが得策かもしれません。
あくまで私が測定したエリアだと、通信速度は下りならUQ WiMAXが優勢、上りなら楽天モバイルが優勢でした。もちろん、今回の速度測定がすべてではありませんが、契約時の参考にしてみてください。
docomoの『5Gギガホ プレミア』という手もあるけどねー。…高いけど。
おまけ
モバイルルーター用の回線選びも沼だよねー。うんうん。
ねこさんが勝手に複雑化させてるだけですがね。
詳しく知らないほうが幸せ…なのかもやね。
おわり
…という感想かなー!?速度に関しては、ね!!