donedoneの『エントリープラン』受付停止と『eSIM』対応廃止はサービス終了フラグ?

日本に寄付文化を根付かせるためにもサービス継続を希望
donedoneの『エントリープラン』受付停止と『eSIM』対応廃止はサービス終了フラグ?
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記事のポイント
  • donedone『エントリープラン』:2022年10月2日で新規受付停止
  • donedone『eSIM』:今後対応予定 → “eSIM対応しない”に変更
  • コンセプトは共感できるので寄付以外のインセンティブが欲しい

KDDI傘下のBIGLOBE系MVNO『donedone』。寄付がコンセプトの格安SIMなのですが、『エントリープラン』新規受付停止、対応予定だった『eSIM』が一転して非対応に変更、と雲行きが怪しくなっています

二条ねこ
  • エントリープランの受付停止 → 寄付対象外だし分かる
  • eSIMの対応を見送り → せっかくの呼び水なのに

…このままサービス終了にならなければいいけど。

まの

“寄付”というコンセプトは素敵なのですがね。

さたえり

うーん、惜しいやんね。いろいろと。

BIGLOBEの“寄付”できるMVNO『donedone』

Image:donedone

KDDI傘下のBIGLOBEが運営しているMVNOといえば、『BIGLOBEモバイル』が非常に有名です。ですが、実は“もうひとつのMVNO”が提供されているのをご存知でしょうか。

その“もうひとつのMVNO”こそ、今回のトピックである『donedone』というサービス。

Image:donedone

このdonedone、『ドネーション型モバイルサービス』と命名されており、その名のとおり、“ドネーション”、つまりは“寄付”がコンセプトとなっているMVNOなのです。

Image:donedone

donedoneには『ベーシックUプラン』と『カスタムUプラン』という料金プランがあり、これらいずれかの料金プランを契約すると、自動的に毎月50円が任意の支援団体に寄付できる仕組み。なお、寄付先はユーザーが選択できるようになっており、寄付代金は料金プラン内に含まれております。

「日本に寄付文化はない」「日本人は諸外国に比べて寄付しない」と言われており、なかなか寄付文化が浸透しない日本。

だからこそ、このdonedoneのようなコンセプトを持つMVNOというのは、寄付文化を根付かせるためにも、非常に社会的意義があるサービスと言えるわけです。…あまり認知度が高くないのが、ちょっぴり残念なところですが。

さたえり

日本で寄付文化が根付かない原因にはいろいろあると思うけど、寄付金による税制優遇措置の問題はあるやんね。もちろん、マインドの話でもあるけど。

二条ねこ

インセンティブや名誉のために寄付すると「偽善」と言われそうだけど、こういうのって『しない善よりする偽善』な話にもなってくるからねー。

donedone『エントリープラン』が新規受付停止

Image:donedone

先ほど、「donedoneには『ベーシックUプラン』と『カスタムUプラン』という料金プランがある」と言いましたが、実は少し前までは『エントリープラン』という料金プランが存在しておりました。

この『エントリープラン』とは、通信速度が最大128kbpsに常時制限されるものの、ひと月あたり50GBのデータ容量が“無料”で利用できるというもの。なお、音声通話とSMSには非対応。

つまり、塩漬けしてても(新規契約事務手数料は発生するが)損がない料金プランだったのです。

Image:donedone
“0円運用可能”な『エントリープラン』が新規受付停止

ところが、そんな0円運用できる『エントリープラン』ですが、残念ながら、2022年10月2日をもって新規受付が停止となっております。

Image:donedone
『エントリープラン』は寄付対象外の料金プラン

BIGLOBE側から見れば、新規契約事務手数料の3,300円しか利益が出ない料金プランだったため、新規受付停止は既定路線だったのかもしれません。ちなみに、このエントリープランはデータ通信専用プランとなっているので、音声通話による電話代も利益として取れないのです。

そもそもの話ですが、“寄付”がコンセプトであるdonedoneの中で、このエントリープランというのは異質な料金プランでした。

前述のとおり、エントリープランは基本料金が0円となっているため、本プランのみ寄付の対象外になっています。つまり、エントリープランを契約したところで、寄付や社会貢献には参画できないわけです。

これはあくまで推測ですが、エントリープランは、donedoneを通じて寄付に興味を持ってもらうための広告だったのでしょう。なぜなら、エントリープランで寄付はできないから。モバイル通信という事業的にも、寄付というコンセプト的にも、サービスインから約1年というタイミングで手仕舞いしたというのは、適切な判断だったと言えるのではないでしょうか。

まの

ただ、そのわりには認知度が…ですわね。

二条ねこ

ま、ジャニーズ好きにはバッチリ知れ渡ったと思うけどねっ!

donedone『eSIM』が方針転換により非対応化

Image:donedone
当初はeSIM対応予定だったが“非対応”に変更

donedoneの『エントリープラン』新規受付終了については、そこそこに話題に上がっているのですが、それ以上にクリティカルかつ興味深いことがあります。

それが、『eSIM』非対応への方針転換

2021年7月のdonedoneサービスイン時には、「eSIMは今後対応予定」と記載されていたのですが、ひっそりと「(eSIMは)対応しておりません」という文言に書き換えられておりました。つまり、donedoneは物理SIMカード専用のMVNOになってしまったわけです。

eSIMが提供されないことによる機会損失が生まれてしまうため、このeSIM非対応という判断には少々残念なものがあります。eKYCによる手軽な契約とも、コンセプト的に相性が良さそうでしたので。

コンセプトである“寄付”を根付かせるため。より寄付金額を集めるため。それらを達成させるには、より多くのユーザーに契約してもらう必要があったわけですが、何とも志半ば感が出てしまいました。

二条ねこ

ほんと、“eKYCでサクッとeSIMで回線開通”っていうのと、“小さなことからできる寄付活動”っていうのが、コネクトしそうだったのに…もったいないであーる。

“エントリープラン停止”と“eSIM非対応”は終了フラグなのか?

この『donedone』、エポックメイキングなサービス提供するKDDI系列らしいモバイル回線になっております。それゆえに、このままフェードアウトしそうな感じが非常に残念とも。

『エントリープラン』の新規契約停止については予想できたこと。しかし、当初対応予定としていた『eSIM』を、ここにきてキャンセルしたことについては、「donedoneというサービスは長続きしないかも」という印象を持たせてしまいます。

もちろん、内部事情を知らないので憶測でしかありませんが、寄付というコンセプトを除けば、平凡さが目立つモバイル回線ではあるので、契約者数が伸び悩んでいるのかもしれません。同じKDDI系列として、ターゲット層が被りそうな『povo2.0』があることも、ひとつの要因としてはありそうですが。

二条ねこ

いっそ、povo2.0にdonedone的な寄付サービスがあれば……!?

まの

どうなのでしょうね!?
母体は同じとはいえ、povo2.0はKDDIが運営、donedoneはBIGLOBEが運営、ですからね。

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まとめ「寄付以外のインセンティブが必要」

寄付文化を日本に根付かせるという意味では、非常に価値のあるサービスである『donedone』。

ただ、コンセプトである“寄付”を除くと、率先して契約しようと思えるインセンティブが弱い。単なる“寄付ができるMVNO”ではなく、“使いやすいしお得なのに寄付もできる”ぐらい、ユーザーへリーチできる何かが欲しかった気もします。

二条ねこ

だからこそ、「なぜeSIM非対応に変更した!?」と思うのであった。

記事に登場したガジェット

おまけ

二条ねこ

サブ回線に使うには月額2,728円はヘビーだし、ちょっと中途半端なんだよねー。

まの

速度制限ありだけど、25GBで月額980円、とかなら…ですわね。

二条ねこ

あとは、複数回線契約してデータシェアできるとか、mineoのようなコミュニティが欲しかったかな!?

さたえり

ま、これからに期待やね。

おわり