『povo2.0』“0円運用”の誤解:課金せずにずっと0円で運用できる

『povo2.0』“0円運用”の誤解:課金せずにずっと0円で運用できる
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記事のポイント
  • 楽天モバイルが“0円廃止”でpovo2.0の申込殺到!
  • povo2.0は“ずっと0円運用”が無理なので注意が必要!
  • 同じ0円でも楽天モバイルとpovo2.0は根本が違う!

— 0円運用は『0 SIM』が辿る道 —

楽天モバイルが新プラン(Rakuten UN-LIMIT VII)発表し、“1GB以下・月額0円”を廃止。これにより、KDDI『povo2.0』の申し込みが殺到。ただ、povo2.0の“0円”について誤解している方が多い。そこで本稿では、povo2.0の実運用コストについて話していきます。

二条ねこ

『povo2.0』のスタンスとしては、

  • 基本料金は“0円”だよ
  • 課金ナシだと超低速通信だよ
  • 180日間課金しないと解約するよ
  • だから適宜トッピングしてね

…という感じですな。

まの

要するに、プリペイドですよね。

さたえり

ずっと、0円運用できるほうが恐ろしいやんね。

楽天モバイル“0円”廃止によるpovo2.0への移行

既報のとおり、楽天モバイルが新料金プラン『Rakuten UN-LIMIT VII』を発表し、2022年7月1日からサービス開始されます。

SCROLL
新プラン
(Rakuten UN-LIMIT VII)
旧プラン
(Rakuten UN-LIMIT VI)
基本料金 20GB超過 3,278円/月 3,278円/月
20GB以下 2,178円/月 2,178円/月
3GB以下 1,078円/月 1,078円/月
1GB以下 - 0円/月
(1回線目のみ)
データ基本容量 無制限
(パートナー回線:5GB)
無制限
(パートナー回線:5GB)
データ追加料金
(パートナー回線)
660円/1GB 550円/1GB
超過後速度
(パートナー回線)
最大1Mbps 最大1Mbps
音声通話料金 22円/30秒 22円/30秒
通話かけ放題
オプション
15分/回
(1,100円/月)
10分/回
(1,100円/月)
ネットワーク 5G Sub6/mmWave
4G LTE
5G Sub6/mmWave
4G LTE

新旧の料金プラン比較[*1]

詳細は過去記事「『Rakuten UN-LIMIT VII』は『VI』と何が違う?」のまとめをご覧いただくとして、現行の料金プランである『Rakuten UN-LIMIT VI』に存在している​“1GB以下・月額0円”という枠が、新料金プラン(Rakuten UN-LIMIT VII)では廃止されることになりました。

これにより、『楽天モバイル』から『povo2.0』に移行する流れが一定数出てきており、申し込みが殺到するという現象が発生しているようです。

まの

消費者はシビアですわね。

さたえり

…やんねぇ。

「『Rakuten UN-LIMIT VII』は『VI』と何が違う?」のまとめ

「『Rakuten UN-LIMIT VII』は『VI』と何が違う?」のまとめ

2022年5月15日

『povo2.0』“0円運用”の誤解

『povo2.0』“0円運用”の誤解

そんな『povo2.0』ですが、確かに月額基本料金は“0円”です。

しかしながら、そのpovo2.0の“0円”という部分だけにフォーカスしてしまうと、とんでもない誤解を生んでしまう可能性を含んでいます。後述するのですが、楽天モバイルの0円とは、全く性質の異なる0円なのです。

これからお話しする内容は、povo2.0ユーザーにとっては周知の事実なはず。ですが、他キャリアからの移行組だとすると、知られていない可能性もあります。それだけ、povo2.0というのは、特殊な料金プランなのです。

ですので、楽天モバイルから移行する方や新規の方向けに、povo2.0の“0円運用”に関する誤解について話していきます。

0円だけど0GB

『povo2.0』“0円運用”の誤解

Image:povo2.0

povo2.0は『トッピング』という、データやオプションの課金を前提とした料金プランになっているため、0円の場合、データ容量も“0GB”になっています。

SCROLL
povo2.0 Rakuten UN-LIMIT VI
月額基本料金 0円/月 0円/月
(1GB以下)
データ容量 0GB 1GB

0円運用時の比較

例えば、楽天モバイル『Rakuten UN-LIMIT VI』と比較した場合、Rakuten UN-LIMIT VIでは、0円でも最大1GBの高速通信が可能なデータ容量がありました。しかし、povo2.0には、それがありません。

要するに、povo2.0で高速なデータ通信を行いたい場合は、必然的にトッピング(= 課金)する必要性があるわけです。ここをまずは誤解なきよう。

トッピング無だと128kbps

『povo2.0』“0円運用”の誤解

Image:povo2.0

前述したように、povo2.0は0円の場合、データ容量も“0GB”。

ですが、0GBの状態であっても、低速通信という形でデータ通信は可能となっています。なので、トッピングをまったく行わない状態であっても、データ通信がまったくできないというわけではありません。

ただし、低速通信時の通信速度は最大128kbpsとなっており、辛うじてインターネットに接続できる程度の速度しか出ません。テキストのみのLINEぐらいなら可能ですが、Web閲覧やTwitterは無理です。

音声通話用の回線としてpovo2.0を持っておくのであれば別ですが、やはり基本的にはトッピング(= 課金)は必要となってきます。

povo2.0の“180日解約”ルール

『povo2.0』“0円運用”の誤解

Image:povo2.0

povo2.0が“0円運用”できない最大の理由となってくるのが、

  • 有料トッピングを購入している(180日間)
  • 従量通話料とSMS送信料の合計額が税込660円を超えている(180日間)

のいずれかを達成できていない場合、回線自体が利用停止になるというルールがあるため。

購入したトッピングのうち最も遅い有効期限日の翌日(有料トッピングのご購入がない場合、povo2.0のSIMを有効化した日)から180日の間、有料トッピングのご購入がない場合、順次利用停止させていただきます。 ※期間内の従量通話料とSMS送信料の合計額が660円(税込)を超えている場合を除きます。

利用停止の対象となるお客さまには、事前に povo2.0 のアカウントであるメールアドレス宛またはSMS宛に「長期間トッピング未購入による利用停止予告」を順次お送りいたします。

利用停止後30日の間に有料トッピングのご購入がない場合、順次契約解除させていただきます。

Source:povo2.0

このように、サポートページにも明確に記載されているので、詳しくはそちらをお読みいただくとして、ずっと0円運用はできません、ということになります。

まの

企業として当然ですわね。

二条ねこ

180日に1回トッピングすればいいって考えると、まあ良心的な条件ではあるよねー。

povo2.0の実運用コスト

povo2.0
月額基本料金 0円/月
トッピング データ使い放題 (24時間)
330円/回
年間コスト 約990円/年

回線維持するための運用コスト[*2]

povo2.0を事実上の塩漬け状態にしつつ、回線契約を維持することを想定すると、上表のようなコストが発生してきます

povo2.0の解約警告は規約上180日となっているのですが、いちユーザーの所感としては、そこまで厳密ではない印象もあります。とはいえ、ルールどおりに考えるならば、年に3回はトッピングを行う必要がある計算となります。

そこまでして回線を維持する必要があるのか…と考えると微妙なところ。ですが、povo2.0には『#ギガ活』という、データ容量を獲得できるキャンペーンもあるため、ゲーム感覚で回線を持っておくというのもアリかもしれません。

二条ねこ

マメな人向け、って感じだけどね。

まの

povo2.0自体がそんな感じですよね。

『povo2.0』プラン内容と注意点・変更点(vs povo1.0)

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2021年9月13日

povo2.0『#ギガ活』をローソンで試す(解説付き)

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2021年10月18日

povo2.0と楽天モバイルは根本的に異なる

SCROLL
povo2.0 Rakuten UN-LIMIT VII
月額基本料金 0円/月 20GB超過:3,278円/月
20GB以下:2,178円/月
3GB以下:1,078円/月
データ基本容量 0GB 無制限
超過後速度 最大128kbps
(0GB時)
最大1Mbps
(パートナー回線)
音声通話料金 22円/30秒 22円/30秒
SMS
(1字 〜 70字)
3.3円/通 3.3円/通
(Rakuten Link未利用)
留守番電話 ​​​ ​​​
通話かけ放題 ​​​ ​​​
eSIM ​​​ ​​​
Apple Watch
セルラーモデル
​​​ ​​​
RCSアプリ +メッセージ Rakuten Link

povo2.0とRakuten UN-LIMIT VIIの比較[*3]

つい、“0円運用”という観点から、『povo2.0』と『楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)』を比較しがちだったわけですが、両者は根本的に異なる性質や方向性を持っています。

ここまで話してきたとおり、povo2.0は定期的にトッピングを行う必要があるため、短期的に見れば0円運用できますが、中長期的には課金が必須となっています。しかも、こちらは『オンライン専用ブランド』です。店舗サポートはありません。なので、メイン回線というよりかは、サブ回線需要。または、デジタルネイティブな若年層を狙ったもの。

対して、楽天モバイルは携帯キャリアとしての『メインブランド』。留守番電話サービスもありますし、Apple Watchセルラーモデルにも対応しています。当然、楽天モバイルの実店舗もある。もっと言うと、楽天モバイルは楽天経済圏に入ってもらうためのフックなのです。

メディアが煽って対立構図を作ったり、楽天モバイル自体がahamo・povo・LINEMOと比較するからややこしくなっているだけであって、「本当にバッティングするサービスなのか」ということについては、いささか疑問に思う部分ではあります。

二条ねこ

ahamoにしても、povoにしても、絶妙に機能を間引いたモバイル回線ですからな。

まの

でないと、メインブランドを契約してくれなくなりますものね。

二条ねこ

ま、ahamoに関しては、『ワンナンバーサービス』に対応する予定だし、このあたりの境界線も玉虫色になりつつあるけどねー。

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2022年3月25日

まとめ「povo2.0は定期的な課金必須」

povo2.0は定期的な課金必須
  1. 0円だけどデータ容量も0GB
  2. トッピング無だと128kbpsと超低速
  3. povo2.0には“180日解約”ルールがある

ということが、『povo2.0』にはあることだけお忘れなく。

つまり、povo2.0にしても、長期的には課金が必須というわけです。

二条ねこ

「そりゃそうだ」だよねー。

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おまけ

二条ねこ

遠い昔、『0 SIM』というのがありまして……。

まの

歴史は繰り返す、ですわね。

さたえり

『受益者負担の原則』って大事やね。

二条ねこ

楽天モバイルの『Rakuten UN-LIMIT VI』も、最低ラインを0円とせずに、100円ぐらいに設定しておけば変わっていたかもですなー。

おわり


*1ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合
*2ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・税込表記
*3ユニバーサルサービス料/電話リレーサービス料別・各種割引未適用時の税込表記・日本国内で利用の場合