BOOX Note Airハンズオン:紙<ガジェットなE Inkタブレット

BOOX Note Airハンズオン:紙<ガジェットなE Inkタブレット
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記事のポイント
  • E InkタブレットをBOOXがメガシンカさせた!
  • イメージは電子ペーパーなiPad Airだ!
  • 高機能&多機能だけどちょっと重たいかも!

新時代のE Inkタブレット。

Onyx International『BOOX Note Air』のハンズオン的ファーストインプレッション。E Inkタブレット、ないしBOOX好きとしては持っておきたいデバイス。レビューをする前に、まずはサクっと触ってみた感想をまとめてみます。

二条ねこ

現時点でのアンサーは、

  • E Inkタブレットのブレイクスルー
  • とにかく機能てんこ盛りなガジェット感
  • 良くも悪くも従来のE Inkタブレットっぽくない

っていう、気がするーる。

まの

なんと言うか…iPadですわね。いろいろと。

さたえり

BOOX Note “Air”やもんね。

新しい仲間:BOOX Note Air

BOOX Note Air

BOOX Note Air

そういうわけで、Onyx International『BOOX Note Air』を購入しました。

二条ねこ

BOOXシリーズは、Max3・Nova2に続いて3台めのこんにちはっ!

【レビュー】Onyx International『BOOX Max3』—2020年の電子ペーパータブレット最高峰

【レビュー】Onyx International『BOOX Max3』—2020年の電子ペーパータブレット最高峰

2020年5月29日
OS Android 10
SoC Octa-core
RAM 3GB(LPDDR4X)
ROM eMMC 32GB
ディスプレイ 画面パネル E Ink
画面サイズ 10.3インチ
画面解像度 1,872×1,404
ネットワーク 無線LAN 2.4GHz + 5GHz
Bluetooth Ver. Bluetooth 5.0
バッテリー 3,000mAh
インターフェース USB Type-C ×1
サイズ 195.4×229.4×5.8mm
質量 420g

BOOX Note Airのスペック表

購入先はOnyx Internationalの公式オンラインストア(Official BOOX Shop)。価格は$459.99でしたが、海外からの直輸入になるので、関税が3,000円くらいかかりました。なので、関税込みだと購入価格は52,000円くらいになります。

すでに日本での販売実績も多いOnyx International。なので、直輸入ではありますが、ちゃんと技適マークが本体裏面に印刷されていました。これなら安心してWi-Fiを利用することができます。

開封の儀

詳細レビューは後日…として、せっかくなので開封の儀を行っていきます。にしても、2020年にもなると、すっかり開封の儀という言葉も聞かなくなりました。でも、行いますぞ。

二条ねこ

開封の儀の公式BGMはゼルダのごまだれ〜ですなっ!

まの

ごまだれなら『時のオカリナ』ですわね。

さたえり

『トワイライトプリンセス』もいいやんね!

BOOX Note Air外箱

BOOX Note Air外箱

BOOX Note Air内箱

BOOX Note Air内箱

BOOX Note Airのパッケージは、BOOXおなじみの黒っぽい箱。

Official BOOX Shopは海外通販なので、ちゃんと梱包されているか不安になったりするのですが、海外通販にしては綺麗に物が届く印象です。個人的には気泡緩衝材(プチプチ)で包んで発送してくれるとなお嬉しいところ。

BOOX Note Air箱内部

BOOX Note Air箱内部

BOOXシリーズのパッケージングって、どことなくApple感が漂っているような。パッケージング自体がブラックなので、“黒いおもてなし箱”ということで……。

BOOX Note Air付属品

BOOX Note Air付属品

■付属品一覧

  • Stylus Pen
  • USB-C Cable
  • Screen Protector
  • Quick Start Guide
  • Warranty Sheet

BOOX Note Airの付属品はこんな感じ。

BOOX Note Airでは、付属するデジタイザーペン(Stylus Pen)の形状が変更されています。iPad ProとApple Pencilライクに、BOOX Note Airの右側にマグネットで装着できるスタイルにアップデートされました。

Onyx Boox Note Air Case

Onyx Boox Note Air Case

これらの付属品にプラスして、購入特典として『Onyx Boox Note Air Case』という専用ケースも同梱されていました。BOOXさん、太っ腹。

ただ、Onyx Boox Note Air Caseは、マグネットで本体と装着するスタイル…ではなく、粘着シートで本体と装着するスタイル。私は頻繁にケースを外したいタイプなので、そっとしまうことにしましたとさ……。

二条ねこ

マグネットでくっつくタイプにしてほしいぞっ!Onyxさーん!!

BOOX Note Air本体表面

BOOX Note Air本体表面

BOOX Note Air本体裏面

BOOX Note Air本体裏面

いよいよ、BOOX Note Air本体のお出まし。

BOOXらしからぬ鮮烈なカラーリング。そして、持ちやすいように設計された左側のベゼル。どことなく、reMarkable 2Kindle Oasisのような、デザインコンセプトを感じさせてくれます。

本体の剛性感も高く、一般的なE Inkタブレットにあるようなフニャフニャ感はナシ。描画を行う電子ペーパー(E Ink)部分のカバーもガラスっぽいものに。なので、たわんだりきしんだり、というような感じは一切ありません。こういうガッシリ感もiPad Airっぽいかも。

ファーストインプレッション

BOOX Note Air

BOOX Note Air

■ここがすき!

  • BOOX史上最高の高級感。
  • ペンがマグネットでくっつく。
  • 左のベゼルが持ちやすい。
  • レイヤー機能は最高。
  • マルチウィンドウも最高。

■ここがうーん?

  • マグネットが弱くて落ちる。
  • E Inkタブレットとしては重たい。
  • バッテリー持ちはそこまで。
  • デジタイザーペンにサイドボタンがない。

数日間使ってみて感じた、BOOX Note Airのファーストインプレッションはこんな感じ。

これから現時点でのアンサーを話していきますが、全体的な感想としては、良くも悪くも今までのE Inkタブレットっぽくない。そして、BOOXは別ベクトルのE Inkタブレットとしての道を歩もうとしている気がする、という感じです。

デザイン:BOOX史上最高のラグジュアリー感

BOOX Note Airは剛性感高め。

BOOX Note Airは剛性感高め。

従来のBOOXシリーズや他社のE Inkタブレットのデザインイメージ。それは、“紙っぽさ”や“プラっぽさ”。iPadやGalaxy Tabのような、アルミな剛性感はそこにはありませんでした。

ところが、今回のBOOX Note Airの本体のマテリアルはアルミニウム。そう、原子量26.98のあのアルミです。

USB Type-Cポートまで…オレンジ!

USB Type-Cポートまで…オレンジ!

なので、触ってみた瞬間に感じるのが、従来のE Inkタブレットには感じなかったガッシリとした剛性感。そして、ひんやりとした感触。イメージはさながらiPadのそれで、かなり持ち運び時に神経質になる必要がなくなりました(従来のものは曲がりそうで怖かったのです)。

ブルーとオレンジのバイカラーが映える。

ブルーとオレンジのバイカラーが映える。

そして、これまたE Inkタブレットとしては珍しい、コバルトブルーのような深いブルーと鮮烈なオレンジのバイカラー。 E Inkタブレット = ホワイト or ブラック という、自分の深層にあったイメージを根底から覆してきてくれました。正直、このカラーリングには好き嫌いが分かれそうな予感ですが、私はこういうのもアリと思う派です。

マルチウィンドウ:私はこれをBOOXに求めていた

BOOX Note Airでは、ネイティブでマルチウィンドウ対応になった。

BOOX Note Airでは、ネイティブでマルチウィンドウ対応になった。

BOOX Note Airでは、OSがAndroid 10ベースになったことにより、『マルチウィンドウ(2画面分割機能)』が使えるようになりました。正直、これだけで買って良かったと思わせてくれるレベル。

BOOX Max3やBOOX Nova2でも、一部のアプリケーションではマルチウィンドウのようなことができたのですが、個人的には使い勝手が微妙だったので使っていませんでした。それが、今回のBOOX Note Airでは大幅改善。

マルチウィンドウ機能は、まさにAndroidのそれと同じ。

マルチウィンドウ機能は、まさにAndroidのそれと同じ。

ウェブブラウザーでブラウジングしながらノートを書いたり、別のノートを見ながらノートを取れるようになりました。…なんというか、やっとE Inkタブレットの本領発揮という感じ。Sonyのデジタルペーパーのマルチウィンドウが羨ましかった人間としては、その隣の芝生は青い状態からやっと開放されたといった感じです。

二条ねこ

こういう柔軟性はAndroidベースだからこそですなー。

マルチレイヤー:図表作成やお絵描きの強い味方

待望のマルチレイヤー機能搭載。

待望のマルチレイヤー機能搭載。

おそらく、BOOXをお絵描きに使っていたユーザー的には待望中の待望の機能なのが、BOOX V3.0 Firmwareによる『レイヤー』という概念の追加。やっと、レイヤー機能を付けてくれました。

BOOXで手書きメモを取るまでは、ずっと iPad + Noteshelf + Apple Pencil というスタイルで手書きメモを取っていました。そこからBOOXに移行したのですが、そこでネックだった1つがレイヤーの概念がないことでした。

BOOXがお絵描きE Inkタブレットになった瞬間。

BOOXがお絵描きE Inkタブレットになった瞬間。

私はBOOXをラフスケッチやワイヤーフレームの作成にも使っていた(BOOXで描いたスケッチをPDF化してIllustratorに取り込んで利用)のですが、どうしてもレイヤー機能がないので、作業中にプチストレスが多々ありました。それがBOOX Note AirとBOOX V3.0 Firmwareによって、ついにストレスレスへ

すでにBOOXユーザーの人でレイヤー機能を待ち望んでいた人は多いはず。正直、このレイヤー機能があるというだけで、BOOX Note Airへの乗り換えや買い増しはアリ。いや、むしろ買うべきです。

サイズ:左ベゼルと重さをどう捉えるか

  BOOX Note Air BOOX Nova2 BOOX Max3 reMarkable 2
画面サイズ 10.3インチ 7.8インチ 13.3インチ 10.3インチ
質量 420g 265g 490g 403.5g

主要E Inkタブレットの質量比較表

上表を見てもらうと分かるように、BOOX Note Airはそこまで軽くはありません。もちろん、ディスプレイのパネルにLCDやOLEDを使った一般的なタブレットよりは軽量ですが、同じE Inkを採用したタブレット同士の比較となると、そこまでAir感はないかもしれません。個人的には、400gを切っているとエモみが増したかも。

左利きだと、どう使うのがベストだろう……!?

左利きだと、どう使うのがベストだろう……!?

私は書き物は右利きなので不便ないのですが、BOOX Note Airのベゼル部分は完全に右利きを意識したもの。なので、左利きの人はちょっと癖がありそうな予感(自動回転対応なので、ソフトウェア的には回転させれば基本的には左利きでも大丈夫)。とはいえ、世に出回っているタブレット端末の大半が右利きユーザー意識なので、BOOX Note Airが——という話ではないのですが。左利きモデルもあったらな、という話です。

デジタイザーペン:サイドボタンはありません

デジタイザーペンは本体側面にマグネットで装着可能。

デジタイザーペンは本体側面にマグネットで装着可能。

購入してから知ったのですが、BOOX Note Airに付属しているデジタイザーペンには、一般的なデジタイザーペンにある『サイドボタン』がありません。なので、はっきり言ってしまうと、私はほぼ使っていません…ごめんなさい。

二条ねこ

Apple Pencil(第2世代)に似てるけど、ペンのサイドをダブルタップをしても“しかし、なにもおこらなかった”であーる。

Wacom EMR対応なので、代替のデジタイザーペンは無数にある。

Wacom EMR対応なので、代替のデジタイザーペンは無数にある。

それだと困る…と思うところですが、そこはBOOXシリーズ。このBOOX Note Airも、従来のBOOXと同じ『Wacom EMR』を採用しています。なので、Wacom EMR採用のデジタイザーペンなら、基本的に使えます。

サブのデジタイザーペンとしては全然使えるぞ。

サブのデジタイザーペンとしては全然使えるぞ。

なので、BOOX Note Air付属のデジタイザーペンは緊急用として、本体にマグネットでくっつけておいて、普段の描画は別のデジタイザーペン(LAMY safari Stylus S Pen等)にリプレースするのがおすすめ。とにかく、専用のペンプロトコルじゃないので、どうにでもなったりします。こういうところがBOOXの良いところ。

二条ねこ

まさに、Wacom EMR様様あーるっ!

【レビュー】Lamy『LAMY safari Stylus S Pen』—Wacom EMR搭載のデジタイザーペン

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2020年7月25日

【レビュー】STAEDTLER『Noris digital for Chromebook』—鉛筆風なWacom EMRデジタイザーペン

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2020年7月27日

まとめ「iPadとE Inkタブの間を埋めるペンデバイス」

まとめ「iPadとE Inkタブの間を埋めるペンデバイス」

Airというわりにはプチ重たい感じがするBOOX Note Airですが、この高級感や剛性感は持ち運んでいて嬉しいデバイスという感じ。所有欲高めなデバイスに仕上がっています。

搭載OSがAndroid 10カスタムになってくれたことにより、マルチウィンドウ対応に。しかも、マルチレイヤーにも対応。正直、この2点だけで“買って良かった”と思えてしまうレベル。

もうここまで来てしまうと、単なるE Inkタブレットの枠は超えてきています。よりガジェットライクだし、イメージとしてはiPadとE Inkタブレットの中間のような、新しいペンデバイスが誕生した雰囲気。とにかく、いろいろ遊べそうな…予感!

二条ねこ

新型iPad Airも買って、タブルAirコンビで使いたいっ!

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ
普通のタブレットと電子ペーパーの二刀流にしようかなー!?
まの

普段はどうしてるのでして?

二条ねこ

えーと…iPad ProとiPad miniとBOOX Nova2とBOOX Note Airを持ち歩いているあーるっ!

さたえり

…えっ!?

まの

まさかの四刀流……。

おわり