- E InkタブレットをBOOXがメガシンカさせた!
- イメージは電子ペーパーなiPad Airだ!
- 高機能&多機能だけどちょっと重たいかも!
新時代のE Inkタブレット。
Onyx International『BOOX Note Air』のハンズオン的ファーストインプレッション。E Inkタブレット、ないしBOOX好きとしては持っておきたいデバイス。レビューをする前に、まずはサクっと触ってみた感想をまとめてみます。
なんと言うか…iPadですわね。いろいろと。
BOOX Note “Air”やもんね。
目次
新しい仲間:BOOX Note Air
そういうわけで、Onyx International『BOOX Note Air』を購入しました。
BOOXシリーズは、Max3・Nova2に続いて3台めのこんにちはっ!
OS | Android 10 | |
SoC | Octa-core | |
RAM | 3GB(LPDDR4X) | |
ROM | eMMC | 32GB |
ディスプレイ | 画面パネル | E Ink |
画面サイズ | 10.3インチ | |
画面解像度 | 1,872×1,404 | |
ネットワーク | 無線LAN | 2.4GHz + 5GHz |
Bluetooth | Ver. | Bluetooth 5.0 |
バッテリー | 3,000mAh | |
インターフェース | USB Type-C ×1 | |
サイズ | 195.4×229.4×5.8mm | |
質量 | 420g |
BOOX Note Airのスペック表
購入先はOnyx Internationalの公式オンラインストア(Official BOOX Shop)。価格は$459.99でしたが、海外からの直輸入になるので、関税が3,000円くらいかかりました。なので、関税込みだと購入価格は52,000円くらいになります。
すでに日本での販売実績も多いOnyx International。なので、直輸入ではありますが、ちゃんと技適マークが本体裏面に印刷されていました。これなら安心してWi-Fiを利用することができます。
開封の儀
詳細レビューは後日…として、せっかくなので開封の儀を行っていきます。にしても、2020年にもなると、すっかり開封の儀という言葉も聞かなくなりました。でも、行いますぞ。
開封の儀の公式BGMはゼルダのごまだれ〜ですなっ!
ごまだれなら『時のオカリナ』ですわね。
『トワイライトプリンセス』もいいやんね!
BOOX Note Airのパッケージは、BOOXおなじみの黒っぽい箱。
Official BOOX Shopは海外通販なので、ちゃんと梱包されているか不安になったりするのですが、海外通販にしては綺麗に物が届く印象です。個人的には気泡緩衝材(プチプチ)で包んで発送してくれるとなお嬉しいところ。
BOOXシリーズのパッケージングって、どことなくApple感が漂っているような。パッケージング自体がブラックなので、“黒いおもてなし箱”ということで……。
■付属品一覧
- Stylus Pen
- USB-C Cable
- Screen Protector
- Quick Start Guide
- Warranty Sheet
BOOX Note Airの付属品はこんな感じ。
BOOX Note Airでは、付属するデジタイザーペン(Stylus Pen)の形状が変更されています。iPad ProとApple Pencilライクに、BOOX Note Airの右側にマグネットで装着できるスタイルにアップデートされました。
これらの付属品にプラスして、購入特典として『Onyx Boox Note Air Case』という専用ケースも同梱されていました。BOOXさん、太っ腹。
ただ、Onyx Boox Note Air Caseは、マグネットで本体と装着するスタイル…ではなく、粘着シートで本体と装着するスタイル。私は頻繁にケースを外したいタイプなので、そっとしまうことにしましたとさ……。
マグネットでくっつくタイプにしてほしいぞっ!Onyxさーん!!
いよいよ、BOOX Note Air本体のお出まし。
BOOXらしからぬ鮮烈なカラーリング。そして、持ちやすいように設計された左側のベゼル。どことなく、reMarkable 2やKindle Oasisのような、デザインコンセプトを感じさせてくれます。
本体の剛性感も高く、一般的なE Inkタブレットにあるようなフニャフニャ感はナシ。描画を行う電子ペーパー(E Ink)部分のカバーもガラスっぽいものに。なので、撓んだり軋んだり、というような感じは一切ありません。こういうガッシリ感もiPad Airっぽいかも。
ファーストインプレッション
■ここがすき!
- BOOX史上最高の高級感。
- ペンがマグネットでくっつく。
- 左のベゼルが持ちやすい。
- レイヤー機能は最高。
- マルチウィンドウも最高。
■ここがうーん?
- マグネットが弱くて落ちる。
- E Inkタブレットとしては重たい。
- バッテリー持ちはそこまで。
- デジタイザーペンにサイドボタンがない。
数日間使ってみて感じた、BOOX Note Airのファーストインプレッションはこんな感じ。
これから現時点でのアンサーを話していきますが、全体的な感想としては、良くも悪くも今までのE Inkタブレットっぽくない。そして、BOOXは別ベクトルのE Inkタブレットとしての道を歩もうとしている気がする、という感じです。
デザイン:BOOX史上最高のラグジュアリー感
従来のBOOXシリーズや他社のE Inkタブレットのデザインイメージ。それは、“紙っぽさ”や“プラっぽさ”。iPadやGalaxy Tabのような、アルミな剛性感はそこにはありませんでした。
ところが、今回のBOOX Note Airの本体のマテリアルはアルミニウム。そう、原子量26.98のあのアルミです。
なので、触ってみた瞬間に感じるのが、従来のE Inkタブレットには感じなかったガッシリとした剛性感。そして、ひんやりとした感触。イメージはさながらiPadのそれで、かなり持ち運び時に神経質になる必要がなくなりました(従来のものは曲がりそうで怖かったのです)。
そして、これまたE Inkタブレットとしては珍しい、コバルトブルーのような深いブルーと鮮烈なオレンジのバイカラー。 E Inkタブレット = ホワイト or ブラック という、自分の深層にあったイメージを根底から覆してきてくれました。正直、このカラーリングには好き嫌いが分かれそうな予感ですが、私はこういうのもアリと思う派です。
マルチウィンドウ:私はこれをBOOXに求めていた
BOOX Note Airでは、OSがAndroid 10ベースになったことにより、『マルチウィンドウ(2画面分割機能)』が使えるようになりました。正直、これだけで買って良かったと思わせてくれるレベル。
BOOX Max3やBOOX Nova2でも、一部のアプリケーションではマルチウィンドウのようなことができたのですが、個人的には使い勝手が微妙だったので使っていませんでした。それが、今回のBOOX Note Airでは大幅改善。
ウェブブラウザーでブラウジングしながらノートを書いたり、別のノートを見ながらノートを取れるようになりました。…なんというか、やっとE Inkタブレットの本領発揮という感じ。Sonyのデジタルペーパーのマルチウィンドウが羨ましかった人間としては、その隣の芝生は青い状態からやっと開放されたといった感じです。
こういう柔軟性はAndroidベースだからこそですなー。
マルチレイヤー:図表作成やお絵描きの強い味方
おそらく、BOOXをお絵描きに使っていたユーザー的には待望中の待望の機能なのが、BOOX V3.0 Firmwareによる『レイヤー』という概念の追加。やっと、レイヤー機能を付けてくれました。
BOOXで手書きメモを取るまでは、ずっと iPad + Noteshelf + Apple Pencil というスタイルで手書きメモを取っていました。そこからBOOXに移行したのですが、そこでネックだった1つがレイヤーの概念がないことでした。
私はBOOXをラフスケッチやワイヤーフレームの作成にも使っていた(BOOXで描いたスケッチをPDF化してIllustratorに取り込んで利用)のですが、どうしてもレイヤー機能がないので、作業中にプチストレスが多々ありました。それがBOOX Note AirとBOOX V3.0 Firmwareによって、ついにストレスレスへ。
すでにBOOXユーザーの人でレイヤー機能を待ち望んでいた人は多いはず。正直、このレイヤー機能があるというだけで、BOOX Note Airへの乗り換えや買い増しはアリ。いや、むしろ買うべきです。
サイズ:左ベゼルと重さをどう捉えるか
BOOX Note Air | BOOX Nova2 | BOOX Max3 | reMarkable 2 | |
画面サイズ | 10.3インチ | 7.8インチ | 13.3インチ | 10.3インチ |
質量 | 420g | 265g | 490g | 403.5g |
主要E Inkタブレットの質量比較表
上表を見てもらうと分かるように、BOOX Note Airはそこまで軽くはありません。もちろん、ディスプレイのパネルにLCDやOLEDを使った一般的なタブレットよりは軽量ですが、同じE Inkを採用したタブレット同士の比較となると、そこまでAir感はないかもしれません。個人的には、400gを切っているとエモみが増したかも。
私は書き物は右利きなので不便ないのですが、BOOX Note Airのベゼル部分は完全に右利きを意識したもの。なので、左利きの人はちょっと癖がありそうな予感(自動回転対応なので、ソフトウェア的には回転させれば基本的には左利きでも大丈夫)。とはいえ、世に出回っているタブレット端末の大半が右利きユーザー意識なので、BOOX Note Airが——という話ではないのですが。左利きモデルもあったらな、という話です。
デジタイザーペン:サイドボタンはありません
購入してから知ったのですが、BOOX Note Airに付属しているデジタイザーペンには、一般的なデジタイザーペンにある『サイドボタン』がありません。なので、はっきり言ってしまうと、私はほぼ使っていません…ごめんなさい。
Apple Pencil(第2世代)に似てるけど、ペンのサイドをダブルタップをしても“しかし、なにもおこらなかった”であーる。
それだと困る…と思うところですが、そこはBOOXシリーズ。このBOOX Note Airも、従来のBOOXと同じ『Wacom EMR』を採用しています。なので、Wacom EMR採用のデジタイザーペンなら、基本的に使えます。
なので、BOOX Note Air付属のデジタイザーペンは緊急用として、本体にマグネットでくっつけておいて、普段の描画は別のデジタイザーペン(LAMY safari Stylus S Pen等)にリプレースするのがおすすめ。とにかく、専用のペンプロトコルじゃないので、どうにでもなったりします。こういうところがBOOXの良いところ。
まさに、Wacom EMR様様あーるっ!
まとめ「iPadとE Inkタブの間を埋めるペンデバイス」
Airというわりにはプチ重たい感じがするBOOX Note Airですが、この高級感や剛性感は持ち運んでいて嬉しいデバイスという感じ。所有欲高めなデバイスに仕上がっています。
搭載OSがAndroid 10カスタムになってくれたことにより、マルチウィンドウ対応に。しかも、マルチレイヤーにも対応。正直、この2点だけで“買って良かった”と思えてしまうレベル。
もうここまで来てしまうと、単なるE Inkタブレットの枠は超えてきています。よりガジェットライクだし、イメージとしてはiPadとE Inkタブレットの中間のような、新しいペンデバイスが誕生した雰囲気。とにかく、いろいろ遊べそうな…予感!
新型iPad Airも買って、タブルAirコンビで使いたいっ!
おまけ
普段はどうしてるのでして?
えーと…iPad ProとiPad miniとBOOX Nova2とBOOX Note Airを持ち歩いているあーるっ!
…えっ!?
まさかの四刀流……。
おわり
現時点でのアンサーは、
っていう、気がするーる。