- ASUS ROG Phone 5はDAPスマホとしての素質を持っている!
- ハイエンドDAC『ES9280AC Pro』4基搭載という点に大注目!
- LG V60 ThinQ難民の移行先になるかもしれないぞ!
ゲーミングスマホはオーディオスマホ!?
ASUSのゲーミングスマートフォン、『ROG Phone 5』シリーズ。高い冷却性能と144Hzのディスプレイ…も凄いが、 ES9280AC Pro ×4 がエモい。ROG Phone 5がゲーミングスマホじゃなくて、“DAPスマホ”ではないか!
DAP…スマホ……!?
技適通過してるし、日本でも全機種発売してもらいたいやんね。
目次
ROG Phone 5の概要
ASUSが2021年3月10日、ゲーミングスマートフォンの新製品『ROG Phone 5』シリーズ3機種を発表しました。
PCゲーマー・スマホゲーマーから高い支持を得ている『ROG(Republic of Gamers)』ブランド。今回発表された、ROG Phone 5シリーズはその名を冠するだけあり、いずれの機種もゲーマーに向けた機能が非常に豊富に搭載されています。
でも、ねこさんの目的は“オーディオ”なのですよね?
そうなのであーる。
特徴
■ROG Phone 5の特徴
- 144Hzリフレッシュレートディスプレイ
- 300Hzタッチサンプリングレート
- DCI-P3フルカバー広色域ディスプレイ
- パフォーマンスが持続する高い冷却性能
- 背面ディスプレイ『ROG Vision』搭載(Pro・Ultimate)
- 超音波タッチセンサー『AirTrigger』搭載
- 拡張端子によるゲーミング専用アクセサリー対応
- 3,000mAh ×2 のデュアルセルバッテリー
- 左右対称オフセットのフロントスピーカー
- ハイエンドDACを4基搭載
- Hi-Res Audioロゴ認証済
- 背面トリプルカメラ(超広角・標準・マクロ)
ROG Phone 5シリーズの特徴的な部分を抜粋してみたのですが、さすがはゲーミングスマートフォンと唸る作り込みになっています。
搭載しているディスプレイが、144Hzの高リフレッシュレート対応のものであったり、発熱による性能低下を防ぐために、優れた排熱機構や最適化されたバッテリー配置を採用している点は、まさにゲーミングスマートフォンならでは。これはモデルによって異なりますが、背面にマスクロゴ(ROGブランドロゴ)を表示できるディスプレイを備えているのも、ゲーミングらしい遊び心といえるでしょう。
スペック
ROG Phone 5 | ||||
---|---|---|---|---|
ROG Phone 5 | ROG Phone 5 Pro | ROG Phone 5 Ultimate | ||
OS | Android 11.0 | ← | ← | |
SoC | Qualcomm Snapdragon 888 | ← | ← | |
CPU | Qualcomm Kryo 680 | ← | ← | |
GPU | Qualcomm Adreno 660 | ← | ← | |
DSP | Qualcomm Hexagon 780 | ← | ← | |
ISP | Qualcomm Spectra 580 | ← | ← | |
RAM | 8GB(LPDDR5) 12GB(LPDDR5) 16GB(LPDDR5) |
16GB(LPDDR5) | 18GB(LPDDR5) | |
ROM | UFS | 128GB(UFS3.1) 256GB(UFS3.1) |
512GB(UFS3.1) | 512GB(UFS3.1) |
ディスプレイ | 画面パネル | OLED | ← | ← |
画面サイズ | 6.78インチ(20.4:9) | ← | ← | |
画面解像度 | 1,080×2,448 | ← | ← | |
カメラ | フロント | 24MP | ← | ← |
リア(超広角) | 13MP | ← | ← | |
リア(標準) | 64MP | ← | ← | |
リア(マクロ) | 5MP | ← | ← | |
ネットワーク | 無線LAN | Wi-Fi 6E | ← | ← |
Cellular | 5G Sub6 4G FDD-LTE/TD-LTE 3G W-CDMA/HSPA+/DC-HSPA+ 2G GSM/GPRS/EDGE |
← | ← | |
Bluetooth | Ver. | Bluetooth 5.2 | ← | ← |
コーデック | SBC AAC aptX aptX HD aptX Adaptive LDAC |
← | ← | |
バッテリー | 6,000mAh | ← | ← | |
インターフェース | データ | USB 3.1 Type-C ×1 USB 2.0 Type-C ×1 |
← | ← |
ビデオ | - | ← | ← | |
オーディオ | 3.5mmステレオミニジャック ×1 | ← | ← | |
ネットワーク | nanoSIM ×2 | ← | ← | |
その他 | NFC Pogo pin connector |
← | ← | |
サイズ | 77×173×9.9mm | ← | ← | |
質量 | 239g | ← | ← | |
備考 | 生体認証 | 顔認証 指紋認証 |
← | ← |
その他 | Wi-Fi Direct対応 AirTrigger 5搭載 RGB dot-matrix ROG logo搭載 ディスプレイリフレッシュレート144Hz |
Wi-Fi Direct対応 AirTrigger 5搭載 ROG Vision(カラー)搭載 ディスプレイリフレッシュレート144Hz |
Wi-Fi Direct対応 AirTrigger 5搭載 ROG Vision(モノクロ)搭載 ディスプレイリフレッシュレート144Hz |
ROG Phone 5/5 Pro/5 Ultimateのスペック
ROG Phone 5シリーズにはグレード違いで、『ROG Phone 5』・『ROG Phone 5 Pro』・『ROG Phone 5 Ultimate』という、合計3種類がラインナップされています。
いずれもSoCは同じ『Qualcomm Snapdragon 888』を採用しており、ディスプレイに関しても同じものを搭載しています。反対に、RAMやROMの搭載容量や背面ディスプレイについては、上位モデルと下位モデルで異なっています。
ROG Phone 5 = DAPスマホ
そんなハイエンドゲーミングスマートフォンである『ROG Phone 5』シリーズ。
…とは言いつつも、私が注目しているのはその高いゲーミング性能ではなく、音楽プレーヤーとしての高いポテンシャルとその可能性だったりします。そう、狙いは“DAPスマホ”にあるのです。
そこで、個人的にDAPスマホ筆頭格と思っている、
の2機種とオーディオ性能を比較しながら見ていきます。
Xperia 1 IIユーザー的には、ROG Phone 5のオーディオ性能が気になるのであるぞっ!
ワイヤード:DAC性能
ROG Phone 5 ROG Phone 5 Pro ROG Phone 5 Ultimate |
LG V60 ThinQ 5G | Xperia 1 II | |
ステレオミニジャック | 搭載 | 搭載 | 搭載 |
DACチップ | ESS Technology ES9280AC Pro | ESS Technology ES9219P | (Cirrus Logic CS35L41) |
搭載数 | Quad | Quad | N/A |
DAC性能比較
ROG Phone 5シリーズには、ESS Technology『ES9280AC Pro』というDACチップが合計4基搭載されています。
ESS Technologyのサイトで調べてみても、このES9280AC Proの詳細な情報が見つからなかったので、詳しい仕様に関しては不明な部分が多い。とはいえ、DACチップの位置づけとしてはハイエンドであると、ASUSのROG公式サイトでは謳われています。
海外のオーディオ系フォーラムでは、DAPスマホとして名高いLG V60 ThinQ 5Gに搭載されている、ESS Technology『ES9219P』よりも音が優れていると言われているので、ワイヤード接続での音質には相当期待できそうな予感。
ワイヤレス:Bluetooth性能
ROG Phone 5 ROG Phone 5 Pro ROG Phone 5 Ultimate |
LG V60 ThinQ 5G | Xperia 1 II | |
Version | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.1 | Bluetooth 5.1 |
コーデック | SBC AAC aptX aptX HD aptX Adaptive LDAC |
SBC AAC aptX aptX HD aptX Adaptive LDAC |
SBC AAC aptX aptX HD aptX Adaptive LDAC |
TWS Plus | 不明 | 非対応 | 対応 |
Bluetooth性能比較
ROG Phone 5が対応しているBluetoothコーデックは、SBC・AAC・aptX・aptX HD・aptX Adaptive・LDACの合計6つ。なお、TWS Plusの対応状況については記載されておらず、こちらは対応していない可能性が高そうです。
TWS Plus自体が過去の規格になってきてるから、これは非対応でも痛くないんだけどねー。
すでに『Qualcomm TrueWireless Mirroring』に移行しつつある状況やもんね。
スマートフォンベンダー系の独自Bluetoothコーデック(Huawei HWA等)を除く、主要なBluetoothコーデックが網羅されているため、ワイヤレスオーディオ派としても、このROG Phone 5は嬉しいスペックになっていると言えそうです。
完全ワイヤレスイヤホン派には嬉しい『aptX Adaptive』も対応していますし、当然『LDAC』も対応しています。これなら、ワイヤレスオーディオにおいても不満が出ることはないでしょう。
DAPスマホ的な懸念点
ゲーミングスマートフォンというよりも、DACスマートフォンとして、ROG Phone 5を注目しているのですが、懸念材料がないわけでもありません。
SRCによる48kHz/24bit制限
Amazon Music HDやmora qualitasといった、ハイレゾ対応の音楽ストリーミングサービスでの配信音源が、そのままビットパーフェクト出力できるように、SRC(Sampling Rate Converter)が回避される仕組みになっているのかが気になるところのひとつ。
Android OSを搭載した純粋なDAP(WALKMAN NW-ZX500等)であれば、2021年にもなると対策済み製品も数多い。なので、DAPに関しては心配する必要性も低くなってきています。
ところが、ことAndroidスマートフォンにおいてはその限りではありません。多くの“ハイレゾ対応”を謳っているAndroidスマートフォンでは、SRCが回避できておらず、結果として48kHz/24bitが音質のリミットになってしまっているのです。これでは、せっかくのハイレゾでの音楽ストリーミングも旨味がありません。
とはいえ、中にはXperia 1 IIのように、Androidスマートフォンであっても、SRCを回避してビットパーフェクト出力ができるようになっている製品も存在しています。ですので、結局はそのスマートフォンベンダーがオーディオに対してどこまでやる気なのか、というところにかかってくるでしょう。
microSDスロット非搭載
DAPスマートフォンとして考えると痛いポイントなのが、このROG Phone 5にはmicroSDカードスロットが搭載されていないということ。
この点に関しては、512GBモデルを購入すれば万事解決…なのですが、そうなるとストレージのためだけに、上位モデルを購入する必要性が出てきてしまいます。当然、それに伴ってコストも高くついてしまうわけです。
iPhoneは初代からお察しですが、AndroidスマートフォンもすっかりmicroSDカードスロット非搭載モデルが増えてしまいました。メーカーからすれば、よりストレージ容量の多いモデルを買ってほしいという思惑もあるのでしょうが、音楽プレーヤー用途として考えるのであれば、ハイエンドスマートフォンこそmicroSDカードスロットが欲しいと思ってしまいます。
そうなると、やっぱりXperia 1 IIがベストじゃないの?
うーむ……。
まとめ「V60 ThinQとXperia 1 IIを超えられるか」
φ3.5mmステレオミニジャック搭載、ハイエンドDACを4基搭載、豊富な対応Bluetoothコーデック…と、ASUS『ROG Phone 5』シリーズはオーディオ性能も申し分ないものになっています。
特に気になるのが、ESS Technology ES9280AC Proを4基搭載したQuad DAC仕様。LGがスマートフォン市場から撤退した今、このROG Phone 5こそが、メーカーは違えど後継機種として君臨してくれるのではと、密かに期待しています。
ちょっと気になる部分はありつつも、このように選択肢が増えてくれるのは大歓迎なので、ぜひ日本市場でも全ラインナップともにリリースをしてもらいたいところです。
まずは日本市場に上陸してくださりっ!
おまけ
ビットパーフェクト出力…してるといいなー。
どうなんやろうね!?
こればっかりは実機で検証することになりますわね。
おわり
…おお!これはっ!?