- ゲーミングPCにおける自作とBTOの価格差を調査!
- 半導体不足によるパーツ価格高騰が価格比較のカギ!
- パーツにこだわりがないならBTO PCでいいかも!
“コストかロマンか”
昨今の半導体不足やマイニング需要により、価格高騰の傾向にあるPCパーツ群(特にグラフィックボード)。そこで本稿では、ゲーミングPCにおける自作PCとBTO PCの価格差を計算してみました。


…あ、そう。

2代目でも襲名するつもりでして!?
目次
本稿の趣旨

2021年現在、世界的な半導体不足や急激なテレワークの普及、そしてマイニング需要に起因する、PCパーツ価格の高止まり傾向が著しくなっています。
これはつまり、自作PCを組むのであれば、今というのは非常に“時期が悪い”状況に陥っているということです。
The Wall Street Journalによると、「原材料費の価格高騰は一時的ではなく、値上げは長期化する」とのこと。また、日本経済新聞によると、TSMCが半導体を最大20%値上げすると報じています。半導体市場は、2030年までには約100兆円規模になるとも言われており、もはや時期が良くなることがあるのかが、定かではなくなってきているのです。
そんな“時期が悪い”状況下において、自分で組み上げる『自作PC』とメーカーに受注する『BTO PC』の価格差がどうなっているのか。それを調査するのが、本稿の趣旨になります。

注目はやっぱり『グラフィックボード』あーる。

メモリやストレージに関しては、価格が落ち着いてきてますからね。

2020年末から2021年春ぐらいが、一番カオスだったよねー。

じゃあ、まだマシってことやね!

それでも割高感はあるような…うーむ……。
自作PCとBTO PCの価格差

メーカー | 製品名 | モデル名 |
Dell | Alienware Aurora R12 | プラチナ |
HP | OMEN 30L Desktop | ハイパフォーマンスプラスモデル |
Lenovo | Legion T750i | 90Q80061JM |
比較対象のBTO PC
自作PCとBTO PCの価格差を調べるにあたって、Dell Alienware・HP OMEN・Lenovo Legion、という有名メーカーのゲーミングデスクトップPCを参考にします。
比較対象にするモデルには、CPUに『Intel Core i7』、GPUに『NVIDIA GeForce RTX 3080』、が搭載されているものを選択。もちろん、注目したいのはグラフィックボードによる価格差への影響です。
そして、自作PCの構成は、BTO PCのスペックに近いパーツを選定しています。また、パーツのベンダーやグレードが判明しているものに関しては、同じシリーズか同等クラスの製品をチョイスしています。

これで準備はバッチリ…なはずっ!
自作PC vs Dell Alienware
| ![]() |
![]() |
自作PC | Alienware Aurora R12 プラチナ |
|
OS | Windows 10 Home(DSP版) | Windows 11 Home |
(12,480円) | | |
CPU | Intel Core i7-11700KF | Intel Core i7-11700KF |
(43,800円) | | |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3080 | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
Palit Microsystems GeForce RTX 3080 GamingPro (150,000円) |
| |
RAM | 16GB (DDR4 3200MHz 8GB ×2) |
16GB (DDR4 3200MHz 8GB ×2) |
ESSENCORE KLEVV KD48GU881-32N220D (7,465円) |
| |
HDD | 2TB (7200RPM SATA3) |
2TB (7200RPM SATA3) |
東芝 DT01ACA200 (6,351円) |
| |
マザーボード | ATX Z590 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
microATX Z490 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
ASUS ROG STRIX Z590-A GAMING WIFI (24,800円) |
| |
PCケース | - | - |
ASUS TUF Gaming GT501 (16,807円) |
| |
電源ユニット | 1000W | 1000W |
Super Flower LEADEX V Gold PRO 1000W (19,800円) |
| |
CPUクーラー | 簡易水冷式 | 簡易水冷式 |
ASUS TUF Gaming LC 120 RGB (12,328円) |
| |
合計金額 | 293,831円 | 293,824円 |
価格差 | +7円 |
自作PCとAlienware Auroraの価格差比較
※価格:2021年10月22日時点(直販価格)
Dellの『Alienware Aurora R12 プラチナ』と、同程度の自作PCの価格差は7円でした。
Alienwareは数あるゲーミングPCブランドの中でも、比較的高価なイメージがあります。しかしながら、自作PCで同じような構成で組むと、意外と価格差が出ないという結果になりました。
自作PC vs HP OMEN
| ![]() |
![]() |
自作PC | OMEN 30L Desktop ハイパフォーマンスプラスモデル |
|
OS | Windows 10 Pro(DSP版) | Windows 10 Pro |
(16,580円) | | |
CPU | Intel Core i7-10700KF | Intel Core i7-10700KF |
(37,480円) | | |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3080 | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
Palit Microsystems GeForce RTX 3080 GamingPro (150,000円) |
| |
RAM | 32GB (DDR4 3200MHz 16GB ×2) |
32GB (DDR4 3200MHz 16GB ×2) |
Kingston HyperX Fury (21,992円) |
Kingston HyperX Fury |
|
SSD | 1TB (PCIe MVNe) |
1TB (PCIe MVNe) |
Western Digital WD_BLACK SN750 (13,490円) |
Western Digital WD_BLACK |
|
HDD | 2TB (7200RPM SATA3) |
2TB (7200RPM SATA3) |
東芝 DT01ACA200 (6,351円) |
| |
マザーボード | ATX Z590 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
Z490 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
ASUS ROG STRIX Z590-A GAMING WIFI (24,800円) |
| |
PCケース | - | - |
ASUS TUF Gaming GT501 (16,807円) |
| |
電源ユニット | 750W | 750W |
Thermaltake Toughpower PF1 850W - TT Premium Edition (16,940円) |
Cooler Master 80PLUS Platinum |
|
CPUクーラー | 簡易水冷式 | 簡易水冷式 |
ASUS TUF Gaming LC 120 RGB (12,328円) |
Cooler Master | |
合計金額 | 316,768円 | 285,800円 |
価格差 | +30,968円 |
自作PCとOMEN 30L Desktopの価格差比較
※価格:2021年10月22日時点(直販価格)
HPの『OMEN 30L Desktop ハイパフォーマンスプラスモデル』と、同程度の自作PCの価格差は30,968円でした。
元々、OMENは値付けが壊れている(良い意味で)ということもあり、かなりの価格差が生じました。OMENは総じて納期が長いのがネックなのですが、気長に待てるのであれば、かなり良い選択肢になりそうな予感。
ちなみに、OMEN 30L Desktopに採用されているPCパーツ類の多くはメーカーが公表されており、どうやらCooler Master製品を多用している模様。メモリがKingston製なのは、事実上の子会社だからでしょう。
自作PC vs Lenovo Legion
| ![]() |
![]() |
自作PC | Legion T750i 90Q80061JM |
|
OS | Windows 10 Home(DSP版) | Windows 10 Home |
(12,480円) | | |
CPU | Intel Core i7-10700K | Intel Core i7-10700K |
(38,800円) | | |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3080 | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
Palit Microsystems GeForce RTX 3080 GamingPro (150,000円) |
| |
RAM | 32GB (DDR4 3200MHz 16GB ×2) |
32GB (DDR4 3200MHz 16GB ×2) |
Kingston HyperX Fury (21,992円) |
| |
SSD | 512GB (PCIe MVNe) |
512GB (PCIe MVNe) |
Western Digital WD_BLACK SN750 (6,990円) |
| |
HDD | 2TB (7200RPM SATA3) |
2TB (7200RPM SATA3) |
東芝 DT01ACA200 (6,351円) |
| |
マザーボード | ATX Z590 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
Z490 (Wi-Fi 6/Bluetooth対応) |
ASUS ROG STRIX Z590-A GAMING WIFI (24,800円) |
| |
PCケース | - | - |
ASUS TUF Gaming GT501 (16,807円) |
| |
電源ユニット | 850W | 850W |
Super Flower LEADEX V Gold 850W (15,582円) |
80PLUS Gold | |
CPUクーラー | 簡易水冷式 | 簡易水冷式 |
ASUS TUF Gaming LC 120 RGB (12,328円) |
| |
合計金額 | 306,130円 | 292,516円 |
価格差 | +13,614円 |
自作PCとLegion T750iの価格差比較
※価格:2021年10月22日時点(直販価格)
Lenovoの『Legion T750i 90Q80061JM』と、同程度の自作PCの価格差は13,614円でした。
Legionシリーズも比較的安いイメージ。そういうこともあり、自作PCとの価格差が1万円強もありました。LegionはOMENに比べると、納期が短い傾向にあるので、すぐに欲しいのであれば、こちらを選ぶのが良いかもしれません。
価格差の比較結果

自作PC vs Dell Alienware |
自作PC vs HP OMEN |
自作PC vs Lenovo Legion |
+7円 | +30,968円 | +13,614円 |
自作PCとBTO PCの価格差比較結果
自作PCとBTO PCの価格差については、メーカーによって大きく変わってくるという結果になりました。
これは裏を返せば、どのメーカーのBTO PCが、自作PCと比較してコストパフォーマンスが良いのかが分かったということ。もちろん、コストパフォーマンスがすべてではありませんが、価格というのが重要な指標のひとつだということは、言うまでもありません。
このコストパフォーマンス論については、自作PCでも同様のことが言えます。価格は重要なファクターではありますが、それよりも“ロマン”なのです。自分だけの1台を組み上げることに意義を感じるか。そこが自作PCを組むか、BTO PCを選ぶかの分かれ道でしょう。

結局は好み!以上!!

うん、雑い!
まとめ「価格差は自作PCが数万円割高」

自作PCとBTO PCを、『ゲーミングPC』という枠組みで価格比較してみたわけですが、総じてBTO PCのほうが安上がりになるという結果でした。あくまで現時点では…ですが。
自作PC = 安上がり というのは、今は昔なので特段驚くことでもありません。ただ、メーカーによって価格差にバラツキが出るという結果については、今後の参考になりそうな収穫でした。

自作PCもBTO PCも、どっちも良いところがあるということで!
おまけ

今回分かったこと、「ちょ、OMEN安すぎでは!?」であーる!

電源ユニットのW数に不安はあるものの、ほかは良さそうですものね。

実は、GeForce RTX 3090搭載モデルが、35万円以下で売られていたことも…っ!!

え!?
GeForce RTX 3090単体で30万円ぐらいするやんね?

…OMEN、侮れませんわ。
おわり
『時期が悪いおじさん』降臨しちゃう!