- MVNOユーザーは『ウォッチナンバー』を活用すべし!
- ウォッチナンバーは『ファミリー共有設定』ありきが難!
- 最適解が欲しいのでAppleとauのサポートに直接聞いた!
“知識と工夫が必要”
Apple Watchでセルラー通信が可能なのは、3大携帯キャリア契約者のみ。ただ、au『ウォッチナンバー』は、非au契約者でも利用可能。…そこで、MVNOユーザーがApple Watchセルラー版を使うハック的方法を模索しました。


なるほど。
Appleの機能が絡んでくるのですね。

うーん、ややこしい予感。
目次
やりたいこと

今回やりたいのは、MVNOユーザーでもApple Watchセルラー版を自分のiPhoneと同期しながら使えるようにする、ということ。

docomo・au・SoftBankじゃなくても、Apple Watch単体で通信がしたいのであーるっ!
| docomo | au | SoftBank | 楽天モバイル | MVNO |
セルラー版 Apple Watch |
対応 | 対応 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
サービス名 | ワンナンバーサービス | ナンバーシェア | Apple Watch モバイル通信サービス | - | - |
ウォッチナンバー |
各携帯キャリアにおけるセルラー版Apple Watchの対応状況
現在、MVNO(IIJmioや
LinksMate等)、サブブランド(
UQ mobile等)、オンライン専用ブランド(ahamo・povo・LINEMO
)、楽天モバイルでは、たとえApple Watchのセルラー版(GPS + Cellularモデル)を購入しても、Apple Watch対応のeSIMプランが存在しないため、Apple Watch単体でセルラー通信を行うことができません。

言い換えると、docomo・au・SoftBank以外はダメということ。
とはいえ、その“以外”の母数が多いと思うので、その人たちに向けたハックを考えてみようというわけなのです。ですなの。

すっかりMVNOが普及しましたし、ahamoやpovoも人気ですから、その“以外”に該当する契約者も少なくはないでしょうからね。

オンライン専用ブランドがApple WatchのeSIMプラン対応だったら、もっと状況が変わってたんだけどねー。
MVNOでApple Watchセルラー版を使う方法

結論から言うと、MVNOユーザーがApple Watch単体でセルラー通信を行いたいのであれば、auの『ウォッチナンバー』というプランを契約すれば(ひとまず)解決します。
このプランを活用すれば、
- ahamo + ウォッチナンバー
- povo + ウォッチナンバー
- IIJmio + ウォッチナンバー
…という組み合わせで使えるわけです。

これでバッチリ!とりあえず!!

…“とりあえず”!?

ま、そこはのちほどあーる。

Image:au
この『ウォッチナンバー』とは、iPhoneを持っていない家族でもApple Watchセルラー版を使えるようにするための方法として、auが提供しているプランのこと。
いわゆるキッズケータイ的なプランになっており、本来は子どもが利用することを想定したものになっています。当然、れっきとした携帯プランなので、電話やデータ通信(250MB/月)も可能です。
『ナンバーシェア』と『ウォッチナンバー』
| ナンバーシェア | ウォッチナンバー | |
月額利用料金 | 385円/月 | 385円/月 | |
電話番号 | 親回線と同じ電話番号 | 独立した電話番号 | |
契約可否 | au回線 ユーザー |
○ | ○ |
他社回線 ユーザー |
× | ○ | |
契約申込 | オンライン (Watchアプリ) |
○ | au契約中:○ au未契約:× |
auショップ | ○ | au契約中:○ au未契約:× |
|
KDDI直営店 | ○ | au契約中:○ au未契約:○ |
ナンバーシェアとウォッチナンバーの比較
※ユニバーサルサービス料と電話リレーサービス料が別途発生
auではApple Watch用のeSIMプランとして、『ナンバーシェア』と『ウォッチナンバー』の2種類が展開されているのですが、MVNOユーザーでも契約できるのは『ウォッチナンバー』のほうだけになります。
また、この『ウォッチナンバー』に相当するプランは、今のところauからしかサービス展開が行われておりません。docomoやSoftBankに存在しているApple Watch用のeSIMプランは、いずれもauでいう『ナンバーシェア』に相当するものとなっています。
『ウォッチナンバー』について
概要:『ファミリー共有設定』を前提としたプラン

Image:au
auの公式サイトにも記載があるように、このウォッチナンバーというプランは、Appleの『ファミリー共有設定』の利用を前提としたものになっています
『ファミリー共有設定』については後述するとして、ここが大きなキモ。
自分の子どもにキッズケータイとして持たせるのあれば一切気にする必要はないのですが、自分のiPhoneとApple Watchを連携させたいと考えているのであれば、このウォッチナンバーの仕様については注視しておく必要があります。
注意点:独立した電話番号が付与される

docomoの『ワンナンバーサービス』やauの『ナンバーシェア』とは異なり、この『ウォッチナンバー』では、独立した電話番号がApple Watch(のeSIM)に割り当てられます。
ですので、iPhoneとApple Watchで同一の携帯電話番号をシェアして利用したいという目的であるならば、このウォッチナンバープランを契約するのは間違いになります。その場合は、素直にdocomo・au・SoftBankのいずれかに携帯回線を移行する必要があります。
『ファミリー共有設定』について
概要:iPhoneナシでもApple Watchが利用可能になる

Image:Apple
この『ファミリー共有設定』を利用すれば、iPhoneを持っていない家族であっても、Apple Watchを設定して使うことができるようになります(通常はiPhoneがないとApple Watchは利用不可)。
『ファミリー共有設定』では、いわゆるペアレンタルコントロールのようなことができ、親のiPhone上から、子どもに持たせたApple Watchの使用時間や位置情報の確認をしたり、アプリのインストール時やアプリ内課金の許可設定を行うことが可能となっています。
注意点:Apple IDは親子で別アカウントになる

『ファミリー共有設定』で紐付けたiPhoneとApple Watchには、通常の紐付け方とは異なる制約がいくつか存在しています。
その最たる例なのが、ファミリー共有設定を利用するためには、新たに家族用のApple IDを作成しなければならないということ。つまり、1つのApple IDでファミリー共有設定は使えません。
この“同一Apple IDで使えない”という仕様。これが、自分のiPhoneとApple Watchを連携させたいと考えている場合、かなり厄介な仕様になってきます。なので、ここは要チェック。
ここまでの整理と問題点
話が複雑になってきたので、ここまでの話をひとまず整理していきます。
■ウォッチナンバー
- 非auユーザーでも単体契約可能
- au未契約者はKDDI直営店で申込
- ファミリー共有設定の利用前提
- 携帯電話番号を新たに発行
■ファミリー共有設定
- iPhone非所有者向けの機能
- ペアレンタルコントロール可能
- 同一Apple IDでは利用不可
要点だけまとめると、MVNOユーザーがApple WatchにeSIMを挿して使いたい場合、auの『ウォッチナンバー』を契約すればよい。ウォッチナンバープランは、Appleの『ファミリー共有設定』の利用を前提としたサービスである。ファミリー共有設定を使うと、同一Apple IDでは利用できない。…となります。

つまり!?

自分のiPhoneと自分のApple Watchを連携させるのに、この状態だと問題がありすぎるのであーる。

電話番号 | 2つ存在 | |
Apple ID | 2つ必要 | |
Apple Watch側の制限 | Apple Pay | 利用不可 (WAONのみ対応) |
通知 | 連携不可 (Apple IDが異なるため) |
|
呼吸数 | 利用不可 | |
心電図 | 利用不可 | |
周期記録 | 利用不可 | |
睡眠 | 利用不可 | |
血中酸素ウェルネス | 利用不可 | |
Podcast | 利用不可 | |
Remote | 利用不可 | |
ホーム | 利用不可 | |
ショートカット | 利用不可 |
ファミリー共有設定利用時のウォッチナンバーの仕様
もし、自分のiPhoneと自分のApple Watchを連携させるという目的で、ウォッチナンバープランをファミリー共有設定をした状態で利用すると、とにかく制約だらけで使い物にまったくなりません。

あらら……。

これじゃ、無意味やんね。

そうなんだよねー。
このファミリー共有設定がネックすぎるのであーる。
auサポートに聞いてみた

ウォッチナンバー自体、Apple Watchを子どもに持たせることを想定しているので、「そういった使い方は想定してない」と返ってきそうですが、助けを求めるべくauサポートに直接聞いてみました。
以下、私が問い合わせた内容とau側の回答になります。
- QMVNOですが契約できますか?
- A契約可能です。
- Qどこで契約できますか?
- A全国のKDDI直営店でのみ可能です。
- Q手続時にApple Watchは必要?
- AApple WatchのEID情報が必要です。
- Q『ファミリー共有設定』必須?
- A利用しなくても問題ありません。
- Qペアリング状態で持ち込み可?
- A『自分用に設定』でも申込できます。
実は、auへの問い合わせを複数回行ったのですが、最初の回答では「MVNOの場合は直営店に伺って欲しい」、2回目の回答では「申し込み時に『ファミリー共有設定』の設定が必要」、という感じでバラバラでした。どうやら、質問内容がトリッキーすぎたようです(KDDIさん、すいません)。
そして、3回目の問い合わせ結果が上記になります。
3回目のみauサポートにチャットで伺った(1回目と2回目は電話サポート)のですが、かなり詳しく教えてくださいました。そして、契約時に『ファミリー共有設定』を利用しなくてもよいことも確認が取れました。チャットでは別の方からもご回答が頂けたのですが、同じ回答でしたので、こちらがau公式の回答のようです。
後日、KDDI直営店にて、上記のサポート回答について伺ったところ、au公式サポートが事実誤認をしていることが判明しました。なので、上記の内容は誤りになります。
ウォッチナンバープランを契約するには『ファミリー共有設定』が必須になります。そもそも、『自分用に設定』だとApple WatchのeSIM設定は行えません。こちらが、KDDI直営店にて担当者に伺った内容になります。

やったぜ!!

3回目の問い合わせでやっと…というのが気になりますわね。

ひょっとすると、店舗によっては断られそうですなー。

それだけ特殊な事案なんやろうね。
MVNO × ウォッチナンバー の解

総括すると、MVNOユーザーがApple Watchセルラー版を使いたい場合は、auの『ウォッチナンバー』を『ファミリー共有設定』を使わずに契約する、ということがハックの解となりました。
これにより、自分のApple Watchを自分のiPhone紐付け(Apple Watch側を『自分用に設定』でペアリング)した状態で、ウォッチナンバープランを使うことができるようになります。
実際にKDDI直営店にて、au公式サポートで教えてくださった方法を試してみたのですが、こちらの方法が通用しないことが判明しました。お詫びして訂正いたします。
下記記事にて、auの『ウォッチナンバー』を『ファミリー共有設定』を使わずに契約する、という検証を行なっています。結果や詳細についてまとめていますので、併せてご覧ください。
ただ、ウォッチナンバープランで契約すると、Apple Watch側に別の電話番号が付与されているという点だけは気をつけなければなりません。そこがどうしても気になるのであれば、やはり3大携帯キャリアに乗り換える必要が出てきます。ここだけはご注意を。
まとめ「MVNOでもApple Watchが使える」

かなり説明が長くなってしまいましたが、
- MVNOでもApple Watchセルラー版は使える
- auの『ウォッチナンバー』を契約すれば良い
契約時に『ファミリー共有設定』はしてはいけない→ 無理でした
…ということなのでした。
とにかく、『ファミリー共有設定』がトラップすぎるのです。そして、教えてくださった、Appleとauのサポートセンターさん、本当にありがとうございました。

とにかくKDDI直営店に行くぞー!
おまけ

うーん、つ・か・れ・た!!

お疲れ様でした。

かなりトリッキーな内容やったね。

ここまでするなら、素直にdocomoやauを契約したほうが楽なんだけどねー。

…それを言ったらおしまいやけどね。
おわり
今回の話のポイントは、
…であーるっ!