- 『+メッセージ』がついにMVNOでも対応するぞ!
- RCSらしい利便性や機能性をさらに高めてほしい!
- データの暗号化と強固なセキュリティの確保を希望!
“大歓迎だが様子見”
RCS規格のメッセージアプリ『+メッセージ(プラスメッセージ)』が、ようやくMVNOでも使えるように。対応時期をチェックしつつ、現状の所感や課題について考察してみます。
これでユーザーが増える…かなー!?
…あ、楽天モバイルは非対応なんやね。
目次
+メッセージの対応状況
まずは、『+メッセージ(プラスメッセージ)』の対応状況や対応時期を、携帯キャリア別に分類して確認してみます。
MNO
MNO | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NTTドコモ | KDDI | SoftBank | 楽天モバイル | ||||||
docomo | ahamo | au | povo | UQ mobile | SoftBank | LINEMO | Y!mobile | Rakuten UN-LIMIT | ||
対応時期 | 2021年9月1日 以前 |
○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | - | - | - |
2021年9月2日 以降 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | - | |
2021年9月下旬 以降 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | - | |
2022年春 以降 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
MNOにおける+メッセージ対応状況
MNO(大手携帯キャリア)における、+メッセージの対応状況は上表のとおり。
NTTドコモ(docomo・ahamo)とKDDI(au・povo・UQ mobile)に関しては、すでに+メッセージに対応済。SoftBankは、オンライン専用ブランド『LINEMO』とサブブランド『Y!mobile』のみ遅れて実装(2022年春予定)されることになっています。
楽天モバイルは独自のRCSである『Rakuten Link』を提供していることもあり、現時点では、+メッセージに対応する予定はないとのことです。
MVNO
MVNO | ||||
---|---|---|---|---|
| docomo系 MVNO |
au系 MVNO |
SoftBank系 MVNO |
|
対応時期 | 2021年9月1日 以前 |
- | - | - |
2021年9月2日 以降 |
- | ○ | - | |
2021年9月下旬 以降 |
○ | ○ | - | |
2022年春 以降 |
○ | ○ | ○ |
MVNOにおける+メッセージ対応状況
MVNO(格安SIM)における、+メッセージの対応状況は上表のとおり。
au系MVNOが先行して対応しており、その後はdocomo系MVNOも対応。そこから遅れてSoftBank系MVNOが…という順で、+メッセージに対応するとのこと。
ただし、MVNOから提供されるSIMには、音声通話/SMS対応SIM・SMS対応SIM・データ通信専用SIM、という種別が存在しています。ユーザーが契約しているSIMの種類によって、+メッセージが提供されない可能性もあります。
したがって、MVNOで+メッセージを利用することを検討しているのであれば、現在利用しているSIMの種類とMVNO事業者からのアナウンスを確認しておくことをおすすめします。
+メッセージの所感
このタイミングでのMVNO開放の謎
去る2021年3月、LINEにおける個人情報に関する取り扱いが、世間を震撼させる出来事としてメディア各所で取り上げられました。
最終的には、中国にある開発拠点や外部委託先に対しての見直しや、韓国にあるデータセンターを日本国内移転させるという形で、自体は収束方向へと向かいました。
+メッセージを提供している携帯キャリア3社(NTTドコモ・KDDI・SoftBank)がどう思っているかを知る術はないですが、LINEの代替アプリとして利用者獲得をするのであれば、このタイミングで+メッセージのMVNO開放アナウンスをやればよかったのでは、と思ってしまうところ。
もちろん、水面下でMVNOへの開放は計画していたと思うし、LINEの一件がなかったら現状よりも遅い提供だった可能性もある。ましてや、総務省がここまで携帯業界にプレッシャーを与えていなければ、そもそも+メッセージはいまだにクローズドなサービスだったかも。
さまざまなファクターが絡み合うのは察しますが、+メッセージのMVNO対応は大きなストロングポイントになるので、もっとタイミングを考えればよかったのに…と思ってしまうのです。
LINE嫌いの受け皿になれるか
そのようなLINEにおける不祥事に関係なく、『LINE』というサービス自体が嫌いな人は一定数いらっしゃいます。そのLINE嫌いユーザーの受け皿に+メッセージがなれるのか、というもの注目したい点。
そもそも、LINEのようなIM(Instant Messenger)は、相手も同じアプリを使っていないと成立しません。しかし、+メッセージであれば、相手が+メッセージを使ってなくても、携帯電話番号を使ってメッセージの送受信が可能。これはSMSから派生したRCSならではで、LINEにはないアドバンテージ。
LINE嫌いの人がどんなコミュニケーションツールを使っているかは分かりませんが、+メッセージはその受け皿に充分なり得るポテンシャルを持っているわけです。
そして、+メッセージがMVNOにも開放されたことにより、LINEと+メッセージを併用するユーザーも増えてくるので、非LINEユーザーとのコミュニケーションも今まで以上に取りやすくなると予測しています。
+メッセージの課題
楽天モバイルは非対応
前掲した+メッセージの対応状況をご覧いただければ分かるように、MNOのサブブランドやMVNOにも開放された+メッセージですが、楽天モバイルは非対応のままです。
楽天モバイルは、すでにRCSとして『Rakuten Link』を独自展開しています。そのことから、+メッセージには対応していなくても問題ないということかもしれません。
ただ、同じRCS規格である『+メッセージ』と『Rakuten Link』ですが、両者には相互互換性がなく、せっかくのRCSのメリットを享受できず、ただメッセージアプリが乱立しただけとなっているのが残念なところ。
GSMAを見ると、この相互互換性問題はRakuten Link側に原因がありそう(楽天モバイルがリストに掲載されていないため)なのですが、+メッセージ側も楽天モバイル側に歩み寄ってくれれば嬉しいとこではあります。
データ非暗号化の懸念
+メッセージの使用条件を見てみると、+メッセージの機能を用いてバックアップしたデータに関しては暗号化されていないため、他のアプリケーションから読み取ることも可能な場合があるとの記述がありました。
LINEの一件もあるので、データの取り扱いについてはより一層気をつけたいところなので、こういう文言があると利用を躊躇してしまうところはあります。
RCS特有のセキュリティ懸念
+メッセージはRCSなので、携帯回線だけでなく、Wi-Fiアクセスポイント経由での利用も可能(初回認証のみ携帯回線での接続が必須)。なので、そこがセキュリティリスクになる可能性が高いので、もしE2EEに対応していないのであれば早急に対応してほしいところ。
同じくRCSである『Messages(Google Messages)』は、すでにE2EEが実装されているので、対応していないのならば早期の実装を希望です。
まとめ「LINEでいいや…になりそうな予感」
大手携帯キャリア肝煎りのRCSであるということから『+メッセージ(プラスメッセージ)』にはかなり期待をしているのですが、まだまだ周囲に勧めても「LINEでいいや」と返答されそうな気がしてなりません。
また、MVNOに開放されるということは、これから一気にユーザー数が増えるということなので、セキュリティリスクや暗号化に関しては、LINEの二の舞にならぬように気を引き締めて運営やアップデートを講じていってほしいと願っています。
RCSの機能をフル実装してほしいのであーる。
おまけ
E2EEに関しては正確な情報が得られなかったんだけど、おそらく非対応っぽいんだよねー。
+メッセージを携帯回線でしか使わないというのであれば、暗号化された回線を使うことになるので、問題はなさそうなのですがね。
理想はE2EE対応ですなっ!
LINEもSignalもGoogle MessagesもE2EE対応やもんね。
おわり
サービスインが2018年5月でしたので、3年越しでの実現ですわね。