- マルチOS対応ノートアプリの最適解を探す!
- 大前提は“異OS同期対応”と“手書き入力”の対応!
- Windows/Android対応の良ノートアプリは希少!
“ノートアプリ狂信者の詩”
メモ/ノートアプリも多種多様ですが、“手書き入力対応”・“異OS間同期対応”、この2点に絞って、最適解なノートアプリを比較検討しました。


難しいですわね。

…ハードルが高そうな予感。
目次
本稿の目的

本稿の目的は、
- 手書き入力が可能
- OS間同期が可能
…な、ノートアプリの理想系を探し出すことです。
スマートデバイス上にメモを取るためのアプリは無数に存在していますが、手書き入力が不可なアプリに関しては、今回の趣旨から外れるので一切登場しません。あくまで、“手書き入力”にこだわっています。
メモとノートの定義
■メモアプリ
- テキスト入力主体
- 情報の整理
- 外部連携型アプリ
- TXT/MDファイル型
■ノートアプリ
- 手書き入力主体
- 発想の出力
- 自己完結型アプリ
- PDFファイル型
個人的に…ですが、『メモアプリ』と『ノートアプリ』とは明確に分けて使っており、それぞれが似ているようで別のベクトルを向いていると思っています。

『メモアプリ』というのは、“デジタル”。
テキスト入力主体で、情報の管理や整理を行うのに向いています。アプリの中には、他のアプリと連携することが可能なものもあり、アイデアのハブとしても利用可能な印象。

『ノートアプリ』というのは、“アナログ”。
手書き入力主体で、発想を自由にアウトプットするのに向いています。他のアプリと連携する機能が搭載されているものは少なく、スタンドアローン的に利用することが大半な印象。

メモアプリ | ノートアプリ |
Evernote Apple Notes Bear Inkdrop Obsidian |
Noteshelf GoodNotes Flexcil Notability OneNote |
メモアプリとノートアプリの分類
最近のメモアプリやノートアプリというのは、かなり多機能・高機能になっています。なので、このように定義づけたものの、メモアプリとノートアプリ、これを明示的に分類するのは非常に困難だったりします。
- 打つが主体:メモアプリ(Typewriterの延長)
- 書くが主体:ノートアプリ(Notebookの延長)
…ぐらいに思っておくのが、精神衛生的に良さげ。

『メモ』を英訳すると『Memorandum』になるから、英語の意味的には間違ってるんだけどねー。

日本人の言う『メモ』と『ノート』は、英語に変換すると、どちらも『Notebook』が正しくなりますものね。

ま、今回は日本語英語論じゃないから、そこはどうでもいいのであーる。

自分で言いだしたくせに……。
候補と比較と評価
Evernote | メモ (Apple Notes) |
Microsoft OneNote |
Noteshelf | GoodNotes | Flexcil | Miro | |
対応OS | Windows macOS iOS iPadOS Android |
macOS iOS iPadOS |
Windows macOS iOS iPadOS Android |
macOS iOS iPadOS Android |
macOS iOS iPadOS |
iOS iPadOS Android |
Windows macOS iOS iPadOS Android |
クラウド同期 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | △ | × | ◎ |
手書きメモ | △ | ○ | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
評価 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
手書き入力対応ノートアプリ比較
※評価順:× → △ → ○ → ◎
手書き入力が可能なノートアプリは無数にありますが、今回はクラウド同期ができることが条件なので、上表に記載されている7候補に絞って話を進めていきます。
[1]Evernote

Image:Evernote
- マルチOS対応
- クラウド同期対応
- 豊富な連携機能
- 煩雑すぎる機能性
- 微妙な動作レスポンス
- 乏しい手書き入力機能

“第2の脳”の異名を持つ『Evernote』ですが、手書き入力可能なノートアプリという視点では微妙。
Windows/Mac/iPhone/iPad/Android間をシームレスに同期できるという点は、まさに求めているもの。連携機能も豊富(以前より減っているけど)なのも魅力。まさに全部入りを体現したノートアプリ。
しかし、手書き入力の機能は乏しく、これを紙のノートのように使うのは、控えめに言って無理。ジョッターぐらいの感覚なら使えますが、ここでマインドマップを書くなんて…とんでもない、という感じです。
[2]メモ(Apple Notes)

Image:Apple
- Apple系と高い親和性
- 『鉛筆』搭載
- 手書きの挿入が用意
- 縦方向の無限ページ
- 高い速記性
- Windows/Android非対応

Appleユーザー御用達の『メモ(Apple Notes)』は、手書きノートアプリとしても優秀な印象。
正直言って、ノートアプリ全体を見渡しても、メモ(Apple Notes)の手書き性能はかなり高い。しかも、これが無料で使えるというのが凄い。ペンの種類も豊富で、なげなわツールや鉛筆がある点も好印象。簡単なイラストぐらいなら、普通にここで描き切れます。
唯一にして最大のデメリット、それが、WindowsとAndroidには対応していないこと(Apple製なので当たり前)。私はGalaxy NoteやSurface Duoでも使いたいので、そういう意味ではクリティカルな問題になってきます。
[3]Microsoft OneNote

Image:Microsoft
- マルチOS対応
- クラウド同期対応
- 豊富なペンの種類
- 全方向に無限ページ
- 動作が全体的に緩慢
- UIが前時代的
- 微妙な書き心地

Microsoft Officeの枠を超えて使えるようになった『Microsoft OneNote』。手書きノートアプリとしては、痒いところに手が届かないイメージ。
Microsoft製品でありながら、Windows/Mac/iPhone/iPad/Android間をシームレスに同期できる点は素晴らしいのひとこと。キャンバスサイズが無限に広がっているので、アイデアのアウトプット先としても優秀。URLスキームを生成できるのも強い。
機能的には不満はまったくないのですが、UI・UXがタブレットやスマートフォンに適していないのが難。OneNoteに関しては、もう少し“Windows臭”を消してほしいところ。また、手書きしたときの書き心地が悪く、いかにもデジタルに書いている気持ちになるのも残念。
[4]Noteshelf

Image:Noteshelf
- iPhone/Android両対応
- 最高峰の書き心地
- 『鉛筆』搭載
- 豊富なテンプレート
- Android版は微妙
- Apple/Android間は同期不可

“打つ”よりも“書く”に特化した『Noteshelf』は、手書きノートアプリとしては優秀の優秀。…クラウド同期を除いては。
ノートアプリを数多使ってきた私ですが、このNoteshelfの書き心地を超えるものは、いまだかつて出会ったことがありません。iPadにペーパーライクフィルムを貼付すれば、かなり紙に近い感触で筆記することが可能です。
Android版もある…のですが、macOS/iOS/iPadOS間とは同期不可という残念仕様。手動バックアップで間接的に同期するという、アクロバティック技を使えばできなくはないのですが、そもそもAndroid版の機能性が、同じアプリかと疑うほど乏しいのが残念。
[5]GoodNotes

Image:GoodNotes
- 高次元な書き心地
- 豊富なテンプレート
- ノート管理が容易
- Windows/Android非対応

Noteshelfと双璧をなすノートアプリと言えば『GoodNotes』。手書きノートアプリの最高峰ですが、ネックはNoteshelfと同様にクラウド同期の弱さ。
Noteshelfが“紙になりたい”とすれば、GoodNotesは“デジタルノートを極める”という趣。できることに関しては、Noteshelfとほぼ同じなのですが、マルチタスク的に手書き入力を行うという点では、GoodNotesの一日の長があります。
ただ、デメリットもNoteshelfと一緒。完全にApple縛りになるので、WindowsやAndroidでも同期できるノートアプリとなると、残念ながら候補落ちになってしまいます。
[6]Flexcil

Image:Flexcil
- Apple/Android両対応
- PDF管理が超優秀
- ノート間リンク作成可能
- 編集機能が充実
- Windows非対応
- 同期が不完全

論文等の精読アプリとしても優秀な『Flexcil(Flexcil 2)』。手書きノートアプリの機能も“同期”を除けば優秀。
他のノートアプリと決定的に違うのが、異なるノート間の相互的な連携ができるという点。なので、メモアプリのような情報の集約にも向いています。もちろん、学習用のノートアプリとしても便利です。
書き心地もNoteshelfやGoodNotesと比べると、若干落ちるものの悪くない。…のですが、シームレスに同期する機能に乏しく、ファイル管理に冗長性が出てしまいがちなのがネック。iCloud同期は対応させるという話なのですが…ね。
[7]Miro

Image:Miro
- マルチOS対応
- クラウド同期対応
- 全方向に無限ページ
- 多機能高機能
- 速記性に乏しい
- 整理整頓には不適

本来はオンラインコラボレーションツールである『Miro』ですが、手書きノートアプリとしても意外と高評価。
イメージ的には『ノート』というよりも『ホワイトボード』という感じで、Microsoft OneNoteと同様に、キャンバスサイズが無限に広がっています。ノート的に使うには仰々しいのですが、Windows/Mac/iPhone/iPad/Android間をシームレスに同期できる点は素晴らしい。
ただ、本来はノートアプリではないので、かなり管理が大変なのがネック。書く行為までのフローも長く、ノートを持ち歩くのではなく、ホワイトボードを担いでいる、というニュアンスになってしまいます。また、フルに使おうとすると、結構なサブスクリプション費用がかかるのも難。
まとめ「同期と書き心地を求めると沼」

- 心地よい手書き入力
- OS間の同期フル対応
…たった2つのことなのですが、意外と理想のノートアプリがないのです。
Windows/Mac/iPhone/iPad/Android間を、まるっと同期するとなると、アプリ側に専用のクラウドサーバーが必要になってくるので、ちょっと求めすぎるとキツそうな予感。なので、WebDAVでゴニョゴニョできるアプリがあるなら、そちらを採用するかもしれません。

『Nebo』も良きなんだけど、お絵描き向きじゃないんだよねー。
おまけ

いっそ、Androidのノートアプリを『Samsung Notes』以外捨てるとか…かなー!?

PDFにしてまとめるとかもありますよね。アクセス性が落ちますが。

うーむ…これは開発するしかないのかっ!?

それはそれで大変やんねぇ。
おわり
ノートアプリの理想は、
で、完全同期するものなんだよねー。