- CPUの種類と性能からノートパソコンを選んでみようぞ!
- CPUの見方さえ分かればパソコン購入時に役に立つ!
- 求めるノートパソコンによって搭載すべきCPUは変わってくる!
ノートパソコンをCPUで選ぶの巻(初心者向け)。
ノートパソコンの選び方はいろいろ。そこで、“CPU性能”という1つの指標から、ノートパソコンの用途別の選び方を考えてまとめてみました。CPUの種類を知れば、きっとノートパソコン選びが楽しくなる…はず!?


大事な“頭脳”の部分ですものね。

こういう使い分けもあるってことやね!
目次
はじめに
この記事を読んでいる人なら不要な説明かもしれませんが、一応の『CPU』とは何かの説明をちょっとだけしておきます。
この『CPU』とは、Central Processing Unit(中央演算処理装置)のことで、計算(算術演算・論理演算)・判断・データのコピー・機器の制御を行っている、まさしくパソコンの頭脳となる部分なのです。
そして、そのパソコンに搭載されているCPUには、いろいろな種類やグレードがあります。超計算が速いけどエネルギーを多く消費するCPU、計算は遅いけどエネルギーをあまり使わないCPU、価格が高いCPU、価格が安いCPU…本当に多種多様です。
だからこそ、CPUの性能や種類からノートパソコンを選んでみたら面白い。そこで、今回の記事ができたわけです。

CPUの仕組みについてはこちらをどぞっ!
CPUの性能と種類を判別する3つの指標
そういうわけで、ノートパソコンの選び方について話す前に、まずは今回のメインディッシュである“CPUの性能と種類”について見ていきます。

今回はIntel製モバイル向けCPUを例にして話すあーるっ!

■CPUの性能と種類を判別する指標
- CPU型番
- CPU末尾
- CPU世代
Intel製CPUだけとっても、その種類は多種多様。特に、IntelはCPUの種類が豊富でかつ、非常にややこしいことになっています。なので、ざっくりとCPU性能を判別する指標を考えてみました。それが上記の3つの項目というわけです。

型番、末尾、世代……!?

とりあえずは順番に話していくから、読み進めておけおー!
【指標1】CPU型番

CPUの性能や種類を判別するための1つめの指標は、
Intel Core i7-1160G7
のようなCPU型番(プロセッサーファミリー)。

とりあえずここさえ分かっておけば、なーんとなくのCPU性能が分かるのであーるっ!
Core Processor Family | Pentium Processor Family | Celeron Processor Family | |
種類 | Core i9 Core i7 Core i5 Core i3 Core m3 |
Pentium Gold | Celeron |
性能 | 中〜高 | 低〜中 | 低 |
CPU型番(プロセッサーファミリー)によるCPU性能分類
CPU型番…というか、プロセッサーファミリーでCPUの性能を分類すると上表のとおり。本当はもう少し種類があるのですが、第8世代以降のモバイル向けIntel CPUに登場するものだけに絞って表記しています。
Core Processor Familyについては、
i9 > i7 > i5 > i3 > m3
という感じに、性能差があるようになっています。

本当の型番は製品名(SKU)だけど、便宜上…ねっ!
【指標2】CPU末尾

CPUの性能や種類を判別するための2つめの指標は、
Intel Core i7-1160G7
のようなCPU末尾のアルファベット。

CPU末尾のアルファベットが分かると、そのCPUが何向けなのかが分かるのであーるっ!
末尾 | 性能 | 利用用途 | |
G | G7 | ミドルレンジ | ホームノート向け モバイルノート向け |
G4 | ミドルレンジ | モバイルノート向け | |
G1 | ミドルレンジ | モバイルノート向け タブレット向け |
|
LxxG7 | ローエンド | タブレット向け 小型デバイス向け |
|
LxxG4 | ローエンド | タブレット向け 小型デバイス向け |
|
HK | ハイエンド(倍率ロックフリー) | ホームノート向け ゲーミングノート向け |
|
HF | ハイエンド(iGPU非搭載) | ホームノート向け ゲーミングノート向け |
|
H | ハイエンド(通常) | ホームノート向け | |
U | ミドルレンジ | ホームノート向け モバイルノート向け |
|
Y | ミドルレンジ | モバイルノート向け タブレット向け |
CPU末尾によるCPU性能分類
上表はかなりすっ飛ばした部分が多いのですが、あくまで性能単体で見ると、こういう感じの分類になってくるはず。
見慣れない“G”という末尾ですが、第10世代から登場した新しい末尾になっています。
■CPU末尾の“G”の分類
- G7:Intel Iris Plus Graphics・Intel Iris Xe Graphics
- G4:Intel Iris Plus Graphics・Intel UHD Graphics
- G1:Intel UHD Graphics
- LxxG7:Intel UHD Graphics
- LxxG4:Intel UHD Graphics
CPU末尾が“G”についてのCPU性能を細かく分けるとこんな感じ。末尾Gのポジション的には、今までの末尾Uや末尾Yあたりになっています。LxxGなCPUについては、Atomに近いと言ったほうがいいかもしれません。
数字が大きいほうが高性能(G7 > G4 > G1)というのは、なんとなく分かるはず。あとは、内蔵GPU(iGPU)の性能が変わってくる点に注目。末尾G7は『Intel Iris Plus Graphics』(Ice Lake)や『Intel Iris Xe Graphics』(Tiger Lake)が搭載されており、より高性能な内蔵GPUとなっています。末尾がLxxGとなっているのは、G7やG4であっても『Intel UHD Graphics』(Lakefield)となっています。
【指標3】CPU世代

CPUの性能や種類を判別するための3つめの指標は、
Intel Core i7-1160G7
のようなCPUの世代(開発コードネーム)。

CPU世代(数字やコードネーム)が分かると、CPUの新しさやいつの時代の製品かが分かるようになるあーるっ!
数字の例 | 開発コードネーム | 世代 | 製造プロセス | 主な末尾 | CPUファミリー |
11xx | Tiger Lake | 第11世代 | 10nm+ | G | Core i7/i5/i3 Pentium Gold Celeron |
10xx | Ice Lake | 第10世代 | 10nm | G | Core i7/i5/i3 |
L1x | Lakefield | 第10世代 | 10nm | G | Core i5/i3 |
10xxx | Comet Lake | 第10世代 | 14nm++ | HK・H・U | Core i9/i7/i5/i3 Pentium Gold Celeron |
9xxx | Coffee Lake Refresh | 第9世代 | 14nm++ | HK・HF・H | Core i9/i7/i5 |
8xxx | Whiskey Lake | 第8世代 | 14nm++ | U | Core i7/i5/i3 Pentium Gold Celeron |
10xxx 8xxx |
Amber Lake | 第10世代 第8世代 |
14nm+ | Y | Core i7/i5/i3/m3 |
8xxx | Coffee Lake | 第8世代 | 14nm++ | HK・H・U | Core i9/i7/i5/i3 |
8xxx | Kaby Lake Refresh | 第8世代 | 14nm+ | U | Core i7/i5/i3 |
CPU世代によるCPU性能分類
※数字の例はCore Processor Familyのもの。
CPUの各世代には『開発コードネーム』というのがついており、その開発コードネームさえ分かってしまえば、いつぐらいに出たCPUなのか、どれくらいの性能を持っているのか、というのがおおよそですが分かるようになっています。
また、開発コードネームによって、何向けに作られているCPUなのかも変わってきます。とはいえ、最近では1つの世代に複数の開発コードネームが割り当てられており、非常にカオスで分かりにくいようになっています。特にAmber Lakeはややこしい……。
CPUの見るべきポイント

Intel Core i7-1160G7
- Core i7(型番*1):どれくらいのグレードなのか
- 1160(世代):いつごろに出たのか
- G7(末尾):どういう用途なのか
*1正確にはプロセッサーファミリー。
今まで話してきた、CPUの性能や種類を判別するための3つの指標を色分けしてまとめてみました。
つまり、これら3つの指標をまとめて紐解くと、その搭載されたノートパソコンのCPU性能や発売時期、メーカーが想定しているノートパソコンの利用用途が分かるようになってきます。もちろん、搭載されているCPUですべてが決まるわけではないので、おおよその目安ということにはなってきますが、それでも知っているのと知らないのでは変わってきます。
なので、家電量販店のパソコン売り場やECサイト(Amazon等)で、ノートパソコンを選定する際には、まずはCPUの表記をチェックしてみてください。CPUの表記がされてないことはまずないので、そこからノートパソコンを選んでいくことができるはずです。

ひとつずつ紐解けば、CPU名だけで性能や時代が判別できるわけですわね!?

そういうことになるあーるっ!
ノートパソコンの選び方
最後に、今回話してきたことを踏まえて、ノートパソコンの選び方をノートパソコンの種類別にまとめてみます。
メインストリームノートパソコン

■選び方の参考例
▼CPU種類
- プロセッサーファミリー:Core i9/i7/i5
- CPU末尾:G(G7)・H
▼その他
- 画面サイズ:15.6インチ〜
- 用途:画像編集・動画編集・オフィススイート
- 備考:画像/動画編集作業目的なら広色域ディスプレイを選ぶと良い
メインストリームノートパソコン(家に据え置きで使うメインのノートパソコン)の選び方はこんなイメージ。
CPUに関しては、最低でもCore i5以上を選ぶのがおすすめ。ただ、Core i9は動画編集をガッツリ行うユーザー以外は、オーバースペックになるので不要です。もちろん、動画編集をしなくてもCore i9搭載ノートパソコンを選ぶのはアリですが、そのぶん価格は高くなってきます。
末尾はG7かHを選ぶのがおすすめ。末尾G7のCPUはiGPUが強化されたモデルなので、GPU重視ならここも注目。もちろん、外部GPU(dGPU)が別途搭載されているノートパソコンを選ぶのもアリ。編集作業を行う予定がないのであれば、GPUはそこまで気にしなくてもよいでしょう。

母艦として使うからこそのハイパワー重視っ!
ゲーミングノートパソコン

■選び方の参考例
▼CPU種類
- プロセッサーファミリー:Core i9/i7
- CPU末尾:HK・HF・H
▼その他
- 画面サイズ:14インチ〜
- 用途:ゲーム・画像編集・動画編集・デザイン
- 備考:リフレッシュレートが高いディスプレイを選ぶと良い・dGPUは必須
ゲーミングノートパソコンの選び方はこんなイメージ。
せっかくゲーミングノートパソコンを買うのであれば、CPUは可能な限りの投資をするのがおすすめ。もちろん、dGPUが搭載されているのが絶対条件(個人の感想)です。ゲーミングノートパソコンと謳っていて、ローエンドCPUを搭載していることはまずないのですが、せっかく買うハイエンドパソコン。そこはしっかりCPUに注目です。
とはいえ、ゲーミングノートパソコンを選ぶ際に注目すべき点は、CPU性能以外にもたくさんあります。dGPUもそうですし、ディスプレイのリフレッシュレート、キーボード配列…とにかく見るべき点が多いので、よーく長考しましょう。

ゲーミングノートパソコンは力こそ正義の象徴っ!
モバイルノートパソコン

■選び方の参考例
▼CPU種類
- プロセッサーファミリー:Core i7/i5/i3
- CPU末尾:G・U・Y
▼その他
- 画面サイズ:13インチ〜14インチ
- 用途:オフィススイート・事務作業
- 備考:持ち運びを考慮して1kg以下を選ぶと良い・バッテリー持ち時間に注目
モバイルノートパソコン(持ち運ぶのがメインのノートパソコン)の選び方はこんなイメージ。
正直、モバイルノートパソコンを選ぶ際にはCPU性能よりも、軽さやバッテリー持ち時間のほうを注視したほうがよいので、CPUに関しては『Core Processor Family』だったら大丈夫ぐらいでもよかったりします。
もちろん、作業内容が高負荷なものであれば、Core i7やCore i5あたりを選んで、末尾がG7・G4・UのCPUをチョイスするのがベターでしょう。とにかく言えることは、軽さやバッテリー持ち時間をメインで見つつも、ちゃんとCPU性能もチェックしておこうということです。

持ち運ぶことを意識しつつ、CPU性能も見るのがモバイルノートパソコンあーるっ!
まとめ「CPUが分かるとノートパソコン選びが楽しくなる」

Intel Core i7-1160G7
- Core i7(型番*1):どれくらいのグレードなのか
- 1160(世代):いつごろに出たのか
- G7(末尾):どういう用途なのか
*1正確にはプロセッサーファミリー。
上記は途中で出したものと同じものですが、分からない人はとりあえずこれだけ覚えておけば大丈夫!
私が言いたかったのは、CPUの種類や性能が分かるようになってくると、ノートパソコンが選びやすくなるということなのです。そして、ノートパソコン選びが楽しくなる。ここが重要。やっぱり、楽しんで選びたいのです。ですなの。

初心者向けにしたけど…なってないような気がするっ!
おまけ

気づけば、Intel Coreも11世代突入あーる。

Haswellぐらいで止まってるんやけど、うち。

Haswellおじさん……。(ボソっ)

…そのネタを知っておるとは!?
おわり
CPUの種類を知ると、ノートパソコン選びが楽しくなーるっ!