- v6プラスが遅い原因は3つ!
- まずはIPアドレスを知る必要がある!
- プロバイダー選びはギャンブル性が高い!
IPv6ナシなんて…考えられない!
NTT系の光回線(フレッツ光・光コラボ)を契約している人なら、もはや必須事項な『v6プラス』。そう、IPv6 IPoEとIPv4 over IPv6で高速通信できるあれです。今回はv6プラスを知る上での基礎的知識と、遅い原因を探ります。


ネット回線の速度は、さまざまな条件が重なった結果ですものね。

今回は、その解説の基礎編ってことやね!
目次
IPアドレスの基礎的知識
そういうわけで、まずはお勉強。
v6プラスで高速化したいなら知っておきたい、今回の主役である『IPアドレス』というキーワード。そのIPアドレスに関連する基礎的事項を、まとめてサクッとおさらいしていきます。

知ってる人は知っている!知らない人はー?

覚えてね!って…懐かしい!

あ、正確に言うと、
v6プラス ≒ IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6
なんだけど…便宜的にv6プラスで統一しているよー!
IPアドレスとは?

この『IPアドレス』とは、インターネット上の住所のことです。
って、おそらくギークなら周知の事実すぎて、釈迦に説法、孔子に悟道、河童に水練、ですね。このIPアドレスの理解と扱いを間違えると、v6プラスでの高速化の“ドツボ”に嵌ってしまうわけで……。
IPアドレスの種類

そんなIPアドレスですが、『IPv4』と『IPv6』という2種類の規格(プロトコル)があります。現実に置き換えると、住所に2種類の表記方法がある…そんな感じです。
IPv4 | IPv6 | |
IPアドレス例 | 192.168.1.1 | 2001:260:700:1:0000:1:276 |
アドレス数 | 約43億 | 約340澗 |
IPv4とIPv6のアドレス数。
IPv4とIPv6のイメージはこんな感じ。
IPv6のアドレス数がとーんでもない数になってます。この『澗』という単位、10に36乗という大きさを表します。ちなみに、『億』は10の8乗です。
とどのつまり、
IPv6 > 越えられない壁 > IPv4
というアドレス数の差があります。
このIPv6誕生の背景には、IPv4アドレスの“枯渇”があります。
つまり、インターネットが爆発的に普及しすぎて、IPv4アドレスでは数が足らなくなった(住所が割り振りきれなくなった感じ)というわけです。だから、新たにアドレスが超多いIPv6というプロトコルが生まれたのです。

IPv4が32bitで、IPv6が128bitですなー。

携帯電話番号も090が足りなくなった…という事件がありましたよね。

あ!それに近い感じだねー!
IPv4とIPv6には互換性ナシ

そして、ここがとっても大切なところ。
なんと、この『IPv6』なのですが、『IPv4』とは互換性がないのです。

それって、どんな問題が起こるん?

簡単に言っちゃうと、IPv4しか対応してないWebサイトが見られなくなるっ!

え…大問題やん!!
詳しい技術的なことは置いておくとして、光プロバイダーの通信方式をIPv6だけにしてしまうと、IPv4のみ対応のサイトは一切見られなくなるということです。
さらに問題なのが、IPv6の普及率の低さ。
IPv6普及・高度化推進協議会のサイトを見ると分かるのですが、開始から10年(1999年登場)になるのにもかかわらず、その普及率…日本では約40%!世界では約20%!そう、とっても低いのです。

全部がIPv6対応なら問題はないんだけどねー。

現実はそうじゃないってことやね…。
IPv4とIPv6の両立が必要

この普及率の低さから、快適かつ不足なくインターネットを楽しむには、IPv4とIPv6の“両方”に対応してないといけないというわけです。
ただ、WebサイトがIPv6に対応するだけでは意味がなく、IPv4とIPv6の両対応をまず行うのは、いわゆる光回線のほうです。
そこで登場するのは、今回のメインディッシュである『v6プラス』という技術が登場してくるのです。

やっと、v6プラスのお出ましやね!
v6プラスとは?
『v6プラス』というのはサービス名であって、正確に言うと…
IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6
という通信方式が高速化のポイントなのです。
まぁ、詳しいことは抜きにして、IPv6に対応しているサイトは、そのままIPv6。IPv4にしか対応していないサイトは、IPv6をIPv4にして見る。そんな感じです。そして、これをやってくれる会社を『VNE』といい、このVNEこそv6プラスをやってくれる事業者なのです。

簡単にv6プラスを解説すると、こーんな感じかなー!
v6プラスなのに遅い原因
ここまでで、IPアドレスとv6プラスについて、簡単ではありますが知ってもらえたはず。おそらく、NTT系の光回線(フレッツ光・光コラボ)を契約しているなら、v6プラスしない手はないでしょう。

v6プラスのオプション自体、大半のプロバイダーが無料で提供してるんだよー!だから、v6プラスに申し込まないとしないと損だねっ!
ということで、ここからは『v6プラス』に加入している前提で話していきます。
■v6プラスなのに遅い原因
- 無線LANルーターがv6プラス非対応。
- LANケーブルの規格が古い。
- プロバイダー自体が微妙。
深堀りするとキリがないのですが、v6プラスを契約しているのにもかかわらず、ネットの速度が遅い原因の多くが上記の3つです。

順番に原因を見ていくとするぞー!
【原因1】無線LANルーターがv6プラス非対応

v6プラスなのに遅い。その原因の大半なのが、使っている無線LANルーター(Wi-Fiルーター)が、そもそもv6プラス“非対応”というもの。
無線LANルーターを購入するとき、ついついスペックばかり見がちなはず。しかし、どんなに高スペックな無線LANルーターでも、v6プラス(IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6)非対応なルーターだと、とにかく遅いIPv4接続しか使えません。
国内メーカー(NECやBUFFALO)なら基本的にv6プラスに対応しているのですが、海外メーカー(TP-LinkやLinksys)の無線LANルーターは基本的にv6プラスに非対応です。
こぼれ話ですが、流行りの『メッシュWi-Fiルーター』の大半が海外メーカー製。つまり、メッシュWi-Fiルーターを使うと、v6プラスが使えないジレンマが起こる可能性が高かったりします。

分からない人は、素直にNECやBUFFALOの無線LANルーターを買うのが吉だねー!
▼筆者使用中のNECのv6プラス対応Wi-Fiルーター
▼最強のBUFFALOのv6プラス対応Wi-Fiルーター
【原因2】LANケーブルの規格が古い

無線LANルーターがv6プラスに対応しているのに、ネットの速度が遅い…。そうなると、考えられるのが『LANケーブル』です。
■LANケーブルの種類
- CAT5(カテゴリー5):100Mbps
- CAT5e(カテゴリー5e):1Gbps
- CAT6(カテゴリー6):1Gbps
- CAT7(カテゴリー7):10Gbps
- CAT8(カテゴリー8):40Gbps
このへんも技術的なことが絡むので、簡単に結論だけ言ってしまうと、CAT5規格のLANケーブルを使っているなら、CAT5e以上の規格のLANケーブルにしましょう。
▼筆者使用中のCAT7のLANケーブル
【原因3】プロバイダー自体が微妙
無線LANルーターはv6プラス対応、LANケーブルもCAT5e以上。それなのに、v6プラスが遅い…。
そうなると、そもそもプロバイダーがハズレという可能性が出てきてしまいます。v6プラスでの通信速度も契約プロバイダーによって、やはり前後してしまうのです。
ネットでは、「○○プロバイダーがおすすめ!」とかを散見します。
ただ、ハッキリ言って、プロバイダーの速度なんて地域差やら、契約条件やら、とにかくいろいろな要素があるので、一概にどのプロバイダーが速いなんて言えないのが真実でしょう。要は、ギャンブル。プロバイダーガチャです。

じゃあ、どうしたらいいん?

素直にv6プラスなんてやめて、NURO光にしちゃうとかだねー。

特に理由がなければ、光コラボでプロバイダーガチャるぐらいなら、脊髄反射的に『NURO光』にするのが正解でしょう。ただ、NURO光は対応地域が狭く、しかもマンションの場合は条件もあるので、契約ハードルが高いというネックがあります。なので、契約“できれば”NURO光、無理なら光コラボの中からプロバイダーガチャする感じです。
高速なIPv6通信を達成する方法
結局のところ、高速なIPv6通信を達成するためには、さまざまな要素が絡んでくるということです。
簡単なチャートを作ってみたのですが、『NURO光』が対応している物件なら、素直にNURO光が正解でしょう。ただ、対応範囲が狭いのがネック。
NURO光がダメだった場合、時点で検討するのは、『auひかり 』か『eo光
』でしょう。こちらも対応範囲がちょっと狭め。ちなみに、eo光は関電系なので関西だけです。
それすらもNGだった場合、フレッツ光・光コラボから選ぶ。そんな感じです。正直、積極的に選ぶべきじゃないでしょう。
ただ、エリアや物件の問題で、フレッツ光・光コラボを選ばざるを得ない人は多いはず。もしそうなら、今回の『v6プラス』への加入は“絶対条件”です。
そして、v6プラスでの高速なネットを実現するために、
- v6プラス対応ルーター
- CAT5e以上のLANケーブル
を用意するようにしましょう。

かなり面倒なんやね…。

そうなんだよー。
だから、NURO光が加入できるのがベストなんだよねー。
まとめ「遅いを速いに!v6プラスを満喫しようず!!」

長々と話してきましたが、v6プラスなのに遅い原因としては、使っている無線LANルーターがv6プラス非対応な場合が大半でしょう。
今回はIPアドレスやv6プラスの仕組みも簡単に説明してきました。これで、v6プラスで快適にネットができる人が増えたら、と思います。というか、NTTあたりが啓発活動すべきなのですが…ね。

Let's v6プラスライフですな〜♪
おまけ

なんだか長話になってしまったー!

ネットワーク系は奥が深いですものね。

というか、“沼”やんね…。

沼…ドブ……コウメ太夫ですなー!(意味不明)
おわり
知っておかないと、v6プラスにしたのに“遅い”ってこともあるんだよねー。