- 有線LANも無線LANも最高峰スペック。
- 最新のWi-Fi 6対応で高速無線通信。
- リンクアグリゲーションでチーミングOK。
- 5GbEのWAN/LANポート搭載。
- 簡易NAS・DHCPサーバー機能が使いやすい。
- IPv4 over IPv6非対応。
- サポートページが一部英語のみ。
- 横置きのみで縦置き不可。
戦闘機…?いや、ルーターなのだ。
話題のWi-Fi 6対応ルーター、NETGEAR『Nighthawk RAX120』をレビュー。このWi-Fiルーター、最新のWi-Fi規格だけじゃなく、4コアCPU・NAS機能・5GbE LAN・リンクアグリゲーション…と、機能ギガ盛り!そんなハイエンドWi-Fiルーターの性能をチェックします。
5GbE対応LANに、チーミング対応LANのダブル搭載ですものね。
とりあえず最新&最強の機能を楽しみたいって人向けだねっ!
目次
NETGEAR『Nighthawk RAX120』って?
■Nighthawk RAX120を3行まとめ
- 最新のWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応。
- LANポートは5GbE・チーミングの両対応。
- NAS機能をはじめとしたてんこ盛り機能。
無線LAN(Wi-Fi)だけじゃなくて、有線LANもこだわりたいユーザーにピッタリなルーターですな〜♪
『Nighthawk RAX120』のデザイン
本体:Star Warsな高速宇宙戦闘機風
本体上面には、
- ステータスLED
- WPSボタン
- Wi-Fiボタン
が存在している。
『Nighthawk RAX120(Nighthawk AX12 AX6000)』のデザインは、さながら高速な宇宙戦闘艦風。そう、Star Warsっぽい。見るからに高速通信ができる雰囲気を、漆黒の本体から醸し出している。
なお、本機利用時にはボタンを含めてLEDが点灯する(写真では消灯)仕組み。搭載LEDはON/OFF設定可能なので、消灯することもできるようになっています。
ちなみに、戦闘機の両翼っぽいところにWi-Fiのアンテナが入っている。
ポート類は背面に集約されており、
- LEDスイッチ
- RJ-45(LAN) ×4
- RJ-45(WAN) ×1
- RJ-45(WAN・LAN) ×1
- リセットボタン
- USB 3.0 Type-A ×2
- 電源ボタン
- ACコネクター
となっている。
前述のLEDはこちらから制御可能。
また、LANポートのうち1GbEの2つ(1・2)は『リンクアグリゲーション』によるチーミング対応。そして、一番右はWAN・LANのコンボポートとなっており、こちらは最大5GbEに対応している。まさに至れり尽くせり。
そして、USB Type-Aが2ポート搭載されているが、ここにUSBメモリーや外付けHDD/SSDを接続することにより、簡易NAS(DHCPサーバー)として使うことも可能。地味にUSBが3.0でかつ、2ポート搭載なのも嬉しいところ。
お高いルーターだけあって、ポート類は豪華仕様だっ!
付属品:スキッとしたACアダプターが特徴的
■Nighthawk RAX120の付属品
- ACアダプター
- LANケーブル
- 取扱説明書
長方形なACアダプターが特徴的。
あ、付属品しているLANケーブルはCAT5eでした。速度やシールドが気になる人は、別途CAT7などの上位クラスのLANケーブルに変更しましょう。
『Nighthawk RAX120』のポイント
■Nighthawk RAX120のポイント概要
- Wi-Fi:802.11ax対応で安定&高速&省電力
- CPU:64bit+4コアで余裕な処理能力
- NAS:ReadySHAREで簡易NASとして利用可能
- LAN:リンクアグリゲーション&5GbE対応
Wi-Fi:802.11ax対応で安定&高速&省電力
なんといっても、この『Nighthawk RAX120』最大のポイントは、最新のWi-Fi規格である『Wi-Fi 6』(IEEE 802.11ax)に対応していること。
『Wi-Fi 6』とは何かについては、解説記事(上記リンク)を見てもらうとして、ここではNighthawk RAX120とWi-Fi 6でのコンビネーションによる恩恵について話していきます。
4.8Gbps+1.2Gbpsと高速化を支える技術
5GHz | 2.4GHz |
4.8Gbps | 1.2Gbps |
Nighthawk RAX120の通信速度。
Nighthawk RAX120は、最新規格であるWi-Fi 6に対応していることもあり、とにかく無線の通信速度が速い。5GHzに関しては、5Gbpsに肉薄するスペック値となっている。
Wi-Fi 6の技術的なことを言うと、ベースの通信速度が従来より高速化されただけでなく、
- UL/DL MU-MIMO
- OFDMA
- 1024QAM
- 空間再利用(BSS Coloring)
といった技術を用いることによって、スループット自体も向上している。
これらの技術的なメリットをまとめると、基礎的な通信速度が高速化して、データの同時通信が上り下り最大8台対応(UL/DL MU-MIMO)になって、周波数を細かく分けて効率良く通信が可能(OFDMA)になって、一度に転送できる情報量が大幅に向上(1024QAM)した、ということ。
…かなり駆け足ですが、Wi-Fi 6の特徴をざっくりと言うとこんな感じです。とにかく凄いってこと!
まとめると、ただ単にWi-Fi 6というのは最高速度が向上したというわけではなく、通信速度が下にブレにくくなった(遅い状況が相対的に減った)という恩恵があるというわけです。
野球で例えると、投手の最高球速を上げるだけじゃなく、平均球速も上げたってことだねー!
TWTでデバイスのバッテリーが長持ち
…Wi-Fi 6って、Wi-Fiが速くなって安定しただけ?
否っ!
実はデバイスのバッテリー寿命が伸びちゃうのであーるっ!
Wi-Fi 6には通信の高速化やセキュリティー強化だけでなく、なんと接続しているデバイスのバッテリー寿命を伸ばすことが期待できる機能も搭載。その機能こそ『TWT(Target Wake Time)』というもの。
このTWTは、Wi-Fiルーターとデバイスのアクセス時間をコントロールし、通信していないときはデバイスがスリープできるような環境を作ってくれます。簡単に言ってしまえば、無駄に電波のやり取りをしなくなったということ。
CPU:64bit+4コアで余裕な処理能力
そんな機能てんこ盛りのWi-Fi 6を支えるために、Nighthawk RAX120はCPUも4コアと強化されている。CPUは2コア…というWi-Fiルーターが巷には多いが、あれこれ使えるルーターだからこそ、クアッドに強化されているのであろう。本当に抜かりない。
Wi-Fi 6の処理だけでなく、後述するNAS的機能や有線LAN機能もあるので、この4コアCPUが縁の下の力持ち的に活躍してくれているはず。
NAS:ReadySHAREで簡易NASとして利用可能
外観レビューしたときにUSB Type-Aポートがあったと思うが、Nighthawk RAX120には『ReadySHARE』という簡易NAS機能が搭載されている。
このReadySHAREの利用方法は簡単で、Nighthawk RAX120本体背面にあるUSB Type-AポートにUSBメモリー等を挿すだけでOK。
USBポートは2つあるので、最大で2つまでUSBメモリーをReadySHARE用のストレージとして利用することが可能ということになる。
設定方法は非常に簡単なので省略するが、本当にUSBポートに外付けHDDやメモリーを接続するだけで、デバイスのファイラー(Finder)上から操作が可能になる。簡易NASとしてはもちろん、Time Machine用のストレージとしても利用可能。
しかも、Nighthawk RAX120のNAS機能はローカルからのアクセスだけでなく、外部のネットワークからのアクセスも容易に実現できる『ReadyCLOUD』という機能も搭載されている。
このReadyCLOUDを使うことによって、ローカルからだけでなく、外部のネットワーク上からも簡単にアクセスが可能。専用アカウントを作成してアクセスする仕組みなので、面倒なネットワークセキュリティーの設定も不要で非常に簡単。これなら、NAS初心者でも使いやすいはず。
LAN:リンクアグリゲーション&5GbE対応
Nighthawk RAX120は、ただ単に無線機能(Wi-Fi)が強いルーターではなく、有線もかなーり強い。というか、WAN/LAN機能てんこ盛り状態。
リンクアグリゲーション
Nighthawk RAX120のLANポートの一部は、チーミング技術のひとつ『リンクアグリゲーション』に対応しており、デュアルLAN構成が可能。
ゲーマー以外だと、「デュアルLAN?何に使うの?」と思いそうだが、この機能をプッシュしたいのは別にゲーマーだけではない。
というのも、同社のNASを含め、多くのネットワークストレージ系というのはLANポートが2つ搭載されている。そう、NASとNighthawk RAX120をリンクアグリゲーションでデュアルLAN構成にするのだ、
デザイナーやカメラが趣味の人だと、NASを利用しているユーザーも多いと思われるが、「NASのアクセスが安定しないし遅いなぁ」と思っているなら、ぜひNighthawk RAX120のリンクアグリゲーションでデュアルLANにしてみてほしい。
1G/2.5G/5GbEポート
Nighthawk RAX120には、5GbEに対応したポートがあり、こちらはWANとしてもLANとしても使える嬉しい仕様。
WAN・LANのコンボポートなので、「うちの光回線、最大1Gbpsだし…」という人ならLANとして使ってほしい。そうすれば、5GbEに対応しているデバイス同士のローカル通信が高速化でき、しかもせっかくの5GbEポートも無駄にはならないというわけ。
『Nighthawk RAX120』のココがすき
設定画面:初心者にも上級者にも分かりやすい
そのハイエンドなスペックばかり目が行きがちなNighthawk RAX120だが、設定画面が非常に使いやすいという面も高評価。
この手のハイエンドルーターは多機能ゆえに、設定画面は複雑で分かりづらいという懸念が出てくる。
ただ、このNighthawk RAX120では、『基本』と『高度』という2つの入口をそもそも別で設けている。なので、細かく設定変更したいユーザーだけが『高度』から使いたい機能を使う、という非常に理にかなった設定手法を用いていると思えた。これなら、特にこだわった設定をしない人は『基本』だけ使えばいいことになるわけだ。
実際に使うと分かるんだけど、とにかく設定できる項目数が凄い多いんだよー!
『Nighthawk RAX120』のココがうーん
IPv6 + IPv4 over IPv6には非対応
PRとして受けたレビュー記事ではあるが、ハッキリ言って機能的にケチのつけようがないスペックだと感じる。とはいえ、唯一残念なポイントが存在している。
それが、IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6に対応していないこと、つまり『v6プラス』に対応していないというわけ。ほかのIPv6技術には対応しているので、NETGEARにはアップデートにて、v6プラスも対応してほしいと切に願うばかり。v6プラスに対応すれば、このルーターの評価がもっと上がったに違いない。
回線速度計測結果
Nighthawk RAX120 | Wi-Fi 5対応ルーター | |
上り速度 | 250Mbps | 141Mbps |
下り速度 | 210Mbps | 181Mbps |
回線速度比較表。
Wi-Fi 6対応の当機(Nighthawk RAX120)と、Wi-Fi 5対応の他のルーターの回線速度を比較してみました。
なお、計測にはWi-Fi 6対応のiPhone 11 Proを使用。回線はビッグローブ光で、別途v6プラスに対応する有線LANルーターを接続しています。
回線速度というのは時間帯や地域差が非常に出るので、数値自体は参考値として見てほしい。ただ、Wi-Fi 6対応のNighthawk RAX120の速さは伝わったはず。
補足
Nighthawkシリーズ一覧
NETGEARのNighthawkには、ラインナップが複数存在しているので、最後にそれらを紹介してレビューを締めたいと思う。
Nighthawk RAX200:プレミアムモデル
Nighthawk RAX200は、Nighthawkシリーズの最上位に属するモデル。
Nighthawk RAX120:ハイパフォーマンスモデル
Nighthawk RAX120は、リンクアグリゲーションや5GbE対応モデル。本レビュー記事では、こちらをレビューしています。
Nighthawk RAX80:ミドルレンジモデル
Nighthawk RAX80は、普及価格帯のミドルレンジモデル。リンクアグリゲーションや5GbEポートが不要ならこちらでもOK。
Nighthawk RAX40:エントリーモデル
Nighthawk RAX40は、Nighthawkシリーズの中でも安価なエントリーモデル。こちらもWi-Fi 6対応なので、エントリーといえども過不足ナシ。
まとめ「無線も有線も“ギガ盛り”な貪欲Wi-Fiルーター」
Nighthawk RAX120のレビューを総括すると、
- Wi-Fi 6対応で無線LANが超高速
- 5GbE・リンクアグリゲーション対応で有線LANも超高速
- 設定項目数が多くて自分好みにカスタム可能
という感じです。うーん、欲張りルーターって感じ!
ゲーミングルーターを探している人だけでなく、SOHOでNASや小型サーバーを持っているユーザーにもおすすめしたいギガ盛りルーターでした。
これよりハイエンドなRAX200って、どんなスペックをしてるんだろう…!?
おまけ
あとはv6プラス対応だけやね。
そこさえ対応すれば、完璧に近いスペックって感じですなー!
ほかのIPv6には対応していますし、アップデートに期待したいところですわね。
NETGEARさまっ!v6プラス対応オナシャス!!
おわり
LAN機能が超強力だから、ゲーマーもだけどNASで写真管理してるデザイナーにもおすすめしたいっ!