この記事はSUNVALLEY JAPAN様よりレビュー用サンプルを頂いて記事を書いております。
- 小型で2ポート搭載でPPSとQC両対応の欲張りUSB PD充電器!
- 30Wという最大出力は落ち運びに便利なベストな電力供給量だ!
- USB PDからQCやSamsung AFCが内包されてるのが気になるかも!
貴重なPPS対応充電器。
最大30W出力のUSB PD充電器、RAVPower『RP-PC144』をレビュー。PPS対応でUSBが合計2ポート仕様って…結構珍しい気がするぞ!
でも、今回のRP-PC144は2ポート構成…と。
たかが1ポート、されど1ポート、やね!
目次
本日のレビュー:RP-PC144
RP-PC144ってなに?
Programmable Power Supply(PPS)に対応した、最大30W出力のUSB PD充電器。USBポートを2基搭載。
- 小型だが2ポート搭載
- USB PD PPS対応
- Quick Charge対応
- 使いやすいサイズ感
- QC出力があるUSB-C
- 2ポート利用時のPDO
RAVPower PD Pioneer 30W 2-Port Wall Charger | ||
---|---|---|
型番 | RP-PC144 | |
メーカー | RAVPower | |
合計最大出力 | 30W | |
インターフェース | USB Type-A ×1 USB Type-C ×1 |
|
急速充電 | USB-A | Quick Charge 3.0 |
USB-C | USB PD 3.0 | |
USB-A出力 | Quick Charge | 5V・3A 9V・2A 12V・1.5A |
USB-C出力 | USB PD (PDO) |
5V・3A 9V・2A 9V・2.22A 9V・2.77A 15V・2A |
USB PD (PPS) |
3.3V–11V・3A | |
サイズ | 49×49×29mm | |
質量 | 80g | |
備考 | iSmart対応 PPS対応 |
RP-PC144のスペック
PPSとQuick Chargeのどっちも対応している点がまーるっ!
…Galaxy等のAndroidスマートフォンを使っているならアリな選択肢って感じだねー!
デザインビュー
本体:30W出力でベストなサイズ感
サイズ | 49×49×29mm |
質量 | 80g |
RP-PC144のサイズと質量
RP-PC144のサイズは 49×49×29mm で、重さは80g。
サイズ感としては、30W出力でUSBポートが2つ搭載されていることを考えれば、やや小ぶりな印象。質量感に関しては、窒化ガリウムパワー半導体を採用していないからか、劇的に軽量…という感じはありません。
■インターフェース
▼前面
- LEDインジケーター
- USB Type-C ×1
- USB Type-A ×1
▼後面
- ACプラグ
本体前面には、通電を通知するLEDインジケーター、USB PDに対応したUSB Type-Cが1ポート、iSmart(Quick Charge)に対応したUSB Type-Aが1ポート、をそれぞれ搭載。
比較的小型なサイズではあるが、USBポートはAとCで合計2ポートをしっかりと搭載。なお、USB Type-Cポートは『USB PD 3.0』に対応しており、かつ『Programmable Power Supply(PPS)』というダイレクトチャージにも対応しています。さらに、USB Type-AポートはRAVPower独自の『iSmart』対応で、Quick ChargeやApple 2.4A等に対応しています。
本体後面には、スイングプラグ方式のACプラグを搭載。
本体下面には、USBの仕様や各種認証関係が記載されています。
当然、PSEマークは認証済。USB PD充電器では頻繁に見かけることの多い、TÜV Rheinlandマークもありました。
おなじみ“RAVPOWER”のロゴタイプは、本体の左面にのみデボス加工で搭載。凄くどうでもいいことですが、RAVPowerの充電器でロゴがプリントではなく、デボス加工になっているのは結構珍しいイメージがします。
本当にどうでもいいことやね……。
USBポート
USB Type-A | USB Type-C | |
合計最大出力 | 30W | |
最大出力 | 18W | 30W |
ポート数 | 1 | 1 |
RP-PC144のUSBポート数・最大出力
RP-PC144に搭載されている、USBポート各種の仕様については上表のとおり。
合計最大出力は30W。USB Type-Aの最大出力は18W。USB Type-Cの最大出力は30W。複数のUSBポートを同時利用すると、各USBポートの最大出力が変化する仕様になっています。複数のUSBポート利用時の挙動については、本レビュー記事の最後に補足としてまとめております。
付属品:おなじみのカード
■付属品一覧
- 取扱説明書
RP-PC144の付属品は、取扱説明書のみ。もちろん、RAVPowerおなじみのカードもあります。
取扱説明書を見ると、『RP-PC144』は型番であって、『RAVPower PD Pioneer 30W 2-Port Wall Charger』が製品名になるようです。
測ってみた
USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
テスターで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(RP-PC144)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、RP-PC144で接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・2A 9V・2.22A 9V・2.77A 15V・2A |
RP-PC144のPDO
RP-PC144のPDOは上表のとおり。USB PDのRevisionは『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは本体裏面に記載されているものと差異はありませんでした。また、5V出力時にはしっかりと3A出力されていることも確認できました。
まずは、おけまるであーるっ!
PPS
Revision | Power Delivery 3.0 |
PPS | 3.3V–11V・3A |
RP-PC144のPPS
RP-PC144のPPSは上表のとおり。
メーカー公式サイト(米国サイト含む)や取扱説明書には詳しく記載されていなかったのですが、RP-PC144のPPSは11Vまで昇圧するようです。PPSの最小電圧は3.3Aとなっており、PPSの電圧範囲内との結果でした。
USB PD PPS 9V Prog…かなー!?
なに…それ……!?
急速充電規格
USB Type-Aポートは、iSmartに対応しています。
テスターで測定したところ、独自急速充電規格は『Apple 2.4A』・『Quick Charge 3.0』・『Samsung AFC』・『HUAWEI FCP』の合計4つが検出されました。
USB Type-Cポートは、USB PD 3.0対応。
テスターで測定したところ、独自急速充電規格は『Apple 2.4A』・『Quick Charge 3.0』・『Samsung AFC』・『HUAWEI FCP』の合計4つが検出されました。
USB PDからQuick Chargeが出力される系なのね……。
この規格違反を許容できるかですわね。
使ってみた
小型でUSB 2ポート構成は便利
USB PD充電器界隈もかなり熟れてきて、規格最大値の100W出力対応のものや、パワー半導体にGaNを採用したコンパクトモデルまで登場。まさにバリエーションが充電器とは思えないほどに豊富になった。
今回のRP-PC144は、合計最大出力30WとUSB PD充電器の中ではとりわけ高出力というほどでもない。パワー半導体にGaNを採用したという触れ込みもないので、おそらくは普通のSiだろう。
…では、RP-PC144がダメなのかと聞かれたらそんなことはない。飛び抜けた出力やテクノロジーこそないもの、30W出力で2ポートのUSB、そしてこのサイズ感。このすべてがちょうどいい感じだったりするのです。
PPSとQuick Chargeの両対応
このRP-PC144を勝手に“スマホに合う充電器”と思っているのですが、その理由が『PPS』と『Quick Charge』と『Apple 2.4A』にまるっと対応しているため。
Androidスマートフォンは独自の急速充電規格として、Quick Chargeを採用していることが多い。Samsung Galaxyなら、それに加えて、USB PDの拡張機能であるProgrammable Power Supply(PPS)にも対応していたりする。
今回のRP-PC144は、そのどちらにも対応。この網羅的な感じが大変好ましいわけなのです。これなら、対応の充電器をその都度、別途用意する必要も格段に減るでしょう。
また、iPhone向けの急速充電規格Apple 2.4Aにも対応しており、Androidユーザーだけでなく、iPhoneユーザーへの配慮も抜かりなし。
最近では、すべてUSB PDで賄ってしまうことも多くなりましたが、まだまだQuick Chargeの採用例は多く、USB PD充電器側が対応していると便利だったりします。
30Wというジャスト出力
同じくRAVPowerからは、もっと高出力なUSB PD充電器がリリースされているが、意外とRP-PC144の最大30W出力というのが一番便利だと感じています。
USB PD充電器は大は小を兼ねるものなので、高出力に越したことはありません。ただ、そうなると必然的に充電器はデカ重に……。もちろん、窒化ガリウムパワー半導体を採用すれば幾分かはコンパクトになるのですが、それでも物理的な大きさは感じてしまうところ。
そう考えていくと、この30W出力というのは結構ちょうどいい感じ。MacBook AirやMacBook Pro 13インチぐらいなら充電できるので、これらを使っているなら出力に不満は出てきませんし、大きすぎないので可搬性も良好。低消費電力のモバイルラップトップを使っているなら、RP-PC144のような30W前後がジャスト出力と言えるかもしれません。
USB PDにQC内包は賛否両論
ちょっと気になる点としては、USB PDからその他の独自急速充電規格が出力されてしまっているところ。これは人によっては解せぬ…と思ってしまうかも。
正直、USB PDと急速充電規格の兼ね合いについては、ユーザーがどこまで許容できるかに懸かっているでしょう。確かに、本来なら規格違反になるのですが、これでどこまで実害があるかと言われると難しいところですし、逆にQuick Charge等が出ていることを便利と思う人だっているかもしれません。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
RP-PC144は前述のとおり、同時利用するポート数に応じて最大出力が異なってきます。メーカーサイトには特に出力の制限について記載がなかったので、利用パターン別に分けて各USBポートの最大出力を調べてみました。
利用ポート | ||
USB Type-A | USB Type-C | |
最大出力 | 18W | 30W |
1ポート利用時の最大出力
利用ポート | |
USB Type-A + USB Type-C |
|
最大出力 | USB-A:18W USB-C:22W |
2ポート利用時の最大出力
まとめ「スマホ時代にジャストなUSB PD充電器」
そういうわけで、今回のRAVPower『RP-PC144』のレビューを総括すると…
- 珍しいUSB PD PPS対応充電器
- Quick Charge・Apple 2.4Aを網羅
- 30W出力でUSB 2ポート構成がちょうどいい
- USB PDにQuick Charge内包なのは賛否両論
という感じ。
USB PDにQuick Charge等の独自急速充電規格が入ってしまっている点が、人によっては気になってしまうかもしれません。ただ、それ以外の欠点要素は少ない印象。PPS対応でUSBが2ポートある充電器は珍しいので、そこはストロングポイントでしょう。
PPS、Quick Charge、Apple 2.4A、Samsung AFC、HUAWEI FCP…とスマートフォンで使いそうな急速充電規格は網羅されているので、スマホ時代に向いたUSB PD充電器と言えるかもしれません。
USB PDの仕様に厳格にならないなら、遊べる感じのUSB PD充電器って感じであーる!
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おまけ
あとはデバイス側のPPS対応が増えるのを待つだけっ!
有名な採用例がGalaxyシリーズぐらいですものね。
PPSの仕様は良く出来てるから、もっと普及してもよさそうやのにね。
おわり
PPS対応のUSB PD充電器って、1ポート構成が多いんだよねー。