- USB PD充電器 + モバイルバッテリー が帰ってきた!
- コンセント直挿しで大容量のハイブリッドモバブーは便利!
- パススルー充電対応でARM時代の今ならこれだけで過ごせる!
ハイブリッドタイプが超絶強化!
モバイルバッテリー兼USB PD充電器、Anker『Anker PowerCore Fusion 10000』をレビュー。PowerCore III Fusion 5000から、最大出力・搭載バッテリーが大幅強化したぞ!


使い勝手が向上しましたわね。

発売中止から復活したんやね!
目次
本日のレビュー:Anker PowerCore Fusion 10000
Anker PowerCore Fusion 10000ってなに?
USB PD充電器としても利用可能なハイブリッド型モバイルバッテリー。2019年発売予定だったものが、2021年になって復活した!
- 大容量なハイブリッド型
- パススルー充電対応
- 低電流モード対応
- USB-Cから充電不可
- 同時利用で最大出力低下
- 相変わらずのPowerIQ
Anker PowerCore Fusion 10000 | ||
---|---|---|
型番 | A1623113 | |
メーカー | Anker | |
バッテリー容量 | 9,700mAh | |
最大出力 | 合計 | 20W |
各ポート | USB Type-A:12W USB Type-C:20W |
|
インターフェース | USB Type-A ×1 USB Type-C ×1 |
|
USB-A出力 | Apple 2.4A | 5V・2.4A |
USB-C出力 | USB PD | 5V・3A 9V・2.22A |
急速充電 | USB-A | Apple 2.4A |
USB-C | USB PD 3.0 | |
サイズ | 82×82×35mm | |
質量 | 278g | |
備考 | PowerIQ対応 パススルー充電対応 低電流モード搭載 |
Anker PowerCore Fusion 10000のスペック

知る人ぞ知る“待ちに待った”ハイブリッド型モバイルバッテリーちゃんっ!
…改善点はまだあるけど、ひとまずの到達点でベストバイなのであーる。
デザインビュー
本体:意外と小さくて意外と重たい
■インターフェース
- USB Type-C ×1
- USB Type-A ×1
Anker PowerCore Fusion 10000のサイズは 82×82×35mm で、重さは278g。USB PD充電器ではあるが、9,700mAhのバッテリーを搭載しているので、質量としては結構なヘビーさ。
本体前面には、USB Type-Aが1ポート、USB Type-Cが1ポート、という合計2つのUSBポートを搭載。なお、搭載されているUSB Type-CポートはUSB PD 3.0対応ですが、こちらは電源出力専用となっており電源入力は不可。

弟分のAnker PowerCore III Fusion 5000が176gだから、約1.5倍ぐらい重たくなってますなー。
■インターフェース
- ACプラグ
本体後面には、Anker PowerCore Fusion 10000に搭載されたバッテリーを充電するためのACプラグが搭載されています。前述のとおり、USB Type-Cポートは出力専用なので、利用する際にはかならずACコンセントに挿す必要があります。
■インターフェース
- 電源ボタン(LEDインジケーター内蔵)
本体左面には、モバイルバッテリーとして利用する際に使う電源ボタンを搭載。この電源ボタンに8連のLEDインジケーターが内蔵されており、電源オンと同時にバッテリー残量を確認することができます。
なお、電源ボタンを2回連続押下すると『低電流モード』という、電流を1.5Aまで下げた充電モードに切り替わります。低電流モード利用時は、LEDインジケーターの一番上が緑色に点灯するので、現在どのモードで使っているのかがひと目で分かるようにできています。
本体右面は特に何もありません。“ANKER”のロゴタイプは左面のみ。
本体上面も何もありません。ちなみに公式画像では金属っぽく見えますが、普通のプラ樹脂でできています。
本体下面には、おなじみの認証関係やUSBの仕様関係がつらつらと。当然PESマークも2種類プリントされています。TÜV Rheinland認証もバッチリです。
USB Type-A | USB Type-C | |
合計最大出力 | 20W(1ポート利用時) 15W(2ポート利用時) |
|
最大出力 | 12W | 20W |
ポート数 | 1 | 1 |
Anker PowerCore Fusion 10000のUSBポート数・最大出力
Anker PowerCore Fusion 10000に搭載されている、USBポートの仕様については上表のとおり。なお、USB充電器モード・モバイルバッテリーモード、どちらで利用しても同じ出力仕様になっています。
合計最大出力は、1ポート(USB Type-C単体)の場合は20W、2ポート(USB Type-C + USB Type-A)の場合は15W。USBポートごとで見ると、USB Type-Aは最大12W、USB Type-Cは最大20W。複数ポート利用時に最大出力が下がる変則仕様なので注意。詳しくは本稿後半の補足にてまとめて検証しています。

うーむ、相変わらずのややこしさであーる。ややこしやー。
付属品:ポーチはメッシュでケーブル付属
■付属品一覧
- USB Type-A to USB Type-Cケーブル
- トラベルポーチ
- 取扱説明書
Anker PowerCore Fusion 10000の付属品は、USBケーブル(USB Type-A to USB Type-C)、キャリングポーチ、取扱説明書、という3つ。
弟分のAnker PowerCore III Fusion 5000とは異なり、こちらにはUSBケーブルが付属しているのが嬉しいところ。その代わりか、キャリングポーチがメッシュタイプ(Fusion 5000はスウェード風素材)のチープなものに変わっています。

まぁ、キャリングポーチの素材はどうでもいいんだけどねー。

「チープ」とか言ってるくせに……。
ベンチマーク

USB PD充電器の選び方については、こちらの記事からどぞー。
Vbus Hot
チェッカーで確認したところ、シンク(デバイス)未接続時にはソース(Anker PowerCore Fusion 10000)から電圧がかかっていないことが確認できました。なので、こちらはVbus Hotではありませんでした。
Bridged CCs
USB-IF認証済のeMarkerチップ搭載の5Aケーブル(Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1 (Gen2) ケーブル)を接続したところ、Anker PowerCore Fusion 10000で接続が検出され、充電が開始されていました。
PDO
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・3A 9V・2.22A |
Anker PowerCore Fusion 10000のPDO
Anker PowerCore Fusion 10000に搭載されている、USB Type-CポートのUSB PDのRevisionは、公称どおり『Power Delivery 3.0』でした。
テスターで測定したところ、出力されたPDOは上表のとおりで、スペックシートに記載されているものと差異はありませんでした。ちゃんと、5V出力時に3Aで出力されています。

PDOは問題ナシ!おけおー!!
急速充電規格
USB Type-Cポート(USB PD)は、PowerIQ 3.0(Gen2)に対応しています。
テスターで測定したところ、独自急速充電規格(Apple 2.4A・Quick Charge 3.0・Samsung AFC・HUAWEI FCP)が検出されました。
USB Type-Aポートは、PowerIQ 1.0対応。
テスターで測定したところ、独自急速充電規格(Apple 2.4A)が検出されました。

PowerIQ対応の時点でお察しだけど、華麗に規格違反してますなー。
使ってみた
ハイブリッド型は便利で有能

すでに発売されているAnker PowerCore III Fusion 5000で、ハイブリッド型のモバイルバッテリーの利便性は体感していたのですが、そこからパワーアップしたAnker PowerCore Fusion 10000はさらに便利で有能。

一家に一台…じゃなくて、一人に一台は持っておくべしべしっ!

USB PD充電器としても使えるので、要求電力の低いMacBook Airぐらいなら、これ1つで1日フル稼働も可能。人によっては、このハイブリッド感が逆に中途半端に見えてしまうかもですが、省電力なARM系CPUをメインで使っているユーザー的にはこれが最適解かも。
20W出力はMagSafe充電器に合う

USB PDの最大出力が、Anker PowerCore III Fusion 5000では最大18Wだったのですが、今回のAnker PowerCore Fusion 10000では最大20Wに強化。たかが“2W”の強化ですが、これが地味に効いてくるのが『MagSafe充電器』の存在。

iPhone 12シリーズで使えるMagSafe充電器は、Appleが公式で20W以上のUSB PD充電器を推奨しています。それ以下のW数だと充電が遅くなる仕組み。そう、Anker PowerCore Fusion 10000は、ギリギリセーフでフル出力で利用できるわけ。個人的には、MagSafe充電器を使ってくださいと言わんばかりのパワーアップだと思ってます。

2Wの強化が大幅な強化になったのであった…おわりっ!

勝手に終わらすなーー!!
安心の約10,000mAhバッテリー

この手のハイブリッド型モバイルバッテリーは容量が少ないものが多く、どうしてもヘビーユーザー的には物足りなさがあった。でも、Anker PowerCore Fusion 10000は9,700mAhという容量のバッテリーを搭載。これならバッチリ。

スマートフォンやタブレットをメインで使っているなら、このバッテリー容量は余るレベル。ノートパソコンをメインで使うユーザーでも、これなら緊急時の予備バッテリーとして十二分に働いてくれる。大型ノートパソコンだとUSB PDの最大出力がボトルネックになるが、Intel Core Y系やIntel Core LxxG系を搭載した薄型ノートパソコンなら、これで事足りるはず。

ノートパソコンの低消費電力化もありますし、普段使いには十分な容量ですわね。
パススルー充電には要注意

Anker公式サイトでは記載がなかったのですが、Anker PowerCore Fusion 10000は『パススルー充電』に対応していました。なので、デバイスを充電しながら、本機も充電可能。
ただ、パススルー先の充電が完全に終了するまでは本機のバッテリーは充電されない仕様なので注意。充電先のデバイスが満充電になったタイミングで、モバイルバッテリー側の充電に切り替わって行われる仕組みになっています。要するに、Anker PowerCore III Fusion 5000と一緒。

デバイス充電開始 → デバイス満充電 → モバイルバッテリー充電開始
…というフローで、パススルー充電が行われているわけです。
要するに、Anker PowerCore Fusion 10000のパススルー充電についてまとめると、同時充電は非対応、ただし追っかけ充電は対応、ということになります。
USB PD 20W出力は単ポート時限定

USB Type-C(USB PD)で最大20W出力なのはいいけれど、それは単独利用時のみ。AとCの両方のUSBポートを使ってしまうと、USB PDの最大出力が下がってしまう点が残念かつ注意だったりします。

USB PDを使って急速充電がしたい場合は、USB Type-Aポートは極力使わないようにするのがベター。このあたりは充電するデバイスによりけりですが、少なくともUSB Type-Cポートを使ってノートパソコンを充電したい場合は、単独ポート利用で使いましょう。
補足
複数USBポート利用時の電力供給量
Anker PowerCore Fusion 10000は前述のとおり、同時利用するポート数に応じて最大出力が異なってきます。メーカー公式サイトでも記載されていますが、より深く仕様を知るために、利用パターン別に分けて各USBポートの最大出力を以下の表にまとめてみました。利用時や購入時の参考にどうぞ。
利用ポート | ||
USB Type-A | USB Type-C | |
最大出力 | 12W | 20W |
1ポート利用時の最大出力
利用ポート | |
USB Type-A + USB Type-C |
|
最大出力 | USB-A:7.5W USB-C:7.5W |
2ポート利用時の最大出力
低電流モードのUSB PD仕様
Revision | Power Delivery 3.0 |
PDO | 5V・1.5A |
低電流モード時のPDO
通常時 | 低電流モード |
Apple 2.4A Quick Charge 3.0 Samsung AFC HUAWEI FCP |
Apple 2.4A |
低電流モード時に出力される独自急速充電規格
Anker PowerCore Fusion 10000に搭載されている『低電流モード』を利用した場合、上表のようなPDOと独自急速充電規格に、テスターで計測した結果なりました。

低電流モードにすると、急速充電規格の出力が変化する謎仕様あーる。

単に電流を落としてるのではなく、プロトコルのようなものを変えている可能性が高いですわね。
まとめ「最強の1歩手前なハイブリッド型モバブー」

そういうわけで、今回のAnker『Anker PowerCore Fusion 10000』のレビューを総括すると…
- 2年越しの復活を果たしたハイブリッドモバブー
- 容量も約10,000mAhになり申し分なし
- USB PDが20W出力なのでMagSafe充電器に最適
- パススルー充電は追っかけ充電のみ対応
- 複数ポート利用時は最大出力が下がるのがネック
という感じ。
相変わらずのPowerIQの「USB-IFなんて知らないぜ!」…というスタンスは、もはや気にしたら負け。PDO自体は規格違反をしているわけではないので、極端にそこにこだわらないのであれば、このハイブリッド型モバイルバッテリーはおすすめ。
あとは、より高出力になってくれるともっと使いやすくなるので、そちらをもうちょっと改善してほしいところ。とはいえ、全体の完成度は高いですし、1つ持っておいて損はないでしょう。

ARM時代の新定番モバイルバッテリーちゃん…になるかなー!?
おまけ

残るは『Anker PowerCore Fusion Power Delivery Battery and Charger』を買わないと、であーる。

Apple Store専売のモバイルバッテリーですわね?

そうっ!これは出力が高いんだよー。1万円超えるけど!!

お値段も高いんやね……。
おわり
…ねっ!!