- Microsoftのブラウザーを時系列でおさらい!
- IEモードの仕様についての疑問を考えた!
- IEとEdgeは似て非なるもの!
Edgeは…どうなる?
ついにGoogle Chrome化が始まった『Microsoft Edge』。先日の発表でIE互換モードが搭載されたわけですが…搭載の理由と疑問、そしてこれからのMicrosoftを考えてみます。
まさか、旧王者のMicrosoftがこんな感じになるとはやんね。
うむぅ…。
とりあえず、Microsoftとブラウザーについて考えてみるぞー!
目次
Microsoftとブラウザー戦争
本題に入る前に、今回の主役であるMicrosoftのブラウザー(ブラウザ)について話していきます。
今から『HTMLレンダリングエンジン』って言葉が何度か登場するけど、これはプログラミング言語を人間が分かるような形で表示変換してくれるものだよー!今見ているこの画面もレンダリングがされた後だねっ!
今回の主役、HTMLレンダリングエンジンによって、HTMLとCSSという2つの言語が私たちに分かるように表示されるのです。ちなみにこの2つ、実はプログラミング言語ではありません。HTMLはマークアップ言語で、CSSはスタイルシート言語なのです。ですなの。
これ以上は横道に逸れてしまうので、詳しくは『作りながら学ぶ HTML/CSSデザインの教科書』という書籍を参考にしてみてください。
【第1章】『Internet Explorer』誕生
Microsoftの現行のブラウザーは『Microsoft Edge』ですが、以前はおなじみ『Internet Explorer』でした。おそらく『IE』という名称で呼んでいる人が多いはず。
Internet ExplorerのHTMLレンダリングエンジンは、『Trident』だよー!
そんなIEですが、誕生したのは1995年。当時は『Internet Explorer 1』というバージョン名で、Windows 95に同梱されていました。
IEが登場するまでは、ブラウザーは“有料”というのが当たり前でした。当時はネットも発達していなかったので、ブラウザーは別売りのひとつの組込みソフトウェアという感覚に近かったのかもしれません。
懐かしのNetscape Navigator。
この時代のブラウザーといえば、『Netscape Navigator』(通称、ネスケ)だったよねー。
懐かしい…。って、まだ生まれたばかりですけどね。
要するに、20世紀は有料だったNetscape Navigatorから、大企業がゴリゴリに無料で出したInternet Explorerに置き換わって、ブラウザー戦争のMicrosoft一強の長期政権に入ったのでした…。おしまい。
いやいや、終わってどうするんよ?
【第2章】『Microsoft Edge』誕生
そんな長きに渡る絶対王者だったInternet Explorerですが、2010年代に入ると様相が激変。このあたりで、現王者『Google Chrome』が一気にシェアを伸ばします。
Google Chromeは、アドオン(拡張機能)も豊富だし、何よりHTMLレンダリングエンジンが『Webkit』(現在はBlink)なのが開発側からウケたよねー!
そうなのですよね。
IEはデベロッパー泣かせというか、IEだけ特殊な記述をしたりしてあげる必要が多いですからね。Web系のお仕事な方は、忌み嫌ってる感じもあったりしましたわね…。
ユーザーと開発側の両側面から支持を受けたGoogle Chromeが、一気にシェアを伸ばし、それまでIE一色だった構図を大きく塗り替えます。まさに大逆転。
それを意識してか、MicrosoftもWindows 10になり、ブラウザーをそれまでのIEを廃止して、『Microsoft Edge』を採用。これで一気に大逆転…とは行きませんでした。
Microsoft EdgeのHTMLレンダリングエンジンは、『EdgeHTML』だよー!
【第3章】EdgeのGoogle Chrome化
ここまでは過去の話で、ここからが現在〜未来の話。
ずっと独自のHTMLレンダリングエンジンを貫いてきたMicrosoftでしたが、2018年12月にMicrosoft Edgeで使われているHTMLレンダリングエンジンを変更することを発表。これまでのEdgeHTMLから、Google Chromeのベースになっている『Chromium』を採用することになりました。いわゆる、Microsoft EdgeのGoogle Chrome化です。
これは発表当時、大きなニュースになったやんね。
そして、2019年5月のMicrosoft開発者会議Build 2019で、新たにMicrosoft Edgeの新機能を発表しました。
ここで発表されたのが、
- Internet Explorer modeの追加
- macOS版のMicrosoft Edge
だったのであーるっ!
macOS版が出たということは、ついにMicrosoft EdgeがChromiumベース(Blink)になるということです。おそらく次のバージョンからは、”Google Chromeの皮を被った”Microsoft Edgeになるでしょう。
Internet Explorer modeについて
こんな感じでGoogle Chrome化したMicrosoft Edgeですが、なんと『Internet Explorer mode』(以下、IEモード)が追加されることが分かりました。ここを少し掘り下げてみます。
IEモードを搭載した理由
注釈:Microsoft公式のMicrosoft Edge新機能についての動画。
なぜ今さら、レガシーなInternet Explorerの“残骸”を搭載したのでしょうか。その理由を考えてみました。
IEモードを搭載した理由の推測
- IEでしか動かないものへの救済措置。
- Microsoftの未練。
2つめの理由はネタですが、おそらくは未だにIEでしか動かないソリューションへの救済措置でしょう。ある意味では、Microsoftが残してくれた企業への猶予。そして、最大の下位互換措置ということ。
全然、Microsoftの未練なわけないですね…。
IEモードへの疑問
このIEモード搭載で疑問に思ったことも同時にありました。
このIEモードって…
- HTMLレンダリングエンジンはどれか
- ActiveXのサポートはあるか
が気になるんだよねー。
IEモードに搭載されるHTMLレンダリングが、TridentなのかEdge HTMLなのか、そこが気になってしまいます。ひょっとすると、IE Tab(他のブラウザーでIEのレンダリングエンジンを利用できる拡張機能)を使っているのかも…。
それとMicrosoft EdgeではサポートしなくなったActiveXをサポートしているのかも気になります。ただ、Microsoft公式ブログで、脆弱性によりサポートしない旨が書かれているので、今さら互換性のために採用するとは到底考えにくかったりもしますが。
おそらく、公式の仕様書を見れば分かるのでしょうが…ね。
しばらくMacにどっぷりだったから、そろそろWindowsも触らないとだなー。
両方触らないと、片方についていけなくなりますよね。
クローズドなAppleとオープンなMicrosoft
最後にボーナストラック的に思ったことを1つだけ書いておきます。
最近のMicrosoftの動きを見ていると、どんどんオープンになっている気がします。Microsoft Officeのクロスプラットフォーム化、今回のMicrosoft EdgeのChromium化がそう。
対して、Appleはかなりのクローズド。ハードウェアもソフトウェアも自社開発という企業だからか、あまりクロスプラットフォーム化については消極的な印象。このへんは、Sonyと親しいイメージ。良く言えばブランディング、悪く言えばユーザーに不親切という感じがします。
どっちが良いとかじゃなくて、MicrosoftがGoogleっぽくなったというか、かなり柔軟になったなーって感じがするっ!
Windows 10ぐらいから、Microsoftに新しい風が吹いている感じがするやんね!
総評「IEとEdgeは似て非なるもの」
本記事でもそうですが、ついつい同じ会社の製品なので、一緒くたにしがちな『Internet Explorer』と『Microsoft Edge』ですが、意外と“似て非なるもの”な気がします。
IEのMicrosoft的ガチガチな感じが、EdgeではGoogle的な柔軟性という感じ。自社のオリジナリティーの追求というよりかは、ユーザーのエクスペリエンスに重きを置くようになったのかもしれません。
両方の良いとこ取りすれば、Edgeのシェアは伸びそうですよね。macOS版もリリースされますし。
Google Chromeはメモリ食いだから、個人的には省エネなブラウザーになってほしいなー。
Edgeらしさ、“尖る”要素も期待。
この記事で紹介したガジェット
おまけ
Google一強も不健全だし、Microsoftには頑張ってほしいところっ!
何事もバランスによる秩序の維持は必要ですものね。
Appleは突っ走ってるし、これからのMicrosoftにも注目やんね。
このタイミングのMicrosoftとかWindows 10が、一番面白くてワクワクする感じがするぞー!
おわり
ついに始まったわけですね。