ゲームボーイよ永遠に…。
つい先日、ポケモンが『Nintendo Switch』で登場することが明らかになりました。これにより、ポケモン=ゲームボーイ系の構図が崩れ、ついに”携帯ゲーム機の終焉”が始まりました。
考えていくと、任天堂は”先読み”が上手なのも見えてきますよ?
目次
携帯ゲーム機は死んだ?
最近、ゲーム好き同士での会話で「携帯ゲーム機は終わった」と、よく耳にします。果たして、本当に”終わった”のでしょうか。
ゲーム市場は上向き
実は、携帯ゲーム機が終焉を迎えたのではなく、ゲーム市場がそもそも終わっているという考えもあると思います。
しかし、上のデータ(市場調査会社Newzooのもの)のとおり、ゲーム市場というのは年々拡大をし続けています。その規模は、2020年には10兆円を超える勢いです。年率でいうと、年平均で11%ペースで規模が拡大しているとのこと。
つまり、ゲーム市場全体で見ると、市場規模は年々拡大しているということです。
携帯ゲーム機市場は縮小傾向
ところが、そんな元気の良いゲーム市場ですが、”携帯ゲーム機”に限って言えば、市場規模はかなり縮小傾向にあります。
こちらは、2016年のデータです。これによると、携帯ゲーム機は市場の”わずか2%”しかシェアがありません。
2015年で3%だった携帯ゲーム機のシェアは、2019年では1%にまで減少。おそらく、あと数年で携帯ゲーム機の概念は消滅すると思われます。
携帯ゲーム機市場の縮小理由
そんな縮小傾向…というか、消滅寸前の”携帯ゲーム機”ですが、どうしてそうなったのでしょうか。
大きく分けて理由は、
- スマートフォンの台頭。
- 海外での携帯ゲーム機の不人気。
があると思います。
理由1.スマートフォンの台頭
まず1つ目は、”スマートフォンの台頭”です。
今でこそ納得の理由ですが、iPhone 3G登場時すぐはここまでスマホゲームが社会的に普及するとは思いませんでした。
携帯ゲーム機を支えたユーザーは、もちろんコアゲーマー層もいるのですが、多くはライトゲーマー層だそうです。そのライトゲーマー層が、一気にスマホゲームに流れたことによって、携帯ゲーム機を使用する人が一気に減少しました。
今まで家庭用ゲーム機を支えたIP(ポケモンやドラクエなど)が、ここ数年でスマホゲームにまで進出してきたのが、携帯ゲーム機衰退を加速させているかも知れません。
理由2.海外での携帯ゲーム機の不人気
2つ目は、”海外での携帯ゲーム機の不人気”です。
スマホゲームが市場に台頭する以前から、欧米諸国では携帯ゲーム機は不人気でした。少なくとも、日本のような携帯ゲーム機至上主義はないようです。
SONYの例でいうと、『PS3』の販売数は日本で1,027万台で世界で8,690万台に対して、『PS Vita』の販売数は日本で564万台で世界1,600万台です。比率的にいうと、やはり携帯ゲーム機は家庭用ゲーム機に比べて世界では人気がない。
言い換えると、家庭用ゲーム機は日本市場に支えられているのかも知れません。
海外はコアゲーマー層が多いので、ひょっとするとそれが携帯ゲーム機の不人気と繋がっているのかも知れません。
携帯ゲーム機市場の縮小による影響
続いては、携帯ゲーム機市場が縮小することによって、どのような影響があるのかを考えていきます。
影響1.『PlayStation Vitaカード』の生産終了
これは『PS Vita』が売れていないというツッコミはナシにしてもらって、2019年3月で欧米で『PlayStation Vitaカード』、つまりゲームカセットの生産を終了することが正式にアナウンスされました。
日本では継続して生産はするものの、そもそものシェアも低いので、『PS Vita』自体が終わってしまう予感もします。
影響2.ポケモンの『Nintendo Switch』移行
そして、先日のエントリーでも紹介してように、ポケモンの新作が『ニンテンドー3DS』ではなく『Nintendo Switch』で発売されることが発表されました。
ポケモンといえば、任天堂の超絶キラーコンテンツ(IP)です。ゲームボーイ時代から十数年支えてきたポケモンが、携帯ゲーム機ではなく家庭用ゲーム機(Nintendo Switchがその分類に入るかは微妙ですが)でリリースされるのですから、これは任天堂の”大きな舵取り”でしょう。
モンハンを失ったPSP、ポケモンを失った3DS(こちらは自社ですが)、これは『ニンテンドー3DS』の後継機はナシという暗示かも知れません。
携帯ゲーム機の未来
こうなってしまった以上、時代の流れとして携帯ゲーム機は過去の遺物となっていくのは、もう確定的です。
任天堂の『Nintendo Switch』が、携帯ゲーム機の1つの未来を示していると思います。持ち運べる家庭用ゲーム機…もとい、ドッキングできる携帯ゲーム機ですからね。
スマホゲームがゲーム性皆無と言われたのも今や昔。スマホゲームのゲーム性向上で入力デバイスが欲しくなってきます。その答えが、MOTOROLAが出している『moto Z』かも知れません。
この『mozo Z』シリーズには、ゲーム専用コントローラーがあります。その名も『Moto ゲームパッド』です。『Moto Mods』という専用の規格ですが、これは1つのスマホゲームの操作性の悪さを払拭する”最適解”かも知れません。
総評:携帯ゲーム機は”死語”になる?
私は昔から、家庭用ゲーム機よりは『ゲームボーイ』のような携帯ゲーム機ばかりしていました。まさに日本人らしいですね。
携帯ゲーム機は日本市場で支えられてきた部分が多いですが、現状はこのとおりです。2013年のE3では、任天堂は携帯ゲーム機について強気の発言をしていました。この頃は『ニンテンドー3DS』のシェアは拡大傾向だったのです。しかし、5年で市場は様変わりしました。
携帯ゲーム機は終焉を迎えていますが、敢えてこう言いたい。
「遊び方にパテントは無いわけです」
だからこそ、スマホという異種のデバイスにゲームが普及したのかも知れません。
今のうちに3DSとVitaは確保…ですね!
おまけ
だからこそNintendo Switchに、サードパーティのソフトも増やして欲しいのですがね。
おわり
Source:Newzoo, Wikipedia, インサイド