- ダウンロード版のメリット・デメリットを考える!
- 最大のデメリットは売却できないこと…ではない!
- ダウンロード版ソフトの真の所有者は誰になるのか!
“サスティナブルなゲーム考”
ゲームソフト購入時に悩むのが、パッケージ版とダウンロード版のどちらにするか問題。本稿では、ダウンロード版のメリット・デメリットを踏まえつつ、リスクを最小化した“後悔しない心得”を考察します。
パッケージ版ですな!
ハードが故障しない限りプレイできるが大正義!!
ダウンロード版やね!
ゲーム機に複数のソフトを常時入れておけるわけやし!!
パッケージ版 vs ダウンロード版
ゲームソフトを購入するときに悩むのが、パッケージ版とダウンロード版のどちらを買うべきかということ。パッケージ版・ダウンロード版の宗教戦争、とでも言うべきでしょうか。
ねこちゃんは断然パッケージ版!
いや、ダウンロード版でしょ!
てか、『Cyberpunk 2077』をダウンロードして買ってたやん!
あれは『GOG.com』で買ってるからセーフ!!
何それ?その“例外を認める”的なやつは!!
…という感じで、揉めます。
そうは言っても、ダウンロード版しかないゲームソフト(インディーゲーム等)もかなり多く、そもそもパッケージ版という選択肢がないものも増えた。
また、PCゲームやダウンロードコンテンツそのものが一般層にまで普及してきたこともあり、時代の流れとともに、パッケージ版かダウンロード版かという論争自体、あまり耳にすることがなくなってきました。
しかしながら、家庭用ゲーム機では、まだパッケージ版という選択肢が多く残されています。だからこそ、選択肢があるソフト(= パッケージ版とダウンロード版の両方が販売されているソフト)の場合は、どうしようかと悩んだりするもの。どちらを買うかは人それぞれですが、世の中の流れ的にはダウンロード版が優勢になりつつある感もあり、そこもまた難しい。
そこで、ダウンロード版ゲームソフトの特性を知って、買ったことを後悔しない心得を身に付けよう、というわけなのです。
ダウンロード版のみのソフトもかなり増えたので、そろそろ本格的に考えないといけないのです。
ゲームボーイの時代とは違うもんねー。
ですね。
さすがに比較対象が古すぎる感じはしますが。
ダウンロード版のメリット・デメリット
まずは、ゲームソフトをダウンロード版で購入することによる、メリット・デメリットを整理していきます。非常に今さらな初歩の初歩ですが、念のためのおさらい。
- 物理的な省スペースの実現
- 発売日に即ダウンロード購入可能
- ソフトの読み込み不良の減少
- 起動時間の短縮
ダウンロード版ソフトのメリットはこんな感じ。
最大のメリットとなるのは、ゲームソフトの保管場所に困らないこと。そして、買いに行く手間がなく、欲しいと思ったタイミングで即購入できることでしょう。
ちなみに、“起動時間の短縮”の文字を薄くしているのは、最近のゲーム機ではパッケージ版(光学メディア版)であっても、ダウンロード版と同様に、ゲーム機本体へのインストール作業が行われるためです。
余談ですが、ダウンロード版であっても起動エラーは生じます(PlayStation Vitaで多発)。
- 中古ショップへの売却不可
- ゲームの貸し借りが困難
- サービス終了のリスク
ダウンロード版ソフトのデメリットはこんな感じ。
ダウンロード版のゲームソフトは、クリアしたソフトや面白くなかったソフトを中古ショップに売ることができない。…おそらく、これが一般的に言われる最大のデメリットでしょう。
当然、そのとおりなのですが、個人的に最大のデメリットだと思っているのはそこではなく、サービス提供側がサービス自体を終了してしまうこと、だったりします。
ダウンロード版のリスク
前述したように、ダウンロード版のゲームソフトというのは、サービス提供側(家庭用ゲーム機だと、任天堂やSIE)がサポートを終了してしまうと、そこで“詰む可能性がある”というリスクを含んでいます。
2022年2月16日、任天堂がニンテンドー3DSシリーズとWii Uにおける、『ニンテンドーeショップ』のサービス終了時期に関するアナウンスを行いました。
このアナウンスを要約すると、ニンテンドーeショップへの残高追加とダウンロード版ソフト等の購入を段階的に終了させていく、というものです。
このこと自体に関しては、責め立てるような点は一切ありません。いずれも生産終了済のゲーム機ですし、発売から約10年(ニンテンドー3DS:2011年|Wii U:2012年)が経過しているということを考慮すれば、むしろかなり手厚いサポートをやってくれたと思います。
しかし、ここで問題となってくるのが、購入済のダウンロード版ソフトの再ダウンロードについて。
購入済ソフトの再ダウンロードについてどうなっているのかを見てみると、「再ダウンロードは引き続き利用できるが、将来においてはこれらのサービスも終了する予定」となっています。つまり、今のところは終了しないけど、いつかは再ダウンロード自体もできなくなるというわけです。
今回は『ニンテンドー3DS』と『Wii U』についてのアナウンスでしたが、この問題は他ハードでも同様。同じ任天堂だと、すでに『Wii』でも同じアナウンスがされており、こちらも将来的には再ダウンロードできなくなることになっております。
ダウンロードコンテンツの宿命(DRM付きの音楽や電子書籍でも一緒)と言われればそうなのですが、ダウンロード版のゲームソフトにはこういうリスクがあるということは、心構えとして持っていても損はないでしょう。
ダウンロード版で後悔しない心得
「そういうリスクを含んでいるのなら、ダウンロード版は買わない!」
…と言いたくなるのですが、もはやそれは困難。
ダウンロード版でリリースされているゲームソフトが、もれなくパッケージ版でもリリースされているのであれば、パッケージ版を買えばよい理論になるのですが、現実にはダウンロード版しか存在しないソフトも数多存在しています。なので、ダウンロード版を避けるというのは、もはや無理でしょう。
とはいえ、サポート終了(再ダウンロード終了)のリスクを減らすこと、これはできなくはない。
クロスプラットフォーム対応のゲームソフトであれば、サポート期間が長そうなプラットフォームで購入する(例:PlayStation 4とSteamなら『Steam』で購入)。DRMフリー版を販売しているストア(GOG.com等)で購入する。
…などなど、こういうことをすることで、幾分かはリスクヘッジをすることができるでしょう。
DRMフリー版のゲームソフトならば、パッケージ版に近い感覚で扱えますな!
完全に一緒ではないですがね。
あとは、家庭用ゲーム機の枠から外れてしまいます…わ。
真の所有者は誰なのか?
パッケージ版ゲームソフトの所有者は、ユーザー自身。
では、ダウンロード版の所有者は、誰になるのでしょうか?
ダウンロード版であっても、ユーザーがお金を出して購入しているのだから、当然ながら所有者はユーザー自身。
ですが、前述のとおり、メーカー側が提供するサービスと紐付けされていることが大半です。なので、ダウンロード版のゲームソフトというは、完全に自由な存在ではありません(DRMフリーは除く)。
ですので、ゲームソフトのデータを所有しているのはユーザー自身ですが、実際の主導権を握っているのはサービス提供者サイド。少なくとも、個人的にはそう認識しています。
つまり、ゲームの真の所有者はユーザーではない、というわけです。
ダウンロードコンテンツの宿命ですな。
そうですわね。
まとめ「利便性と持続性の両立は困難」
ダウンロード版のゲームソフトが主流となった今、それを避けてパッケージ版のみ購入するというのは、もはや無理な話となってきました。
なので、ダウンロード版のデメリットを理解し、リスクを最小化するという方向性に持っていくのがベターでしょう。
DRMの是非にも関わってきそうな問題ですわね。
おまけ
ダウンロード版しかないソフトやコンテンツは、ちょっと大変やね。
…ポケモンよ!ポケモン!!
『ポケモンバンク』はどうなるんだっ!?
将来的にサービス無償化予定だそうです。
ただ、このタイミングで新規ダウンロード(ポケモンバンク・ポケムーバー)も終了するので、ダウンロードするならお早めに、といったところでしょうか。
うーん、初代と金銀のポケモンを移さないとやね。
そう考えると、必死に互換性を保とうとしてくれている任天堂とポケモンには頭が下がりますわ。
おわり
ちなみに、お二方はどちら派でして?