Appleが3月に行ったイベント『Let's take a field trip.』で、学生に限り『iCloud』の無料容量を”5GBから200GBに増量”することを発表しました。これにはAppleの”巧妙な仕掛け”が隠されてますね…。


単純にAppleが学生に対して”大盤振る舞い”をした訳じゃないのですか?

目次
学生は『iCloud』が200GB無料に

Appleが3月に行ったイベント『Let's take a field trip.』は、教育にフォーカスしたものでした。イベントでは、『Apple Pencil』に対応した新型『iPad』2018年モデルに、目が行った人も多いはずです。
そんな中、学生は『iCloud』が200GBまで無料で使えることを発表しました。


ただ、後述するのですが、この”学割『iCloud』”は学生なら誰でも使える訳ではなく、学校自体がAppleのサービスに加入していないと駄目なそうです。
なので、日本ではおそらく当分は関係ない模様。もしかすると、全く日本は関係ない可能性もありますね…。


おそらく、Appleは教育市場でGoogleに後塵を拝しているので、このイベント『Let's take a field trip.』を含めて、教育者向けにアピールと”囲い込み”をしたい野望があると思います。
ではこれから、この”Appleの野望”について書いていきます。

Appleの『iCloud』囲い込み3つの戦略

今回の学生が『iCloud』200GB無料になる発表を受けて感じたのは、Appleの『iCloud』を使った顧客の囲い込み戦略です。
この『iCloud』という”クラウドストレージ”を利用したことに、非常に”孔明の罠”を感じるので、この巧みな戦略を3点書いていきます。


ただのクラウドストレージやないの?

1.子供の頃から使わせる

まず1つ目の戦略は、”子供の頃からAppleのサービスを使わせる”ということです。
この『iCloud』はクラウドストレージの”サービス”であり、『iPhone』や『Mac』のような”プロダクト”ではありません。つまり、顧客(ここでは学生)が一過性でその瞬間だけApple製品を使う訳ではなく、サービスとして継続して利用してくれる可能性がある訳です。
そして、子供の頃から”当たり前のように”使わせて、生活に溶け込ませてしまえば、それはもうAppleの勝ち。その子供が大人になれば自分の子供に『iCloud』を使わせますし、友人にも広めるかも知れません。


2.大勢を一気に囲める

2つ目の戦略は、学校という市場にいる”顧客を一気に囲める”ということです。
前述の通り、この学生の『iCloud』200GB無料サービスは、学校がAppleのサービスに加入しないといけないもので、学生一個人が単体で加入できないサービスになっています。
つまり、その学校が加入さえしてくれれば、顧客をごっそり何百人単位で囲い込めるという訳です。学生時代は無料であっても、その子たちが社会人になれば”有料”ですし、立派な上得意様になります。


3.Apple製品から離れられなくなる

最後の戦略は、『iCloud』というサービスを使うと、”Apple製品から離れることができなくなる”ということです。
これは『iCloud』の”クラウドストレージ”という特質を上手に利用していると感じました。
この『iCloud』には、一般的なクラウドストレージでも利用される書類等のデータだけでなく、『iPhone』や『iPad』のバックアップデータも保存されます。
また、撮影した写真を共有する機能まで付いています。
この便利な『iCloud』を使ってしまうと、『iPhone』や『iPad』のバックアップをPCで行うことに不便を感じます。そして、そのまま有料プランに移行していく…そんな感じです。ほんとに商売上手ですねAppleさんは。



多分、GoogleもMicrosoftも黙って見てはいないだろうしね〜。
総評:クラウドストレージは辞められないっ!

今回の『iCloud』を含め、クラウドストレージと言われるサービスは多種多様にあります。有名なところでも、『Dropbox』や『Google Drive(まもなく『Backup and Sync』になりますが)』、『OneDrive』、『Box』等があります。


前は『Google Drive』も『OneDrive』も使っていたけど、同期の確実性と速度が段違いだからね〜!


でも、もしかすると200GBプランにするかも?やっぱ、バックアップ便利だからねー!

これらのクラウドストレージに共通していることは、”一度有料プランに加入すると辞められなくなる”という点です。
クラウドストレージはどれも無料プランだと数GB程度です。それが有料プランになると数TBになったりします。なので、有料プランに加入して、データをぽいぽい入れてしまうともう辞められなくなります。無料プランに戻すと、このデータたちの行き場が無くなりますからね。



さらにどこでもどの端末でもデータにアクセスできる利便性もあるので、本当に辞められなくなる、ある種恐ろしいサービスだと思います。そこに目を付けたAppleは、本当に凄いですね。まさしく孔明の罠。

おまけ







おわり