- デスクトップ検索機能としての『Spotlight』と『Alfred』を比較した!
- Alfredは狙ったものを確実に高速検索できるのが魅力!
- Spotlightは関連するものを網羅的に検索できるのが魅力!
AlfredもSpotlightも活用しようず!
macOS標準搭載の『Spotlight』と、サードパーティー製の『Alfred』という、2つのランチャーアプリ(デスクトップ検索機能)を比較してみます。
面白いですわね。
どっちも便利やもんね。
目次
Alfred vs Spotlight
本題に入る前に、まずは簡単に『Alfred』と『Spotlight』について簡単に解説します。
『Alfred』とは?
『Alfred(Alfred 4)』とは、デスクトップ検索・スニペット・ホットキー・ワークフローオートメーション等をワンパッケージにまとめたサードパーティー製のアプリ。いろいろ機能がありすぎるので、ひとことでまとめると“超多機能なランチャーアプリ”と思ってもらえれば大丈夫です。
本稿では、その豊富な機能の中から『デスクトップ検索』と『ランチャー』という機能に注目して、macOS標準のSpotlightと比較していきます。
『Spotlight』とは?
『Spotlight』とは、macOSに標準搭載されているデスクトップ検索機能。
macOSのファイルシステムでは、ファイルの内容に加えてメタデータも管理されており、それをデータベース化(SQLite)して活用したのが、このSpotlightです。このSpotlight検索機能は、Mac OS X Tigerで初採用され、その後はiOSやiPadOSでも採用されているメジャー機能のひとつとなっています。
5番勝負
[1]検索速度
1つめの比較は、デスクトップ検索そのものの速度。
比較テストとして、AlfredとSpotlightの両方で「Adobe」と入力。そのデスクトップ検索結果を、24pの動画でキャプチャして、フレーム遅延時間200msのGIF動画にコンバート。それを基に、文字入力から発火までの速度を調べてみました。
その結果は、
- Alfred:1コマで発火
- Spotlight:3コマで発火
…という結果に。
デスクトップ検索の結果が表示されるまでのラグをコマ数で伝えてもピンと来ないかもしれませんが、実際に両方使ってみると、明らかにAlfredのほうが高速レスポンスです。このAlfredとSpotlightのレスポンスの差は、誰もが気づくであろうポイントでしょう。
Alfredのレスポンスに慣れると、Spotlightが遅く感じるのであーる。
[2]電卓機能
2つめの比較は、電卓機能。
電卓機能そのものは一緒で、加法なら+、減法なら-、乗法なら*、除法なら/、と記載して四則演算を行います。
ただ、計算後にEnterを押下したあとの挙動が異なり、
- Alfred:計算結果をクリップボードにコピー
- Spotlight:計算結果を『計算機』アプリで表示
…となっています。
好みはあるけど、Alfredの計算結果をクリップボードにコピーする挙動のほうが、実際に使っていると便利な感じはするかなー。
[3]ファイル検索
3つめの比較は、ファイル検索を中心とした検索性。
一例として、「atom」(もしくは「'atom'」)と入力して、その挙動と検索結果について比較してみました。すると、AlfredとSpotlightで、まったく異なるアプローチが出るという面白い結果が見えてきました。
Alfredは純粋にファイル検索をする挙動。
Alfredで「atom」や「'atom'」と入力すると、シンプルに“atom”という文字列が入ったファイルをFinder内から探し出してくれます。
Spotlightはさまざまな場所から検索する挙動。
Spotlightで「atom」と入力すると、“atom”に関連するものをApp Store、辞書、フォルダー、ファイル…といたるところから探し出してくれます。ウィンドウ一番下には、Finderを展開して、そこで検索した文字列のファイルを再検索もできます。
Alfredもシンプルでいいけど、網羅的に検索するって考えると、Spotlightのほうがより便利な感じがするーる!
[4]ウェブ検索
4つめの比較は、ウェブ検索の充実度。
基本的には、AlfredもSpotlightも使い方は一緒で、ウィンドウ内の入力欄に任意のテキストを入れるだけ。ただ、単にウィンドウにテキストを入力するだけだと、うまくいかないこともある(ウェブ検索でなくファイル検索をしてしまう)ので、確実にGoogle検索等のウェブ検索を行いたい場合はひと工夫が必要です。
確実にGoogle検索を行いたい場合(例:FooBar)は、
- Alfred:「google 'FooBar'」と入力 → Enter
- Spotlight:「FooBar」と入力 → ⌘ command + B
…と入力すれば、デフォルトブラウザでGoogle検索をしてくれます。
なお、Alfredでは、
- Yahoo!でウェブ検索:「yahoo 'FooBar'」
- Bingでウェブ検索:「bing 'FooBar'」
- Wikipedia内で検索:「wiki 'FooBar'」
- Twitter内で検索:「twitter 'FooBar'」
…と検索語句の前に接頭辞を指定することで、検索エンジンを指定したり、WikipediaやTwitterといったサイトを指定して検索をすることも可能になっています。
ウェブ検索のやりやすさと機能性は、間違いなくAlfredが勝っている印象ですなっ!
[5]便利機能
5つめの比較は、+αな便利機能。
結論からすると、便利のベクトルは違えど、AlfredにしてもSpotlightにしても、いろいろ面白い機能が備わっています。
Alfredの便利機能としては、
- ウェブブックマーク検索
- 辞書検索
- システム操作
…のようなものがあります。
特に便利なのが、SafariやGoogle Chromeに登録されているウェブブックマークを検索して呼び出せるという機能。これはかなり使える機能なので、Alfredユーザーならぜひ使ってほしい機能のひとつです。
Spotlightの便利機能としては、
- Siriの知識
- マップ検索
- 天気予報
…のようなものがあります。
特に便利なのが、Spotlightで天気予報がチェックできる機能。例えば、「京都市 天気」と入力すれば、ちゃんとSpotlight検索結果に京都市の天気を表示してくれます。Safariに展開せずに、Spotlight内で天気を確認できるのが大きな利点です。
AlfredもSpotlightも便利な機能はあるから、ここは臨機応変に使い分けたいところであーる。
比較した結果
今回、『Alfred』と『Spotlight』を比較して感じたのが、同じデスクトップ検索機能でも、答えまで導くアプローチや挙動が異なるということ。なので、Alfredが優秀な部分もあれば、Spotlightが優秀な部分もある…という感じです。
■分類イメージ
- Alfred:ターミナルなコマンドプロンプトっぽい = 人間主体
- Spotlight:AIアシスタントっぽい = AI主体
Alfredは、ユーザー自身が目的に応じた任意の接頭辞を入力して、お目当てのファイル等にアクセスするプログラミングライクな操作体系。
Spotlightは、入力した内容に応じてAIがそれっぽいものを探し出してくれる、文字列でオペレーションするAIアシスタントのような操作体系。
Alfredはサードパーティーらしく、小回りが効く感じが使っていて気持ちいい。SpotlightはApple純正らしく、OSの機能をフル活用した感じが面白い。…要するに、どっちも良いというわけです。ですなの。
まとめ「AlfredとSpotlightは似て非なるもの」
ランチャーアプリ(デスクトップ検索機能)である、『Alfred』と『Spotlight』。
Alfredが便利ということは知られていることですが、Spotlightも結構使える印象を受けました。アプローチが異なるので、似ているようで似てない両者。AlfredとSpotlightを両方使ってもコンフリクトはしないので、上手に併用するのがベストかもしれません。
この2つを使いこなせば、キーボードだけでいろいろできるのだっ!
おまけ
Spotlightを再評価した記事でもあった!
意外と有効活用している人が少ない印象ですからね。
せっかくのプリインストール機能なんだし、活用しないともったいないやんね。
おわり
高速検索と機能性の『Alfred』
アプリ間検索と網羅性の『Spotlight』
…そんな感じの感想ですなっ!