- 『Surface Studio 2+』は価格と性能がぶっ飛んでる
- “クリエイター向け”としては様々な点でスペック不足
- Surfaceユーザーだけど擁護できる要素がなくてツラい
Microsoftが『Surface Studio 2+』を発表しました。Surface Studioシリーズとしては、約3年ぶりの新型投入なのですが……、価格やスペックにツッコミどころがありすぎて(勝手に)困ってます。
コンセプトが良いだけに残念ですわ。
実際に使うと評価が変わるかもやけど、第一印象が悪すぎやん…ね。
目次
『Surface Studio 2+』について
本題に入る前に、簡単に『Surface Studio 2+』についてのおさらいをしておきます。
概要
- 2022年11月1日
- 719,180円から
Microsoft『Surface Studio 2+』とは、ディスプレイ一体型のAll-in-OneデスクトップPC。
Microsoft Surfaceファミリーの中で、唯一のデスクトップPCとなる本機(『Surface Hub』はデスクトップとは言えないので除外)。ディスプレイは、タッチ対応かつデジタイザーペン対応となっており、大きな液晶タブレットのように使えるのが特徴です。
公式サイトでは、「真に迫るグラフィックを手に入れる」や「アイデアを自由にひらめかせる」との記載があるので、少なくともクリエイターをターゲットとして意識していることは間違いないでしょう。
スペック
Surface Studio 2+ | |
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プラットフォーム | |
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OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Core i7-11370H |
dGPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU └ 6GB GDDR6 |
RAM | 32GB └ DDR4 |
SSD | 1TB |
ディスプレイ | |
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画面パネル | LCD └ PixelSense Display |
画面サイズ | 28インチ |
画面解像度 | 4,500×3,000 |
表示色 | 10億色 |
コントラスト比 | 1,200:1 |
色域 | sRGB/DCI-P3サポート └ カバー率非公表 |
その他 |
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カメラ | |
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フロントカメラ | 1080p |
Windows Hello | 対応 |
コミュニケーション | |
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無線LAN | Wi-Fi 6 |
有線LAN | 1000BASE-T |
Bluetooth | Ver. 5.1 |
インターフェース | |
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データ | Thunderbolt 4 ×3 USB 3.2 Gen 1 Type-A ×2 |
ビデオ | (Thunderbolt 4 ×3) |
オーディオ | φ3.5mm AUX ×1 |
ネットワーク | RJ45 ×1 |
『Surface Studio 2+』のツッコミどころ
この『Surface Studio 2+』の価格やスペックに目を通したところ、「あれ?」と思うことが多々あったので、それをこれからツラツラと列挙していきます。
本来、購入していないのにアレコレ言うのは、宜しくないことだと重々承知しています。ただ、どうしても“ツッコミどころ満載”だったので、我慢ができませんでした。
購入者ならびにMicrosoft様には、先にお詫びしておくあーる。ごめんぬ。
……ほんと、すいません。
①価格 → 「高すぎる」
天下の『Surface』ブランドということを加味しても、前掲したスペックで、価格が719,180円からというのは高すぎます。
すいません。貧乏な私が悪いのです(僻み)。
②CPU → 「今さら第11世代なの?」
Surface Studio 2+に採用されているCPUは、『Intel Core i7-11370H』というものです。
一体型デスクトップPCなので、非力なモバイル向けCPUが搭載されていることは、百歩譲って許容します。ただ、もうすぐ第13世代Coreプロセッサが登場する(モバイル向けはもう少し先だが)のに、まさかの第11世代。そう、第12世代ではないのです。
2022年秋モデルでこのCPU(= Intel Core i7-11370H)だと、陳腐化が早まるだけでは。
③dGPU → 「古いしチョイスも謎」
Surface Studio 2+に採用されているdGPUは、『NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU』というものです。
これもCPUと同じく、なぜか少々古いものが採用されている(現行ではあるが)。とはいえ、『Ti版(GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUなど)』が搭載できないハードウェア的な理由があるかもしれないので、ここは控えめにしておきます。
本音を言えば、これだけ高価な製品なので、もう少しハイエンドなdGPUを搭載してほしいところ。
④色域 → 「非公表は困る」
sRGBとDCI-P3の色空間がサポートされていると記載があるのですが、カバー率が公表されていません。
当該色空間におけるカバー率が公表されていないと、「サポートと言われても困る」となってしまうので、ここはハッキリさせてほしいところ。クリエイター向けにも売るならなおさらです(これはAppleにも言えるが)。
⑤ HDMI/DP → 「なぜに非搭載?」
Surface Studio 2+のは、『HDMI』や『DisplayPort』の映像出力ポートがありません。
おそらく、Thunderbolt 4のDisplayPort Alt Modeで事足りるということなのでしょう。ただ、Thunderboltから出ているDisplayPortは、CPU直結の映像出力な可能性があるので、PC VR用途では使えない可能性も。なので、ここは要実機確認。
⑥USB-A → 「5Gbpsって」
Surface Studio 2+に搭載されている『USB Type-A』ポートのプロトコルは、『USB 3.2 Gen 1』です。つまり、5Gbps。
ハードウェア的な仕様かもしれませんが、10Gbps対応の『USB 3.2 Gen 2』にしてほしかったところ。2レーンなんて欲張らないので。
⑦Surface Pen → 「なぜに旧型?」
Surface Studio 2+には、純正デジタイザーペン『Surface Pen』がバンドルされているのですが、なぜか旧型なのです。
ひょっとして、『Surface Slim Pen 2』を充電する機構がないから……とかかもしれません。それはそれは困りますが。
⑧Surface Dial → 「付属して」
Microsoft純正の左手デバイス『Surface Dial』ぐらい、バンドルしてほしかったところ。
そもそもが72万円もするデバイスなので、ケチらずにお願いします。
「こういうのが欲しい!」な人はどうすれば?
「そうは言っても、『Surface Studio 2+』みたいなデバイスが欲しい!」というのであれば、『Wacom Cintiq Pro 27(液晶タブレット)』と『ZOTAC ZBOX E(小型ベアボーンPC)』の組み合わせが良き。
『Wacom Cintiq Pro 27』は色域も公表されており、DCI-P3カバー率98%・Adobe RGBカバー率99%、と言うことナシの仕様。画面解像度はSurface Studio 2+には劣りますが、それでも4K UHDはあります。そして、何よりもデジタイザーペンのプロトコルが『MPP』と『EMR』では、天と地ほどの差があるので。
どうしても一体型にしたいなら、dGPU搭載のIntel NUCや小型ベアボーンをVESAでマウントすればよいわけです。ちなみに、『ZOTAC ZBOX E MAGNUS EN153060C』なら、小型ベアボーンでありながら、NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPUが搭載されております。
筆者としては、液晶タブレットとPCでは陳腐化の速度が大きく異なるので、モバイルしないのであれば、別々にしたほうが運用上良いと認識しています。減価償却資産の耐用年数を考えると、すぐにダメになってしまうのも問題ですので。
まとめ「いろいろ謎すぎる」
『Surface Studio 2+』、いろいろ不思議すぎて……よく分かりません。
筆者は『Surface Laptop Studio』ユーザーなのですが、こちらと比べると、手抜きと言っては失礼ですが、「3年の期間があったのだから、もう少しブラッシュアップできたのでは?」と思ってしまいます。
実は、『Surface Studio 3』で大幅アップデート、という大逆転劇があるかもしれませんが…ね(今回はあくまで“2+”ですし)。
……コメントしづらいあーる。
おまけ
実は凄く良かった!
……とかだと、いいなー。
投げましたわね。
こればっかりは、ね。
おわり
……いろいろ、ごめんぬ。