いちアドオンに悩まされる…。
Webの世界で切っても切れないのが“広告”です。そして、それをブロックするのが『Adblock』ですが…これは“悪”で”違法”なのでしょうか。
目次
『Adblock Plus』とは
広告ブロック機能自体は、アプリやブラウザーのアドオンとして提供されています。その中でも、特に有名なのが『Adblock Plus』でしょう。
『Adblock Plus』のような広告ブロック機能を使うと、非常にブラウジングや動画視聴がサクサクするのは事実。だからこそ、多くのユーザーが利用しているのでしょう。
前述の通り、Web上のありとあらゆる広告をブロックできます。最近では、『Adblock Plus』をオフにしないとWebサイトを表示させないようにする対抗策もありますが…。
この問題は、なかなかに根深いものだと思います。
要するに、『Adblock Plus』に始まる広告ブロック機能は、ユーザーと運営側の“思惑の乖離”があるわけですね。
広告ブロックは“違法”か否かの判例
「広告ブロックは違法だ」
そのように言う人もいます。
当然ですが、そう思うのは運営側の人が多いでしょう。
2018年4月、独のメディア企業『Axel Springer』が、Adblock Plusの開発元であるeyeo GmbHを、“広告ブロックは違法”だとして訴えていた裁判の判決が下されました。
結局、ドイツ連邦最高裁は『Adblock Plus』を合法との判決を下しました。つまり、あくまでドイツにおいては“違法性ナシ”ということです。
どうして“悪”として批判されるのか
どうして、広告ブロックが裁判になるくらいに問題化し、悪者として批判されるようになったのでしょうか。
- 広告へのアンチテーゼと対立構造
- ビジネスモデル自体への疑問
があるような気がします。
理由1.広告へのアンチテーゼと対立構造
1つ目の理由は、Webサイトの執拗な広告をに対するアンチテーゼだと思います。
広告ブロックがここまで人気を博した理由にもなりますが、広告が露骨に多いサイトや、非常にユーザーに不親切な表示をするサイトがあります。それを“悪”と思う層と、それを消そうとする『Adblock Plus』を“悪”とする層の対立構造があります。
どちらがどうとは言えないですが、生産活動の阻害をする『Adblock Plus』を“悪”と、サイト運営側は少なくとも思うでしょう。
理由2.ビジネスモデル自体への疑問
2つ目の理由は、『Adblock Plus』のビジネスモデル自体への疑問があるということだと思います。
一部で批判されるのは、開発元への利益の流れ方でしょう。
この辺の詳しい背景は、Wiredの『普及する広告ブロック:ウェブビジネスは生き残れるのか』に書かれています。
端的に言うと、「広告ブロックをして欲しくないなら、表示してあげるぶんお金をください」ということです。要は、開発元のeyeo GmbHにマージン的なお金が発生するということです。
ユーザーというよりは、広告事業主が目の上のたんこぶとして見ているということです。
コンテンツがタダなのには理由がある
話は変わりますが、多くのWebコンテンツは“無料”です。
無料コンテンツではありますが、どこがで利益を出さなければなりません。もちろん、趣味やボランティア的な運営は除きます。
広告ナシの有料コンテンツを見るか、広告アリの無料コンテンツを見るか…ユーザーにとっては、どちらが幸せかということです。
あるべき姿のWeb広告とは
そもそも、広告ブロックがここまで使われるのは、“やり過ぎな広告”が蔓延したからでしょう。
本来あるべきWeb広告の姿は、ユーザーにも運営側にもメリットがあるスタイルです。言うのは簡単ですが、実際は難しい面が多いですがね…。
広告をクリックしないと進めないものや、非表示ボタンが意図的に小さくされているものがなくなれば、多少はユーザーフレンドリーなWeb広告になるとは思います。
総評:広告ブロックが不必要になる形が理想か
誤解を恐れず言うと、広告ブロック機能はなくなるのが理想です。
Web広告の健全化が望ましいということです。
正直、『Adblock Plus』を使いたくなるレベルで、酷い広告を出すサイトも少なくありません。その酷い広告手法こそが“悪”であり、Adblock Plusは悪でないかも知れません。
ドイツの判例もそうですし、広告のあり方について問われているかも知れません。
広告ブロック機能が不要になるくらいの、健全化されたWeb広告とサイト運営が100%になればよいのですが…。
おまけ
全ユーザーが良しと思わないかも知れませんからね。
おわり
Source:Adblock Plus