- 5Gスマホの買い替え時期を2つの側面から考察する!
- ネックはやはり5G対応エリアの狭さ!
- DSSで5Gエリアは増えるが5Gの覚醒は数年先!
まだ5Gに大きな期待はすべきでない?
国内MNO(大手キャリア)3社が5Gのサービスを開始した。その3社の発表を見ると、「5Gは凄い!速い!ARとVRだ!!」と大きな期待と夢を膨らませてしまう。そうなれば、やはり5G対応スマホに買い替えたいところ。…そこで、買い替え時期を考察してみます。
やっぱ、そこやんね。
速度が期待できるSAコア化もまだですからね。
目次
5G対応スマホの買い替えはいつにすべき?
国内MNOの3社が、いよいよ5G商用サービスを開始した。
そこで思うのが、すでにMNOユーザーの場合は5G対応スマートフォンにいつ買い替えるべきか。そして、MVNOユーザーはこのタイミングに乗じて、5G回線があるMNOへの移行をすべきか。そのような“5Gスマホ買い替え時期問題”が生じてくる。
そこで、どのタイミングで5G対応のスマホに乗り換えるのが良さそうか。
これをデバイス(スマートフォン)としての5Gの側面からと、セルラー通信(5G通信網)としての5Gという側面。この2つの面から紐解いてみたいと思います。
もちろんギークなら買いだけど、一般層となると話は別だからねー。
デバイスとしての5G
そういうわけで、まずはデバイスとしての5Gから。
SIMフリースマホ全盛の時代ですが、5Gに対応したスマホのラインナップを見ていると、SIMフリー版はかなり少ない。なので、当面はMNO(大手キャリア)が販売している端末(キャリアスマホ)を購入するのが一般的な流れになるはず。
5Gに対応させるには、複雑化された相互接続性試験をパスしていかないといけないからねー。5G対応SIMフリースマホが続々登場するにはまだ先だと思う。
これから、ですわね。
5G対応スマホとセルラー通信
arrows 5G | Xperia 1 II | AQUOS R5G | Galaxy S20 5G | Galaxy S20+ 5G | LG V60 ThinQ 5G | OPPO Find X2 Pro | Mi 10 Lite 5G | ZTE a1 | ZTE Axon 10 Pro 5G | OPPO Reno3 5G | Mate 30 Pro 5G | ||
販路 | docomo | docomo au |
docomo au SoftBank |
docomo au |
docomo au |
docomo SoftBank |
au | au | au | SoftBank | SoftBank | (SIMフリー) | |
5G通信 | Sub6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ミリ波 | ○ | - | - | - | ○ | - | - | - | - | - | - | - |
日本国内で購入可能な5G対応スマートフォン一覧表。
※2020年3月28日現在。
日本で購入可能な5G対応スマホをまとめてみると、上表のようになります。ご覧のとおり、ほとんどがキャリアスマホという結果。
ここで注目しておきたいのが、『Sub6』と『ミリ波』という2つの5G専用の周波数帯。
どちらも4G時代よりも高速な通信が可能ですが、 5G = 超高速 というニュアンスでいうなれば『ミリ波』に対応しておくと、なお良いでしょう。ただ、このへんの5Gの周波数帯については、後述するように現段階ではシビアになる必要性は少ないとも言えます。
基礎スペックを見ると超優秀
「ミリ波に対応してないスマホばかりでガッカリ」と思う人もいると思いますが、スマホ単体のスペックだけを見ると、5G対応スマホというのは非常に魅力的。
これは至極当然の流れですが、5G対応スマホというのは、各社の力の入れどころであるフラグシップ級の位置付け。なので、5Gエリアの問題などを差し引いても、非常に端末として魅力度が高いスマホと言えるはずです。
スペックは凄いから、5G対応がオマケぐらいって感じでっ!
それってアリなん…!?
セルラー通信としての5G
そして、いよいよ肝心のセルラー通信としての5G。
5Gはエリアが…なんて言われていますが、まさにそこが問題だったりします。スマホだけが5Gに対応しても意味がないので、キャリア選びも含めてセルラー通信としての5Gには注意を払っておくほうがよさそうでしょう。
課題も多いけど、ここが楽しみだったりするんだよねー!
5G対応エリアは極狭
NTTドコモ・au・SoftBankの3社とも、5Gはスタートしていますが、その対応エリアは極狭なのが現状です。
上記が各社の5G対応エリアが書かれたものですが、意識して5G対応エリアを探すぐらいでない限り、ピクトアンテナで5Gをお目にかかることはないでしょう。
もちろん、各社とも5G対応エリアは増やしていくことを明言しています。しかし、現在の4G通信網のようなテンションで5G通信網が使えるのは、まだまだ先の話だと思っていてよさそうです。
5G対応エリアはDSSで広がる
そんな5G対応エリアの狭さ問題ですが、『DSS(ダイナミックスペクトラムシェアリング)』という技術が法整備で利用可能になれば、一気に広がっていくことが予想されています。
この『DSS』とは、端的に言うと、現在4Gに割り当てられている周波数帯で5G通信ができるように転用しちゃおうという技術のこと。
このDSSが利用可能になれば、4Gエリアが一気に5Gエリアにもなるので、スマホのピクトアンテナで“5G”となるのを見かけることが当たり前になるはず。どうやら、DSSに関してはNTTドコモだけ慎重な姿勢を取っており、auとSoftBankは採用していく方向とのこと。
ただ、DSSでの5Gの周波数帯は、既存の4G周波数帯を5Gに転用しただけ。なので、5G対応エリアは広がるけれども、5Gらしい高速さの恩恵は受けづらい。なので、このDSSは5G本格化の補助的措置だと思っているぐらいがよさそうでしょう。
Sub6とミリ波のエリア化は大変
DSS技術で4G周波数帯の5G転用ができたとして、やはり5Gらしさの速度を求めるには『Sub6』と『ミリ波』の進捗は気になるところ。
ところが、『ミリ波』はセルラー通信としてはかなりの高周波ということもあり、とにかく障害物に弱かったり、遠くまで電波が飛ばないという技術的ハードルが立ちはだかっている状況。
そして、先行してスタートしている『ミリ波』に関しても、他用途で利用されているものとの電波干渉が生じており、思ったよりもエリアが困難だそう。
そういった技術的ハードルが生じている状況から、5Gらしい高速大容量通信がどこでもできるというのは、まだまだ厳しい状況でしょう。おそらく、スタジアムやライブ会場などの局地的な通信にのみ、これらが使われるという感じに当面はなりそうです。
5Gのネットワークが、NSA(ノンスタンドアローン)からSA(スタンドアローン)になるのも数年かかるみたいだし、このへんはもうちょい待ちになりそうですなー。
5Gに過度な期待は“まだ”しない
デバイスとセルラー通信という2つの面から、5G対応スマホへの買い替え時や導入時期を考えてみましたが、“まだ”5Gには期待できないというのが本音。
まだサービス開始してすぐということもあり、 5G = 革新的な技術的ブレイクスルー とある意味では幻想を持っているはず。しかし、実際には5Gの対応エリアが狭いこと、Sub6とミリ波の技術的ハードル、ミリ波非対応スマホの多さなどを考えていくと、変に期待値が高かったぶん現状にガッカリしそうな予感がしています。
とはいえ、これから5G化が進んでいくのは明白。なので、5Gの動向を一緒に見守っていく感じが好きと思うのであれば、すぐに5G対応スマホに買い替えというのも案外悪くない選択肢でしょう。逆に言えば、5Gらしい5Gを求めているのであれば、買い替え時期はまだ先でもよいということになります。
楽しめる余裕があれば、という感じですね。
んー、そういう結論になりますなー。
まとめ「一般ユーザーの買い替え時はまだ先」
今回の話を総括すると、
- 端末自体はハイスペックで魅力的
- 端末のミリ波非対応の多さは気になるようで気にならない
- 5G対応エリアはまだまだ狭くて実用的でない
- どこでも5G化のカギは『DSS』
- 5G期待のSub6とミリ波はかなり厄介
という感じでしょう。
つまり、まだまだ5Gをフル活用はしづらいので、一般ユーザー的にはそこまで急いで5G対応スマホに買い替えなくてもよいと思います。ん?ギークは当然、買い替えもアリ。でも、それとこれとは話が別ですからね。
あとはどのキャリアにすべきか問題があーる……。
おまけ
それで、どうするのですか?
スマホも選ばないとなわけやもんね。
スマホに刻印されるロゴが微妙だけど、今のところはNTTドコモで契約…かなー!?
おわり
問題はエリアの狭さなんだよねー。