- カーネル拡張機能の廃止により『Dropbox』が大幅な仕様変更
- Apple API導入により一部機能は恒久的なシャットダウン
- 一部のユーザーにおいてはクリティカルな問題が生じる可能性
Appleが実施したmacOSにおける、カーネル拡張機能の廃止、File Provider APIの仕様変更、これらによるクラウドストレージ『Dropbox』への影響を整理しておきます。
うーん、かなり大きな影響やんね。
しかも、これらはApple側の仕様変更なので、他のクラウドストレージでも同様のことが起こるわけですね。
DropboxがFile Provider APIを導入する経緯
Dropbox for macOSに仕様変更があり、専用のカーネル拡張機能の利用を中止し、新たにAppleのFile Provider APIを導入します。
これは、Dropbox for macOSが利用していたカーネル拡張機能が、macOS Monterey 12.3にて廃止されたためです。このカーネル拡張機能は、DropboxとMicrosoft OneDriveで利用されておりましたが、macOS側の仕様変更により、双方ともシステム刷新を強制的に実施する必要が出てきました。
このカーネル拡張機能の廃止に伴い、Appleは『File Provider』フレームワークへの移行を促しております。当然、専用のカーネル拡張機能が廃止されてしまったため、クラウドストレージを提供していく上で、File Provider APIの導入は必須となっております。
このような経緯から、Dropbox for macOSでFile Provider APIが導入された、というわけなのです。ですなの。
ちなみに、Dropbox for macOSを再起動すると、強制的にFile Provider APIを採用したバージョンに置換されるようですな。
回避することはできない、ということですね。
File Provider API導入前後での仕様比較
| 仕様変更前 (カーネル拡張機能) |
仕様変更後 (File Provider API) |
FinderでのDropboxフォルダの表示位置 | お気に入り | 場所 |
Dropboxフォルダの格納場所変更 | ||
外部ドライブへのDropboxフォルダの保存 | ||
System Photo LibraryをDropboxへ保存 | ||
備考 |
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Dropbox for macOSのFile Provider API導入により大きく変わるのが、①FinderでのDropboxフォルダの表示位置、②Dropboxフォルダの格納場所、③外部ドライブへのDropboxフォルダの保存、④System Photo LibraryをDropboxへ保存、という以上の4点。
とりわけ、③外部ドライブへのDropboxフォルダの保存、については注意が必要で、Dropbox for macOSのFile Provider API導入により、外部ドライブへのDropboxフォルダへの保存はサポートされなくなります。
また、Dropboxと連携しているアプリケーションについては、指定しているディレクトリを再設定しなければならない可能性があります。ですので、この点に関しても注意が必要です。
まとめ「“Appleの所為”が結論」
専用のカーネル拡張機能の利用を中止し、新たにAppleのFile Provider APIを導入した。
利用していたカーネル拡張機能が、macOS Monterey 12.3にて廃止されたため。
- FinderでのDropboxフォルダの表示位置
- お気に入り → 場所
- Dropboxフォルダの格納場所変更
- 対応 → 非対応
- 外部ドライブへのDropboxフォルダの保存
- 対応 → 非対応
- System Photo LibraryをDropboxへ保存
- 対応 → 非対応
これらのDropbox for macOSにおける仕様変更については、Appleが決定した事項によるものです。なので、Dropbox側はどうすることもできません。
また、同じく専用のカーネル拡張機能を利用していた『Microsoft OneDrive for macOS』についても、今回のDropbox for macOSと同様のことが言えます。
なかなかに面倒なことになっているあーる。
おまけ
サードパーティアプリでの指定しているディレクトリを再設定、これが面倒ですな。
しかも、ヒューマンエラーが起こりそうですわね。
Appleに振り回されてる、って感じやね。
おわり
……こんな感じなのであーる。