Mac搭載『T2チップ』—自社製CPUとApple新時代の幕開けへ

Mac搭載『T2チップ』—自社製CPUとApple新時代の幕開けへ
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Apple信長の野望。

iMac ProやMacBook Pro 2018に搭載されている『T2チップ』というプロセッサー。このT2チップ、可能性は未知数。そして、Appleの“野望”が…!?

まの
野望…ですか?
さたえり
T2チップって、主にセキュリティーに使われているアレやんね?
四条ねこ
そうそうー!
このT2チップや、iPhoneのAチップから推測すると…野望が見えてくるぞー!

はじめに

はじめに

本題に入る前に、少しだけ『T2チップ』について解説しておきます。知っている人は、読み飛ばしてもらって構いません。

T2チップとは

この『T2チップ』というのは、Appleが“自社”で開発した独自プロセッサーです。

後述しますが、現在のところセキュリティー関連の制御を主に行っています。また、ベースはARMアーキテクチャーです。

四条ねこ
この『ARM』を採用しているのは、スマホ・タブレットが多いよー!
例えば、Snapdragonや、AppleのAプロセッサーシリーズもARMだよ〜!

T2チップは現在のところ、Macシリーズでは『iMac Pro』と『MacBook Pro 2018』に採用されています。おそらく、今後は更に搭載機種が増えてくることが容易に想像できます。

T2チップの役割

そんなApple謹製のプロセッサーであるT2チップは、以下のような役割も持っています。

T2チップの役割

  • Secure Boot
    • Full Security
    • Medium Security
    • No Security
  • External Boot
    • Disallow booting from external media
    • Allow booting from external media
  • AES Hardware

要するに、安全なソフトウェアのみ起動できるようにしたり、外部メディアからのブートを制御を可能にしています。また、カメラやオーディオ、HHD・SSDも制御できるように設計されています。

四条ねこ
セキュリティーはともかく、今回のエントリーで“ミソ”になるのが、いわゆるハードウェア制御だから覚えておいてねっ!
まの
単なるセキュリティー強化チップでは、ないということですね。

Apple独自CPUの野望

Apple独自CPUの野望

現在でこそセキュリティー専用チップのイメージが強い『T2チップ』ですが、ここから見えてくるのは、自社謹製のCPU開発です。

さたえり
そういえば、ちょっと前まではMacに自社製CPU搭載してたやんね!
四条ねこ
そうそうっ!
まだ、Intel入ってない時代だね〜!
1992年発表のPowerPC。

1992年発表のPowerPC。

そう遠くない昔、AppleとIBMとMotorola連合(AIM連合)は『PowerPC』というCPUを開発し、それをMacに採用していました。

Appleは2006年に、Intel製CPUへと移行した。

Appleは2006年に、Intel製CPUへと移行した。

しかし、消費電力などの問題から、ノートブックのMacにPowerPCを搭載することが困難と考え、2006年にIntel製CPUへと移行をした。

四条ねこ
そして、今もずっとIntel入ってる〜になってるわけだねっ!

ところが、今回の『T2チップ』をiMac ProやMacBook Pro 2018に搭載させたことによって、Appleの“自社製CPU熱”は冷めていないことが、明らかになったと思います。

iPhoneのSoCでの成功

iPhoneのSoCでの成功

OSシェアではAndroid陣営に後塵を拝していますが、メーカー別のスマホシェアでは、まだまだ強いAppleの『iPhone』シリーズ。

そんなiPhoneに搭載されているSoCは、Apple製の『Aチップ(A11など)』です。

四条ねこ
このAppleのAチップは、処理能力と消費電力の高さに定評があるんだよー!
GIGAZINEによると、『Apple A11 Bionic』にいたっては、Intel Core i5を超える性能だとかっ!
まの
そ…それは!?
あんな小さいスマホにPC並のプロセッサーが搭載されていると、感慨深いですね。
四条ねこ
だねー!
iPad Pro発表時も「一枚のスーパーコンピュータ」っていう触れ込みだったしね〜。

結果的に、スマホ・タブレット向けのSoCである『Aチップ』は、大成功と言えるでしょう。

そしておそらく、これで“味をしめた”Appleは、パソコン分野でのCPU開発にも乗り出したのでしょう。

四条ねこ
それが、今回の『T2チップ』と繋がるわけだよーっ!

Intelの凋落とApple自社製CPUの可能性

Intelの凋落とApple自社製CPUの可能性

ハードウェア制御も可能な『T2チップ』には、さまざまな可能性が秘めています。しかし、やはり一番のトピックはセキュリティーの強さでしょう。

PC界のCPUの“首領”は、言うまでもなく『Intel』です。

ところが、そんなIntel CPUの脆弱性が問題になっています。この脆弱性問題は非常にクリティカルで、訴訟問題にまで発展しています。これは完全に“設計ミス”の次元です。

さたえり
確か、8個ぐらい脆弱性が見つかったんやんね?
四条ねこ
えーと…『メルトダウン』でしょ、『スペクター』でしょ、うん…ありすぎっ!(汗)

そこで、セキュリティーに強い『T2チップ』の登場です。

もともとセキュリティーのことを考えられて設計されたT2チップならば、かなりセキュリティーに強固なCPUへとなり得るのではないでしょうか。無論、脆弱性があれば話は別ですが…。

四条ねこ
ただ、私は以前のPowerPC時代のように、Macに自社製CPUしか搭載しないとは思わないんだけどねー。
まの
そうなんですか?その心は?
四条ねこ
タイトルで「Intelの凋落」とか言っちゃったけど、IntelはIntelでやっぱり良い部分は多いしねー。そんなメリットをいきなりバッサリ捨てるのも、考えにくいんじゃないかなー?

総評:『T2チップ』が本当の“脳”になる?

総評:『T2チップ』が本当の“脳”になる?

いろいろ“邪推”をしましたが、私は『T2チップ』とIntel CPUは共存すると思っています。

追加すると、Intel CPUという脳をコントロールする“本当の脳”が『T2チップ』になるのでは、という推測です。

Intel CPUをも制御するのが『T2チップ』になる?

Intel CPUをも制御するのが『T2チップ』になる?

Intelの高性能なCPUや、SSD、オーディオ、これら全てを司る“本当の脳”こそ『T2チップ』の可能性であり、Appleの野望よる新時代の幕開けかも知れません。

四条ねこ
そうすれば、Intel CPUも余分な処理をせずに、そのCPU性能をフルフルに活用できる気がするしねー!
まの
どうなるかは未知数ですが、こういうのも面白いですよね!ギーク的にはそそりますし。

こういうデュアルCPUもアリなはず。

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おまけ

四条ねこ
どっちにしても、『T2チップ』がどう活用されていくかは、これから要チェックだねー!
さたえり
そうやんね!
最新の『MacBook Pro 2018』にも採用されたわけやし、これからが気になるやんね!
まの
それこそ、iFixitぐらいが盛大に分解して欲しいですね。
四条ねこ
忌まわしき『バタフライ構造キーボード』も分解して、第3世代になっているのを見つけてくれたし、やってくれるでしょー!
まの
という他力本願です。
四条ねこ
あははー(汗)
さたえり
人柱する余裕ないんやもんね。うちの編集部(泣)

おわり