- コントローラーがMarvell製。
- SSDの中でも安価で入手しやすい。
- DRAMキャッシュ搭載。
- キャッシュの詳細が不明。
- 超弩級な高速SSDではない。
安価だけどMarvell。
フラッシュメモリーで有名なKingstonから発売されているSSD、『UV500』をレビュー。安価なSSDですが、Marvell製コントローラーを搭載していることもあり、注目に製品かも?


Kingston自体は、DRAMモジュールで世界1位のシェアのようですね。

そんなトップランナー企業のコスパ重視SSDってことですな〜♪
目次
Kingston『UV500』とは?
UV500のポイント
- Marvell製コントローラー搭載。
- 正規代理店5年保証。
- 自己暗号化ドライブ『TCG Opal 2.0』対応。
- 容量を5種類(120GB〜1.92TB)まで幅広くラインナップ。
- フォームファクターが3種類(2.5″・M.2・mSATA)ラインナップ。
今回レビューするのは、Kingstonから発売されている『UV500』シリーズのSSD。UV500シリーズ自体は、3つのフォームファクターに対応していますが、今回Kingston様から提供してもらったのは2.5インチ版です。

Kingstonってどちらかと言ったら、コスパ重視なSSDって印象だよね〜!
本体
表面にはKingstonおなじみの“赤い顔”(レックス)がデカデカとエンボス加工でお出まし。あ…このSSDのは……赤くないや。それはともかく、シャーシ(筐体)は、アルミ製でした。
裏面には製品型番やシリアルらしき記載など、情報が書かれたシールが貼付されています。

レビューの最後で、SSDを分解してチップを確認しているよー!(保証が失効するから、良い子は真似しないでね)
ココがGOOD
価格:安価でコスパも高い
SSD自体の価格が数年前に比べると、びっくりするくらい下がっているが、それを考慮してもUV500は比較的安価な部類に入る。
今回レビューしている240GBなら4千円弱、960GBなら1.3万円弱、とかなりのコストパフォマンスの高さ。価格重視なら、これだけでも購入の決定打になりえるかもしれない。
TBW:公表していることを褒めたい
Kingston『UV500』のTBW(Total Byte Written)は、
- 120GB:60TB
- 240GB:100TB
- 480GB:200TB
- 960GB:480TB
- 1.92TB:800TB
となっている。
TBWが特別長いわけではない(低いわけでもない)ですが、こうやってメーカーで寿命を公表していることが嬉しいところ。TBWやコンポーネントを公表することによる信頼性の確保が、Kingstonにはなされているということです。さすがは老舗。

TBWについては、SSDとは何かの記事で解説してるよー!
ココがBAD
排熱:熱伝導シート未貼付
UV500の筐体はアルミ製なので、排熱に配慮しているものと思われる。ただ、基板から出る熱を伝えるためのサーマルコンパウンドなどが見当たらなかった。なくても大丈夫との判断かもしれないが、気分的にはせっかくのアルミ製筐体を活用してほしかったところ。

うーむ…謎あーる。
ベンチマーク
CrystalDiskMark
ベンチマークとして、まずは定番の『CrystalDiskMark』を使用しました。
容量による結果の差分を見るため、一般的な1GiB(ギビバイト)に加え、50MiBが32GiBといった幅を持たせてベンチマークを計測しました。
50MiB
読み込み | 書き込み | |
シーケンシャル | 539.9MB/s | 520.6MB/s |
ランダム | 309.1MB/s | 225.1MB/s |
CrystalDiskMark(50MiB)のスコア。
シーケンシャルの読み書き速度を見ると、しっかり公称値どおりの転送速度が出ています。
1GiB
読み込み | 書き込み | |
シーケンシャル | 540.4MB/s | 520.3MB/s |
ランダム | 297.9MB/s | 256.9MB/s |
CrystalDiskMark(1GiB)のスコア。
一般的な1GiBで計測しても、しっかり公称値どおり。
4GiB
読み込み | 書き込み | |
シーケンシャル | 538.1MB/s | 416.8MB/s |
ランダム | 281.1MB/s | 205.0MB/s |
CrystalDiskMark(4GiB)のスコア。
4GiBで計測しても、1GiBとほぼ変化なし。おそらく、キャッシュが効いているのでしょう。
16GiB
読み込み | 書き込み | |
シーケンシャル | 537.4MB/s | 437.1MB/s |
ランダム | 162.6MB/s | 219.2MB/s |
CrystalDiskMark(16GiB)のスコア。
16GiBにもなると、ランダムリードが下がり始めています。
32GiB
読み込み | 書き込み | |
シーケンシャル | 536.2MB/s | 357.8MB/s |
ランダム | 162.9MB/s | 217.2MB/s |
CrystalDiskMark(50MB)のスコア。
最後は32GiB。さすがに、ランダムリードは16GiBより下がったものの、思ったよりも検討した印象でした。

キャッシュとMarvell製コントローラーのおかげですな〜。
AS SSD Benchmark
お次は、『AS SSD Benchmark』というベンチマークソフトの結果を載せておきます。
全体のスコアは823でした。当然、高価なSamsungやIntelのSSDにはスコア負けしますが、安価なSSDとしては悪くない数値と言えます。
補足
内部コンポーネントのチェック
SSD分解の際の注意点
UV500を分解すると保証が受けられなくなります。購入ユーザーは決して真似しないでください。

分解してみたし、コンポーネントをチェックするぞー!
アルミのシャーシ内にある青い基板がSSDのキモ。2.5インチ筐体に対して半分ぐらいのサイズ。非常にゆとりのある感じになってます。やはり、SSDはコンパクト。
NAND型メモリーコントローラー
UV500のNAND型メモリーコントローラーは、Marvell製『Marvell 88SS1074』でした。こちらはスペック表に書かれているとおり。
Marvell 88SS1074自体は、わりとハイエンド向け(発売時)なNAND型メモリーコントローラーで、28mmプロセス・4チャンネル接続となっている。実際、NAND型フラッシュメモリーが4つ搭載されているので、しっかり4チャンネル接続の恩恵が受けられているはず。
NAND型フラッシュメモリー
UV500のNAND型フラッシュメモリーは、Kingston製『FH64B08UCT1-60』でした。おそらく、こちらは刻印はKingstonですが、TOSHIBA/SanDisk BiCS3 64層3D TLC NANDと思われる。

ハイフン以降の末尾の数字は、おそらくNANDフラッシュの容量だね〜♪
DRAMキャッシュメモリー
UV500のDRAMキャッシュメモリーは、Kingston製『H11367-01』でした。ただ、全然情報がなくキャッシュの容量も不明。価格帯から考えて、Nanya製ではないかと予測しますが…謎。
まとめ「超弩級ではないがコスパ優れるSSD」
KingstonのSSD『UV500』をレビューしてきましたが、比較的安価なSSDなので、超弩級…というわけではありませんでした。ただ、公称値どおりの読み書き速度は出ていましたし、費用対効果は高いと感じました。
SSDのキモとなるコントローラーもMarvell製ですし、キャッシュが搭載されています。ですので、古いノートのHDD換装用や安価に自作PCを組む際におすすめなSSDだと言えます。

高いお金は出せないけど、平均的以上のSSDが欲しいなら良きですな〜♪
おまけ

5千円以下で、ここまで安定した速度が出せるSSDが売っている時代になってのですな〜。

良い時代になりましたね。CPUも安価で高性能なものが増えましたし。

しかも、選択肢が幅広くなったよねっ!
おわり
おなじみの“例の顔”がドドーンっと!